【泰子リポート、2021年12月6日号】

原油高騰による経済と生活への打撃、新型コロナ・オミクロン株の水際対策としての日本到着便予約受付停止に関する混乱で斎藤国土交通大臣が謝罪、文書通信費の改正問題、18歳以下への10万円給付の不公平感、さらに関東も含めて有感地震が多くなっている現実など、国会で審議すべき課題が多くあります。
わずか16日間の臨時国会では、補正予算と文通費改正(自民党幹事長は改正先送りの見解を示しましたが)など極めて限定的な審議しかできそうにありません。
11月下旬、新宿で団体「#ごはんプラス」さんによる、食料の配給ボランティア活動に参加してきました。主催者に伺ったところ、緊急事態宣言発令の春先より、今のほうが食料を受け取る人数が多くなっているそうです。日本が新型コロナ禍、さらにそれ以前である消費税増税にも起因する、経済苦の現実から抜け出していないことを実感しました。
改めて国民の生活と尊厳に寄り添っていくことを決意しました。

◆喫緊の日本の課題「オミクロン株、第6波への備え」

日本政府は「自粛要請」をいつまで続けるのでしょうか。入国規制や予約停止など水際対策の不手際も見られるように、民間への曖昧な要請により一層の混乱を招いています。
衆議院解散のため、立憲民主党提出の日本版EUA整備法案(治療用特定医薬品に関しての法案:緊急時に、未承認医薬品の許可・既承認薬の適用拡大できる枠組みを作るようにする法案)は、再度提出し、治療の選択肢を増やすべきだと考えていますが、与党は野党単独提出の法案には「なんでも反対」のため、既承認薬適用拡大も来年以降になる見込みです。
自民党税調が固定資産税の特例を取りやめる方向であるなど、景気回復前にも関わらず徴税強化に動き出しています。
国外に目を向けると、日本よりも新型コロナの犠牲者も多い国においても、景気は回復傾向にあり、今回のオミクロン株へも冷静に対応されています。安倍・菅内閣から続く岸田内閣では選挙とお友達への優遇バラマキと忖度政治が優先され、国内景気や生活への支援は、またも後手になりそうです。

◆衆議院議員7期当選に感謝。当選同期が立憲民主党代表に!

第49回総選挙で再選をさせていただきましたが、立憲民主党議席減の責任を取り枝野代表が辞任されました。11月30日、臨時党大会で、所属議員、党員など投票に基づく代表選挙を行い、「泉健太」新代表を選出しました。
代表選挙を通じ、政策面では立候補者全員が党の綱領を基軸とした「生活者・働く者の立場」に重点を置き、特に衆議院選挙に向けて党内で議論し、積み上げ纏め上げた直後でもあり、目指す国家像を示していたと思います。
マスコミ関係者や、テレビコメンテーターには、同じ方向を向いている事に対して、地味な代表選挙と冷たい反応も示されましたが、私は「これからの党運営、選挙対策他」の手腕とビジョンを重視し選択しました。泉健太代表は「党の執行役員の男女比率を同じにする」ことを名言していましたし、これまでも党内外で経験と人望を深めてきました。
枝野個人商店とも指摘されていた立憲民主党を「政権を担える政党、組織に成長させる」のが次を引き継いだ泉代表の責務であり、私もともに切磋琢磨してまいります。

【立憲民主党の主な役職】
代表 泉健太(京都3区)
代表代行 逢坂誠二(北海道8区)
幹事長 西村智奈美(新潟1区)
政務調査会長 小川淳也(香川1区)
国会対策委員長 馬淵澄夫(奈良1区)
選挙対策委員長 大西健介(愛知13区)
両院議員総会長 阿部知子(神奈川12区)
※このほかの役員は決定後順次発表されます。

【小宮山泰子の役職】
■衆議院の所属委員会
・国土交通委員会(筆頭理事)
・災害対策特別委員会(委員)※
■立憲民主党
・企業団体委員長(執行役員)※
・国土交通部会長
・グリーンインフラ推進WT座長
(※12/6午前時点では確定前)

◆臨時国会は12月6日~21日。経済対策への追加の歳出は、31兆5627億円。

総選挙後に開かれた特別国会は会期3日のみで総理選出のみ行われています。今回、感染拡大が心配される新型コロナ・オミクロン株への対応など重要課題が山積されています。
政府は、経済対策の4つの柱に沿うものと掲げた、総額31兆円超の補正予算を提示しています。
▽「新型コロナの感染拡大防止」に18兆6059億円
▽「社会経済活動の再開と次の危機への備え」に1兆7687億円
▽「新しい資本主義の起動」に8兆2532億円
▽「防災・減災など安全・安心の確保」に2兆9349億円

◆クーポン事務経費900億円は止めて、一括給付で事務経費300億に収めれば、更に90万人に10万円給付できる。

2ch開設者のひろゆき氏が「政治家にとって国民にお金を配るのは目的でなく手段です。給付に託けて、お友達企業にお金を配り選挙の時に助けて貰うのが政治家の目的なんですよ」などとツイッターで呟やかれましたが、ため息が出るほど的を得ていると感じます。
定められた所得制限に該当する世帯の、18歳以下の子ども一人当たり10万円相当を給付する「子育て世帯への給付金」について、政府は、現金とクーポンで5万円づつ2回に分けて給付する方針を示しています。
給付金が貯蓄に回らないようにと自民党より提案されたクーポン配布ですが、これにより、事務経費が約900億円膨れ上がる見込みです。
後藤祐一代議士(立憲民主党)が予算委員会理事懇談会で財務省に、「1回目の方は銀行振り込みなんですけど、これは『300億円だ』と。じゃあ、これ、まとめて1回10万円振り込みしたら、300億円で済むんじゃないですか」と尋ねたところその通りであると回答され事務経費の増大が判明しました。

◆支援が必要な経済的困窮者等に届けたい。

今回の給付金では対象の世帯、子どもの特定に際しては、児童手当の仕組みを利用するため、所得制限のかかる世帯より収入の多い共働き世帯などに支給される一方で、対象年齢の子どものいない住民税を納める低所得層には給付金が渡りません。また19歳以上の大学生なども対象外です。
昨年、学生が学業を続けられるよう支援要請が野党から再三行われた後に、政府は学生向け支援へとようやく動きを見せました。
しかし、家庭から自立しアルバイトで学費をまかなっていることや、就学支援制度を利用しているなど厳しい要件が課せられ、対象者となった大学生等は1割未満だったとの声も聞こえます。
また、住民税非課税でも年収200万程度以下にとどまる「ワーキングプア層」である数百万世帯にも給付は行渡っていません。
政治が「誰のため、何のため」にあるのか。「コロナ以前の経済活動」を取り戻すには、しっかりと国民の生活を守るセーフティーネットを整備してこそであり、支援策、給付金事業なども、選挙目当てのバラマキなのか、経済を支える支出か見極めることが重要に
なります。
来年夏には、参議院議員選挙が行われます。地味でも、国民の生活を守るために働く衆議院議員でありたいと思います。
今後、新型コロナ感染症等の状況を見ながらではありますが、国政報告会も再開していきます。
皆様のご意見ご要望、どうぞお寄せください。
お待ち申し上げます。

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