令和3年3月23日 衆議院本会議議事速報(未定稿) ◇この議事速報(未定稿)は、正規の会議録が発行されるまでの間、審議の参考に供するための未定稿版で、一般への公開用ではありません。 ◇後刻速記録を調査して処置することとされた発言、理事会で協議することとされた発言等は、原発言のまま掲載しています。 ◇今後、訂正、削除が行われる場合がありますので、審議の際の引用に当たっては正規の会議録と受け取られることのないようお願いいたします。 ――――◇――――― 特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明 ○議長(大島理森君) この際、内閣提出、特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。国土交通大臣赤羽一嘉君。 〔国務大臣赤羽一嘉君登壇〕 ○国務大臣(赤羽一嘉君) 特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。  近年、気候変動の影響により全国各地で豪雨災害が激甚化、頻発化しており、今後、さらに、雨量の増大が見込まれる中、国民の命と暮らしを守るためには、治水対策の抜本的な強化が急務となっております。  具体的には、上流から下流や本川、支川等、流域全体を俯瞰し、遊水地の整備や河道掘削、堤防整備といった、これまで計画的に進めてきた河川等の整備を一層加速するとともに、国、自治体、企業、住民等、あらゆる関係者が協働してハード、ソフトの治水対策に取り組む流域治水が重要であり、その実効性を高め、強力に推進するための制度が必要であります。  このような趣旨から、この度、この法律案を提案することとした次第です。  次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。  第一に、流域治水を全国で展開するための計画や体制として、国、都道府県、市町村等の関係者が一堂に会する協議会において、河川の整備に加え、自治体や民間等による雨水貯留浸透対策、土地利用の方針等の計画を協議し、実施する仕組みを創設するとともに、この仕組みを全国の河川で活用することとしております。  第二に、河川の氾濫をできるだけ防ぐには、堤防等の河川整備がまず重要でありますが、これに加え、利水ダムの事前放流を拡大できるよう、河川管理者や利水者等により構成される協議会制度を創設することとしております。併せて、保水、遊水機能を有する土地等について届出、勧告制度の導入により保全を強化するとともに、雨水貯留浸透施設の認定や支援の制度を創設し、自治体や民間による整備を推進することとしております。  第三に、浸水に強いまちづくりを進めるため、浸水リスクが高いエリアで住宅等の安全性を建築等の前に確認する浸水被害防止区域の制度を創設するとともに、安全なエリアへの移転のための防災集団移転促進事業の対象等を拡充することとしております。併せて、災害時の避難先となる拠点の整備等を計画的に進める仕組みを導入することとしております。  第四に、実効ある避難を促すため、ハザードマップの作成対象を拡大し、浸水リスク情報の空白域を解消するとともに、要配慮者施設に係る避難計画等について、市町村が助言、勧告できる制度を創設することとしております。併せて、自治体が管理する河川での国による権限代行制度を拡充することとしております。  その他、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。  以上が、この法律案の要旨でございます。  よろしくお願いいたします。(拍手) ――――◇――――― 特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑 ○議長(大島理森君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。小宮山泰子君。 〔小宮山泰子君登壇〕 ○小宮山泰子君 立憲民主党の小宮山泰子です。  立憲民主党・無所属を代表して、ただいま議題となりました特定都市河川浸水被害対策法等改正案、いわゆる流域治水関連法案について質問いたします。(拍手)  本法案が作られた背景には、度重なる水害被害があり、事業の遂行には、政府への信頼が大前提となります。そこで、まず、武田総務大臣にお伺いします。  昨日の総務委員会でも議論になりましたが、昨年十一月十一日に武田大臣がNTT及びNTTドコモとともに会食をした葛西敬之氏が名誉会長を務めるJR東海は、列車内や駅構内でも光ネットワークや列車無線を利用する、電気通信事業法上の電気通信事業者です。すなわち、総務省にとって、法律上、NTTやNTTドコモと全く同じ、利害関係者であります。  しかも、昨年十一月といえば、総務省所管の情報通信研究機構に、JR東海が近い将来利用するであろう高速移動体の技術開発費約三百億円を令和二年度第三次補正に盛り込むことを決定する、大詰めの時期です。  