令和3年5月12日 衆議院国土交通委員会議事速報(未定稿) ◇この議事速報(未定稿)は、正規の会議録が発行されるまでの間、審議の参考に供するための未定稿版で、一般への公開用ではありません。 ◇後刻速記録を調査して処置することとされた発言、理事会で協議することとされた発言等は、原発言のまま掲載しています。 ◇今後、訂正、削除が行われる場合がありますので、審議の際の引用に当たっては正規の会議録と受け取られることのないようお願いいたします。 ○あかま委員長 次に、小宮山泰子君。 ○小宮山委員 立憲民主党の小宮山泰子でございます。  本日より、対象地域が拡大しての緊急事態宣言、また蔓延防止等重点措置が取られております。まだまだ収束の見込み、また人流というのが止まらない状況というのは続くかとは思いますが、早くの収束を改めて願うとともに、新型コロナに罹患された皆様方にお悔やみとそしてお見舞いを申し上げ、そして、しっかりと政策につなげていきたいと思っております。  さて、おとといでありますが、月曜日の衆参予算委員会において、いわゆる水際対策の甘さが指摘されました。海外で顕著になった変異株は必ず日本に入ってきているというのも、いろいろな水際対策をしていると伺っている割にはすぐに入ってきているということにも、いろいろな疑問がございました。  そこで、まず最初にお伺いいたします。  変異株ウイルス始め、日本に入ってきたルート、経路について、政府として具体的に把握をしているのか。また、入国制限が課された中で、特段の理由を持っている者として入国した方々の中に外国人技能実習生としての入国者が含まれているのか。その点に関しましてお聞かせください。 ○宮崎政府参考人 まず、前段の御質問について、厚生労働省よりお答えさせていただきます。  変異株につきまして、その経路でございますけれども、これを網羅的に把握しているわけではございません。  現在、急速に置き換わりが進んでおります英国で報告された変異株を例に取りますと、昨年十二月十九日に英国政府から公式発表がなされた後、速やかに政府として水際対策の強化を図ってきたところではございますけれども、その後の報告によりますと、当該変異株につきましては、昨年の九月から英国で発生していたということが確認をされております。それ以降の国際的な人の往来とともに我が国にも入ってきたものと考えているところでございます。 ○丸山政府参考人 それでは、御質問の後段の部分について、法務省よりお答えいたします。  現在の水際対策でございますが、入管法五条一項十四号に基づきまして、特段の事情がない限り、上陸拒否の対象地域に滞在歴がある外国人につきましては、上陸拒否の措置を講じているところでございます。  この特段の事情により新規入国を認めている事例としましては、日本人や永住者の配偶者等の身分関係のある方、外交、公用の在留資格の方、例えばワクチン開発の技術者やオリパラの準備、運営上必要不可欠な方など公益性のある方、例えば親族の危篤に伴い訪問する方など人道上の配慮の必要性のある方といった方に限られているところでございまして、御質問がございました技能実習生につきましては、これらのいずれにも該当しないため、原則として新規の入国はできないこととなっております。  他方、再入国者、日本に住んでいた方、再入国者につきましては、特段の事情を認めているため、技能実習生を含め、在留資格を有し、再入国許可を受けて出国した者であれば再入国ができるという取扱いになってございます。 ○小宮山委員 在留資格を持った外国籍のプロアスリートなど、なかなかできる事例がなかったり、また足止めをされたりと、様々であります。競技によっては入国できない事例というのもあるという意味においては、特段の事情の妥当性の判断というのにも疑問が生じております。  レクのときには、またそのほかのときでも、特段の理由の中に武器等の整備というものがあったようであります。この点も明確にしていただきたいと思いますし、予算委員会での田村厚生労働大臣の答弁も釈然としないものがありました。国民の納得が得られる、きちんとした水際対策を行うことを改めて要請させていただきます。  さて、三度目の緊急事態宣言、蔓延防止の措置の中であります、GoToトラベルは現在停止をされております。GoToトラベル事業の対象が変更されたのではないかということ。  