令和5年2月20日 衆議院予算委員会第四分科会議事速報(未定稿) ○三谷主査 次に、小宮山泰子君。 ○小宮山分科員 立憲民主党の小宮山泰子でございます。  本日は、永岡大臣への質問ということで、たくさんいろいろな分野について質問がしたかったのですが、そのうちから厳選して質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。  まず最初に、今やはり多く話題になっています教育の環境について質問させていただきます。高等教育の給付型奨学金の拡充などについてお伺いいたします。  今の岸田内閣においては、防衛費の総額四十三兆円もの増額については閣議決定でどんどん決まっていくのにもかかわらず、子供、子育て、教育など、国民生活に直結した重要な様々な課題に関しての施策の充実は、議論は進むかもしれませんが、予算確保については、検討をするという定番のフレーズが重ねられております。  かつて子ども手当に強烈に反対をされた自民党の議員の先生からも、厳しく当時批判をいただきましたけれども、これについても、今現在は多くの方が、子ども手当、児童手当の拡充ということでまた進められるということは、政策の方向転換をされたということは歓迎されるものであります。  高い福祉と幸福度で知られますフィンランドは、教育も高く評価されています。その中では、フィンランドと日本の教育で大きく差があるのは、教育費が無償であるか否か。  フィンランドでは、全ての子供が平等に教育を受けられる環境があることを意味し、日本は、対照的に、家庭の環境、経済状況によっては子供の学ぶ環境や進学に影響が表れるという、この二つの大きな違いがあるかと思います。義務教育は日本と同じ九年間ですが、その間フィンランドでは、プレスクール、就学前教育学校から大学院までの教育費が全て無料、さらに、教材費用や給食費、 通学する上での欠かすことのできない交通費においても全て無償ということで、国が、未来の、将来の国の人材を育てることに力をかけていらっしゃいます。  日本では、親の所得制限や給食費の未払いなど、経済的理由によって進学を断念したり、たとえ大学を卒業しても奨学金の返済に追われるケースが少なくありません。日本の将来を担う人材を社会で育てる、未来への投資を実践する文部科学行政への転換を強く要請いたします。  そこで、高等学校以降の高等教育、大学、短大、専門学校等で、研究者や教育者も含めて、様々な専門知識を身につけて学ぶための費用を、家庭環境、世帯収入などに左右されず用意できるよう、給付型奨学金の拡充を行っていく、また、返済を要する奨学金であっても、返済方法が収入の状況に応じて柔軟に変更や免除、減額が行われるようにしていくべきと考えます。施策の拡充が必要だ と考えております。  文部科学省が率先して施策を示し、牽引していくべきですが、文科大臣の御所見をお伺いいたします。 〔主査退席、亀岡主査代理着席〕 ○永岡国務大臣 小宮山議員にお答え申し上げます。  給付型奨学金ですとか授業料等の減免につきましては、昨年六月の骨太の方針二〇二二等におきまして、負担軽減の必要性の高い多子世帯、それから理工農系の学生等の中間層に拡大することとしておりまして、現在、令和六年度の導入に向けまして、具体的な制度設計を進めているところでございます。  また、貸与型の奨学金につきましても、月々の返済額を減額できる減額返還制度について、制度の見直しの検討を進めているところでございます。  今後とも、経済的理由によりまして学生が修学を断念することがないように、教育費負担の軽減に努めてまいります。 ○小宮山分科員 社会人になっても一定以上の収入があると税制上の控除制度もなく、家庭を支えながら学ぶと子供や家庭への支出や時間を抑えなければならなくなります。これは学び直ししたくこの議事速報(未定稿)は、審議の参考に供するための未定稿版で、一般への公開用ではありません。  後刻速記録を調査して処置することとされた発言、理事会で協議することとされた発言等は、原発言のまま掲載しています。  今後、訂正、削除が行われる場合がありますので、審議の際の引用に当たっては正規の会議録と受け取られることのないようお願いいたします。  