令和5年11月10日 衆議院国土交通委員会議事速報(未定稿) ◆この議事速報(未定稿)は、審議の参考に供するための未定稿版で、一般への公開用ではありません。 ◆後刻速記録を調査して処置することとされた発言、理事会で協議することとされた発言等は、原発言のまま掲載しています。 ◆今後、訂正、削除が行われる場合がありますので、審議の際の引用に当たっては正規の会議録と受け取られることのないようお願いいたします。 ○長坂委員長 次に、小宮山泰子さん。 ○小宮山委員 立憲民主党の小宮山泰子でございます。  まず、改めて、斉藤大臣、再任おめでとうございます。岸田内閣発足からずっと大臣を務めている大臣はなかなかおりません。この経験を是非生かしていただくとともに、この国土交通委員会は意外に、国土の健全な発展を目指して、与野党、仲よくとまではいかないかもしれませんけれども、非常に闊達な、修正案であったりと、良好な関係を保っております。是非、三権分立の中で、私たちの意見、また聞いていただいたり、取り入れていただくこと、そのこともお願いいたしまして、更なる御活躍を期待しております。  さて、まず最初に、新型コロナが明けてきまして、インバウンドの復活と課題についてお聞かせください。  ブッキングドットコムの宿泊事業者への入金遅延についてお伺いいたします。  日本の旅行業法が適用されていない外資系のオンライン旅行会社、海外OTAと日本の宿泊事業者の間で起きているBツーBの取引でのトラブルに関してお伺いいたします。  宿泊施設がブッキングドットコムを介して旅行者に客室を販売し、宿泊サービス提供後にブッキングドットコムから支払われるはずの旅行、宿泊代金の入金について、大幅に遅れているとの報道がありました。  金融システムメンテナンスに伴う送金遅れは解消し、大半の支払いは再開されているとのブッキングドットコムの見解も伺っておりますが、新たに国際送金に係る送金遅れが十月頃に顕在化するなど問題が発生したために、一部の支払いが遅延しているのが現状であるとも聞こえております。取引先に対して直接連絡窓口を設けて対応していたようですが、現状、事態は収束されていないとも伺っております。  そこで、海外OTAとのトラブルから消費者を守っていく仕組み、制度が不十分なのではないか、また、そうした意識が薄いのではないかと感じております。観光庁、消費者庁には、ブッキングドットコムに関わるトラブルについて、情報把握ができているのか、また、どのように対応しているのか、御回答ください。 ○加藤政府参考人 お答え申し上げます。  原因といたしましては、七月のシステムメンテナンスの不具合により、全世界で取引のある宿泊事業者への送金がストップしたことによるものとのことでございました。八月十六日からシステムは復旧し、全ての取引相手への送金操作を済ませ、大半は既に着金済みとのことですが、国際送金の際の金融機関間の情報連携上のトラブルなどの技術的な問題により、一部事業者が未着金となっており、現在緊急に対応している状況とのことでございます。  観光庁におきましては、八月二十二日に、日本法人を通じてブッキングドットコム社に対し、宿泊事業者に対する丁寧な状況の説明と迅速な対応を指示したところですが、引き続き支払い遅延の状況が続いていたことから、十月十一日に改めての対応を求めたところでございます。  ブッキングドットコム社から十月三十日付で報告されたところによりますと、支払い遅延の最も多かった、これは九月とのことですが、九月に支払い遅延の影響を受けた約二千五百事業者のうち、同日時点で引き続き支払い遅延となっているのは十四事業者とのことでございました。  これを受け、今月六日に、ブッキングドットコム社の日本法人の代表に対し、未着金施設の数の精査、支払い遅延の早期解消、宿泊事業者等に対する正確かつ迅速な情報提供、さらには、支払い遅延の詳細な原因分析と再発防止などを要請したところです。  支払い遅延の早期解消に向け、引き続き、ブッキングドットコム社の対応をしっかりとフォローしてまいります。 ○藤本政府参考人 個別の事案についてはお答えを差し控えさせていただきますが、消費者庁では、消費者がインターネットを利用した旅行予約におけるトラブルに遭わないようにするために、予約前にサイト運営事業者の基本情報を確認すること、予約後に予約内容をすぐに確認することなどのチェックポイントを消費者庁のウェブサイトに掲載し、消費者への啓発を行っているところであります。  また、国民生活センターによりますと、インターネットで予約した旅行に関する消費生活相談の件数は、二〇二一年度は約二千三百件であったところ、二〇二二年度は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う制限がなくなり、旅行する機会が増えたことなどから、約四千五百件と約二倍に増加しております。  