令和4年4月13日 衆議院国土交通委員会議事速報(未定稿) ◇この議事速報(未定稿)は、正規の会議録が発行されるまでの間、審議の参考に供するための未定稿版で、一般への公開用ではありません。 ◇後刻速記録を調査して処置することとされた発言、理事会で協議することとされた発言等は、原発言のまま掲載しています。 ◇今後、訂正、削除が行われる場合がありますので、審議の際の引用に当たっては正規の会議録と受け取られることのないようお願いいたします。 ○中根委員長 これより各案及び修正案を一括して質疑を行います。  質疑の申出がありますので、順次これを許します。渡辺周君。 ○渡辺(周)委員 おはようございます。立憲民主党の渡辺でございます。  私の地元は、熱海市も含めた静岡県第六区でございます。この法案の提出に当たって、昨年の伊豆山での本当に大きな災害、犠牲となられた方々の恐怖や無念、御遺族や関係者の悲しみに思いを致すと、誠に哀惜の念に堪えません。心からのお悔やみとお見舞いを申し上げ、二度とこのような惨事を繰り返さない、このことを誓って、質問に入らせていただきます。  まず冒頭、大臣にお伺いをいたします。  今日お手元にお配りをしました、伊豆山での土石流災害で、行政対応の検証委員会が静岡県で立ち上がりました。書かれているとおりでございます。以下のようなメンバーで、中間報告が三月の二十八日の日に提出をされております。これ自体は概要版ですが、本編といいましょうか、報告書自体は五十五ページにわたるものでございます。  大臣はこの報告書を読まれましたでしょうか。  まず冒頭伺います。 ○斉藤国務大臣 私もこの中間報告書、目を通させていただきました。非常に、行政組織間の生々しいやり取り等も記述をされており、今回、我々、二度とこういう惨事を繰り返さないというために、今、御審議いただいておりますけれども、そのベースにおいて肝に銘じなければいけない報告書だ、このように感じております。 ○渡辺(周)委員 この資料はまだ中間報告でありまして、今、熱海市も内部検証を行っております。熱海市が内部検証を終え次第、あるいは一区切りついたというところで、その検証結果を加えて最終報告を行うということでございます。熱海市に伺いましたら、今月中にはこの内部検証を完了できるのではないかということでございます。  御存じのとおり、今、熱海市では百条委員会を設置をしておりまして、当時の関係者に、こちらの報告書は、検証委員会が任意でヒアリングをして聞いていて、あるいは役所に残っている公文書やメモ書きなどを総合して作ったものですが、熱海市は、今、百条委員会を設置して、当時の関係者も呼んで、業者の言い分あるいは行政側の対応について真相究明を図っているところでございまして、それを基に検証結果が加えられたら、また最終報告を是非皆さんと共有したいと思っております。  この中身の中で、ちょっとこの概要版には触れていないところもありますけれども、本編には、県や市の対応が不十分であった、県が市になぜ措置命令をかけないのか。そこのところについて、実は難波さんという静岡県の副知事が十一日に記者会見しておりまして、この報告書について、おおむね内容はそのとおりだとおおむね認めております。  そこで、難波さんという副知事が、県や市の対応が不十分だった、県が市になぜ措置命令をかけないのか、もっとしつこく迫るべきだったのではないかというようなこともおっしゃっておりまして、地元新聞、昨日の新聞には、県はこの措置命令の見送りを確認せず、市に働きかけが必要だったというようなことをコメントされているんですね。  それからまた、この報告書でも指摘される中で、行政が危険性を認識していながら、その危険性の認識を、人事異動とか配置換えがあって継承できていなかったということを、これはどちらかというと役所の組織文化のようなところにまで触れて内容を記載されております。  この委員会で、前回、前々回の委員会でも、全ての皆様方が、二度と熱海でこのようなことを、起きたことを全国で二度と繰り返してはならないということを決意を述べられて、皆さん方も審議に臨まれております。今日は概要版でございますけれども、是非この報告書を読んでいただいて、業者との対応でありますとか、あるいは行政手続をめぐるやり取りについては、少々生々しいところもございまして、後でちょっと紹介しますけれども、是非共有をしていただきたいと思います。  そこで、伺いますけれども、まず政府に、先ほどちょっと、県と市という行政の組織、それぞれがあって、相当の協議をしてきたんですけれども、それでもやはりこうした結果になってしまったという中で、今後、この法律が施行された後に、県と市町村、実際、その判断をする地方自治体がどう連携していくのか、そしてそれをどう促すのか。  