昨年、事業計画当初の説明では、感染収束後に、ビジネス、個人など、幅広い旅行を対象として、観光産業の浮揚策として発表されております。昨年十一月、仕事での出張など企業負担の旅行が対象から除外となり、これに伴って、昨年十二月頃には、法人による団体旅行、研修旅行なども対象とならない旨が明確にされております。  GoToトラベル事業が、当初の支援対象、支援目的から変わっているのではないのか、また、GoToトラベル事業の目的と対象に変更がされたのではないか、変更されるに至った経緯も簡潔に御説明ください。 ○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。  GoToトラベル事業は、国民の命と暮らしを守り抜くとともに、新たな旅のスタイルの普及、定着を目指しての支援事業と位置づけ、コロナ禍により失われた旅行需要を取り戻すため、旅行代金の割引による旅行需要の喚起に加えまして、地域共通クーポンの利用を通じて観光地周辺における消費を喚起し、厳しい経営環境に直面する土産物店、飲食店等の事業者の皆様も含めまして、幅広く地域経済を支えることを目的としております。  一方で、本事業の開始以降、旅行商品の販売実績や内容の実情なども明らかになっていく中で、本事業の本来の趣旨にそぐわないと判断されるものにつきましては本事業の支援の対象から外す措置を取らせていただくことといたしまして、事業の支援の対象とする旅行商品の基準、考え方、例えば、観光を主たる目的としているかどうか、感染拡大防止の観点から問題がないかどうか、そういったものについての基準を明確化いたしまして、昨年十月二十九日に本事業の公式サイトによりまして、旅行者及び事業者の皆様に周知をさせていただいたところでございます。  委員御指摘のいわゆるビジネス関係の出張につきましては、事業開始当初、観光、ビジネスの別を問わず人の動きが激減していたことから、支援の対象としておりました。他方、人の動きが回復してきている中、ビジネス出張については、企業の業務の必要性に基づいて行われ、企業において経費として支払われることが一般的であることから、本事業は企業の負担軽減を目的としたものではないとともに、より多くの旅行者に御利用いただく観点から、本事業の支援の対象外とさせていただいたところでございます。 ○小宮山委員 GoToトラベル事業を扱うに際して、旅行者の所在地の都道府県に本支店がある旅行会社であることが求められるといった認識が小規模旅行会社の中に広がっているようです。周知不足や誤認に基づいているのか分かりませんけれども、現実に、他県にいる顧客の旅行を扱えなかった事例が生じています。その結果、各地に支店を持つ大手旅行業者に顧客が流れている。小規模旅行会社にとっては支援策となっていません。  観光庁、国土交通省は、全体で二兆円を超える事業であるGoToトラベル事業が、例えば、どのような規模の旅行会社、手数料を払う予約サイト等へどのような経済効果につながっているのか、効果が観光産業のどこまで、どのように行き渡っているか把握、認識をしているのか、伺いたいと思います。 ○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。  GoToトラベル事業におきましては、事業の効果を全国に及ぼすために、大手であるか中小であるかを問わず、事業者の皆様に平等に事業に参加できる機会をつくっており、現在、三万四千を超える非常に多くの事業者に参加いただいているところでございます。また、大手の事業者に限らず、中小規模の旅行会社を含めた全ての事業者に対しまして、同じように販売状況を丁寧に聞き取りながら、随時必要な予算枠を追加いたしまして配分するなどの対応を行っているところにより、事業者からの御要望に応じて幅広く事業の効果が行き渡るよう努力したところでございます。  今委員の御指摘にありました事業の効果につきましては、観光庁内でも分析を並行して進めておりますが、GoToトラベルの事務局との委託契約におきましても、本事業の実施結果や経済への波及効果を整理、分析、報告するよう求めておりますので、この中で議員の御指摘の中小規模の事業者に対する効果につきましても分析、把握をするよう求めたいと考えているところでございます。 ○小宮山委員 GoToトラベル事業、短期間で実施をされていたんですが、この間で報道で流されるのは、旅行関係、大変もうかっていいよねと言われることが多かったんです。しかし、実際には、先ほども指摘したとおり、小規模あるいは零細の旅行会社への恩恵は届いておりません。GoToトラベルはもう廃止して、直接給付など支援をしてほしいといった切実な声が小規模旅行代理店から伝わっております。緊急事態宣言、蔓延防止措置が五月末まで期間延長となる中、観光関連の事業者などへの新たな支援策が必要と考えます。  立憲民主党では、損失額の約二割をめどに給付することで事業継続をしてもらえるよう、観光関連産業給付金法案を提出をさせていただきました。  また、雇用調整助成金の特例の継続も強く要請したい。緊急事態宣言の延長から解除に至った後も、顧客や市場が戻るのに例えば三か月程度は見込まなければならないんじゃないでしょうか。事業計画、雇用計画がしっかりと組み続けられるように、雇調金の特例の継続も更に三か月など、可能なようにするべきだと考えます。  直接支援並びに雇用調整助成金特例の継続の要請について、国土交通大臣の御見解を求めます。 ○赤羽国務大臣 これまで私も、全国、ちょうど五十の観光地の皆さんと毎回二時間から二時間半、三時間近くかかるときもありますが、意見交換をさせていただいておりまして、現場の状況を聞かせていただいております。  今、小宮山委員おっしゃられるように、GoToトラベル事業、大変大きな需要喚起策だということで、あの事業で何とか今倒産せずに済んだというような肯定的な意見も多いんですけれども、他方で、いわゆる小規模の旅行代理店ですとか貸切りバス事業者、やはり団体旅行が冷え切っておりますので、そうしたところに十分裨益されていないというのも、現場で歩いていて私も感じるところでございます。  直接支給の議員立法のことにつきまして、これは国会で御判断いただければと思いますので、私の方からコメントいたしませんが、私はやはり、基本的には、経済効果等々からいえば、現場の皆さんの切実な声は、需要喚起策で応援をしていただきたいというお声が数多くございまして、今、全国のGoToトラベル事業、再開をできないという状況下の中で、もう四月一日から、発表させていただいておりますが、県単位でそれぞれ、県の県民割引的なキャンペーン等々をやられているとか準備をされている県が数多くございまして、そうしたことについて国交省として財政支援をする、これは発表しているとおりでございます。  また、雇用調整助成金につきましても、これがあるから何とか従業員の皆さんの雇用が確保できているという切実な声がございますので、何度も私も表明させていただいておりますが、厚労省に対しまして、今の拡充した形で更なる延長ということを求めておるところでございますし、私の決意としては、観光関連、交通事業者共に人手を多くかけている産業でございますので、雇用調整助成金の最後の最後までの対象の業界として死守しなければいけない、こう思っておるところでございます。  それで、あと加えて、直接支給と少し似ているかもしれませんが、なかなか、需要喚起といっても、こうした感染状況だと観光を展開しにくい環境の中でございますので、やはりこうした状況が長く続いていることに対して支援をしなければいけないということで、昨年から、感染拡大防止対策、様々な費用をかけて現場では頑張っていただいておりますので、こうしたかけられた費用、またこれからかける感染対策、防止に対する費用に対する助成ということで、一件当たり最大五百万円の支給もさせていただくということは、先日、二十三日の記者会見で発表させていただいて、今周知徹底をさせていただいているところでございます。  いずれにいたしましても、観光関連、交通事業は、これからの我が国における地方創生、また経済成長、また国民生活の足という大変重要な基本的なインフラ、大事な産業だというふうに思っておりますので、しっかりと、皆様方の御指導も聞きながら、お知恵を拝借させていただきながら、国交省としても万全の対策で支援をしていきたい、こう考えておるところでございます。 ○小宮山委員 是非、直接的な支援、またしていただきたいと思いますし、雇調金に関しましては、昨日、海事産業の各種団体から御意見を伺いました。この中でも非常に要望の多い制度でありました。