こうした状況を踏まえまして、国民生活センターは、二〇二三年九月に、キャンセルの要件や契約内容をよく確認することなど、消費者向けに注意喚起を実施しております。  消費者庁としましては、引き続き、消費生活相談の状況も踏まえまして、啓発に取り組んでまいりたいと考えております。 ○小宮山委員 消費者庁の方にも、問合せ等、様々苦情等が入っているということで、増えているということではあるようです。  日本で旅行業登録を行っていない海外OTAなどの事業者は、旅行業法の対象外となり、また、今回の送金遅れの原因も、当該OTA事業者のみにあるのではなく、国内と海外事業者での商習慣の違いとか送金システム上の問題もある様子です。是非とも、国内ホテル、旅館業者ができるだけ不利益を被ることのないよう、関係省庁とも連携して対応していくよう要請をいたします。  観光庁の所見、決意をお聞かせください。 ○加藤政府参考人 お答え申し上げます。  ブッキングドットコム社に対して、支払い遅延の詳細な原因分析と再発防止等を要請しているところです。その内容も踏まえ、必要に応じて関係省庁ともしっかり連携して、しっかりと対応してまいります。 ○小宮山委員 ありがとうございます。  旅行等がまた活発に動き出すことによって、トコジラミの被害についてお伺いいたします。  南京虫の名前で知られ、刺されると強いかゆみを伴うトコジラミは、日本国内において、一九七〇年代以降ほとんど見受けられなくなり、ほぼ撲滅に成功したというものであります。日常ではなじみはございませんが、二〇〇〇年代以降、欧米や豪州を始め、世界各地で被害拡大が報告されております。  フランスでは、トコジラミを駆除するため、各地で学校の休校、公共機関や公共交通、ホテル、劇場などが消毒のため閉鎖されて、社会問題となっているとも聞いております。  二〇二三年五月、全国旅館ホテル生活衛生同業組合では、「トコジラミに関する警戒のご案内」として、トコジラミに関する情報と対策を発信されております。  そこで、トコジラミ被害の防止のための注意喚起、対策方法などについて周知徹底はどのように取り組まれているのか、御説明ください。 ○鳥井政府参考人 お答えいたします。  トコジラミの被害ですが、最小限に抑えますためには、繁殖する前の早期発見、早期対処が重要でございます。  厚生労働省といたしましては、日本ペストコントロール協会とも連携し、保健所を設置している自治体の担当者向けに行う研修会において、トコジラミの効果的な防除法等を共有しておりまして、各自治体から、トコジラミ被害の防止のための注意喚起や対策等についての周知を行っていただいております。  また、厚生労働省からの補助金を受けて作成された旅館・ホテルのための害虫対策の手引書というのがありまして、これを全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会等を通じて周知を行っているところでございます。  今後とも、自治体や関係団体と連携し、トコジラミ被害の防止のための注意喚起、対策方法などの周知に取り組んでまいります。 ○小宮山委員 新型コロナが明けて、日本も様々、訪日外国人も多く来ております。インバウンドの需要の回復、増加とともに、これはやはり、多くの観光客に対し、持ち込ませないためにも、水際対策は大変重要になってくると思います。  そのための注意喚起、厚生労働省だけではなくて、衛生面の問題だからといって、担当は厚生労働省かもしれませんけれども、この取組ついては、国交省においても、港湾局、海事局、航空局など、水際対策に係る部局が大変多くあります。  さらには、観光客に対しては、やはり注意喚起をするには観光庁が中心になってやるべきではないかと考えます。そのためにどのようなことをされるのか、是非、観光庁にも一言お願いいたしたいと思います。 ○加藤政府参考人 お答え申し上げます。  海外からの入国に関しましては、一義的にはやはり水際で対応すべきものと考えておりますが、観光庁といたしましても、関係省庁からの要請があれば、旅行業の関係団体などを通じて海外渡航者に対し、注意喚起することを検討してまいります。 ○小宮山委員 委員長、ちょっと速記を止めてください。 ○長坂委員長 では、止めてください。 〔速記中止〕 ○長坂委員長 起こしてください。  小宮山泰子さん。 ○小宮山委員 ちょっと地震があったので止めさせていただき、皆さん、御協力ありがとうございました。  さて、本日も大分話題になっておりますライドシェア、白タク、有償運送事業などの定義と実態についてお伺いしたいと思います。  最近報道等でも多くなっておりますが、欧米諸国を始め各国で利用されているライドシェアが日本では認められていない、また、日本での対応が遅れている、タクシードライバー不足への対応として導入すべきといった言葉が添えられて、ライドシェアが取り上げられる場面が多く見られるようになりました。  