【プレス民主 号外 2010年7月19日版】

こみやま泰子

 第22回参議院選挙は、民主党にとって大変厳しい結果となりました。
 衆議院と参議院で、与野党ねじれ国会となります。選挙中、私は街頭演説などで改選前の参議院の状況について、2007年の参院選以降、民主党が第一党ではありましたが、まだしっかりとした政権交代が出来ていないとお伝えしました。参議院では4つの常任委員会(内閣・国交・文科・環境)において、自民党議員が委員長を務めていたこともあり、内閣提出法案の審議が、期待どおりに進められませんでした。これは政権のつまづきの一因であったとも言えます。

◆今すべきは景気対策

 不景気時に増税をすれば、個人消費が落ち込み益々景気が悪化し税収が減ることは経済学の常識です。
 かつて橋本龍太郎内閣は、実態経済が悪化し続けていたにも関わらず消費税を3%から5%引き上げました。
 当時の予算委員会で、大蔵官僚は『2%増税により4兆円税収が増える』と答えていたにも関わらず、現実には増税によりGDPの65%を占める個人消費が落ち込み逆に税収が4兆円も減り、差し引き8兆円も予算に穴が空いため、株価と地価も暴落し、金融恐慌につながりました。

◆昨年のマニフェスト実行は始まったばかりです

 明治以来100年来続いてきた官僚主導の政治を変えることを託されたのが、昨年政権交代により誕生した民主党を中心とする政権です。これまで9ヶ月間、野党の抵抗により大変な困難の中で、国会運営に努めてまいりました。
 私たち民主党は、昨年の衆議院選挙で国民にお約束したマニュフェストをしっかりと実行することを目指していかねばなりません。なぜならマニュフェストの実行こそが最大の景気対策でもあるからです。自民党長期政権のもと、機能しなくなった政府の景気対策から、新しい価値観を基本に一新して、日本を元気にし
なくてはなりません。

◆新しい価値観て国も国会も動き出す

 先の通常国会では、自民党をはじめとする野党は「賛成すると決めていた法案や条約」の審議まで野党国対からの指示を理由に、委員会出席を拒否し欠席するという事が度重なりました。国会の現場では「法案の質疑順番」についてのやりとりに「今までとやり方が違う」と言った「極端な前例主義に根ざした野党からの要求」への対応に時間を費やしていました。テレビ報道などでは「民主党による強行採決ばかり」コメントされますが、会期末に向け、野党戦術の時間稼ぎばかりに付き合っていたら、景気対策も世界情勢からも日本は取り残されてしまいます。
 国会は、これまで以上にねじれた議席となりました。この状況だからこそ、自己主張ばかりでなく現状と未来に対して各党、各議員が真摯に向き合い、充実した審議が重ねられる国会運営のあり方を、新しい価値観として、創り上げられるように頑張ります。

◆新議員会館引っ越しに思う

 衆参両院の議員会館の新築工事が進み、まもなく昭和38~40年に竣工され40年来使われたこれまでの会館から引越が完了します。既存の会館の解体工事や付帯設備工事も含めた総工費が1700億円に達する点など、率直に疑問もあります。自民党長期政権の最後期に毎年の総理交代や解散総選挙と慌ただしい中、議運委で決定したものです。
 今までの議員会館事務所は約40平米と狭いながらも慣れた環境でしたが、一気に100平米と広くなり戸惑うことでしょう。国際会議も可能となる新議員会館から「新しい時代の国会」を創れるように全力を尽くします。国会見学のお申込み、随時お待ち申し上げます。
 民主党にも、そして私自身にも、まだまだいたらぬ点もあることと思いますが、これまでの経験を活かして前進してまいります。今後とも皆様からのご意見などお寄せ下さいますようお願いいたします。

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