【泰子リポート 2015年11月8日版】

こみやま泰子

 11月に入り、朝晩がめっきり涼しくなってまいりました。
 今年の夏は、集団的自衛権の行使を可能とする現行憲法に反した内容の安全保障法制議論の中で、権力の暴走の始まりを実感し、国民主権を守ることの重要性を強く意識いたしました。
 海外では、多数のシリア難民がEU諸国へと流れ込み、中国の習近平国家主席と台湾の馬英九総統による初の中台首脳会談が実現しました。また、日本をはじめ世界各地で火山の噴火等の自然災害が多発しています。世界の動き、自然現象から、今、大きな転機をむかえようとしていることが感じられます。
 安倍首相による現政権は、古い手法と戦前の翼賛会政治の“トレース(再現)”を目指しているかのような時代錯誤の台頭が心配でなりません。
 いつの時代も、最後に国を動かすのは「主権者たる国民」だと信じています。しっかりと国民主権を守るために、これからも頑張ります!

◆改めて臨時国会の開催を要求します!

 衆参いずれかの4分の1以上の議員の要求がある場合、内閣は臨時国会の開会を決めなければならないとする憲法53条の規定に則り、10月21日に臨時国会の開会を野党が要求してからすでに3週間ほど経過しますが、年内の臨時国会開会を行わず、来年の通常国会で対応するとの報道があります。
 臨時国会を開会しない理由として、首相をはじめとした閣僚の国際会議出席などにより日程がとれないといった“言い訳”が聞こえますが、仮にいずれの閣僚が外遊中であっても、その代行を担う他大臣、副大臣等により職務が行われることとなり、憲法63条で求められる議院出席の権利義務に基づく国会答弁も可能です。
 マンション杭打ち工事データ改竄問題、マイナンバーに絡む厚労省口利き汚職、12月には会計検査院など任期終了で欠員が生じる国会同意人事もあり、速やかに対応が求められる案件は山積しています。臨時国会を開会するべきです。
 国会答弁を拒否・ボイコット・憲法無視・国会軽視する、安倍内閣の政治姿勢はご都合主義的だと断言できます。

【参考】
・ 第53条(臨時会)
内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。

・憲法 第63条(国務大臣の議院出席の権利義務)
内閣総理大臣その他の国務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとにかかわらず、何時でも議案について発言するため議院に出席することができる。
又、答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。

◆女性活躍と言いながら、実体は女性利用ばかり

 安倍内閣のもと、国土強靭化→女性活躍・地方創生→一億総活躍と派手なバラマキ施策を毎年打ち上げます。
 お気づきの方もいらっしゃると思いますが、これらキャッチフレーズのもと行われているのは、それらお題目に“関係している”という強弁のみに基づく、予算のバラマキにすぎません。
 男女間の経済的賃金格差や生活での家事分担時間の割合の差など本質的議論が棚上げされ、また、シングルマザーなど低所得の為に子供の貧困率(6人に1人)はこの2年、更に悪化、貧困の世代間連鎖が顕著になっています。

◆来年度は防衛費増額の予算編成

 政府は何故か子どもの貧困に対しては、民間基金を集めて対応するとして「子供の未来応援基金」への寄付を呼びかけています。3,600億円にのぼるオスプレイの購入を率先して表明、約束しておきながら、なぜ日本の子どもの給付型奨学金の実現には極めて消極的なのか、安倍首相からは軍事優先の国家主義つまり、戦前に通じる臭いが付きまといます。
 女性を取り巻く環境には様々な社会的問題が山積しています。施策から透けて見えるのは「女性を大切にしているイメージが欲しい」、しかしその実体は「女性は利用したい」といった思惑です。

◆権力の暴走を止めましょう!

 安全保障法制の国会質疑で、安倍総理は「徴兵制はない」と繰り返しました。 現在、大学生の半数が何らかの奨学金という“借金”を背負い社会人になります。
 米国、英国などでは、現実に経済的徴兵制が行われている実態があると指摘されています。これは、経済的に学業の継続困難な学生が「学費の免除」のために「自ら軍隊に入る」といった制度です。つまり強制力を持った、いわゆる徴兵制ではありませんが、経済的に厳しい層を造りだし、日々の生活に追われることで、政治への関心を持たれにくい状況が生まれれば、権力は暴走しかねません。
 国会での答弁内容は、発言は議事録という形で、国民へ公開され、事後の検証もできます。重ねて臨時国会の開催を要求して参ります。
 これからも国民の生活を第一に考え、安心して暮らせる日本をつくるために働かせていただきます!

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