武田大臣は、この状況及びJR東海が利害関係者であることを認識しながら、大臣規範に照らし合わせて、何のちゅうちょもなく会食の誘いを受けたということでしょうか。  この会食の事務連絡において、総務省は関与していたのでしょうか。また、利害関係者との会食について、事前に、会費はどのように取り決めていたのでしょうか。  武田大臣は、葛西名誉会長以外の参加者を知らなかった旨答弁していますが、その場に、株式公開買い付け当事者であり、総務省にとって最も深い利害関係者の一つであるNTTとNTTドコモのトップが同席したことを知って、なぜ即座に退席しなかったのでしょうか。  結局、一時間にも及び飲酒を伴いながら懇談するとは、大臣としての倫理意識はあきれるほど低いものと言えるのではないでしょうか。それぞれ御答弁ください。  さて、我が国は、災害対策と言われます。全ての人々が安全に暮らせる、災害に強い国、社会をつくることは、我々政治家に託された使命です。  災害大国であっても安全であることは資産であり、世界から信用を得ることにつながり、日本の基幹産業となるべき観光関連産業にも裨益します。  そのためにも、国の河川整備は着実に推進しつつも、地域の決断を尊重し、財政面を始め、思い切った措置、支援を講じる必要があります。  今回の改正は、気候変動による災害の激甚化、頻発化を踏まえ、これまで取り組まれてきた水防災意識社会の再構築の取組を一歩進めるため、都市化の進展による安全度の低下に対応するため、従来の総合治水の取組を全国の河川に拡大するとともに、施策を拡充し、併せて事前防災対策を加速させることで、あらゆる関係者が協働して流域全体で行う流域治水を推進し、総合的かつ多層的な対策を行えるようにするものです。  これまでの水防意識社会の再構築の取組が進められても、毎年のように大規模な水災害が起き、人的、物的被害が絶えませんでした。このような状況を考えると、これまでの治水は抜本的な対策とは言えなかったのではないでしょうか。  国交大臣に、これまでの治水の総括をお伺いいたします。  流域治水関連法案は、特定都市河川浸水被害対策法や、水防法、河川法等、主要な法案だけでも九本にわたる、いわゆる束ね法案です。  一方で、あくまで国土交通省の法案であり、水害対策との関係の深い森林の整備や保全、農業との関連など、他省庁との連携が弱いことを指摘せざるを得ません。  また、近年の洪水等の状況も念頭に置いて制定された水循環基本法では、河川等と並んで森林、農地の整備が挙げられ、水循環に関する総合的、一体的な施策として進めていくことを求めています。  しかし、流域治水関連法案では、森林、農地等の整備、保全に関し、法律上明確な位置づけが見当たりません。  政府全体で総合的に施策を進める水循環基本法の趣旨を踏まえ、国土交通省を超える枠組みでの流域治水を検討し、農林施策と治水との関連性を持たせる制度上の整備が必要と考えますが、なぜ法律上の位置づけがないのでしょうか。お答えください。  また、流域のあらゆる関係が協働で行う流域治水による水害対策においては、集水域における森林、治山施設の整備や、農地の保全も重要な役割を担うと考えます。  農林施策においては、治水に資する新たな制度の創設等は検討されているのでしょうか。農林水産大臣より御答弁ください。  さて、本法案では、特定都市河川浸水被害対策法に基づき、流域における協議会を設置することとされています。  本法案による協議会が治水に特化したものであるとはいえ、水被害を含む総合的な施策が協議される水循環基本計画との乖離があってはなりません。  同じ水を対象とする両協議会の関連性が示されていないのはなぜでしょうか。また、それぞれの果たすべき役割をどのように考えているのか。両協議会が策定する計画の内容に整合性が確保されるべきと考えますが、これらへの対応について、国土交通大臣の見解をお伺いいたします。  今回、協議会の設置や流域治水の計画に基づく雨水貯留浸透施設に係る官民連携、土地利用規制等の抜本的な対策が可能となるには、特定都市河川水域被害対策法の特定都市河川の流域ということになります。そのため、指定が行われない限り、改正案により創設、拡充される様々な制度の多くは使われないこととなってしまいます。  本法案で創設される多くの施策を特定都市河川の流域における限定的な制度とした理由は何でしょうか。お答えください。  現状を見ると、特定都市河川は八水系しかありません。国はその指定対象を全国に広げるとしているとはいえ、国や都道府県である指定権者の判断が必要な制度となり、特定都市河川の指定により、計画策定や協議会の運営に加え、計画を実施するために貯留浸透施設等を設ける地方公共団体は、財政的負担、人的負担が生じます。