ここで少し下げていくということではありますけれども、是非この点に関しましても、閣内での発言もしていただければと思います。  さて、地域で観光や人流というものを結局止めないということになります。そうなってくると、やはり、今後、ワクチン接種が進展してきて、高齢者など接種済みの方から市中に出かけ始めるようになるかと思っております。これに対して、飲食店などで働く側はワクチン未接種となる。ワクチン接種が行き渡るまでは、PCR検査、抗原検査を広く無料などで可能とすることで、ワクチン接種に関しての格差というものの状態をなるべく抑えること、また、各地域経済振興のために、無症状の陽性者の人流防止にもつながるのではないかと考えております。  また、場合によっては、全域ではなければ、下水道を使い、地域を絞っての重点的な検査ということも検討されるべきだと思いますが、観光産業支援にもつながることでもあります。  観光庁として、政府内でも声を上げ続けていただきたいと思いますが、この点についての御意見をお願いいたします。 ○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。  この四月から、地域観光事業支援といたしまして、感染状況が落ち着いているステージ2相当以下と判断した都道府県が県内旅行の割引事業を行う場合や前売り宿泊券の販売を行う場合におきまして、国が当該都道府県の取組を財政的に支援しているところでございます。この支援の中では、委員御指摘のような旅行前のPCR検査等につきましても、各都道府県が地域の実情を踏まえて支援対象に含めることが可能となっているところでございます。  また、GoToトラベル事業におきましては、その再開につきまして当面難しい状況であると判断しておりますが、国民の皆様に安心して本事業を利用して旅行を楽しんでいただける環境を整備する観点から、その再開に当たりましては、PCR検査等につきましてどのような活用が可能か、知見を有する厚生労働省や内閣官房とも連携いたしまして、現場の負担なども考慮しつつ検討を進めているところでございます。  いずれにいたしましても、感染拡大防止の観点も踏まえつつ、関係省庁や各都道府県と連携して、観光関連産業を適切に支援してまいりたいと考えております。 ○小宮山委員 続きまして、狭隘道路解消並びに無電柱化への取組についてお伺いしていきたいと思います。  五年に一度行われます総務省統計局住宅・土地統計調査によりますと、約三割の住宅が幅四メートル以下の狭隘道路のみに接して建っております。  国は狭隘道路整備事業に予算計上し、取り組んでおりますが、狭隘道路への接続割合は増加をしている状況です。  この狭隘道路に面した住宅の戸数、比率が減少していかない理由はどこにあるのでしょうか。お聞かせください。 ○和田政府参考人 お答えいたします。  狭隘道路に接道した住宅の解消を進めるため、建築基準法では、建築物の建て替えの機会を捉えて、セットバック、少し道路側から後ろへ引き下がっていただくことを求めております。  委員御指摘のように、例えば平成三十年の住宅・土地統計調査によりますと、四メーター未満の道路にしか接道できていない住宅、これは全国ベースで約四割ございます。  その理由としましては、セットバック、道路の両側でして初めてその四メーターが解消されるということが一般的でございますが、道路の片側の敷地でセットバックしても反対側の敷地がそのままである場合があること、また、敷地分割が行われている場合があること、あるいは、そもそも建築物の建て替えが行われていないで長期にわたり使用され続けている状況にある場合があることなどが考えられます。  国土交通省としましては、そのような原因の把握も含めまして、今後、狭隘道路等の現状分析をしっかりと行っていきたいと考えております。 ○小宮山委員 狭隘道路に面した住宅などが新築、建て替えのときはセットバックをいたします。セットバックした土地は、地方自治体へ寄附するか、そのまま所有を続けることになります。皆様に配付させていただきました資料の方も御覧いただければと思います。  地方自治体へのセットバック、後退用地の寄附制度は約八割の自治体で設けられておりますが、実際に制度を活用した寄附は三割にとどまっています。