「動物福祉(アニマルウェルフェア)を考える議員連盟」総会

12月4日、超党派の「動物福祉(アニマルウェルフェア)を考える議員連盟」(岩屋毅会長、小宮山泰子事務局長)の総会を開催。
今回、アニマルウェルフェアを実践している中洞(なかほら)牧場の創設者で、東京農業大学客員教授、中洞正(なかほらただし)先生を講師としてお迎えして講演いただき、意見交換しました。
牛を牛舎に繋ぎ止めてとうもろこしなどの配合飼料を与えて飼うのではなく、昼夜通年で放牧する山地(やまち)酪農を実践。
自然の中でストレスなく草や木の葉、笹の葉などを食んで育った健康で、牛舎に繋がれ大量の搾乳された牛は4〜5年で屠殺にまわされることも珍しくないなか、中洞牧場では19歳までなど長生きもしていると言われます。
このような自然環境で生産された牛乳を低温殺菌で加工。当初は独自販売を取り組み、顧客を獲得する努力を重ねられました。
日本の大半の市販牛乳は 超高温瞬間殺菌(UHT:120〜130℃、1〜3秒加熱殺菌)されています。
EU圏内などでは牛乳本来の風味を味わえる低温殺菌(62~65℃、30分以上保持)やHTST殺菌(75℃、30分以上保持)が多く、例えば低温殺菌・ノンホモ牛乳は、脂肪分等が保持されることで、バターへの加工も行うことができます。
超高温殺菌牛乳は、大量生産上の効率は高いものの、栄養素や風味の面で不利になる点も指摘されています。
現在、中洞牧場は、中洞正氏から家族以外の方へと後継者に引き継がれています。
また、中洞牧場から学ばれた「教え子」の方々が、全国各地で中洞牧場を参考とした牧場運営を展開され、テレビで特集が組まれるなどしています。
国土に占める林野・森林の面積割合が高い日本では、近年広がる耕作放棄地も含めて通年放牧する牧場の適地が多く、牛を放牧することで美しい景観を生むことにもつながるとも述べられました。
従前の飼育頭数や搾乳量を増やすことを追求するために、飼料を購入し続け、設備や機械器具を多額の借金をして揃えても経営が厳しいという状況ではなくて、インターネットを通じるなどして消費者と直接つながることのできる時代には、軽トラ1台用意するところから始めて、わずか数頭~10頭程度を放牧し、数リットルとか十リットル程度づつ搾乳することで、家族での生活が成り立つ牧場経営も不可能ではなく、今後、更に実践する方が増えていくことを期待されていらっしゃいました。
中洞正氏の「しあわせな牛から、おいしい牛乳」を体感しようと、中洞牧場の牛乳は、一般的に流通している牛乳と比べて、高価な値段で販売されていますが、今回総会には、中洞牧場の牛乳と、市販の一般的な牛乳を飲み比べられるように用意しました。
しあわせな牛がいる山(牧草が根を張り山体を守ること、下草を食べ山林を正常にしてくれる牛の存在)の治山能力を上げ、“山”本来の持つ力も強くする事だと教えて頂きました。
また牛が牧草を食べることで、スイスの美しい山岳風景が生まれるように、日本でも美しい景色に出来るなど、山地酪農の有効性についても触れられています。
中洞正氏の実践から、アニマルウェルフェアにつながる、山地酪農、治山の在り方、様々な政策課題の提起を頂き、有意義な時間となりました。

議連岩屋会長
総会進行を務めました
中洞さん1
中洞さん2
講演後の意見交換
中洞正さんと
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