一定規模以上の宅地化等に対し、雨水貯留浸透施設の設置が義務づけられることになりますから、流域治水に取り組む必要があっても、指定が進まないことも懸念されます。  まず、実際に指定が行われるよう、国は法律による指定対象の拡大のほかに、どのような対策を講じるのですか。大臣にお尋ねいたします。  災害は全国どこでも起こるものであります。特定都市河川の指定に時間を要する場合や未指定の地域における対策も重要です。  特定都市河川の指定のない河川の流域における雨水貯留浸透施設の整備の推進や、浸水により人命への危険が想定される土地の利用規制等の対策について、国土交通大臣の御見解をお聞かせください。  昨年七月の社会資本整備審議会の答申において、「流域治水を進める上で、生態系ネットワークに配慮した自然環境の保全や創出、かわまちづくりと連携した地域経済の活性化やにぎわいの創出など、防災機能以外の多面的な要素も考慮し、治水対策を適切に組み合わせることにより、持続可能な地域づくりに貢献していくべきである。」と提言されています。  水害を軽減するグリーンインフラの活用は、生物多様性が高いほど、自然が持つ防災、減災機能や水質浄化などへの効果も期待されます。  今回の流域治水において、各地それぞれの生物多様性、自然環境を保全、再生し、自然を生かすとの観点が重要と考えているのか、また、生態系ネットワークなど、地域の生態系や生物多様性を治水とともに構築していく考えがあるのか、環境大臣にお伺いいたします。  創設される貯留機能保全区域は、当該区域の指定は地権者の同意を得て行い、保水、遊水機能を阻害する行為を事前に届けることが義務づけされています。  遊水によって農作物に被害が生じた際の補償や地権者が遊水地とすることを許容する場合の買収などをセットにして、区域の指定を促進していくことが重要と考えますが、どのような措置を行うことを想定しているのでしょうか。また、少なくとも固定資産税の減免など、指定を促進するためには何らかの経済的なインセンティブを設ける必要があるのではないでしょうか。国土交通大臣にお伺いします。  次に、利水ダム等の事前放流についてお尋ねいたします。  ダムのような、いわゆるグレーインフラの整備も、グリーンインフラの活用と両立するものです。  特に、既存のダムを最大限活用していくダムの事前放流は、その取組を進めていく必要があると考えています。  本法案により、ダムの事前放流の取組を強化していくため、利水者を含む協議会が法定化されますが、利水者は発電や農業等の国土交通省以外の所管官庁の関係者であり、従来の縦割りの行政の壁を越えた流域治水実現のための連携が鍵となります。  治水協定の締結による総論的な枠組みだけでなく、今後、事前放流を効果的に実施するためには設備の増強や情報の共有が必要となりますが、どのように連携し取り組んでいくつもりなのか、お聞かせください。  樋門操作についてもお伺いします。  水被害による被害の約三割は内水被害によるものであり、特に都市部であるほどその割合は大きくなります。  改正案では、下水道の樋門の操作規則の策定を義務づけることとしていますが、その効果をどのように見込んでいるのか、お答えください。  一方で、規則を定めても、設備が老朽化、陳腐化し、操作を安全に行うに当たっての根本的な課題が多いのが現状です。管理者である地方公共団体は厳しい財政状況にありますが、政府はどのような支援を考えているのでしょうか。お聞かせください。  さて、本法案は、度重なる水害被害に遭った当該自治体の要望もあり、作成されました。成立後には大規模な事業予算が必要となります。  本日、図らずも裁判では罪を認めましたが、さきの参議院選挙広島選挙区における河井元法務大臣夫妻による買収事件では、裁判において、お金を受け取った側の地方議員から、現金の受取を拒むと、国の助けを受けて進める地方の事業を邪魔されることを恐れたとの発言が報道されていました。  政策の実行、予算の箇所づけは、与党や特定の議員によって左右されるべきものではなく、必要性を公正公平に検討した上で決定されるべきものです。与党議員がいるから予算がつく、事業が進む、そういったことが実態なのでしょうか。政策実行、事業への予算づけの公平性、公正性の確保に関して、国土交通大臣よりお答えください。  最後になりますが、改めて、被災された皆様に衷心よりお悔やみを申し上げ、お見舞いを申し上げますとともに、復旧復興の支援については党派を超えて全力で対応し続けることを立憲民主党としてお誓い申し上げ、質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 〔国務大臣赤羽一嘉君登壇〕 ○国務大臣(赤羽一嘉君) 小宮山泰子議員から、まず、これまでの治水対策の総括についてお尋ねがございました。  