おなじ会派で活動を重ねつつ、所属政党などはそれぞれ分かれていた、立憲民主党・国民民主党・無所属の議員により新しい政党を立ち上げ、一強政治に対峙できる約150人規模の政治集団を発足させることになりました。
先週末、安倍総理が辞任の意を固め、各メディア報道は自民党の次期総裁選びで持ちきりとなる中、その影で、公判スタートした河井前法務大臣夫妻はじめとする疑惑などの情報量は減っています。
自民党と新党の違いは「昭和に確立された利権・利益誘導型政治の継承」か「ダイバーシティ・多様性を包括する新しい価値基準の政治・経済」だと考えます。
まさに世界の企業がSDG’s(持続可能な開発目標)を経営理念に取り入れてきたように、日本の政治も環境・人権等を政策決定の判断基準に取り入れ、現在の貧困など世代間連鎖や分断誘導手法からの脱却を進めたい。
9月16日にも発足する新党では、グローバル化・令和の時代にあわせた新しい政策決定の在り方を、同じ思いを持つ仲間と作ってまいります。
◆衆議院選挙費用600億円以上使うより、新型コロナ対策優先を。
安倍内閣第2次政権以降は「政治とカネ」の問題を中心として閣僚辞任が10人と相次いでいます。
8月24日、歴代総理在任記録を更新した上での、同28日の辞任会見は、時期を選んで行われたのではないか、そんな見方もされます。
10人目、河井前法務大臣夫妻による広島での大規模買収事件の裁判が始まり、「(現金バラマキは)自民党の党勢拡大のため」であるとして選挙目的での買収容疑を否定していると報道されています。
報じられている状況からは、明白に公選法違反になるものと捉えられるところ、現金を貰わないと選挙応援しないということがまかり通っていたのでしょうか。
令和の時代にあって、はるかに時代錯誤した選挙のもと自民党の政治劣化につながっているのではないかと思わざるを得ません。
国立感染症研究所では人員や予算の削減が続いています。アベノマスクでの507億円は感染研の基盤的経費(今年度21.6億円)の実に23年分に相当しており、行政判断能力が著しく低下していると感じます。
根治が困難な持病再発での総理辞任はいたしたかなく、しっかり療養していただきたいと思うものの、新型コロナ対策と景気対策のどちらも中途半端、森友・加計・忖度政治、公文書改鼠・破棄、集団的自衛権行使容認判断はじめ、多くの国民皆様の納得できる説明ないまま、官邸を去ることになるのは、大きな負の遺産を残すことになるのではないでしょうか。
◆「ポスト安倍」も、一強政治まずは徹底検証を!
辞任会見で安倍総理は「政治において重要なのは結果を出すこと」と述べています。
就任直後、日経平均株価は2万円台へ、円ドルレートは120円前後へと円安誘導、有効求人倍率は1倍を超える水準に改善しています。
アベノミクスが企業や投資家の心理を改善させ、企業業績の好調や株高につながった一方で、賃金上昇を伴う、内需拡大による本格的な景気回復にはいたらなかった。
昨年の消費税10%増税を期に経済状況の悪化が顕著となり、さらに新型コロナウイルスの感染拡大が過去例のないほどの重大な影響を及ぼしてきました。
安倍政権後に残されるのは20年度末の国内総生産(GDP)の2倍を超える1182兆円に達する見通しの長期債務と、無制限にまで至った国債の大量購入など出口の見えない金融政策。
これらを推進した自民党中心の政権が続くのならば、今後どう対応していくのか、これまでをどの様に評価しているのか、徹底的な説明が必要だと考えます。
◆7年8カ月に及んだ長期政権が何をもたらし、国がどう変わってしまったか、検証が必要。
地方創生、一億総活躍社会、女性活躍、働き方改革、目まぐるしく掲げられたキャッチフレーズで、なにがどの様に実行されて来たのでしょうか。
安倍内閣は、結果が出る前に次のスローガンが出され、省庁予算も国会質疑においても「スローガン」への対応に翻弄されてきました。
これらスローガンの寿命は短く、内容伴わないまま消えて、次のスローガンへと移ってきた場面が多くみられます。
・地方創生法→東京の一極集中、人口集積は止まらず
・女性活躍→2019年版「ジェンダー・ギャップ指数GGI」で、日本は121位/153カ国中(2015年101位)
・各国の駐在員が働きたい国ランキング(2019年」→日本は32位/33カ国・地域中
・実質賃金→1997年から2016年までの19年間長期的低下
先進7カ国においてアメリカ、ドイツでも、実質賃金の1割以上上昇を実現してているが、逆に日本では1割以上の減額となっている。
安倍政権下、史上最長の景気拡大によって有効求人倍率を大幅にアップさせ、新規雇用者数も増加させたと広報してきたが、景気が良いとの認識が持たれていない根底に、政府の景気動向の発表の仕方も影響している。
思想家、内田樹氏は安倍政権の功罪について、「『権力者はどんな無法非道をしても処罰されない』という歪んだモラルを深く内面化した人たちが『リアリスト』を自称するようになって、あちこちで偉そうにしているのが『罪』の最たるものかな」と指摘されました。
法治国家であるはずの日本において、「法の下の平等」が担保された行政運営、「忖度政治の排除」をしっかり求めていくなど、ここから、有権者の判断も問われることになるでしょう。
◆インフルエンザ流行期の前に、新型コロナ対策を急ぐべき
開催延期となった、東京五輪・パラリンピックの今年夏の開催に固執したことも足を引っ張り、新型コロナ対策において、法的根拠なき全国一斉休校、度重なる補償なき自粛要請、アベノマスク、雇用調整助成金事務局費用の自民党選挙を仕切る大手広告代理店への丸投げ疑惑、GOTOトラベルキャンペーンの前倒し実施と新型コロナ感染拡大時期の重複と、すべてが後手にまわリ続けています。
医療従事者はじめ社会維持に欠かせないエッセンシャルワーカーだけでなく、日本在住の多くの方が、本当に努力、協力をいただいていることで、日本の感染症対策は支えられています。
秋から冬に向けて、季節性インフルエンザが多く発症する時期を迎えます。
高熱を伴うなど発症時の症状が似ているため、医療機関での診察には細心の注意と、準備が必要になると指摘されています。
1990年代以来、保健所、病床数ともに削減されて来ました。
国会を開き、地域保健法の見直しや、家賃支援を拡充する野党提出法案の実現なども不可欠だと考えます。
政治は国民の生活を守るためにあります。
皆様とともに、今後とも代弁者として、頑張ってまいります。
【泰子リポート(9月1日)pdf】
https://www.yasko.net/wp-content/pdf/20200901yasko_report.pdf
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