ても仕事と学業の両立は厳しいという現実も日本ではあります。  また、働きながら学ぶ勤労学生は、ドラマや小説の中でも、昔から新聞配達と飲食店のアルバイトなどが描かれておりまして、ある意味、しっかりとした賃金が保障されるものではありません。  高所得ということで、風俗や水商売で何とか学費を稼ぐという人もいるようであります。  暮らしていくには精いっぱいであり、学業習得にしっかり取り組めるという環境に日本はないと言えると思います。  そこで、学び直し、リスキリングが話題になっていますが、文科省として何か具体的施策はあるのか、この点を伺います。 ○永岡国務大臣 リスキリング、文部科学省では学び直しと言ったり、またリカレントと言っておりましたけれども、人生百年時代やデジタル社会が進む中で、生涯にわたりまして学び、新しい知識やスキルを身につけるために、社会人の学び直しの推進は大変重要だと考えております。  文部科学省といたしましては、DX等、成長分野を中心といたしました就職、転職支援のためのリカレント教育推進事業を実施しておりまして、開発されました教育プログラムは無料若しくは低廉な受講料で受講が可能でございます。  さらに、社会人ですとか、あとは企業等のニーズに応じて、職業に必要な能力の向上を図る実践的、専門的なプログラムを職業実践力育成プログラムとして認定をいたしまして、このうち厚生労働省の指定を受けた講座については、教育訓練給付金によりまして受講費用への支援を受けることができるようになっております。  また、社会人の学びを応援しますポータルサイト、マナパスでは、大学、短大、専門学校等が社会人向けに提供するプログラムが検索でき、また、無料で受講できるものに絞り込んだ検索も可能でございます。  引き続きまして、関係省庁と連携をし、必要なときに学び直しができる環境づくりを推進してまいります。 ○小宮山分科員 ありがとうございます。  私もそうですけれども、社会人になってから大学院に通信制で行きました。そのときに、多くの方々、三十代半ばはスキルアップ、六十代前後の方たちは自分の様々な経験を次に生かそうとして頑張っていた。しかし、その中で、やはり税制的な控除、ある程度働いて、自分たちで学ぼうとしてきた方、スキルアップしようとした方たちに対しては控除等がありません。  低所得にはあるんです。なので、こういった点も是非、過去に私も財務大臣に対しての質疑もさせていただきましたが、もう十年以上前になります。残念ながら、渋い、渋い、渋い、回答がないという状況でありました。こういったやり方もあると思いますので、この点も是非検討していただければと思います。  また、リスキリング、学び直しというのは必要ですが、学ぶことを知っているかどうかというのも大きくあります。  私の地元、埼玉県の川越市におきましては、中学生や高校生、学生の時代にホームステイを、一週間から二週間以内で短いんですが、海外に行くきっかけをつくっています。この前、そのOBの方たちのお話を聞く機会がありましたが、あのときに海外を見たことによって視野が広がり、そして自分の人生を、いろいろな学びをした、中には外務省に勤める子供もいましたし、起業をする、新しい事業を起こすということに社会人になってつながった、あの時代に行ってよかったということがありました。  今恐らく、国で応援する、支援をする留学というのは長期にわたるもの、学位を取るものとありますが、それよりも若い世代で、姉妹都市間でありましたけれども、そうやって地域ごとで、学びや、世界に出ることによって新しい視点を得る、そういう機会をやっている自治体に対しての支援等も是非御検討いただければと思います。  さて、次に行きますけれども、小中学校などの災害時のエネルギー供給施設について質問させていただきたいと思います。  トルコ、シリア地域での大地震は、四万五千人を超す人命が失われました。いろいろな背景はあるかと思いますが、実に東日本大震災の三倍以上という大きな命が失われております。改めて、被災された皆様の御冥福とお見舞いを申し上げたいと思います。  日本は災害大国でもあります。