それは県です、それは市ですということではなくて、どのように促していくのか、政府側のお考えを是非とも伺いたいと思います。あわせて、修正案の提出者にも、この点についてはどういうお考えか伺いたいと思います。 ○宇野政府参考人 お答え申し上げます。  この中間報告については、関係部局における対応がそれぞれの所管する制度の目的の範疇にとどまり、積極的な対応が取られなかったことや、県と市や関係部局間における連携が十分ではなかったことなどが報告されており、本法案の今後の運用に当たり参考にすべきことが多いと考えております。  このため、本法案においては、規制区域の指定に当たり、県が市町村に意見を聞いたり、市町村から県に意見を申し立てるなど、県と市町村が連携する仕組みとしており、また、法案の施行に当たりましては、県、市や本法案の担当部局と関係部局、警察との連携が図られるよう、基本方針に考え方を示すとともに、不法な盛土に厳格に対応できるよう、対応方法を示したガイドラインを策定することとしております。 ○小宮山委員 ありがとうございます。  渡辺委員の提示されましたこの中間報告、既存の根拠法令等の問題点など、具体的な、現場だからこそ分かる問題点の提示などがあり、皆さんとやはり共有するべき報告書だと思います。  さて、今、御質問でございますが、今回の法改正では、現行法における工事の許可主体が都道府県知事であることを踏襲して、改正後も基本的には工事の許可主体は都道府県知事であるという枠組みを維持をしています。そのこと自体は、継続性の観点等を踏まえればそれなりに合理的であると考えますが、しかし、工事の実態、周辺の土地の利用状況、周辺の土地を含むこれまでの災害の発生状況等をきめ細かく知り得るのは、やはり基礎自治体である市町村であり、区域の指定のフェーズだけでなく、工事の許可のフェーズを含めて、都道府県と市町村の連携は大変重要です。  許可の際にも関係市町村長の意見を聞かなければならない旨の規定を修正で追加したのも、このためでもあります。委員の御指摘の県と市町村との自治体の連携を促すための一つの方策であると考えています。 ○渡辺(周)委員 やはり、この法律ができて施行されても、結果的にこれを運用する自治体がどうするかということでその実効性が問われるわけなんですが、今回の検証委員会がヒアリングした関係者というのは、この概要版にはありませんけれども、ヒアリングした者、これは両方合わせて、前所有者、現所有者、盛土造成実行行為者、現場の責任者、搬入者など、十四にわたりまして、その責任が曖昧になっておりました。  そこで、政府側にお尋ねしますが、原因行為者と土地所有者の責任をどう明確にするか、つまり、責任逃れができないようにするためにどのようにこの法律を運用していくかということについては、政府の側に伺いたいと思います。 ○宇野政府参考人 お答え申し上げます。  今回の法案では、一義的には土地所有者等に盛土に伴う災害が生じないよう常時安全な状態に維持する責務を課した上で、災害防止のため必要があると認める場合に、土地の所有者のほか、安全性に問題を生じさせた原因行為者に対しても改善命令を発することができることとしております。  具体的には、土地所有者や原因行為者などの関係者が複数いる場合は、行政側が事実認定をした上で、各々の責任の度合い等を勘案して、必要な措置を行うよう命じることになると考えております。 ○渡辺(周)委員 是非、今回の痛ましい熱海での土石流災害、前所有者がいて、現所有者がいて、所有者が替わった、そこに様々な関係する方々がいて、例えばいろいろな変更手続についても非常に複雑な形になっていた。そこで責任が曖昧なまま今日まで来ているということがやはり指摘されております。この点については、二度とこのようなことがないように、厳格な法の執行をお願いしたいと思います。  あわせてまた、実効性についてなんですけれども、この報告書では、二〇〇九年の十月、相当前です、この災害が起きる十二年も前に、二〇〇九年の十月の時点で、伊豆山の港、あるいは逢初川、皆様方も御視察で行かれて御覧になったと思います、この逢初川の河口が濁っていた、この河口の濁りを受けて、土砂の流出をもうその時点で既に確認をしていた、そして、行政側は、現在の危険な状態を行政として放置しておくことは許されない、業者に対し至急何らかの措置を命ずる必要がある、明日にでも提出するような気持ちで対応すべきだ、危険な状態なら、勧告から措置命令、そしてそこから停止という手順を取らなくても停止命令ができるというふうなやり取りがあったことも記述されているんです。  