令和七年三月二十六日【衆議院】国土交通委員会議事速報(未定稿) ◆この議事速報(未定稿)は、審議の参考に供するための未定稿版で、一般への公開用ではありません。 ◆後刻速記録を調査して処置することとされた発言、理事会で協議することとされた発言等は、原発言のまま掲載しています。 ◆今後、訂正、削除が行われる場合がありますので、審議の際の引用に当たっては正規の会議録と受け取られることのないようお願いいたします。 ○井上委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。小宮山泰子君。 ○小宮山委員 立憲民主党の小宮山泰子でございます。質疑の機会、ありがとうございます。  本日議題になっております道路法等の一部を改正する法律案は、昨年の能登半島地震を受けて、平時からの備えと災害発生時における初動対応の充実、インフラ管理の担い手不足への対応、道路分野の脱炭素化の推進を図るため、所要の措置を講じようとするものであります。  三月二日、能登半島、輪島などを水循環基本法フォローアップ委員会の皆様と私、小宮山が訪問した際、発災後、緊急であったため、道路整備、道路啓開の後の瓦れきが道路脇に放置されていたり、段差や舗装未整備など、昨年の地震発災から一年以上経過してもなお、半島の特徴ある地形条件もあるとしても、これほどまで復旧復興が遅れているのかと驚愕いたしました。大規模災害からの復旧というものの難しさというものも痛感をいたしました。  その一方で、単なる過疎化対策の施策でない、生活インフラも含めた自然共生型生活圏、地域資源の循環型村、百年後の豊かな暮らしで、限界集落を現代集落に変えるプロジェクトの実証実験施設も拝見し、新たな希望や、また期待も膨らんだところであります。  今国会では、災害対策基本法改正も行われる見込みであります。被災地から様々な学びを私たちはいただいております。改めて、被災された皆様にお悔やみとお見舞いを申し上げ、そして、ここから私たちが学んだこと、そして次に起こらないための予防的措置も含めて、しっかりと対応していくことで応えていきたいと思っています。  さて、まず最初に、災害応急対策に資する施設等に係る道路への占有許可基準の緩和、法の第三十三条第二項第五号関連に関して質問いたします。  本法案は、いわゆる無余地性要件を、第三十三条第二項を改正し、適用除外の対象を拡大することで、可搬性、運搬、移動可能なコンテナ型トイレ等を道の駅の駐車場の一部を占有する形で設置ができるようになります。  トイレのほかにも、コンテナは、車両、宿泊場所、医療、飲食、お土産物の物販、販売などとしての活用なども考えられ、平時での災害準備施設やビジネスとしても有効な手段で、今後の道の駅の発展が地域の発展につながることが期待されております。  道路利用者に快適なサービスを提供する施設として、道の駅は全国千二百三十駅が登録されていますが、残念ながら、私の地元、埼玉県川越市、富士見市におきましては、道の駅の設置はありません。とはいいながらも、JAいるま野農協が設置する直売所のあぐれっしゅ川越などでは、駐車場に既設のトイレ施設もあり、市中心部の観光地との間でパーク・アンド・バスライドなどの起点として用いられる駐車場施設とも隣接するなど、半ば公的な施設のような役割も担っています。  JAが設置する直売所や民間商業施設の駐車場、あるいは鉄道の駅周辺など、大規模災害時などには、コンテナ型トイレなどの設置を行うことができれば、当該地域での災害対策の施策として有効に機能すると考えます。  今回の改正の災害時への対応ができるようにする趣旨を鑑みると、これら道路施設に当たらない民間の駐車場、鉄道の駅隣接などであっても、一定の条件がそろえば、災害時に本法案と同様の、道の駅と同様の機能を果たせる場所を例えば準道の駅として登録することも考えられます。  今後の検討も視野に、改めて本法案の改正の意義について、大臣に認識をお伺いいたします。 ○中野国務大臣 小宮山委員にお答え申し上げます。  今回の改正法案の意義も改めてということで、今回、災害時に出動可能な可動式コンテナ等に係る道路の占用許可基準の緩和、委員御指摘のところは、平常時から道の駅の駐車場等へのコンテナ設置を促して道路利用者の利便性を高める、あわせて、災害時には被災地に派遣して支援に役立てる、そういった意義があると考えております。  