間もなく東日本大震災から十二年が経過し、今年は関東大震災から百年ということで、防災への関心は上がっていく、そんな年になるのではないかと思っています。  その中で、避難所として用いられる小中学校の体育館については、近年、耐震化とともにエアコンの設置が全国で進められているかと思います。  この点に関してはいいことだと思いますが、また、バリアフリー法改正によって、新規建設時及び大規模改修のときにもバリアフリー化も義務化され、現在は既存の施設へのバリアフリー化の要請が来ております。  一般的に、エアコンは高断熱、高気密の建物では効果が高くなりますが、体育館のような構造、外壁も屋根も天井も断熱性能に乏しいものに関しては、エアコンなどの冷暖房設備の効果は悪くなるのが一般的だと思います。小中学校などの体育館へのエアコン設置の推進が進んでいる中で、光熱料がかかる、構造上の問題で効率が悪いと心配する向きもあります。公立学校への遮熱、断熱改 修に対しての支援についてお伺いします。  また、今回新設される体育館などの仕様についてのガイドラインでの奨励など、取組状況についても御回答をお願いいたします。 ○永岡国務大臣 お答え申し上げます。  やはり学校の施設といいますと、災害が起きたときに避難所として使うということもありますので、非常に空調の設備は重要だと思っております。  学校施設の遮熱性また断熱性の向上は、児童生徒の快適性の観点、又は避難所の機能の観点、又は施設の省エネルギー化の観点からも大変重要と認識をしております。  文部科学省では、公立小中学校等の施設の遮熱性、断熱性向上のための工事に対しまして国庫補助を実施しているほか、体育館の空調設置に関する国庫補助につきましては、断熱性確保を要件としているところでございます。  また、文部科学省が策定いたします学校施設整備指針におきましては、地域の寒冷度そして利用状況等を十分検討いたしまして、断熱性能を確保した上で冷暖房設備の設置を計画することが重要であると示しているところでございます。  引き続きまして、学校体育館の遮熱性、断熱性の確保につきまして学校設置者の取組を支援してまいります。 ○小宮山分科員 既にエアコン設置が終了しています、私の地元なんですけれども、ふじみ野市の女性市議から、体育館の高断熱、高気密化や屋根、屋上の遮熱、断熱材の追加工事が必要ではないか、その方が効率がよくなるのではないか、そのときの手法の一つとして遮熱塗料の敷設も有効と考えるけれども、これは対象に入っているのか分からないという声がありました。この点、遮熱塗料というものも入るのか、お聞かせいただければと思います。 ○笠原政府参考人 お答えいたします。  文部科学省では、公立小中学校等の施設の遮熱性、断熱性向上のための工事に対して国庫補助を実施しております。その中で、御指摘の遮熱塗料を使用した工事についても補助対象としてございます。 ○小宮山分科員 遮熱塗料も補助対象になるということで、御答弁ありがとうございます。  ただ、残念なのが、この点が余り地方自治体に、様々な手法があるということが知られていない、認知されていないというのは大変残念であります。  是非、遮熱、断熱改修には、遮熱塗料のように認知度が低いのも含めて様々な方法があるということ、より環境に優しく、省エネ、かつ、できることならばエネルギーを使わない低エネルギーな整備を文部科学省として情報提供をしていただくことを要請いたします。  また、体育館など、通常時から利便性、快適性の向上、また、自然災害時の避難所として使用する際の機能向上へとつながるように努めるべきだと考えておりますので、この点と併せまして、小中学校の体育館などへの再生可能エネルギー、ソーラーや地中熱などの導入も併せて、蓄電池施設設置推進、及び、災害時には非常に有効であると考えられます都市ガスエリアにおいてのLPガス 利用施設の設置の促進についても、所見並びに取組状況について答弁を求めたいと思います。 ○永岡国務大臣 文部科学省では、遮熱塗料の特性を踏まえた活用も含めまして、学校体育館の温熱環境確保のための改修の手法や事例、これにつきましては情報提供をしております。そして、温熱環境の確保に向けた取組、これもしっかりと進めてまいりたいと考えております。  