しかし、結果として、業者との口頭指導でありますとか文書指導を経て、その翌年ですから二〇一〇年の九月に、県条例に基づいて土砂の搬入をしないよう文書で要請するも、結果としては、その要請は無視をされて、搬入が継続されております。それまでに何度となくこの業者への対応をめぐって県と市では協議しているんですね。  先般の参考人の質疑でも大橋先生がおっしゃいましたけれども、やはり行政指導の限界、相手方の任意の協力である行政指導の限界があるという中で、行政側は、最大限危機を阻止しようと、様々な現行法の中で当時協議をしていたんですね。  そこで、直ちに停止命令、これは大橋先生も触れています、停止命令をする発動の基準をやはり作るべきではないのか。行政指導を繰り返して、結果的に相手がそれに従わない。どこかで時期を区切って、何らかの形で中止命令を出す、例えば期間を定めるとか、何度かの指導、勧告に従わない場合は、例えばですけれども、二回して改善がされない場合には、それは中止命令を出せる。何らかの基準の発動まで必要だと思うんです。その点については、政府側はいかがお考えでしょうか。 ○宇野政府参考人 お答え申し上げます。  本法案においては、無許可で盛土を行っている場合のほか、許可条件に違反する工事や技術的基準に適合していない工事などについて、災害防止措置の命令や工事の施工停止命令を行うことができることとしております。  どのようなケースにおいてこれらの命令を発動すべきか等も含め、不法な盛土への対応方法については、国において具体的なガイドラインを作成し、地方公共団体に示すこととしており、必要な場合にはちゅうちょなく命令等の対応がなされるよう、地方公共団体を支援してまいりたいと考えております。  具体的には、不法な盛土への対応方法について、具体的なケースを想定して、できる限り分かりやすく、また、どのようなフェーズでどのような法的対処に移行すべきかなどを客観的に判断できるようなガイドラインを検討の上、地方公共団体に示してまいりたいと考えております。 ○渡辺(周)委員 前回からずっと、ガイドラインに示すと、ガイドライン任せのようなところがあって、答弁の、なかなか中身に入って、そこのところについてはなかなか、ガイドラインということで言われてしまっているんですが、ガイドラインはいつ頃策定をされて、いつ頃自治体には示されるのか。ちょっと質問、これは通告にはありませんけれども、めどをちょっと教えていただけますか、そのガイドラインの。 ○宇野政府参考人 この法律が施行されて、この法律の施行は、公布から一年後で政令で定める日ということで施行の日が決められることになります。不法盛土発見時の現認方法、手続等のガイドラインについては、その施行に間に合うように整備をさせていただきたいというふうに考えております。 ○渡辺(周)委員 できるだけ早く、ある程度概要が決まった時点で自治体には示すべきだと思うんですね。  あわせて、もう一つ聞きたいんですけれども、これは、実際、私の地元の町でもあった、無許可で盛土をしていた業者さんが逮捕されました。もう既に中止命令を出していたんですけれども、結果的に、従わないで、どんどんどんどん堆積が増えていった。入口に、この先は進入禁止、盛土禁止と看板は出しているんですけれども、別にそこに誰かが立っていてチェックするわけじゃありませんので、結果として無視され続けてしまった。  そこで伺いたいんですけれども、搬入をさせないために、物理的な方策ですよね。例えばロックダウンというのか、業者がダンプカーで入れないようにする、そういうことというのは可能なんでしょうか。そこまでの、例えば中止命令、やるのであれば、実効性を担保する意味ではやらないと、結果、命令に従わないで続けてしまった場合は悲惨なことがまた起こってしまう。そのことを考えたとき、物理的な方策で止めることはできないのか。そこはいかがですか。 ○宇野政府参考人 本法案におきましては、無許可、基準違反等の盛土を現認した場合、施工停止や土地使用禁止、災害防止措置の命令を行うことができます。この際、無許可や基準違反、命令違反等に対しては、実効性の高い罰則を措置し、警察と連携して取締りを行うこととしております。  また、災害防止措置命令を受けた者が命令に従わない場合には、都道府県等による迅速な行政代執行も可能としております。  土砂の搬入をさせないための物理的な方法ということではなく、これらによって違法盛土を行う者に対して適切な対応を取ることが可能であると考えております。 ○渡辺(周)委員 その点については、行政もマンパワーが足りません。