山中伸弥教授表祝行事の後、ご講話頂きました

こみやま泰子

 IPS細胞に関して、ノーベル賞を受賞された山中伸弥教授への表祝行事が衆議院並びに参議院で開催され、その後、山中教授からご講話をいただきました。
 院で行われる表祝行事とは、議長から祝意を示した表彰状の授与をおこなうものです。
 山中教授のご講話では、日本国内と諸外国での科学者・研究者の環境の違いについて切々とお話いただきました。
 米国と限らず欧州やアジア諸国との対比においても、大きな乖離を感じていらっしゃり、いずれの国に訪れてもそのたびに新しい研究棟が設けられているのを見たり、また研究所も研究者同士が交流できるオープンラボが主流になるなか、日本では30年前と変化なく個別部屋のままでありこうしたところからも新しい研究への姿勢・体制・理念の違いを感じておられ、また、研究者が単独で研究するのでなく、物理学・解析・特許など複数の分野や専門家が共同で取り組む時代になっているそうです。
 更には運営・経営のプロをCEOとして迎えるなどして、資金面を含む様々な面から研究を支えチームを如何につくるかが肝心であるのに、日本では、全て自らやらなければならない状態のまま、また、有期雇用は、教員でも事務職員でもない研究職には、全く適さないので、こうした点も考慮してほしいなどといったお話しでした。
 “科学者は日本という国を支える柱の一つだと自負し、研究・仕事をしています。”と述べられた、誠実な語り口調が印象的でした。

山中教授と
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