これは、道路法の枠組みの中でこれをやるということでありますが、委員御指摘のとおり、この枠組みによらずとも、官民連携であるとか、あるいは委員の御地元の、そうした民間での取組ですとか、こうした災害への備えが充実をすることはやはり望ましいというふうに私も考えております。  本法案の措置によりまして、法案の対象外でもありますけれども、民間の駐車場等でも同様の取組が進んで、広くコンテナ型のトイレの設置が行政のみならず民間でも進む、そういう契機ともなるのではないかという、そういう意義も私も考えております。  これは、現在、内閣府においてということなんですけれども、災害時に活用可能な可動式のコンテナなどを平常時からデータベース化をしていこう、発災時には被災自治体のニーズに応じて迅速に被災者支援を図るという、登録制度というものの構築を内閣府においても進めているというふうに私も承知をしております。  道の駅以外も含めまして、平常時に様々な場所に設置してある可動式のコンテナを災害時に出動をさせる、こうした実効性も、こうした中で確保もされていくのではないかということも考えております。  国土交通省としましても、内閣府を始めとして関係省庁ともしっかり連携をさせていただきまして、官民を挙げた、まさに委員おっしゃるような、そういう災害の備えを充実をさせる取組というのにしっかり協力をしていきたいというふうに考えております。 ○小宮山委員 ありがとうございます。  是非、ある程度人がいるところだからこそ、逆に道の駅がないエリアというのが結構あります。やはり、そういったところで、ここのところ国土交通委員会では駅にトイレがない問題というのが何度か取り上げられていますが、こういったところに関しても設置ができるようにするというのは重要かと思います。  そこで、コンテナ型トイレにおいては、単に汚物、汚水をためていくだけのもののほか、合併浄化槽に近い処理を行えるものなども考えられます。合併浄化槽に類似の処理では、薬剤の利用とともに、微生物による有機物の分解が行われるなど様々なタイプがあります。  コンテナ型トイレ、災害被災地での活用などにも大きな可能性のある鉱物由来の薬剤を活用したトイレシステム、循環型水洗トイレについて、国土交通省でも導入や試用について検討してみることはいかがでしょうか。見解を求めます。 ○山本政府参考人 お答え申し上げます。  能登半島地震では、ライフラインから独立して使用できる可動式の防災用コンテナ型のトイレが被災地域の道の駅などに派遣をされまして活用されるなど、その有効性が確認をされたところでございます。  この防災用コンテナ型トイレにつきましては、汚水を微生物処理することで、少ないくみ取り頻度での連続使用を可能としているものでありますけれども、このほかにも、委員御指摘のような、鉱物由来の薬剤を使用したような、汚水を自己処理してくみ取り頻度を低減させる技術は様々あるというふうに承知をしております。どのような技術を用いるにいたしましても、くみ取り頻度の低減、これは被災地支援に有効なものだというふうに考えております。  微生物処理に限らず、様々な技術の導入を図っていくことも重要な視点であると考えておりまして、国土交通省におきましても、発注方法を工夫したり、地方公共団体に対して様々な技術の情報提供、こうしたことを行うことによりまして、有効な技術の活用に努めてまいりたいと考えております。 ○小宮山委員 東日本大震災のときに東北地方を私、仮設トイレの視察というか、見て回りました。正直言って、浄化槽、バクテリアの方法ですと、何百人と使うと処理機能が低下をし、汚物が山盛りになって使えなくなるという状態であります。  また、被災地におきましても、集中しますので、今度は、汚物ができたときは、イベントなんかもそうですけれども、夜の間にその汚物を仮設トイレからバキュームとかで吸うんですが、そのバキュームカーが行くことができないという状況もあります。なので、できるだけ循環型のような処理能力のあるもの、独自で分離できるものというのは非常に有効な手段だと考えております。  これをすることですとか、上下水道、今、国交省の方に布設の権限が来ていますが、中水道、再生水の利活用や、また廃棄とか、この辺りも法改正などをしていかなければ、現実的には扱い切れないというか、有効性が一番発揮できないということでもありますので、是非、今後、この点は検討していただければと思います。