命令は出したけれども、その命令に従っているかどうかということについて常時監視しているわけでは、もちろん、監視カメラは遠隔で監視していればできると思いますが、全てがそういう装備を配置できるわけではありませんので、そこのところについてもしっかりとした、やはり財政的な裏づけも持って、中止命令を受けているけれどもお構いなしにどんどんどんどんまだ土砂を搬入するようなことがないような財政的な支援の仕組みも、是非これは検討いただきたいと思うんです。  この報告書で、行政とやり取りをする中で、事業者の資力信用が不十分なため、最終的には行政代執行により安全上の措置が取られるということも実は議論されていたんです。もう既に、事業者の資力が、資力信用ということについては不十分であったということは、ある程度行政側も警戒していたんですね。  四月六日の委員会の質疑で、費用負担を懸念して代執行をちゅうちょする自治体もあるのではないかという指摘に対して、ちゅうちょなく措置を講じるよう支援してまいりますという答弁がありました。  今も代執行の話がありましたけれども、事業者の資力信用を図るために、例えば民間金融機関であるとか、あるいは民間の信用調査機関、何とかリサーチのようなところとか、協力を得て、どういう業者が今どういう資力について信用があるのかということは確認をして、受け入れる段階で、対応するだけの情報を共有していることは必要だと思いますが、その点についてはいかがお考えでしょうか。 ○宇野政府参考人 お答え申し上げます。  本法案においては、許可に際して、資金計画や過去の事業実績等を審査し、工事主が十分な資力、信用を有していると認められる場合にのみ許可を行うこととしております。  本法案と同様の手法で申請者の資力、信用を審査する制度としては、都市計画法に基づく開発許可において同様の制度が設けられております。  具体的には、開発許可の審査において、資金計画書、法人の登記簿謄本、事業経歴書及び納税証明書の提出を求め、資金調達能力に不安がないか、過去の事業遂行において問題となった前歴がないか等を審査しております。  都市計画法に基づく開発許可においては、こうした手法により、これまでも十分な審査がなされているところであり、本法案による盛土等の許可においても、工事主の資力、信用について審査ができるものと考えております。 ○渡辺(周)委員 その点について、是非、関係機関と連携をして情報共有して、もう既に窓口の職員は、大丈夫なのかと、結果、行政代執行することになる、公費で、結果的には、最後はやらなきゃいけなくなる、少しそういう懸念は既に持っていたんですね。  ですから、申請を受け付ける、若しくは許可の届出でも、許可でもそうですけれども、そこの入口を相当しっかりしないと、結果的に、違法なことをされたり、当初の話と違うことをされて、最後は行政代執行をして、でも、もうそれを請求されても払えない、例えば自己破産してしまったなんという形になって、結果、最初から行政が、言葉は悪いですけれども、尻拭いをするようなことを見込んだ上でやるというようなことが絶対あってはならない。そのことで是非入口を厳しくしていただきたいと思うんです。  そこで、一旦許可をしてしまって、届出を受理してしまうと、その後の行政対応というのはどうしても後手に回ります。今、この報告書にもあるとおりです。協議をしている間にどんどん時間がたってしまう。改善や原状回復には時間がかかるわけです。それだけに、許可に当たっては、あるいは届出を受理するに当たっては、万全を期すために、様々な情報、今申し上げたような情報、そして専門家による多角的な視点を基に、あるいは当然、当該市町村の判断も含めて、これは入口は相当厳格にしなければいけないと思うんですが、その点について、法案提出者、今回、審議会の意見聴取、このことについて言及をされておりますけれども、その思いというものを聞かせていただきたいと思います。 ○高橋(千)委員 御質問ありがとうございます。  政府案では、盛土の工事の許可に当たっては、許可の基準が規定されており、都道府県知事等がこの許可基準に適合しているかどうかの判断をすることになっていると思います。  本修正案によって、都道府県知事が審議会及び関係市町村長の意見を聴取する規定を盛り込むことで、技術的、専門的判断を適正に行うとともに、地域住民の意向を反映した適正な判断が行うことができるようになることを期待しているものでございます。 ○渡辺(周)委員 是非、これは環境アセス、自治体が例えば行って、さらに、専門家によって、このことについて、意見をすることによって実効性を高める、そういう中身の、是非法案に修正案を取り入れていただければなというふうに思います。  