【プレス民主 号外 2007年3月版-3】

こみやま泰子

 まだ記憶に新しい、中越地震での土砂崩れ現場からの子ども救出現場となった県道がようやく復旧し、開通式が行われたその翌日25日に石川県能登地方で大規模な地震(能登地震)が発生しました。被害にあわれた皆様に心からお見舞い申し上げます。
 今回、これまであまり地震の起こらない地域と見られてきた地域での被災となりましたが、専門家によれば同様な地震は日本全国のどこででも起こりうると考えられるとも言われ、まだまだ調査研究を深める必要が指摘されました。
 地域格差が大きく影響を及ぼしている過疎地域であり、また高齢化が進んだ地域という被災地への対応の難しさも浮き彫りになった地震でした。改めて日本は予測困難な地震対策に対し、災害復興支援のあり方も含めて早急に制度の整備をしなくてはならないと痛感しました。
◆政治の優先順位を改めて考えよう
 財務省から3月23日に発表された国の借金は832兆円に増えて、地方と合わせると1010兆円を超すとありました。これは国民1人当たり651万円に相当します。
 小泉安倍内閣は「改革の成果で景気回復」と言っているが、巨大な借金と財政赤字にもかかわらず、省庁配分を抜本的に変えるとか、特別会計の無駄遣いの徹底廃止など根本的な予算改革をする気はないらしく、その上、選挙が終わったてから消費税等の増税を言い出すと見られています。丁度、衆議院選挙後のサラリーマン増税の時のように…。
 選挙時に提示されるマニュフェストを現政権が選挙公約を守っているかチェックすることにも活用していきたいと思います。
◆日本への思いやりと米軍への思いやり
 衆議院本会議で米軍再編関連等の法案が提出されました。
 障害者自立支援法の時は600億円の財源がないと言って強行採決までした同じ与党自民党が、米軍再編には一説では2兆円もの費用がかかるといわれている中での提出です。
 小泉安倍政権はどこに向かおうとしているのでしょう。
◆米兵4年で約3000人の現実
 開戦から4年、イラクで犠牲になった米兵約3000人、イラク民間人は約10万~15万人にのぼります。今国会では雇用制度や経済三法などが議論され、国民投票法案や教育三法が続いて審議となります。航空自衛隊は、自爆テロで犠牲者がでたと連日のように報道されているイラクで、現在も後方支援と称する輸送任務を続けています。懸命に任務に従事される隊員の皆様には心からの激励と敬意を表したいと思いますが、事実上日本も戦争に加担する当事者と見られてしまい、アジア諸国からも日本に対する危機感を助長させるなど大きな問題となっています。
 安倍内閣はイラク派遣特別措置法の期限延長を決定しましたが、アメリカの判断に追随しているだけでは、蔓延するテロを根本的に解決する方策とはなりません。
 そもそも米国のイラク戦争を日本政府が私達の税金を使い、支持し続ける正当性を安倍総理や防衛大臣は明確に説明するべきでしょう。
◆松岡大臣:覆水盆に返らず
 なぜ松岡大臣は、領収書等の証拠が出せないのでしょう。参議院予算委員会でも触れられましたが、鳥インフルエンザのワクチン導入に際して製薬会社からの献金や、NPO法人認可への二つの名前を使い分ける秘書関与など、サスペンスドラマばりの疑惑関与が国会で質問されました。大臣の答弁からは、やはりなにか隠したい事があるのではないかと疑われても仕方がないでしょう。
◆羽ばたけ未来に
 先日、小学校の卒業式に参列させて頂きました。卒業生や在校生の練習成果のうかがえる歌など、久しぶりに純粋な気持ちに接し、感動しました。
 日本は毎年、人口60万人の街がなくなるに等しい、人口減少社会に突入しています。
 卒業生は4月から新中学生として、新しい生活を始めます。将来大きく羽ばたく人間力をつけてほしいと思います。輝く未来に向けて、彼ら彼女らの可能性を後押しする政治を心掛け邁進しよう、そう心に留めた私です。

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