【プレス民主 号外 2011年4月30日版】

こみやま泰子

 被災により延期となった自治体などを除き、統一地方選挙が終了しました。政権党である民主党にと
って、大変厳しい結果となりましたが、有権者の皆さまの「投票行動を通しての声」を重く受け止め、出来る限り尊重したいと思います。
 3月11日に発生した東日本大震災から約50日が過ぎましたが、地震、津波、原発事故、液状化に
対し、瓦礫撤去、被災者の居住空間の確保、こどもたちのケア、障がい者・難病等の持病をお持ちの方
々など社会的弱者を作らない等、多岐に渡る対策が必要です。
 震災後の対応がしっかり出来るように体制を整える事も与党議員の責任であると痛感した統一地方選
挙の結果です。

◆4兆規模の第一次補正予算審議について

 49年ぶりにゴールデンウィーク中の休日審議が行われました。
 被災地での瓦礫撤去や埼玉県からも要望のあった学校の耐震化等も盛り込まれた第一次補正予算は5月2日にも国会通過可決が見込まれます。災害の初動対策から、いよいよ本格的な復旧復興へと動き出します。
 総額4兆153億円が復旧の基礎になることを期待しています。
 震災後の対策を議論・検討するにあたり、最近脚光を浴びるのは岩手県出身の後藤新平です。関東大
震災の後の東京の復興計画をつくり、今回も与野党内で設置案も取り沙汰される「復興院」構想の原点
でもあります。後藤新平のような、明確な復興計画を打ち出せる人物が現れることが望まれますが、多
数の協議機関が役割分担のはっきりしないまま並立している中では難しさを拭いきれません。
 私が今、災害復旧の中で特に注視しているのは瓦礫撤去作業での粉塵被害や、被災者の方々の健康被害などです。さらに、最大の心配は福島第1原発事故です。この事故による被害ははかり知れません。ようやく放射性物質拡散予測情報が国内でも発表されるようになります。風向き等、今後は天気予報のように拡散予測にも注意を払う事となるのでしょう。

◆NHKスペシャル「汚れた大地」チェルノブイリから学ぶべき事

 先日、中塚一宏代議士から「NHKスペシャル『汚れた大地』観た?」と尋ねられました。これはチェルノブイリ原発事故の20年後の健康被害を追ったドキュメンタリーで、2006年4月に放送されたものです。後日、映像を観て改めて原子力発電の功罪と今後の日本のエネルギー政策の見直しの必要性を認識しています。事故から10年後には子どもの甲状腺癌が急増、20年後、子どもの甲状腺癌は減少するが代わって大人の甲状腺癌が増加と、長期的影響のある放射能による健康被害の実態に背筋がゾッとしました。
 福島第一原発事故が起きた本年、チェルノブイリ原発事故から25年を迎えました。世界各地で自然エネルギー、再生可能エネルギーへの転換や活用が更に進む事になるでしょう。

◆小佐古内閣官房参与の突然の辞任

 国会は休日返上で審議が行われ、与野党の被災地域選出議員から現場の実状と復興への提案が訴えられました。そこへ飛び込んできた、内閣官房参与の辞任記者会見に私は驚きました。また辞任理由も衝撃的です。
 放射能による健康被害を出さないように厳格に安全を重視してきたはずの日本において起きた重大事故。政権交代後、鳩山総理の施政方針演説にあった「いのちを守る」という歴史的、感動的な尊い理念を今一度思い返せねばなりません。未来を担う子ども達の健康を守るために、ほんとうに必要な対策は何であるか、議員として見誤ることのないよう、しっかりと行動してまいります。

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