【プレス民主 号外 2008年1月28日版】

こみやま泰子

 昨年9月10日に開会し1月15日まで約5ヶ月、14年ぶりの越年となった長い臨時国会が閉会しました。閉会式では河野議長も挨拶で「短い閉会中の期間ではありますが、通常国会に備え健康に留意され精進されんことを願ってやみません」と触れ議場に笑いを誘われた、2日間の短い休会を経て、18日には第169回通常国会が開会しました。

◆議員数があれば議論無用になる矛盾

 昭和26年以来「57年振り」の再議決で、インド洋給油支援特措法が自民党・公明党の賛成多数で可決されました。
 本会議投票結果の「340対130」の大差は衆議院における「与野党の力の差」を痛感させられました。
 定数480人の衆議院ですから、投票していない議員も与野党にいましたが、仮にそれらの全員が「反対票」を投じても2/3条項は成立し、採決結果は覆らなかったことになります。
 問題は、同じ手法で、年金流用を可能とする根拠法など「無駄使いを含んだ予算や制度」も、今後とも与党の都合で可決させていくのではないかと予測される点です。
 両院が違う結論を出した場合に“納得のいく結論をいかに導くか”を協議・議論しないまま「衆議院の優位性を振りかざす」のでは、これこそ「ねじれ国会」の弊害であると考えます。

◆「ガソリン値下げ25円」議論の意義

 民主党が争点にしているガソリンの暫定税率の廃止議論が始まりました。
 自民党は「暫定税率を維持しなければ現場が混乱する」と民主党無責任論を振りかざします。
 小泉内閣から三位一体と呼びながら五兆円もの財源を奪われた地方自治体からすれば、34年間にわたって安定した税源の“暫定”税率が無くなっては行政運営していけないと心配する声もあることは承知しています。
 私自身も県議会議員を務めた経験から、地方自治体の財源の状況を理解した上で議論しています。
 ここで冷静に考えていただきたいのは、地方自治体が無くなると困ると述べられている財源は約1兆円についてです。
 暫定税率による税収は2兆2千億円であり、利用者はその倍の税金を払っているのです。

◆暫定って何年間まで?
民主党は「税金の原則」も問うています。

 私は、与党・自民党がまだ上乗せの徴税を続けたいのであれば、現行の暫定税率は法律に従い今年3月で期限切れで終了としたうえで、ガソリンに対しての「新しい恒久税」を提案するべきだと思います。本当に必要だと考えるならば、正々堂々と増税新法を持ち出せるはずです。その上でしっかりと議論するのが本来あるべき姿だと思います。
 更に10年間、暫定税率を継続しますというだけの法案はおかしいと感じませんか?

◆租税特措法一括採決の横暴

 ガソリンの暫定税率とともに与党・自民党は、租税特措法について「一括採決」行う方針を決定。
 小泉内閣までは、与野党が賛否の違う特措法はキチンと採決を分離していました。
ところが、民主党も賛成の法案と賛成できないものとを抱き合わせで採決することを自民党は決めてきたのです。
 税金の使い方を精査していく道を閉ざしてしまう愚行であると同時に、すべてに反対して行政運営や国民生活に混乱をまねこうとしているといった民主党に対する「歪んだレッテル張りを行おう」とする全くムチャクチャなはなしです。
 こんなだから現在の自民党公明党の政権では税金の無駄使いを減らすことは不可能だと実感します。
 今年は干支の始めの子年です。政治も政権交代で一新させたいです。
 本年も皆様のご意見をお待ちしています!

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