【プレス民主 号外 2005年11月版】

こみやま泰子

◆議員年金廃止にみる政治の本質
 
 特別国会が閉会しました。今国会では郵政民営化関連法など計28法案が可決、2条約が承認されました。私も所属する国土交通委員会で、耐震改修促進法の改正案に対し、北側国土交通大臣に質問。天下り団体を作らないとの答弁を引き出しました。
 議員立法により全会一致で高齢者虐待防止法が成立しました。不当な取引による高齢者の被害に対し市町村が相談に応じ、また救済のため関係機関を紹介する民主党案の考えが反映されています。高齢者虐待防止法は家庭、施設での暴行、養護放棄(ネグレクト)、心理的・性的虐待のほか、高齢者から不当に利益を得ることも虐待に当たるとし、市町村の役割を明確にしました。私は民主党案策定に加わり、富士見市で起きたリフォーム詐欺を例にあげ悪徳業者から高齢者を守る規定を入れるべきだと主張してきたので、成立して大変良かったと思います。
 一方、多くの問題が残る障害者自立支援法が与党の賛成多数により成立しました。政府提出のこの法律では重度の障害になる程、費用負担も増え、且つ家族の収入も併せて負担が決まる為に自立支援どころかむしろ自力での自立した生活を阻害される内容です。ある障害者のご親族から、この法案が施行されたら、高齢の自分が居なくなった後の事が心配だからと、心中へと思い巡らす人も多くいると聞き、問題の深刻さを痛感します。この成立には憤りを禁じえせません。
 民主党がマニフェストに盛り込み今国会に率先して法案提出した議員年金廃止の議論では与党内が大混乱。早急に行うことが望ましい法案ですが、様々な利害があり世論を気にしてか自民党が二転三転する有様でした。政府与党で準備中とされる案では、現役議員には全額戻すなど、結果、国庫負担が増え、自分の利益を守り『廃止』という名のみを取る様子です。道路公団や郵政の民営化も巨大な官業ビジネスになるでしょう。国民の皆様にも改革の本質をしっかり見据えて頂きたいと思います。
 
◆小銭でケンカを売った
 
 過日、「『中国・韓国』に小銭でケンカを売った小泉首相『靖国参拝』」の見出しが週間文春に躍りました。小泉首相の靖国参拝を受けて、中国の日本大使館は在留邦人に対し注意を促す事態となり、また外務大臣の訪中拒否も異常な事態です。小泉首相になりここまで日中関係は悪化の一途をたどっています。
 中国韓国など近隣諸国との関係を繋いで行くためにも、今こそ野党外交が大きな意味を持ちます。先日、小沢一郎代議士を始めとした有志と、中国へ訪問をしました。現地では昨年の訪問時に比べて日中の政治的関係が明らかに悪化していることを感じました。短い滞在時間でしたが人民大会堂(日本の国会議事堂にあたる場所)での唐家せん(とうかせん)国務委員を始めとする多くの中国指導者の方との会談で、繰り返し両国の関係は非常に困難な状況にあると言われました。また何度も約束をしたのに守らない事が原因であるのは、はっきりしているとも。意見交換を通して隣国としての関係は永く続くからこそ、一時の感情に左右されず相互に努力し続ける事を確認し、政権交代により新しい関係を築く必要を痛感しました。
 
◆「後継者を競わせる」に違和感あり。
 
 内閣改造が行われました。小泉総理総裁の誕生は自民党員の投票によるものでしたが、次期総裁の選出は自分の意向を反映させるというのでは、権力者である小泉総裁に対して従順な人ばかりになるのではないでしょうか。衆議院議員小泉純一郎氏は親の代からの大蔵族であり厚生族議員であると評されています。これは医療費も含めサラリーマン増税・消費税増税など負担増路線が続く事も示唆しています。
 小泉政権多数与党のもと、特別会計や独立行政法人等天下りや口訊き政治による国民の税金のムダ使いを追及するべき衆議院各委員会での審議時間が限られてしまい、事実を明らかにする事が困難になっています。また来年の通常国会までの間、当然、臨時国会を与党に要求していますが、来年まで国会を開かない様子です。
 イラク・BSEに絡む牛肉の輸入再開・増税に直結する予算編成・北朝鮮・海底資源など問題は山積しています。国民に見える形で議論するには、現政権では出来ません。私は引続き政権交代の重要性を訴え、目指してまいります。
 
 

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