局長、大きくうなずいてくださって、ありがとうございます。是非期待しております。  さて、次に、今回の改正で、道路の脱炭素化に係る規定が設けられ、道路の脱炭素化に資する施設等として政令で定めるもの、脱炭素化施設等であって道路の交通に支障を及ぼすおそれが少ないものとして政令で定める場所に設けられているものについて、道路の敷地外に余地がないため、やむを得ない場合であっても、道路の占有の許可を与えることができることとなります。  脱炭素化施設等として代表的なものは太陽光発電、ソーラーパネルが挙げられますが、再生可能エネルギーの供給源としては、ほかにも幾つも手段があります。脱炭素化施設等はどのようなものを想定されているのか、また、道路の脱炭素化について、LED照明、脱炭素化施設等のほかに、どのような手段が想定されているのか、お聞かせください。 ○山本政府参考人 お答え申し上げます。  今回の改正案におきまして、占用許可の緩和対象となります脱炭素化施設等につきましては、当面設置が見込まれます具体的な施設といたしまして、太陽光発電施設、電気自動車用の充電機器、シェアサイクルの駐輪装置などを想定をしております。  また、LED照明や脱炭素化施設など以外の脱炭素化の手法といたしましては、道路の整備の段階におきまして低炭素の材料を使う、あるいは機械を使っていく、そうしたことでありますとか、道路の利用の段階におきましては、自動車から低炭素な移動手段への転換の促進といったことを考えております。  今後とも、幅広い施策について、関係機関、民間企業とも連携をしながら取り組んでまいりたいと考えております。 ○小宮山委員 今、局長からおっしゃられましたとおり、そのほかでは地中熱の利活用、小型風力発電、また、太陽電池としても、高効率のペロブスカイト太陽電池のような次世代型の導入も考えられます。指摘もありました環境配慮型のコンクリートの採用というのも、確かに有効だとは思います。  脱炭素化を進めるに当たっては、多種多様な手法があります。日本では、二〇五〇年に脱炭素社会の実現を目指しており、中期目標として二〇三〇年度までに温室効果ガスの排出量を二六%削減することを掲げています。そうであるならば、究極は、自家用車、自動車の利用をラストワンマイルに抑え、公共交通への分散、都市は徒歩、自転車を活用するように、交通機関の特性を生かした都市計画に転換すべきであります。  アイルランドを始めEU諸国においては、SUMP、サステーナブル・アーバン・モビリティー・プランズ、持続可能な交通計画が考えられており、そして、それは実際にもう導入されております。もしこの道路法改正も、中野洋昌大臣の下、環境と交通と都市計画を融合させる方向に向けての改正となっているのであればということで、御見解をお聞かせください。 ○中野国務大臣 お答え申し上げます。  大変重要な御指摘かと思っております。  今回の法改正では、道路の脱炭素化を進めるということで、これは地球温暖化の防止を図るなど環境負荷を低減をさせるということが目的、目指していることでありまして、そのためには、委員御指摘のとおり、自動車による輸送を代替できる部分については、やはり低炭素な移動手段に転換をするという必要があると思います。  それに向けて、例えば、交通結節拠点の整備による新たなモビリティーですとか公共交通の利用環境を向上させる、シェアサイクルを普及促進させる、快適な歩行空間を整備する、こうした取組を行っております。  こうした取組を効果的に実施をするためには、当然、都市計画ですとか地域公共交通計画ですとか、各地域において関連する計画がございますので、これを踏まえて、関係者が連携して進めることが重要だと考えておりますので、今後策定する道路の脱炭素化基本方針には、こうした低炭素な移動手段への転換というものを重要な施策として位置づけます。そして、各道路管理者が脱炭素化推進計画を検討するに当たりまして、まちづくりの部局や交通の部局としっかり連携をするようにということで促してまいります。  そういう意味では、こうした枠組みを導入する今回の法改正というのは、まさに環境と交通と都市計画をしっかり融合させていこう、こういう方向性となっているということで考えております。 ○小宮山委員 ありがとうございます。  