【泰子リポート、2022年2月18日号】

オミクロン株による新型コロナ感染拡大が続いています。
この第6波収束を心から願っています。
政府は、20日に期限となる21道府県のうち大阪府など17府県についてまん延防止等重点措置の延長判断をし、3月6日までとなります。
観光産業は更に厳しい状況に置かれるため、立憲民主党として観光産業事業継続支援法案(議員立法)を2月7日衆議院に提出しました。
唯一の立法府国会に席を持つ議員として、現場に寄り添い、これからも頑張ります。

◆第208回通常国会審議が行われています。

昨年就任した多くの大臣が国会・各関係委員会での所信表明を行われていないという、異常な状況が続いています。
今国会において次年度予算審議入りが比較的早い時期であったこともあり、予算審議・集中審議が時間および回数の上では進んでいるように示されます。
しかしながら、過去最大の予算規模、また新型コロナのまん延防止措置延長、建設受注統計データ二重計上問題、自民党参議院議員の地方議員への現金配布問題、ウクライナなど外交問題など、解決すべき解明されるべき課題・問題が山積しています。
時間だけ消化される国会審議が続いている要因として、ニュースなどで切り出された映像からは分かりにくいところですが、政府閣僚の答弁にも問題があります。
野党がふがいないなどの意見も聞かれますが、政府が答えを曖昧にすることで、「糠に釘」「のれんに腕押し」が繰り返されています。

◆同じ質問なのに、野党に応えず、与党で一変する岸田総理の答弁傾向

「聞く力」をアピールする岸田首相の、あからさまな与党寄り答弁の姿勢が目立っています。
昨年12月、立憲民主党から、離婚世帯への10万円給付の問題提起を何度も繰り返しましたが、首相は「制度的な対応は難しい」などと予算委員会直前の代表質問(1/19)では答弁を繰り返していましたが、予算委員会の初日(1/21)に自民党議員への答弁で「給付金が届くよう国として見直しを検討したい」と一変。
首相が臨時国会から多用してきた「引き取る」、「検討」、「考えていきたい」なども目立っています。
あいまいな答弁に終始していては、国会議論が深まりません。
国家予算は、納めていただいた税金を、公正に分配するものです。
国会審議は、ムダ遣いや利権誘導、不要な中間搾取などをさせない、国民の命を守るために極めて重要です。
政府、総理には誠実かつ明快な答弁を求めたいと思います。

首相の答弁傾向の事例
■与党質問で答弁一変
・ワクチン接種目標 1日100万回
・離婚世帯への10万円給付
■引き取る発言(首相出席の衆議院予算
委員会6日間39時間の集計)
・「検討」少なくとも60回
・「考えていきたい」「考えていかなければ
ならない(いけない)」少なくとも59回
※参考:朝日新聞2/16より抜粋引用

◆憲法調査会開催に際して

衆議院で憲法調査会が開催され、国会でのオンライン審議について議論が行われました。
しばしば「非常時、災害時のために、緊急事態条項が必要」として憲法改正が必要と主張される場面も見受けられます。
私は、改正が必要な事項があって、多くの方が賛同できるというものであれば、法律も憲法もしっかりと改めていくことは当然だと考えていますが、災害時への対応のために“緊急事態条項”とされるものが憲法に必要だというのは、間違いであり“災害”のために、という誰もが異議を唱えにくい事項を引き合いにしつつ他の目的を果たそうとしているものと考えられること、改めて指摘しておかねばならないと思います。
少し古い記事ですが、弁護士の水上貴央さんが災害対応と憲法への緊急事態条項について、わかりやすく説明した文章を公開されています。
(「災害対応には緊急事態条項が必要らしいと思っているあなたに知ってほしい7つのこと」 http://sealdspost.com/archives/4282 )
災害時に対応するための法律は整備が進んでおり、政府に白紙全権委任することを認める緊急事態条項は必要ない。緊急事態の要件や期限、人権や財産権の広範な抑制が可能となる、どのような内容でも立法を経ずに政令で規定できる様になるなど、簡単に言えば戒厳令と呼べる状態が起こりうる内容が自由民主党改憲案とされるものの内容に盛り込まれています。というような説明をされています。
権力の暴走を止め、主権者たる国民の権利を守る根幹となるのが憲法です。
この日本の主権者は時の政権が持っているのではなく、お一人おひとりの国民皆様です。
何が必要なのか、どういう意味があるのか、様々な議論の表だけでなく奥の奥まで、ごいっしょに考え、安心して暮らせる日本をつくりましょう!
<印刷用PDF>
https://www.yasko.net/wp-content/pdf/20220218yasko_report.pdf

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