新築等により後退した用地が分筆されないまま建物敷地とともに抵当権設定がかかっている場合など、民間所有の土地のまま道路として使用することは、維持管理、地下埋設物等の設置、さらには固定資産税の課税においても問題が生じていることがあるそうです。  セットバック、後退用地の自治体への寄附が進んでいない理由についてどのように捉えているのか。また、適切に分筆や寄附が行われるため、国交省の取組をお聞かせください。 ○和田政府参考人 国土交通省では、令和元年度に、狭あい道路整備等促進事業を活用している二百八十三の地方公共団体を対象に、狭あい道路の拡幅整備に係る実態調査を行いました。その結果ですと、約八割の地方公共団体が、一定の条件を付して、後退用地の寄附を受ける制度を設けております。  一方で、寄附する側の土地所有者の意向と条件を付す側の地方公共団体の意向が必ずしも合致していない場合もあると考えられております。  なお、委員御指摘のように、分筆や寄附が行われる場合につきましては、権利関係を明確にするための測量、分筆登記、拡幅整備のための舗装、こういったものが必要になりますが、国土交通省におきましては、社会資本整備総合交付金等によりまして、これらに要する費用に対する支援を行っております。 ○小宮山委員 今局長が指摘されましたけれども、狭隘道路の解消に当たって、社会資本整備交付金の活用がなじまない場合があると伺います。道路拡幅工事などに伴い、路線の全体がセットバックする場合、社会資本整備交付金を活用して事業を推進することはできるとなっておりますが、住宅などの新築、建て替え、増築や、塀の築造などが行われる際に、路線の一部である当該住宅に面する区間だけがセットバックされていくことになってしまう。こうした自主後退は計画性に乏しく、社会資本整備交付金の活用がなじみにくいのではないかという声があるわけです。  新築、建て替えなどにより路線内の一部だけが自主後退となる場合についても支援ができる補助金制度を新設するべきじゃないでしょうか。 ○和田政府参考人 建築基準法に基づきまして、建築物の建て替えでセットバックする機会を捉えて行われる狭隘道路の用地の買収とか舗装等に対しまして、社会資本整備総合交付金等の中の狭あい道路整備等促進事業というものがございまして、普通の道路の事業とは違いますが、こういったものによって支援を行っています。  この事業では、道路事業として路線整備を行う場合に限らず、路線内の一部の住宅がセットバックする場合においても、そのセットバックに係る費用を支援対象としておりまして、公共団体の方でこれを用いていただこうということであれば、狭隘道路の解消に向けてその公共団体を支援しているところでございます。  公共団体の中には、数もたくさんございます、必ずしも私どもの情報といいますか、あれが丁寧に行き届いていない場合もあると思いますので、しっかりと公共団体と丁寧に意見交換しながら、理解を進めていくよう努力したいと思ってございます。 ○小宮山委員 愛知県岡崎市では、平成十七年に条例を制定した上で、狭あい道路整備係という専門の部署を設けて取り組まれているそうです。セットバックが行われる際の取扱いについて分かりやすくフローチャートに示すなど周知広報にも、また、登記の費用等、様々なところで支援をするという優れた取組をしております。これは是非参考にする点があると思いますので、周知徹底も含めて活用していただければと思います。  狭隘道路について読み取れるのは、法制上は建築基準法第四十二条二項ぐらいだと聞いております。防災・減災のための狭隘道路の解消に向けてより積極的に取り組むには、よりどころとなる、根拠法となる新たな指針の類いが示されるべきじゃないでしょうか。この点に関しまして、狭隘道路に関する新たな指針の作成又は狭隘道路解消推進法といったような法制化もするべきかと考えますが、この点につきまして、国交大臣の見解をお聞かせください。 ○赤羽国務大臣 今小宮山委員からお話ございましたように、この狭隘道路の問題というのは、古い都市住宅地域というか、たくさん見られると思っております。いわゆる高度経済成長期に急激な都市化が進む中で、狭隘な道路と、ちょっと言葉は悪いですけれども無秩序な住宅地が形成された結果、私の地元でも、とても緊急車両が入れないんではないかとか、災害時の避難確保ですとか、日照とか採光の問題とか、余り、どうなのかなと思っていますが、地元で聞いても様々な人がいらっしゃって、いや、車が入ってこれないからいいんだと、閑静な住宅だというような価値観を持たれている方も結構多いとか、他方で、いや、万が一と言うと、それは万が一で、毎日生活するのとどっちが価値が重いんだみたいな話というのは結構根強くて、やはり私権の制限というのは非常に難しいわけでございます。  