【プレス民主 号外 2007年3月版-2】

こみやま泰子

 本年度予算案が3日午前3時52分、衆議院本会議で採択されました。
 とても長い一日でした。衆院事務局によると、予算案が午前0時を超えて未明に衆院本会議で採決される事態は、池田内閣の所得倍増計画に基づく最初の予算案が採決された1961年以来46年ぶりになるそうです。議場にいた長老議員の方々には長い一日だった事でしょう。
◆自民党に「もう限界だ」と泣きつかれて
 正直なところ、私も納得できる決断とは言えないのですが、他党からも民主党が財金委員長解任決議案を取り下げた事への疑問の声はありました。
 民主党国対の対応説明には「人道的に判断」とあります。
 これは自民党から、長老議員がこれ以上の長時間に渡る本会議に耐えられない、総務・財金の法案採決は来週にするから、終わらせて下さいと懇願されたからです。
◆人命か本会議継続か
 朝方の眠くなりつつある中で説明を受けた時は、民主党の大義(解任決議案)はどうするんだと不満もつのりました。
 しかし、帰宅し仮眠をとってから改めて考えました。もしも民主党が出した解任決議案審議の影響という形で長老議員のどなたかが倒れられる事態になれば、どうあれ党としての責任も問われると考えられます。
 いかなる場面でも生命を尊重しなくては、議員として、認められないでしょう。
 議場内で気付いていた事でもあり、確かに夜半に議場で目にした私の父とも親交のあった長老議員の顔色は「冴えない」を越して「悪化」したと感じていました。「人として正しい選択」だったと信じようと思います。
 ただし、長老議員の体調が心配という事を自民党は引き合いに出し、「人命か会議継続か」と選択を迫って、野党の意見を明確に表明できる討論の場を奪った与党に問題が多いと思います。
◆改めて与党は勝手言ってるな~と感じる瞬間
 今の与党は自分達の身を守る為にはなりふり構わないのも事実でしょう。
 サラリーマン増税は行わないと総選挙で言っていましたがすぐに反古にし、予算がないからと高齢者控除や障害者の支援費制度を削った年に、770億円もの費用を掛けて郵政民営化だけを問う予定外の選挙を行うなど様々な面に表れています。
 3月2日、予算委員会の自民党議員の質問では、良くできた予算案だと誉めつつ、中小企業対策などに対してはよろしくないとして野党と同じ認識を示し自分の都合で発言しているなと感じられました。
 なにか暴力と優しい言葉の繰り返しで被害者が精神的に捉えられていく過程をたどるDV(家庭内暴力)の構図とも似たものを見ている感じがします。
◆自分たちの立場を守りもしない政党を何故、支持し続けられるのか。
 たとえば農業・商店街・中小企業団体等、これらの業界は未だに自民党支持が多く、「自民党でなければ」とばかりにしがみついている面があります。
 しかし現実は、政権党である自民党の政策で格差拡大と経営面の厳しい状況に追い込まれています。政策の失敗をしていても「君たちの立場を守るために頑張るよ、補助金等もつけてあげるよ」と優しい態度を取ってみせているのです。
 「改革」を行っていると叫びながら、根本的、本質的なところに踏み込んで行おうとしていないものばかりで、長期的にも事態はまったく好転しない。しかし生活が大変な中に、ちょっとでも優しく対処されたら「いい人」と感じてしまう人の良さにつけ込み続けている。
 更には、他の意見を聞かせないように自民党「職域」支部の構成員として多くの方々の囲い込みを行っています。
 いやなら止めれば、逃げればいいのに、と単純に思うが、当事者は逃げる事を考えられないケースが多いもの。DVの発覚の場合で見れば、命が奪われる寸前か、被害者及び加害者双方にDVの認識が薄いために、外部の方から指摘・カウンセリングが根気よく続いてからであることが多いものです。
 今年は、春の統一地方選挙、夏の参議院議員選挙、知事選挙と選挙の年です。
 改めて地域と日本の現実と向き合い、新しい日本に方向づける良い機会となるよう期待しています!

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