九段会館の建て替え工事の現状を視察。

26日、昭和初期の歴史的建造物九段会館の建て替え工事の現場を見させていただきました。九段会館の建て替えを行うための「財団法人日本遺族会に対する国有財産の無償貸与に関する法律の一部を改正する法律」は私も提案者となり、2014年の国会において趣旨説明・採決行われました。
同法改正は、東日本大震災による被災で使用不能となっていた九段会館を建替えて、その一部を日本遺族会に貸与するなどの内容です。建替の進捗状況と、歴史的建造物の保存・活用技術などを見ておきたいと思い視察しました。
九段会館の一部を保存・活用する手法は珍しく、説明くださった鹿島建設の神山さんたちも調査を通じて、新たな発見があり、予算の範囲内で復元や活用をしているそうで、来年7月の完成時には、建築当初の壁紙や、写真から復元したシャンデリアや丸窓、真鍮のオブジェなど装飾も見られるようになります。
外観のタイルや鬼面、擬石など、現在の技術や技法で再現できないものもあるようです。階段なども現在のバリアフリー法の趣旨を踏まえて、角度を緩やかに改め、手摺の設置、新規高層ビル側でエレベーターに接続されるなど、安全性確保とともに新旧技術を生かしている点も注目点です。
歴史的建造物の免震工事も大変興味深く、複数の手法により、地震対策を取られています。免震ゴムだけでなく建物全体の工事の難しさ、費用がかさむことなど課題は山積していますが、今後にも活かされていくものと考えます。貴重なお話しと、現地を拝見させていただいた皆様、ありがとうございました。

工事概要説明
柱と基礎の間にゴムを挿入
シャンデリア復元
装飾は尺貫法、躯体はメートル法
旧建屋を切断し新ビルと
建屋内
ゴム入現場1
ゴム入現場2
階段から上で分離
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