最近、ハザードマップで、浸水想定区域等々で、この前法改正させていただきましたが、その開発について相当抑制的なことがようやくできたという段階なので、なかなかここにいきなり新しい制度化というのはそんな簡単ではないと思っておりまして、残念ながら、今国交省ができるのは、小宮山委員が言われたような建築基準法を使ってですとか、先ほど局長から答弁ありましたように、地方自治体に対する、地方公共団体が行う狭隘道路への用地買収ですとか舗装に対する支援、また、これは岡崎市の、非常に、モデルケースとして、全国にホームページを使って展開をさせていただいているというようなことが今の現状でございます。ですから、なかなか遅々として進まないというのは、率直に言って認めざるを得ない。  ですが、今回の、今、住生活基本計画、作成しておりますが、これまでそうしたことは盛り込んでおりませんでしたが、より安全な住宅、住宅地の形成に向けた基本的な施策として狭隘道路等の現状分析を行って、それぞれの地域の防災まちづくり部局と連携しながら、重点的に安全性を確保すべき地域の把握と対策を推進するということを住生活基本計画にも位置づけて、地方公共団体と意見交換をしながら、ちょっと、遅々ではないように、できるだけ着実に成功事例ができるようにしっかりと取り組んでいきたい、強い問題意識を国交省も各部局の中で持って臨んでいきたい、こう考えております。 ○小宮山委員 狭隘道路を是非なくすべきかと思っておりますが、そのためにもしっかりまず調べられなければいけない、対応できなければなりません。  所有者不明土地の対応、隣接地が所有者不明であると、それを調べるのに土地家屋調査士の方々も一件一件聞き込み調査をしてやっていくという、非常に手間と時間と労力、費用もかかることになってしまい、これがまた狭隘道路や所有者不明土地を解消ができない原因になっている一つ、一因でもあるかと思っております。  そこで、固定資産税課税台帳内の一部の情報で構いません、住所と氏名だけでも、連絡先が分かるように、土地家屋調査士等にも見れるように、所有者不明土地の境界画定などへの対応がより迅速に可能になる可能性が高いと考える施策について、政府の対応を簡潔にお聞かせください。 ○川窪政府参考人 まず、総務省からお答え申し上げます。  地方税法では守秘義務の規定がございまして、固定資産課税台帳の情報につきましても、原則として本人以外の第三者にお知らせすることはできないものでございます。このため、相続等によりまして登記名義人以外の方が土地の所有者となっている場合における固定資産税の課税情報としての所有者の氏名や住所につきましては、それを税務当局から土地家屋調査士さんに提供することはできないという仕組みになっているところでございます。 ○堂薗政府参考人 それでは、お答えいたします。  法務省では、所有者不明土地の発生を予防するため、これまで任意とされてきた相続登記や住所等の変更登記の申請を義務づけることなどを内容とする民法等の一部を改正する法律案を今国会に提出し、この法案は本年四月二十一日に成立したところでございます。  この法改正は所有者不明土地問題の抜本的な解決に向けた大きな意義を有するものであり、御指摘のケースを含めて問題の解決に直接つながるものであることから、その施行に向けた準備をしっかりと進めてまいりたいと考えているところでございます。  また、分筆や地積更正などの登記申請をする場合には、土地家屋調査士において、隣地所有者との間で、双方立会いの下、公法上の境界である筆界の現地における位置を確認した上で、その確認結果を登記官に提供し、登記官はこれを筆界認定の有力な証拠として取り扱うという実務が行われているところでございますが、現に、隣地が所有者不明の状態であるために、所有者による筆界確認ができず、登記申請に困難を生じている例があることは承知しているところでございます。  