【プレス民主 号外 2005年10月版】

こみやま泰子

◆郵政法案衆議院通過で改めて感じる
 
 「誰が責任取るの?」
 
 総選挙前には5票差で衆議院を通過した法案が、200票も差がつき可決されました。法案自体は、参議院で否決されたモノとほとんど変わりない法案なので、私たち民主党はもちろん政府案には反対。この法律が施行され、巨額のシステム開発や様々な事業(窓口会社では、クリーニングやリフォーム会社、デイケアなどの事業展開が可能)への参入により民業圧迫も懸念されます。民間の株式会社となるのだから当然、営利を目的としますが、非採算路線であった北海道などでローカル線が既に廃止になっているJRを例に見て、非採算郵便局は維持できるのか疑問です。また民間会社に対して、どうして国が窓口を維持することを「保証」出来るというのでしょうか。イメージだけの法律と現実のギャップに対し多くの疑問と、この結果に誰がどの様な形で責任を取るのかを考えると気が重くなります。
 小泉首相の動きに合わせて本会議場で拍手を送るいわゆる小泉チルドレンや、法案が変わっていないのに保身のためか反対から賛成に態度を変えた議員、769億円もかけて行われた総選挙、選挙が終わったら定率減税廃止や増税などサラリーマン増税を着実に準備している与党の不誠実さは、政治が「国民から不信感」を招く一番の元凶であると実感します。
 小泉劇場の陰で、高級官僚達は着実に天下り先の法人に仕事をつくり続け、政府与党は応益負担により自立阻害される「障害者自立支援法案」や、結局、期末手当等の引き上げになる「国家公務員退職手当法の一部改正法案」など22法案を今国会に提出しています。
 過半数どころか、安定多数をも大幅に超える議席数と成った与党に対して、しっかりとした議論を戦わせ、政府提出の各法案の問題点を明らかにすると共に、より良い対案を提示していくという、ご期待いただいた皆様のため、日本国民のために務めるべき責務の重さを、今ひしひしと感じています。
 
 

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