環境とともに、また、ほかの部局とも連携をするということで、私自身も、交通まちづくり、脱炭素化ということと地方の交通網というのが、とりわけ縦割りで話されると結果としてどれも生きないということが起き、ここを直すためには、この脱炭素化を軸に、各交通機関、そういったものの特性を生かしていく、都市計画も含めてやっていくことが大切だと思っております。立憲民主党としては、この方向で進められるようにしてまいりたいと思っています。  さて、最後の項目になりますが、時間がないので簡潔にいたしますが、無電柱化推進に関してお伺いいたします。  二〇一六年十二月九日に成立をいたしました無電柱化の推進に関する法律なんですが、これができて、もう新設を減らそうと私も頑張りましたが、法律はできたのですが、残念ながら、いまだに、令和五年度ですが、四万二千本も毎年増加をしています。当初から見ると、二万本ぐらい、年間増えるのが減ったのですが、まだまだ十分とは言えません。改めて、無電柱化推進の意義、メリットについて、大臣の御見解をお聞かせください。 ○中野国務大臣 お答え申し上げます。  委員御指摘の無電柱化は、防災、安全、円滑な交通の確保や、あるいは良好な景観形成、観光振興等の目的で推進をしております。  防災の観点で申し上げれば、能登半島地震の際には、約三千百本の電柱の倒壊などで道路閉塞が発生をいたしました。他方、輪島市を始め八市町では、無電柱化を実施した約二十キロの区間では、発災直後から救助や復旧活動を行う車両の通行が可能になった、こういうこともございます。  災害時の道路啓開の観点からも緊急輸送道路の無電柱化は重要でございますので、国土交通省としましては、関係省庁や電線の管理者とも連携をしまして、新たな電柱の設置を抑制をする占用の制限措置なども組み合わせながら、緊急輸送道路の無電柱化をしっかり推進してまいりたいと思います。 ○小宮山委員 八潮市市内で起きました道路陥没事故は、道路の断面図が報道で随分出され、道路の下にはいろいろなものが埋まっているというのを痛感したことで、皆さんがよく分かったと思います。  また、無電柱化が進んでいます台北市に行った際におきましては、ここは地中化に関する基準の制定が一九九二年に行われ、共同溝の敷設により、電気だけではなくガスなどを含めて、工事計画から民間企業も加わり一元管理が行われ、効率的なインフラ施設の工事、維持管理が実現をしております。  地中埋設インフラ施設について、一元的に把握しておく仕組みの導入、それら情報を、効率的な維持管理、国及び地方自治体で進められるように取り組んでいく必要があると思います。国土交通省で取り組み、デジタル化の効率化こそ、国交省が牽引すべき案件だと思っています。この点に関しまして、大臣の見解を伺います。 ○中野国務大臣 委員の御指摘のとおり、道路の地下に埋設されたインフラ施設の情報の一元的な把握、これは非常に大事だと思っております。  既に、実は下水管や通信線などの占用許可申請情報を基に、道路管理者が、一部の大都市においては、竣工図を例えばシステム上で一元的に管理をするような、そういう取組は進められております。  また、道路上で行われる様々な、道路管理者、地下のそういった物件を占用されている方の工事などがございますので、こうした共同の工事の調整を行うために路上工事調整会議を各地域で開催をする、こうした取組も今やっております。  他方で、委員御指摘の、八潮市での道路陥没事案も踏まえれば、道路管理者と道路占用者が持つ点検の計画や点検の結果などの情報を相互に共有するということも必要だというふうに思っておりますので、今、インフラ老朽化対策を進めるために、道路メンテナンス会議というのをやっておりまして、その枠組みの中で、そうした情報を共有をする協議体というものを今新たに設置をしたところであります。  こうした、八潮市の事案を踏まえて設置をしている対策検討委員会における議論、今まさにやっておりますけれども、こうした議論も踏まえつつ、地下に埋設されている埋設物の情報の一元的な管理の在り方ということも含めて、引き続き、検討を進めてまいりたいと思います。 ○小宮山委員 しっかりと国で進めたインフラの整備、これをしっかりと地方もできるように、更新ができるように努力されることを心から願い、質問を終わります。  ありがとうございました。