学校施設では、児童生徒の学習、生活の場であるとともに、災害時には地域の避難所としての役割も果たすことから、やはり、何といっても防災機能の強化は重要でございます。その観点からも、再生可能エネルギー設備等の設置、これは重要と認識をしております。  このため、文部科学省では、公立学校施設につきまして、太陽光や風力、地中熱利用設備等の設置、そして太陽光発電設備等を整備する場合の蓄電機能の整備、またLPガスを利用するための施設の整備など、学校施設整備指針やまた事例集等で示すとともに、国庫補助対象としておりまして、学校設置者に対し、地域の実情等を踏まえまして、取り組むようにお願いをしています。  今後とも、公立学校施設につきまして、様々な再生可能エネルギー設備の設置などの取組が進むよう支援をしてまいりたいと思っております。 ○小宮山分科員 ありがとうございます。  質問としては聞きませんけれども、是非、昨今の光熱費の高騰に対して、学校もそうですし、文科省の関係の博物館であったり、いろいろなところが費用がなかなか出せなくなる、そういう点が推測されております。この点に関しても、大臣の決断において、是非、支援、補正も含めてする必要があるかと思いますので、その節には英断をしていただきますようお願いいたします。  さて、日本の伝統文化について質問に入っていきたいと思います。  私、ずっと当選以来、日本伝統文化関係を質問するのになるべく着物を着るように、そのほかのときも日常で着るようにはしておりますので、こういう格好になっております。こういう姿で質問させていただきます。  現在、海外からの訪日客も多く、お箸を使えたり、また、生魚、昔は嫌がられていましたけれども、今は積極的におすし屋さんに行って食べるということで、文化は大変親しまれているものだと思っています。日本経済は後退しておりますが、日本文化への注目は、世界での一般化は進んでいるんだと思っています。  そこで、まず最初に、文化庁には文化経済・国際課が設置されましたが、現状の日本文化の市場規模及び今後の市場規模や発展可能性など、どのような施策の目的を設定しているのか、御説明をお願いいたします。 ○永岡国務大臣 やっとここで、小宮山委員が着物を着てくださっていた、文化的な話になりまして、私もうれしく思っております。いつも着物を御自分で着られるということも大したものだなと思って尊敬をしております。  我が国は、世界に誇る伝統的な文化資源を数多く持っております。これらは我が国に対する世界の憧れを生むソフトパワーの源泉だと思っています。こうした我が国の文化芸術を経済活性化にもつなげ、そして戦略的に進めるため、平成二十九年に文化経済戦略を策定いたしました。  文化庁では、本戦略を踏まえまして、平成三十年に文化経済・国際課の設置を含む組織編成を行うとともに、文化芸術産業の経済規模、いわゆる文化GDPの推計に取り組んでいるところでございます。  ユネスコの示します国際的な枠組みに基づく推計では、平成三十年の文化GDPは約十兆円となっている一方、ユネスコの枠組みには含まれない我が国独自の生活文化等に係る推計方法等についても検討を行っているところです。  今後、文化を起点に、産業等他分野との連携、そして、創出された新たな価値が文化に再投資され、持続的に発展する文化と経済の好循環の実現を目指してまいります。  また、日本の美と心を国内外に発信する日本博二・〇等を推進してまいる所存でございます。 ○小宮山分科員 ありがとうございます。  着物を自分で着てということでお褒めいただき、ありがとうございます。が、逆に言えば、国会開会日に国会議員の多くが着物を着ていらっしゃいます。でも、その中で本当に何人の方が自分で着られて、そしてレンタル着物ではないんだろうというのを、毎回、通常国会開会日には考えることであります。  また、住宅においても、マンションや建て売りなどでも、既に和室がない家が大半、かなりの率を占めているということで、日本文化というものが、本当に日本に今、特に、長い時間をかけてつくり上げた文化というものが失われているのではないかという危機感があります。  そこで、なぜ日本伝統文化は縮小したのか、文化的価値の経済的効果というのはどのように捉えていくのか、改めて伺わせていただきたいと思います。 ○永岡国務大臣 委員おっしゃいますとおり、私も、お正月にはというか、開会初日、着物を着てまいりますが、自分では着られません。それを思いますと本当に恥ずかしい限りではございますが、和装等の生活文化を含めた伝統文化につきましては、生活様式の変化や担い手の減少によりまして、次世代への継承が大変課題となっているところでございます。  今年度からは、文化GDPに関する調査研究におきまして、ユネスコの国際的な枠組みには含まれていない我が国独自の生活文化等に関します経済規模につきましても推計を進めているところでございます。  以上です。 ○小宮山分科員 ありがとうございます。素直な言葉もありがとうございます。  時間の関係でどんどん先へ進めますけれども、日本の伝統文化の特質として、季節により家の中であったりしつらいを変えたり、料理によって器を変える、絵柄を季節に合わせる、日常の道具がモチーフになるなど、世界的にも独自の美意識があるものだと感じております。  また、自然との共生は、職人が多角的に関わる分野で、現在のワークシェアのような労働市場をつくる役割もあったかと考えています。  そういう意味においては、日本の文化というのは、日本の社会やそして市場などをつくる形を取っていた、それがある意味急速に失われたことによって縮小している面もあるのではないかと思います。  先ほども指摘ありましたけれども、十兆円という規模ではもちろん計り知れないものがあると思います。特に、新型コロナの中での、ぴあ総研が二〇二一年に出された記事によりますと、集客型のエンターテインメント産業、音楽や演劇、映画やスポーツなどですが、これは一九年の一兆千四百億円と比べて七五%減の二千八百億円まで落ち込んだとありました。また、ほかのジャンルの消 失割合は、演劇が七六%、映画は四六%減だということで、市場規模というのは十兆円では足りないほどに、関連の規模、宿泊であったり移動であったりを入れればもっともっと大きなものであります。なので、文化経済というものには、もっと文科省も文化庁も力を入れていいのではないかと考えております。  新型コロナ禍で日本の文化産業は打撃を受けましたけれども、その一方で、また今議論になっておりますが、フリーランスとして働かれる俳優やスタントマン、これまであしき慣習が検証されることなくおりましたが、ここが、今国会は無理ですが、近い将来にフリーランスを支援する法律ができ、そして、今国会に出されています、その中で起きてきた性犯罪の罰則規定を目的とした刑法改正が今国会で成立すること、これによって健全な市場や業界になっていただきたいと思っております。  そういう、より質の高い産業になるためにも、この時期の文化支援というのは大変大きな意味を持っていると考えています。近年及び令和五年度予算案での文化庁による特徴的な伝統文化支援策の説明をお願いいたしたいと思います。 ○永岡国務大臣 文化庁では、生活文化を含めた伝統文化を振興し、次世代への継承を図るために、子供たちが伝統文化等の活動を計画的、継続的に体験、習得する機会を提供する伝統文化親子教室事業ですとか、新たな切り口や手法によりまして取組を実施することにより各分野の活性化、魅力向上、後継者の確保を図る生活文化振興等推進事業を実施をしているところでございます。  また、令和三年の文化財保護法一部改正に基づきまして、生活文化の無形文化財登録を進めるとともに、今後の生活文化の保護や振興施策についての検討のために、生活文化の実態等についての調査研究を実施しているところでございます。  我が国の宝であり、外国の方々にとっても日本に来て体験したい文化である生活文化について、確実に次世代に継承していくために、その振興や保護について引き続き取り組んでまいります。 ○小宮山分科員 先日、茶道の関係の方と話しているときに、新しくできる茶室なんだけれども、市長は自慢をされたけれども、使い勝手が悪そうだという話がありまして、全国でよく、茶道をやっているメンバーとは、公共施設の茶室が使いづらいという話はよく出てくる話です。  これは、一因としては、文化の在り方というか、親しんでいない方が設計をするという一面もあるかと思います。