一言にライドシェアと呼びながら、その指し示すものは、対象となる国や地域、語る人によって定義が曖昧となっているのはないでしょうか。  知人同士での無償での自家用車移動。既存のタクシーなどの枠組みの中で、同じ目的地へ移動のための他者の同乗といった、車両の中の座席をシェアするという意味でのライドシェア。また、自家用車を自ら移動の用に使っていない時間帯について、他者を乗車させ、希望の場所まで送っていき、その対価の授受が伴う、二種免許、許可事業という枠組みで行われている、運行管理、車両整備の責任を事業者により担保させるハイヤー、タクシーではない白タク、白ナンバーでのタクシーとなるライドシェア。こういった様々なことがあります。  是非、言葉の定義の内容、実態をどのように捉えているのか、また、海外などでの導入の実態など、その後の評価、メリット、弊害などについてどのように把握しているのか、国土交通大臣よりお伺いいたします。 ○斉藤国務大臣 冒頭、ネクストキャビネット国交大臣の小宮山大臣から激励をいただきました。私もしっかり頑張りますので、よろしくお願いいたします。  ライドシェアとは、一般的に、アプリ等で自家用車、ドライバーと利用者をマッチングさせ、輸送サービスを提供するものであると考えていますが、決まった定義はなく、海外では様々な形態で運営されているものと認識しております。  いずれにいたしましても、国土交通省としては、運行管理や車両整備等について責任を負う主体を置かないままに、自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態で、有償で旅客輸送サービスを提供することは、安全の確保、利用者の保護等の観点から問題があり、認められない、このように認識しております。 ○小宮山委員 業界関係者を招いて議論をした河野規制改革担当大臣は、規制を守るために難しくしているが、守るべきは規制ではなく、国民の移動の自由だとの発言があったそうです。  バスの規制緩和では、高速バスの規制緩和を行った結果、格安バスが増えたものの、安全性に問題があり、二〇一二年の関越道のバス事故、二〇一六年の軽井沢スキーバス転落事故など、重大な事故が起きたことにより、安全を守るために法改正、規制強化をしてきました。  そもそも、国民の移動の自由はあるのが日本です。現在の問題は、高齢化や人口減少など社会環境の変化、カーナビの普及や車両の安全技術など技術が進んだのに、現状にそぐわない規制やタクシー業界の規制が様々あり起こっている不具合なんだと捉えることができます。ならば、この規制を見直すことから始めるのが、安全に国民が移動できる環境につながるのではないでしょうか。  また、自家用有償旅客運送、道路運送法七十八条の事業をライドシェアとして紹介している報道が見受けられますし、欧米で普及したライドシェアとの報道も聞かれますが、オンラインでの仲介も旅客運送業に当たるとした判決など、欧州の多くでは違法とされています。道路運送法に違反する白タク行為との報道も、私は見たことがほぼありません。  国土交通省国土交通政策研究所の分類を参考にすると、営利型ライドシェアや、また、非営利型ライドシェアなどあります。様々な解釈、言葉があり、都合よく使って、都合よく解釈され、都合よくライドシェア解禁論が善であるといった風潮は、人の命を乗せる有償運送において、冷静に考え、判断すべきと考えております。  ライドシェアと呼称するものが本来の所管でない他省庁の諮問会議において議論に取り上げられておりますが、これまでの国土交通大臣のライドシェアに対しての見解は継続、堅持されるのか、改めてお伺いいたします。 ○斉藤国務大臣 先ほど申し上げましたように、これまでお示ししてきた認識については、何ら変わるものではございません。 ○小宮山委員 ありがとうございます。しっかりと堅持をしていただければと思います。  さて、ユニバーサルデザインタクシーについて次にお伺いしますけれども、私自身も骨折をしたときに、様々、タクシーや公共交通を使わせていただきました。UDデザインの有効性と、実際に使うには改良すべき点があるんだということを体感いたしました。  UDタクシーについては、現在、新車販売されている車種はトヨタ製のジャパンタクシーのみとなっています。側面から乗り降りする、LPGを燃料としております。これも多くの皆様が御利用されたかと思っております。しかし、地域によっては、LPGスタンドの利用が難しいところもあり、ガソリン車のUDタクシーを望む声が届いてきております。  また、けがをしたときに、横から入るのに、歩道からタクシーに乗るスロープだと角度が変わるので、角度が急ですと非常ランプが鳴ったり、非常に危険な思いもしたのも事実でもあります。  