今日は警察庁にも来ていただいておりますけれども、やはり、この報告書の中でこう記載されています。  職員に対し、大きな声を出すなど、高圧的にどなる姿勢が見受けられ、企業としての同社に対して、信用してはいけない、指導に従う意思がないとの印象を持たれていた。行政機関からは、つき合いたくない相手、残土処理が目的で、宅地開発は時間稼ぎではないかと認識を持たれていたんですね。これは概要版には書いてありませんが。  既に、県の土木部は、各種の交渉や指導の過程において、のらりくらりとした業者であり、会議を欠席するなど、全く相手にならなかった。市は大変だったと思う。身に危険が及ぶ相手と聞いたことがある。たとえ措置命令を出しても従うような相手ではなかったと証言しているんですね。  こうした業者であっても、市は、命令よりも指導で業者にしっかりとした姿勢をつくらせるという方針で臨んだ。ぎりぎりのところで行政指導で何とかしようとしたら、ある意味涙ぐましい努力もかいま見られるんですけれども。  警察に伺いますが、つき合いたくない相手、威圧的であり、身に危険が及ぶような相手と交渉する際に、例えば、強要や脅迫といった刑事事件的な要素を排除して、その手続が行政の窓口で、ちゃんと協議できるようにするために、警察としてどのように関与するか、その点について警察のお考えを伺いたいと思います。 ○住友政府参考人 お答え申し上げます。  様々な場面で行われている行政への立入りですとかパトロール等に対する警察の対応についてということで、一概にお答えを申し上げることは困難ではございますけれども、一般論として申し上げますと、行政職員に対し、威圧的な要求や暴力の行使等が予想される場合には、行政職員の立入り等の際に警察が同行するなどしてトラブル防止を図っているものと承知をしております。  今回、御質問にありました、盛土に関する行政職員による指導、こうしたものに関しましても、自治体、関係機関等と連携し、適切に対応するよう、引き続き、都道府県警察を指導してまいります。 ○渡辺(周)委員 行政の窓口の職員は、その業者さんに会うだけで、ストレスになったり、体調を崩して、そんなこともあるんですね。  そういう中で、やはり、警察の、ある意味では連携、協力の下に対応しているという、そのことについて相手にも分からせるという、ある意味抑止のことも含めて、是非、積極的な関与を、また情報提供も含めて、特に県内の業者は、どういう方かというような情報を持っていなかったりしますので、そこは、県境をまたいで持ってくる搬入業者が過去にどういうことをしていたか、そういうことも含めて、是非情報提供をしていただけるようにお願いしたいと思います。  次は、規制区域の指定について伺います。  法施行までの時間がかかればかかるほど、駆け込みの搬入が行われるのではないかと思います。  ですから、余り、法の施行までに、一年を目途ということでございますが、時間をかけないようにしていただきたい。  その間に、規制区域の指定について、私も、県庁の担当者の方とちょっとお話を昨日いたしました。そこで、静岡県だけで、例えば、土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域を含めますけれども、静岡県内において、合わせて一万八千二百十か所指定されているんですね。全国でこの土砂災害の警戒区域というのは六十七万二千四百か所指定されているんです。  それで、当然ここは規制区域にかかるということで、マストで考えられているんですよねということを聞かれました、行政側に。そういう理解でよろしいでしょうか。 ○宇野政府参考人 お答え申し上げます。  本法案に基づく宅地造成等工事規制区域は、市街地集落やこれらに隣接、近接する区域など、人家等がまとまって存在し、盛土等がされれば人家等に危害を及ぼし得るエリアであり、土砂災害警戒区域はこの区域に含まれ得るものと想定されます。  都道府県等においては、これらの区域についての既存の調査結果も活用しつつ基礎調査を行い、これらの区域も含め、必要かつ十分な規制区域を指定することとなります。  国としては、このような既存の調査結果の活用についてもガイドライン等で示し、法施行後速やかに区域指定がなされるよう、都道府県等を支援してまいります。 ○渡辺(周)委員 いや、もう既に、そういうデータは、ハザードマップもあるわけですので、そこはもうマストということでよろしいのか。つまり、一から、静岡県だけでもそんな一万八千もある危険区域をもう一回調べ直す時間も人もございません。