【泰子リポート 2015年6月1日版】

こみやま泰子

 衆議院厚生労働委員会の労働者派遣法改正案の審議において“10月1日までに法案成立しないと契約解除が生じる”などとした虚偽のメモが局長、部長など厚生労働省が組織的に関与して配布されていたことを塩崎厚労大臣が認めて陳謝し、委員会開催が止まる事態となりましたが、本件に関して、何故かほとんど報道されていません。
 昨年来、安倍内閣に不利な事柄については報道の自粛、あるいは萎縮とも指摘される状況が続いているのが、日本の現実です。
 これからも、国会議員として、報道されていない事柄も含めて、国会の現状をお伝えしてまいります。

◆法律の一括審議で争点隠し

今国会(第189回国会)には、閣法73法案・議員立法30法案・予算案9本・条約15本が提出されています。
(第189国会、5月末現在)
第二次安倍内閣で特徴的なのは、できるだけ法案審議時間をとらないように、法案の一括審議を多用することです。
一昨年の特定秘密保護法も、衆議院では国会提出から短期間の審議で、強硬に採決がされましたが、その結果として、多くの国民がこの法案の問題点を認識する時間も無かったと感じています。
 今回の安全保障法制も法案11本を十把一絡げに、一括して専守防衛から変質することを多くの国民が理解するにいたる前に法案を通したい内閣・与党の姑息な国会戦略であると感じています。

◆安全保障法制の内容

1 国際平和支援法案/2 平和安全法整備法案/2―1 武力攻撃事態法改正案/2―2 周辺事態法→重要影響事態法/2―3 PKO協力改正案/2―4 自衛隊法改正案/2―5 船舶検査法改正案/2―6 米軍行動円滑化法→米軍等行動円滑化法案/2―7 海上輸送規制法改正案
2―8 捕虜取り扱い法改正案/2―9 特定公共施設利用法改正案/2―10 国家安全保障会議(NSC)設置法改正案
 歴代内閣が国際法上、有しているが、行使は憲法上許されないとしていた集団的自衛権について、安倍内閣のもと憲法解釈変更の閣議決定を昨年7月に行われました。
そして内閣が集団的自衛権の行使を決定する「存立危機事態」が設けられようとしています。
 特定秘密保護法も施行された現在、自民党憲法草案もあわせ考えると、(安倍)内閣に過度の権力集中が整備されつつあると感じます。

◆日本国憲法の国民主権を守る。

現行の日本国憲法は、昭和23(1948)年5月3日、公布・施行されています。
 昨年暮れ、第47回衆議院選挙が実施されました。憲法の規定通りならば、4年毎に行われるものですが、2年間、約半分の任期を残した選挙となりました。
 総選挙を行うには、約700億円(川越市約7700万円)が税金から事務経費などに使われます。それだけの税金をかけて選ばれている国会議員の責務は所属政党の言いなりになることではありません。
国会議員は、選んで頂き付託いただいた国民皆様の目線に立たねばなりません。
即ち、なんとしても「国民主権」を守るべき立場に有り、そしてそれこそが国会論戦の場となります。
 現在の政府与党から感じられるのは、内閣の権限をより一層強め、国会は内閣の下請け機関、承認・追認のみ行う機関とでも位置づけているようにさえ感じられ、三権分立を原則とする民主主義を守る気概が感じられる議員からの発言も見受けられません。
 ぜひ今回の戦争法案と揶揄される安保法制の審議に注視して、「誰が国民主権を守る」のかを考えて頂きたのです。

◆70年経っても戦後処理支払いは続く。

 昭和11(1936)年、陸軍青年将校たちによるクーデター・二 二六事件の3ヶ月後、5月7日に開かれた第69特別議会において、斎藤隆夫の歴史的な「粛軍演説」が行われました。
 終戦から70年の月日が経過しても、地上戦になった沖縄においては、不発弾処理費用、土地の所有者確定に関わる事業などが続いており、今年度予算にも計上されています。
 斎藤隆夫の「美名の下」の言葉を用いて訴えられた反戦演説は有名ですが、改めて感じるのは「戦争に美名はない」という現実です。

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 安保法制、派遣法などの労働法制など、様々な面で暴走する安倍政権に対して、しっかりと論戦を挑み、真に国民の生活が第一の政治へと軌道修正するため、同じ思いを共有される多くの皆様に、応援いただき、また、ご一緒に活動いただきたいと願っています。
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