そこで、法務省としては、所有者による筆界確認が困難なケースを念頭に、地積測量図などの法務局に保管された既存の資料等を活用することによって、筆界確認がされていない場合にも適切に筆界認定を行うための方策について、この分野の実務家や有識者を交えた検討を行っているところでございます。  法務省としては、筆界認定の在り方に関する検討の結果をできる限り速やかに取りまとめ、必要な登記実務の見直しを図ってまいりたいと考えているところでございます。 ○小宮山委員 問題を解決するしっかりとした検討をしていただければと思います。  さて、最後になりますけれども、順番等を少し変えさせていただきます。  無電柱化、二〇一六年に法律を制定させていただきました。そのときにもお世話になりましたけれども、松原隆一郎教授は、最近、記事において、無電柱化が全ての道路に及ぶのに推進法制定から千五百年かかると指摘されるほど、毎年七万本ほど、電柱がいまだに増え続けております。  様々な法改正もしてきました。低コストの手法等も進めたり、やっています。しかし、開発に取り組んでいるという説明を聞くものの、実際に事業として十分に進まないのはなぜなんでしょうか。  無電柱化が進まないのは、電力会社を所管する資源エネルギー庁としての本気度が問われていると思います。議員立法を資源エネルギー庁は軽視しているのではないかという声さえも聞こえてきております。  唯一の立法府で作られた無電柱化推進法にのっとり、本気で無電柱化するために資源エネルギー庁は具体的に何をしているのか、所見をお伺いします。 ○小野政府参考人 お答え申し上げます。  無電柱化につきましては、委員御指摘の無電柱化推進法がございまして、これに基づき着実に推進する、これは当然のことでございますけれども、強風による飛来物等を原因とする電柱倒壊を抑制できるという利点がございますので、エネルギー政策上、電力安定供給の観点からも無電柱化を推進すべき、こういうふうに認識しているところでございます。  まず、無電柱化せずに電柱を設置することが選択される理由といたしましては、無電柱化するために必要となるコストが高い、これが原因の一つというふうに考えているところでございます。このため、経済産業省といたしましては、無電柱化に必要となるコストを大幅に下げていくということが重要であると考えておりまして、各送配電事業者のケーブルや変圧器といった器材の仕様の統一を推進しているところでございます。  具体的には、ケーブルにつきましては、二〇二〇年度までに仕様の統一が完了しております。変圧器につきましては、仕様の統一化と同時に小型化も進めるべく、電力十社から電力中央研究所へ昨年度から二年間の委託研究を実施しておりまして、その成果を電力大で今後統一的に展開する予定でございます。  また、無電柱化を推進するための具体的な仕組みでございますけれども、二〇二〇年六月に改正電気事業法が成立いたしましたが、この中で、送配電事業者が必要な送配電投資計画を計画的かつ着実に実施することとしておりまして、この計画には無電柱化の推進も含まれます。また、無電柱化に必要なコスト、これは電力消費者たる国民に電気料金として転嫁されることになるわけでございますけれども、送配電事業者が無電柱化を含む計画の実施に必要な投資、これを着実に行いつつ、同時に国民負担を抑制するため、託送料金制度の  見直し、これは具体的には配電事業者の収入上限を定めるという制度でございますけれども、これを定めているところでございます。  無電柱化の推進に関する法律の趣旨や今後策定される次期無電柱化推進計画の基本的な方針を踏まえまして、引き続き、関係省庁とも連携しながら、電柱の新設の抑制に向けた取組を進めていきたいと考えているところでございます。 ○小宮山委員 電力会社が徴収する電気料金のうち、託送料、ネットワーク利用料により送電費用と配電費用を回収しており、無電柱化費用は配電費用にも含まれることになります。  この点に関して、是非、今後、やはりもっと進めるべきであります。地方自治体は、費用がかかるからといって、まずもって無電柱化すること自体を諦めているという事例も多々あるかと思います。是非、新規の電柱設置、新規の電柱をしないよう、また、義務化あるいは推奨するように助成制度を充実させる対応が必要だと思います。このことを提案させていただきまして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。