タクシー用に、後方の乗り入れ可能なUDタクシー車両が新たに開発、販売、普及することが望ましいところですが、横から乗って座るとか、様々な工夫もできるかと思います。また、既存の福祉車両仕様のワンボックス車もUDタクシーとして認定されれば、選択肢が広がり、事業者にも利用者にも有益だと考えますが、国土交通省の見解をお聞かせください。 ○鶴田政府参考人 お答え申し上げます。  国土交通省では、様々な人にとって利用しやすいタクシー車両の普及に向けまして、ユニバーサルデザインタクシー、UDタクシー車両の認定制度を設けているところでございます。  現在、このUDタクシーとして認定を受けていますのが、販売されているのはジャパンタクシーのみ。これは、御指摘のとおり、側面から乗降するものですが、障害の当事者団体の意見交換の中でも、後ろから乗り降り可能な車両についてもUDタクシーとして認定欲しいという御要望をお聞きしております。  国土交通省としましては、そのような車両についてもUDタクシーとして認定できるよう検討を行っているところでございます。  引き続き、タクシーは重要な公共交通機関でございます、様々な人に利用しやすいように努めてまいります。 ○小宮山委員 一般販売されているウェルキャブの大半は、後ろから乗るものが大半でありますので、是非前向きに、実現に向けて検討を進めていただければと思います。  あわせて、自動車重量税の免税措置が取られているのがUDタクシーでもあります。免税措置の延長、並びに、今取り上げていた福祉車両ワンボックス車をということ、また、これも同じく免税措置が取られるように、税制改正論議の時期でもありますので、是非前向きにというか、実際に働きかけもお願いしたいと思います。  大臣、うなずいていただいたみたいですけれども、通告はしておりませんが、その点、いかがでしょうか。 ○斉藤国務大臣 私も、ユニバーサルデザインタクシー、後ろ向き、後部ドアから入れるのがなぜユニバーサルデザインタクシーとしてまだ認められていないのか、昔はあったそうですけれども、今は認められていないという、今認められていないのではなくて、今実際に動いている後部から入るユニバーサルデザインタクシーはないという現状を聞きました。  いろいろな当事者との、皆さんとの対話の中で今そうなっているようですけれども、今の御提言を踏まえて、しっかりとユニバーサルデザインタクシーが普及するように、しっかり頑張っていきたいと思います。 ○小宮山委員 最後になりますけれども、高断熱、高気密住宅への、既存住宅への支援などについてお聞かせいただきたいと思います。  ZEHなど高断熱、高気密の住宅建築を促すべく、本年度、補正予算での補助事業が行われてきたこどもエコすまいは、本年度九月に予算上限に達して締め切られるほどに高い注目を浴びたと伺っております。  こどもエコすまいの後継事業には今後どのように取り組まれていくことになるのか。また、新築でのZEHなど、普及促進を否定するものではありませんけれども、膨大なストックに上る既存住宅の高断熱、高気密化のための改修支援をより重視すべきと考えます。さらに、こどもエコすまいの後継事業に取り組む際にも、既存住宅の高断熱、高気密化改修なども広く対象としていくべきだと考えておりますが、大臣の考えをお聞かせください。 ○斉藤国務大臣 住宅ストックのうち、省エネ基準を満たしていないものが約九割あると推計されております。委員御指摘のとおり、ZEH住宅の新築のみならず、既存住宅の省エネ化を強力に進めていく必要があります。  こどもエコすまい支援事業では、約二十九万五千戸の省エネ改修の申請がなされ、既存住宅の省エネ化の促進に貢献しているものと考えております。  十一月二日に閣議決定された総合経済対策では、省エネ住宅の取得の支援を行うとともに、省エネ改修、断熱窓への改修、高効率の給湯器の導入支援についても盛り込まれたところでございます。  国土交通省としては、この総合経済対策も踏まえ、引き続き、経済産業省、環境省とも連携して、既存住宅の省エネ改修に積極的に取り組んでまいりたいと思います。 ○小宮山委員 この夏は本当に暑く、また、エネルギーの高騰などがあります。そもそもは、やはり、エネルギーや燃料を使わないという意味では、このような高断熱、高気密の住宅というものが増えることというのは大変重要な施策だと思っておりますので、是非進めていただければと思います。  そして、委員長、課題、様々山積しております。今回は法案がない臨時国会でもありますので、こういったときに、是非、二〇二四年問題や上質な住宅ストック、無電柱化、上水道、流域治水や海上領域警備など、空き家問題など、様々な課題がありますので、是非、集中的な審議をしていただくようにお取り計らいのほどお願いいたします。 ○長坂委員長 理事会で協議いたします。 ○小宮山委員 ありがとうございました。  以上で終わります。