【泰子リポート、2023年4月10日号】

ウクライナ侵攻やG7主要国首脳会議が予定されていることもあり、本年に入ってからEU諸国などから国会議員が、次々と訪日されています。
私・小宮山は日本アイルランド友好議員連盟、日独友好議員連盟などで役員を務めており、訪日された各国の議員と意見交換をする機会もしばしば生じています。
各国の議員から、台湾周辺を含む安全保障、日本の遅れた人権的課題(女性議員の少なさ、ジェンダー平等など)について質問受けるとともに「なぜ、日本の国会は進めないのか」と訊かれます。

◆日本では国会にも地方議会にも女性議員が少なすぎる

統一地方選挙前半が終わりましたが、国会だけでなく地方議会も女性議員の少なさは、今回の選挙でも解消されませんでした。
女性議員増がクローズアップされ、埼玉県議会の場合、改選前の7人(9%)から、今回は15人(16%)当選。
男性議員が91%→84%となっただけであり、ほぼ“独占状態”に変わりはありません。
諸外国では3割、4割の女性議員がいるといるのが当たり前ですらあります。
性別、性自認、若年・高齢、単身・子育て世代など、生きづらさを感じてしまう日本の現状から改めて行くためにも、政治の決定権のある場にも幅広い意見が表されるようになることが必要であり、女性議員を増やすことはその第一歩となると考えます。
政府や自民党議員から発せられる子ども子育て政策の内容は、実行時期も財源も不明瞭で、統一地方選挙前にイメージつくりだけしたものにすぎません。選挙が過ぎれば、これまで同様に“釣った魚に餌を与えない”ことになってしまうのではないでしょうか。
背景には、長年の自由民主党中心の政権による子ども・子育て政策の失敗があります。
3年3ヶ月の民主党政権において、社会全体で子ども・子育てを行おうとすることに対して「恥を知れ」などと言って“政策たたき”、“政策潰し”を徹底的に行い潰した子ども・子育て政策を、“人気が出そうだから”といった思惑から復活させただけではないかと見受けられ、本質的に政策のあるべき姿を考えている様子は見受けられません。
安倍政権はじめとして、悪夢の民主党政権などとイメージの刷り込みに熱心に取り組まれ、浸透が図られてきたが、同時に行われた悪意的な政策潰しからの脱却が必要であり、悪夢ではない当時の政策大転換への希望を正夢となるよう求めていきたいと思います。

◆声をあげよう!政治は変えられる!

昨年、自衛隊での性暴力、ハラスメント事件を当事者が告発した。
AERAの記事を読み、立憲民主党ジェンダー平等委員会でヒアリングも行っていった。
東日本大震災での自衛隊員の行動を観て、入隊したが、除隊せざるをえなかった彼女が声を上げなければ、社会的弱者がつくられ、蓋がされたままの組織から変われないでしょう。
被害者が落ち度など無く、あくまで加害者が悪いという当たり前の認識が重要です。
今回の加害当事者の反省、近代組織としてハラスメントを許さない、人を護る・尊重することを通じて、五ノ井さんの憧れた自衛隊になることを望みたいと思います。
これまで性暴力に関して法務省で審議されてきた刑法改正が閣議決定されました。
性暴力は魂の殺人と言われるほど、人格否定や社会的弱者をつくりだします。
法案が被害者を救うものになっていくよう頑張ってまいります。

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