国土交通委員会視察、クライストチャーチ

こみやま泰子

 衆議院国土交通委員会で、震災被害のあったニュージーランド、クライストチャーチと、津波被害のあったインドネシア、アチェを訪問視察しました。
 9日、ニュージーランド、クライストチャーチに到着して、先ずは市内を回る。正直、考えていた以上に地震による建物と液状化の被害がありました。また領事館の方から大きな余震も頻発していると聞かされ、その後実際にM5.5の地震に遭遇。よく見ると宿泊先ホテルのエレベーターホールは各階が足場を組む鉄パイプで、天井を支えているし、部屋の床に傾斜がある様子。観光が大きな産業であるクライストチャーチの復興がラグビーワールドカップのALL BLACKSの快進撃と共に早まることを願っています。
 一番被害の大きかったレッドゾーン(立ち入り禁止区域)へ入っての視察では、まず始めに、23名の邦人犠牲者を出したCTVビル跡地で伴野委員長が代表して献花、視察団全員で黙祷。これまでも多くの遺族、参議院副議長の花やメッセージが捧げられている一角は未だに哀しみや家族の哀悼を感じて、目頭があつくなりました。
 10日。本年2月22日の震災ついて、カンタベリー震災復興院(CERA)でイサック副総裁からご説明お聞きしました。
 被害額150億ニュージーランドドルとGDP比8%にのぼる被害で、復興には300億ニュージーランドドルという巨額の費用が必用と見積もられ、内、55億ニュージーランドドルを国が負担、その他は民間と保険で賄われる見込みだそうです。
 復興の地域はグリーン、オレンジ、イエロー、ホワイト、レッドゾーンと被害の大きさ、建物の再利用の目処から撤去再建など判断していました。
 興味深いのは復興院に民間のニュージーランドビッグ4の建設会社が正式に入り、全面に出てきたことでした。日本であれば、表で仕事すると癒着とか利益誘導になるのではないかと見られそうなところですが、当地では、震災後、役所の縦割りで対応が遅れたとの認識があり、サットン総裁も電力会社出身で、各専門の会社を集めることに合理性が認められての設置なのだと思います。
 「掘るのは一回、正しいところを掘れ。」無駄のない工事を目指していることの伺える言葉が印象的でした。

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