【プレス民主 号外 2007年7月版】

こみやま泰子

 6月29日、国会は深夜まで続き、天下り人材バンクや社保庁看板付け替え法案の採決がおこなわれました。
 延長した国会での法案成立を安倍内閣総理大臣は得意満面インタビューに答えているのをみて少なからず違和感を覚えました。
 会期延長後、衆議院では牛肉偽装や審議途中の労働法など、問題山積しているにも関わらず、与党の拒否で全ての委員会審議が出来ていません。残念ながら報道に表れない国政の現状です。
 この会期延長は税金のムダ使いだと感じるのは、私だけではないと思います。

◆国会の存在意義と過去に学ぶ重要性

 衆参両院での強行採決など、不正常な採決は18法案にのぼりました。
 あるテレビ番組で国会が選挙のためだけにある現状だとして、このまま与党自民党の議席が増えると「不正常」が「正常」になり「通常」になるとのコメントがあり思わず頷いてしまいました。
 安倍内閣は佐田大臣の辞任から、産む機械発言、事務所費問題、不適切な献金など次から次ぎと問題が続いています。先週末には防衛大臣の原爆投下は「しかたがなかった」発言がありました。唯一の被爆国として、平和や戦争の愚かさを知っている日本国の衆議院議員として、『このままでは、日本が危ない』との思いを強めています。

◆与党は美名に隠れてアグラをかくな

 日本の平和の為の政治を追求した故宮澤喜一元総理の御冥福をお祈りします。戦争を知っている世代の政治家から、私達戦後世代の議員は学ぶべき事がたくさんあると、痛感します。
 議会制の下で、なぜ戦争突入を阻止できなかったのか。戦前に斎藤隆夫議員が「聖戦の美名に隠れて・・・」と反戦を訴えた国会演説の後、議会は彼を除名しました。今国会では、民主党の内山代議士が除名処分に次ぐ重い処罰「登院停止30日」を与党は議決しています。
 内山代議士は社会保険労務士であり、年金問題のエキスパートとして消えた年金納付記録について明らかにしていった中心的議員でもあります。

◆このままでは日本が、議会が危ない

 今国会では、委員会で採決もせず、場合によっては議事録もなく法案が「多数議席をもつ与党」により成立しました。法案の内容よりも、ただ単に成立させる事のみが目的(実績)になっているようです。
 多数を得ていれば、「何をしても正しい」とは限りません。
 だからこそ歴代の首相や与党の先人達は「多数ならばこそ謙虚になれ」と注意を払い議会を重んじてこられたのです。
 残念ながら現内閣にはこうした先輩世代の思いは届いていないようです。

◆「消えた年金」「増える税金」加速する個人負担増

 さて「消えた年金問題」と共に、深刻なのは定率減税廃止などにより、個人への負担が額増している事です。2年前、私は衆議院本会議で定率減税廃止に対して反対討論をしましたが、今、私の文章を読まれている方にも、先月と今月の給与明細をみて何かの間違いではないかと思った方もいらっしゃる思います。
 取りやすい所から取るとでも言わんばかりの個人負担増ではなく、天下り法人などへの無駄な支出を止めるのが先だと考えます。

◆政権に問題あれば交代させる

 英国では10年間続いたブレア首相に代わりブラウン首相が誕生しました。また来年には、米国大統領も替わります。
 ブレア首相はイラク政策などへの国民の不満を受けて辞任。ブッシュ政権の支持率も同様な理由で調査のたびに過去最低を記録する状況にあります。
 小沢一郎代表を先頭に「生活が、第一。」と、この夏の参議院選挙では生活を守る為に闘ってまいります!

アーカイブ