ですから、そこはもう当然、規制区域と指定されるということでよろしいですね、ガイドラインにはそう書かれるんですね。そうすれば、ほかのところを規制区域として調査する方に力を振り向けられる、時間と人を振り向けられますけれども、そういうことでよろしいですねという確認。  それともう一つは、では、山地災害危険地区は全国で十九万四千か所、平成二十九年末です。静岡県だけで七千八百五十八か所あるんですね。全国で二十万近い山地災害危険地区もありますから、当然、先ほど申し上げた土砂災害の警戒区域そしてこの山地災害の危険地区は、これはマストであるということでよろしいですね。 ○宇野政府参考人 お答え申し上げます。  今委員が御指摘なされました土砂災害警戒区域、それから山地災害危険地区、これにつきましては、山地災害危険地区の方につきましては、人家等に危害を及ぼし得るものについてはこの区域に含まれるものと考えております。  また、いずれにいたしましても、それらにつきましては既存の調査結果がございますので、それを活用することで基礎調査はもう十分やったという形で指定の方に向かっていっていただくことができるというふうに考えております。 ○渡辺(周)委員 ちょっと時間がありませんので、その点については改めての機会にまた議論をしたいと思います。  それで、今申し上げましたように、やはり行政の現場で伺いますと、土木の専門知識を持っている職員が少ない。前回の委員会、前々回の委員会でもたしか質疑がありましたけれども、例えば民間の委託、例えばコンサル会社でありますとか、あるいは土木職として経験のある自治体のOBの活用なんかを含めて、やはり委託をすべきじゃないか。とにかく機動的に監視をして、あるいは、今後、法を運用していく上では増員か委託が必要だとの現場の声が上がっています。  この人材確保の考え方につきまして、修正案の提案者はどうお考えでしょうか。 ○高橋(千)委員 委員御指摘のとおり、増員並びに委託も含めて、人材対策は本当に必要なことだと思っております。  盛土行為に対する対応は、場合によっては、委員先ほどお話しされているように、不法行為を続ける悪質、巧妙な事業者に対応しなければならないことも少なくありません。パトロールや立入り、勧告などの指導に当たっては、必ず複数、かつ警察部局などとの連携は必ず必要になると思います。  市町村は住民との距離が近く、地域の事情や人材に精通している反面、行政窓口が幾つもかけ持ちしている場合も多く、政府のガイドラインや通知などを追いかけるのもやっとである、そういう事情があると思います。  規制に関わる根拠法令に詳しい、また現場の経験のある人材を、民間委託も含め、また育てていくための特別な支援が必要である、そのための都道府県の役割も大きいと思いますし、これを裏づける財政的な支援は国にしっかりと担保していただきたいと考えております。 ○渡辺(周)委員 政府側に今度は聞きたいんですけれども、この指定された規制区域の見直し、追加といいますか、新たに行う、あるいは柔軟に、まあ頻繁にといいますか柔軟にといいますか、規制区域は見直すことが可能なのかどうか、それをまず伺いたいと思いますし、あわせて、規制対象となる一時的な堆積の一時的というのはどれほどの期間をいうのか。つまり、利用が未確定なものも含まれるんですか。つまり行き場のないけれども暫時置いておく、だけれども、その暫定的な期間が一体どれぐらいの期間なのか、そこについては何かしらのめどがあるのかどうか。その二点について政府に伺いたいと思いますし、提案者には、建設残土の最終的な受入れ地の確保及びその実施を担保するための制度の在り方、どのように想定しているか、お答えいただきたいと思います。 ○宇野政府参考人 お答え申し上げます。  まず一点目の、指定された規制区域の見直しは頻繁に行えるかという点につきましては、本法案では、盛土等に伴う災害から人命を守るという目的のため、盛土等により人家等に被害を及ぼし得る区域は網羅的に規制区域に指定されることが重要であり、市町村からの意見の申出、関係部局が連携した盛土等の情報の共有、地元住民からの通報等をきっかけに、必要に応じて随時、規制区域を見直すこととなると考えております。  また、一時的な堆積の一時的とはという御質問ですが、土石の堆積については、工事のために一時的に仮置きをする場合から、いわゆるストックヤードとして、搬出、搬入を繰り返しながら一定期間堆積が行われる場合まで、目的によって様々な期間が考えられるため、一律に有効期限を設けることは考えておりません。  