近年の水災害対応としては、平成二十七年関東・東北豪雨を受け、避難体制を強化するなど、水防災意識社会の再構築を図るためのソフト対策の充実、平成二十八年北海道・東北豪雨や平成二十九年九州北部豪雨を受け、中小河川におけるハード、ソフト対策の強化などの取組を進め、浸水被害が最小化されたものと評価しています。  しかし、平成三十年七月豪雨や令和元年東日本台風など、近年、気候変動の影響が指摘されている大規模な水災害が発生しており、今後も更なる頻発化、激甚化が予想されていることを踏まえ、これまで進めてきた治水対策を抜本的に強化する必要があると考えております。  このため、治水計画を気候変動による降雨量の増加などを考慮した計画に見直すとともに、流域治水プロジェクトの推進等、あらゆる関係者が協働で取り組む流域治水を推進してまいります。  次に、農林施策と流域治水との制度上の関係についてお尋ねがございました。  流域治水の取組は、水循環基本法に基づく水循環基本計画の趣旨も踏まえ、政府一体となって進めていくことが重要です。  本法案で新たに創設する流域水害対策協議会においても、農林分野等の関係機関が参画できる法制度となっており、これにより関係機関が連携して流域治水を推進してまいります。  流域水害対策協議会と水循環基本計画に基づく水循環の協議会との関係についてお尋ねがございました。  流域水害対策協議会は河川における流域治水のための計画を、また、水循環基本計画に基づく協議会は健全な水循環の維持、回復のための計画をそれぞれ協議する役割を担っております。  本法案におきまして両協議会の関係性は明示しておりませんが、流域治水は、水循環政策の一部を構成するものであり、閣議決定された水循環基本計画にも位置づけられていることから、健全な水循環の維持、回復のための計画と流域水害対策計画は、当然に整合が図られるべきものと考えております。  本法案で創設する多くの施策を特定都市河川の流域で行うこととした理由についてお尋ねがございました。  令和元年東日本台風などでは、バックウォーター現象によって氾濫が発生しやすい本川と支川の合流点付近や、川幅が狭くなる狭窄部の上流側などの、現行の特定都市河川法で指定されていない多くの河川において甚大な浸水被害が発生いたしました。  全国には、このような自然条件によって、河道等の整備だけでは浸水被害を防止することが困難な河川が数多く存在しています。  今回の改正案では、こうした自然条件にある河川を新たに本法の対象に追加することとし、現状の八水系六十四河川から、関係自治体との調整を経て、数百程度の河川を指定することを想定しております。  特定都市河川の指定を進めるための対策についてお尋ねがございました。  現在、全国百九全ての一級河川において流域治水プロジェクトの検討が進められておりますが、これを推進する中で、新たな特定都市河川の指定についても、河川管理者である関係自治体において積極的に検討が進められるものと認識をしております。  さらに、自治体等が整備する雨水貯留浸透施設に対する財政支援を行うとともに、計画作成に係る技術的助言により人的負担軽減にも努めてまいります。  特定都市河川の指定がない河川の流域における対策についてお尋ねがございました。  特定都市河川の指定のない河川におきましても、浸水被害を防止する観点は重要であるため、特定都市河川と支援や規制内容に差はあるものの、流域における雨水貯留対策や土地利用規制等を組み合わせ、必要な対策を推進してまいります。  貯留機能保全区域での支援策についてお尋ねがございました。  貯留機能保全区域は、現状の土地が持つ雨水等を貯留する機能を保全するため、土地所有者の同意を得た上で盛土等を行う場合に届出していただくものであります。  このため、指定促進に当たっては、そもそも買収を前提としておりませんが、土地所有者の御理解が不可欠であり、制度の意義等を丁寧に説明するとともに、御指摘のとおり、土地所有者への支援策についても、今後、関係省庁とも連携しながら検討してまいりたいと思います。  事前放流の効果的な実施についてお尋ねがございました。  利水ダムを活用しての事前放流につきましては、今後、更に効率的、効果的な実施に向け、一、気象予測の精度向上、二、放流管の増設などの施設改良、三、河川管理者と利水ダム管理者等が放流量について機動的に調整できるシステムの整備などに取り組む必要があると考えられます。  このため、本法案によって創設する法定協議会等を通じ、関係利水者等と連携し、これらの具体的な取組について検討、調整を図ってまいります。  下水道の樋門等の操作規則の策定義務化の効果と、自動化、遠隔化への支援についてお尋ねがございました。  下水道の樋門等の操作規則につきましては、約六割の施設での策定にとどまっているため、その策定を義務化することにより、全ての樋門等の操作が的確かつ確実に実施され、河川等からの逆流による浸水被害を防止できる効果があるものと考えております。  また、樋門等の自動化、遠隔化につきましては、令和三年度より新たに防災・安全交付金の交付対象に追加し、地方公共団体を財政的に支援していくこととしております。  