茶室は、茶室としてももちろん使いますけれども、ふだんは和室であり、災害時は避難所としても機能を生かすことで、こういった和室があるということは、日常から日本文化に親しむ、そういった機会の提供になると思うので、普及はしていただきたいと思いますが、茶室や武 道、日舞、能楽等、自治体設置の文化施設の在り方については、なかなか管理する側が理解をしていない、若しくは、流派によっていろいろあるので決め切れない、様々なことで、結果として使いづらい施設になっていることが往々にして起きやすいものだと思っています。  そこで、茶室同様に、日本舞踊、能舞台など、文化の特徴を生かせる施設の設計、施工は特異であるために、施設整備の設計段階から特別な設計を求められる部分については分離発注を可能にするなどの工夫が必要だと考えます。また、修繕や改修などが後々できるように、費用も支援をいただくことも必要かと思っております。  文部科学省、文化庁として、関係省庁などにもこうした考え方を率先して提唱していくべきと考えますけれども、御所見をお聞かせください。 ○杉浦政府参考人 お答え申し上げます。  自治体の施設におきます茶室等の整備に当たりましては、その設計や発注方法につきましては、設置者で、当該自治体がその用途や予算等に応じて検討を実施するもの、このようにされているところでございます。  一方で、利用者が使いやすい茶室等とするためには、必要に応じて茶道団体等の伝統文化の担い手の方々等の御助言を受けつつ整備を進めていくことも一つの方法ではないかな、このように考えております。委員御指摘のとおり、いろいろな専門的な、使いやすい形にするということも大切だと思います。  文化庁としては、こうした施設が、伝統的な文化を多くの人が体験し、継承していく場となりますよう、伝統文化に関わる施設を設置、管理する自治体や、こうしたことについての知見を有する団体などと機会を捉えて議論して、御提案のことにつきましても、またいろいろ検討してまいりたいと思います。 ○小宮山分科員 最後の質問になりますけれども、今日、着物を着させていただきました。これは、母から聞きましたら、白洲正子さんのやったこうげいの作品ということで、いろいろなデザイン、意匠というものがあるなと思っておりますが、今、デジタルアートの市場というのは拡大をしております。日本の着物、非常に独創的な色遣い、デザインというものがたくさんあります。これも、日本の博物館などに多く所有されているものでもあります。  この着物、反物の柄についても、記録、整理などを行う、また、そうしたデザインの活用が広がるような取組を行っていくべきと考えますが、この点についてお聞かせください。 ○杉浦政府参考人 お答え申し上げます。  着物や反物の柄、紋様などの記録、整理や活用につきましては、民間企業において、着物の帯の図案をデジタルアーカイブしながら、それらをデザインとして活用したり、ほかの製品のデザインとして活用を図ったりしている例があると伺っております。  また、文化庁におきましては、博物館などでの着物に関する企画展への支援等を通じまして、着物の魅力を国内外に発信するとともに、その柄や図案の歴史的な変遷を整理する、説明する取組なども行ってきているところでございます。  今後とも、文化庁といたしましては、このような和装の振興に関する取組を進めまして、着物文化の継承、発展に努めてまいります。 ○小宮山分科員 都倉文化庁長官と野村萬斎さんの対談のユーチューブが文化庁の方で公開されています。義経千本桜を例示されて、これから、文化庁としても、こういう古きよき伝統芸能、伝統無形文化財をうまくプロモーションしていきたいとおっしゃっていました。  日本の伝統芸能、能にしても、七百年も、時代は変わっても、人間の本質というものは変わらない。ここを映し出すところが世界中に受け入れられ、親しまれているところだと思います。是非、すばらしい点を改めて見詰め直し、そして、この点を進めていただくことを文科省、文化庁には期待をいたしまして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。