その上で、堆積期間が未確定のものや堆積期間が明確な根拠なく長期のものにつきましては、安易に許可をするのではなく、申請内容等を踏まえて一定期間内の許可にとどめ、延長の必要が生じた場合にはその都度変更許可の提出を求めるといった対応を取ることを検討しております。  公共工事の建設現場から発生する建設発生土については、済みません、以上でございます。申し訳ございません。 ○小宮山委員 建設残土の最終的な受入れ地については、一時保管所や中間置場が事実上の最終的な置場として扱われている不適切な事例があることは認識をしております。  このようなことが起こらないように、例えば、あらかじめ定めた適切な期間内に建設残土を排出することを義務化すること等により、一時保管所は一時的なものであることを徹底し、別途、最終的な受入れ地の確保が実施されるべきという考え方を検討条項に盛り込んだものであります。 ○渡辺(周)委員 是非、この修正案、政府・与党等にもしっかりと受け止めていただいて、いいことは取り入れていただきたいなというふうに、熱海を選挙区として、このことをまさに当事者として見てきた議員としては是非お願いしたいと思います。  最後に、発生場所から最終処分場までを追跡可能にするトレーサビリティーシステムの導入は不可欠である。先ほど申し上げましたように、関係者が入り組んでいて非常に責任の所在が曖昧になった。国発注の工事で実証実験を開始しているということですけれども、政府に伺いたいのは、現状、どのような、実証実験の結果はいつ頃出てくるのかということ、それから、民間業者への導入について政府はどうお考えか、そして修正案の提出者はいかがお考えか、そのことについて伺いたいと思います。 ○和田政府参考人 国土交通省では、令和二年九月に策定しました建設リサイクルの推進計画二〇二〇を踏まえまして、令和二年度から、建設発生土の適正な処理の推進のため、ICT技術を活用したトレーサビリティーシステムによる試行を行っております。  この試行では、国土交通省の直轄工事におきまして、指定利用等の対象である建設発生土の経路を指定利用の指定のとおりに正確にしっかりたどっているのか、そして適切な運搬、処理の実施、これを確認するということを目的としておりまして、搬出元から搬出先までの経路を正確に把握するために必要なシステムの機能要件や、使用に当たっての留意点などについて検討を行っているところであります。  引き続き試行を実施し、指定利用等の契約履行の確認や再生資源利用促進計画の実施の確認、これらについて、また元請業者の習熟、使いやすさを追求していくとか、あるいは生産性の合理化、これにどう使っていくのか、こういったことに留意して検討を進めていきたいと考えております。  また、民間工事におきましても、ICTを活用したトレーサビリティーシステムによる事務の効率化等のニーズは高いと考えられます。このため、この試行結果を踏まえて検討してまいりたいと考えてございます。 ○小宮山委員 本修正案の検討条項においては、検討対象として、土砂等の発生を伴う工事の発注者が責任を持って建設残土の適正な処理を確保する制度、建設残土トレーサビリティー制度、また現在の公共事業における指定処分制度の民間への活用など、こういった制度の拡充などの検討をすることを明記させていただきます。まずもって渡辺委員の御指摘のとおりだと考えております。 ○渡辺(周)委員 済みません、会派の持ち時間で、最後に。  大臣に最後に伺います。  今までのやり取りを聞いて、是非、修正案も含めて、政府案と重ね合わせて、いいものを作っていただきたい。  一つ質問は、基礎調査、あるいは代執行、今まで、費用のことについてはちゅうちょなくできるようにするということなんですが、費用は全額出されるということなのか、是非その点について最後に決意を伺いたいと思いますし、また、今後こうした災害を起こさないということに対して是非決意を伺いまして、私の質問を終えたいと思います。  よろしくお願いします。 ○斉藤国務大臣 今、維新の会からも法案が提出されておりますし、今回、四会派による修正案も提出されました。  いろいろなこういう議論を重ねて、よりよき結論を得ていきたい、このように思っております。  また、最初の答弁でも申し上げましたけれども、この中間報告を読みましても、改めて、こういう熱海のような事故を二度と起こしてはならない、そういう決意の下で我々頑張っていきたい、いい法制度にしていきたい、このように思っております。 ○渡辺(周)委員 最初、冒頭に聞いたのは、この費用の支援について、これは全額出していただけるのかどうなのか、そこはいかがでしょうか。 ○斉藤国務大臣 それは、ちょっとまた今後検討させていただきたいと思っております。 ○渡辺(周)委員 終わります。