最後に、政策の実行、事業への予算づけに関するお尋ねがございました。  国土交通省におきましては、当然のことながら、これまでの政策の実行、事業への予算づけにつきましては、地域からの要望も踏まえた上で、その必要性や緊急性に応じて行ってまいりました。  また、それらの事業の実施に当たりましては、関係する自治体や学識経験者等の第三者の意見を聞きながら、事業の各段階で事業評価を実施することにより、透明性を確保し、公平性、公正性に努めているところであります。  私自身も、これまで、与野党分け隔てなく、真摯に耳を傾け、国政に当たってまいりましたが、今後とも、この姿勢は堅持し、公平、公正な政策実行に心がけてまいります。どうかよろしくお願いいたします。(拍手) 〔国務大臣野上浩太郎君登壇〕 ○国務大臣(野上浩太郎君) 小宮山議員の御質問にお答えいたします。  農林施策における、治水に資する新たな制度創設等の検討についてのお尋ねがありました。  流域全体での治水対策を進めていく上で、森林の有する水源涵養等の機能や、農地、農業水利施設が持つ洪水調節機能を適切に発揮していくことが重要と考えております。  このため、農林水産省では、健全な森林の育成を図るための間伐等の森林整備や、土砂の流出を抑制する治水対策を進め、森林の有する国土保全や水源涵養機能の維持向上を進めています。また、水害が予測される際に、事前に農業用ダムの水位を下げて雨水を貯留する事前放流や、水田に雨水を一時的に貯留させる田んぼダムによる湛水被害リスクの低減等に取り組んでいます。  これらの取組に当たっては、水系ごとに設置されている流域治水協議会に農林水産省も参画し、具体的な連携を進めています。  また、近年の山地災害や洪水被害の激化を踏まえ、気候変動に対応した治水対策を進めていくため、昨年九月に学識経験者から成る検討会を設置し、技術的な検討を進めているところであります。  また、本日閣議決定した新たな土地改良長期計画において、田んぼダムに取り組む水田面積の拡大、農業用ダムの洪水調整機能の強化等について位置づけ、流域治水を推進していくこととしております。  今後とも、国土交通省や地元自治体とも連携しながら、流域全体の治水対策が進むよう努めてまいります。(拍手) 〔国務大臣小泉進次郎君登壇〕 ○国務大臣(小泉進次郎君) 生物多様性や自然環境と治水についてお尋ねがありました。  今後、気候変動により災害の激甚化が予測されていることを念頭に、湿地などの自然生態系が有する保水機能を防災対策にも活用し、自然と調和した地域づくりをすることが重要と考えています。  一例としては、環境省が所管する釧路湿原国立公園内の釧路湿原がそれに当たります。  このような取組は、自然を生かした解決策、ネイチャー・ベースド・ソリューションズと呼ばれ、国際自然保護連合、IUCNにより、昨年、国際的なスタンダードが作成されました。また、二〇一〇年に愛知で採択された生物多様性の世界目標、愛知目標の次の十年間の目標が、今年、生物多様性条約COP15で採択される見込みですが、その中でも議論されるなど、世界的にも関心が高まっています。  環境省では、令和二年度より、国土交通省の協力も得て、地域の生態系を保全し、防災、減災に活用するための手引書を取りまとめるための事業を進めています。  今後、COP15の結果も踏まえた次期生物多様性国家戦略の下で、このような取組を更に推進していく所存です。(拍手) 〔国務大臣武田良太君登壇〕 ○国務大臣(武田良太君) 小宮山議員からの御質問にお答えをいたします。  私が出席したJR東海の葛西名誉会長主催の会合について御質問がありました。  まず、JR東海、NTT、NTTドコモは、総務省から許認可等を受けていることから、大臣規範における関係業者に該当することと思いますが、出席者から特定の許認可等に関する要望、依頼を受けたことはなく、食事はしておらず、自己負担もしていることなど、当時の状況を総合的に勘案すると、大臣等規範に抵触する会合ではなかったと考えております。  また、今回の会合に関する連絡には、総務省は関与しておりません。会費については、当日、遅参の上、中座することになったため、応分の負担を行っております。  なお、御指摘の高速移動体の新たな通信技術に関しては、ミリ波帯による高速移動用バックホール技術をテーマとした研究開発が、平成二十六年度から平成三十年度まで、総務省からの委託研究として実施をされましたが、現在は行われておらず、また、御指摘の情報通信研究機構に造成された研究開発基金において、本テーマについて委託研究を行う予定はございません。  さらに、NTTドコモの完全子会社化については、法令上、総務省の許認可が必要となるものではなく、NTT側の経営判断において実施することが可能なものであります。(拍手) ―――――――――――――