【プレス民主 号外 2008年3月22日版】

こみやま泰子

◆その場しのぎの「検討する」提案は要注意

 福田総理が一般財源化も視野に民主党との修正協議を行うよう指示した旨の報道がありました。
 私が県議会議員になったときに、ある先輩から行政言葉の「検討する」は「結局なにもしない」を意味するから要注意だよと教えられた事があります。
 確かに「(前向きに)検討する」と答弁されると「提案が採用された」と解釈して嬉しくなる議員心理は働きます。
 両院議長のもと全党幹事長署名の合意を破棄した与党提案は、肝心の「暫定税率廃止」を具体的に提示しないまま「一般財源化を検討」とだけ記されています。
 このように曖昧なままだから、与党の考える結論に誘導するための修正協議には乗れないのです。

◆祖特法の減税と増税の分離採決で解決

 民主党が参議院で法案提出しているように、租特法(租税特別措置法)は分離して採決するのは現実的な方法です。
 自民党は未だに4月1日からのガソリン暫定税率“増税”を各業界や景気全体に多大な負担になる減税措置期限切れを人質にして、民主党に責任を押し付ける戦術を止めていません。

◆与党は上乗せ税率をいつまで取り続ける気か?

 前号でも書きましたが、ガソリン暫定税率を含む租特法は、そのほとんどが減税措置であり、唯一の増税法案がガソリン暫定税率となっています。
 更に民主党提出法案は完全無視しておきながら、与党自民党の修正協議に応じない事に対して不満を述べるという福田総理の言い分はあまりに一方的だと思います。
 34年間も続き、更に10年後まで59兆円もの上乗せ税率を取り続ける大儀はどこにあるというのでしょう?
 期限切れ法案や平成20年度予算審議の採決をするにあたって、政府与党は、与野党合意できる法案の採決処理から行うという決断がなぜ出来ないのでしょう…。

◆ガソリン暫定税率廃止後への民主党対応案

 さてガソリン税は製造元から販売元に出荷される時点で課税される「蔵出し税」です。
このため暫定税率廃止となった場合、3月末までに納品されてたガソリン在庫分が4月に入っても「上乗せ税が加算された値段」になります。問題は上乗せ税率を負担するガソリンスタンドにより、価格が違ってしまう点にあります。
 民主党は、4月1日から、消費者も販売側もすぐに上乗せ相当額の値下げが実感できるようにすべきと考えます。
 つまり酒税法で実際に行った「税の払い戻しが行える仕組み」を利用できます。このような対応をすれば政府が吹聴するような市場の混乱はないと考えられます。

◆日本政治の過渡期にいる誇りをもち行動したい。

 今までのように「財務省作成予算案の可決ありき」の国会ではなく「議会・議員が予算案を審査」する「当たり前の政治」を目指す民主党には、安易に採決を急ぎ「税金の無駄遣いを見過ごしてきた旧来の審議」を変えていく使命もあります。
 ねじれ国会と呼ばれる現状は、確かに法案審議も進みづらく、国会が停滞して見えるますが、55年体制で言われた、駆け引きや裏取引、根回しによる(ある意味古き良き時代の)古い政治から脱却する過渡期にいると考えます。もちろん、ねじれ国会だからこそ、無駄遣いなど様々な事実が明らかになる進展もあります。
 これからも民主党は、議会において、様々な模索をしながら成長していくでしょう。引き続きご支援とご理解、ご意見をお願いいたします!

アーカイブ