令和2年6月12日 衆議院国土交通委員会議事速報(未定稿) ◇この議事速報(未定稿)は、正規の会議録が発行されるまでの間、審議の参考に供するための未定稿版で、一般への公開用ではありません。 ◇後刻速記録を調査して処置することとされた発言、理事会で協議することとされた発言等は、原発言のまま掲載しています。 ◇今後、訂正、削除が行われる場合がありますので、審議の際の引用に当たっては正規の会議録と受け取られることのないようお願いいたします。 ○土井委員長 次に、小宮山泰子さん。 ○小宮山委員 国民民主党、立国社、小宮山でございます。  まず、本日の法案審査に入る前に、新型コロナウイルス感染症対策に関しましての関連の質問をさせていただきたいと思います。  まず最初に、各国で往来緩和が始まっております。おととい、予算委員会で、私どもの国民民主党の玉木代表の方も予算委員会での質疑の中で、そろそろ、世界的に経済が少し戻ってきたら、渡航の緩和が出てくること、また、日本でも入国前検査や到着時のPCR検査など、追跡用のアプリの使用などの義務化ということも提案の中に入っておりました。  日本でも、新型コロナ感染症の二次クラスターの防止をする観点から、出入国において、水際対策の見直しが必要と考えております。空港、港湾等などを所管する国交省として、いかに対応を行っていくのか、まず、お伺いいたしたいと思います。 〔委員長退席、工藤委員長代理着席〕 ○赤羽国務大臣 私も、新聞報道で、我が国も往来緩和というような報道もありますが、このことについては正確には承知をしておりませんが、いずれにしても、これから段階的にそうしたものが再開していく場面においても、国内外の感染状況をしっかり踏まえながら、また、さまざまな国との意思疎通を行いながら慎重に検討を行っていくということが、当然のことだと思いますが、大事だと承知をしております。  また、国土交通省、確かに、今お話がございました、空港とか港湾の所管でありますが、これはよく御承知だと思いますが、水際対策につきましては、オペレーションとしては、政府対策本部における政府全体の決定に基づいて、入国制限、これは法務省、検疫は厚生労働省、こうしたところの実施が確保できるように、それぞれ所管の両省と緊密に連携をしながら必要な対応を行っていきたい、こう考えておりますし、国内では、空港、港湾についても、しっかりと感染拡大を防止するという観点で、いま一度総点検をしながら対応していきたい。  いずれにしても、水際対策が大変大事だというのは御指摘のとおりだと思いますので、政府一丸となって取り組んでまいりたい、こう決意をしております。 ○小宮山委員 ありがとうございます。ぜひ政府一丸となっていただきたい。それは、空港職員もそうですが、以前、私自身、エッセンシャルワーカー、社会機能維持従事者の方々のことを質問させていただきましたが、空港の中にもさまざまな方々が働いております。こういった方々は、厚生労働省の管轄でもありませんし、さまざまな省庁の管轄になってきてしまう。そうすると、どうしても抜けが出てくる危険もございます。  水際対策、大変大切ではありますが、他国においては既に始まっていることでもあります。いずれ遠くなく、新型コロナ感染症の対策として、水際対策はしっかりとしていただきますよう、重ねて依頼をいたします。  さて、先ほどからずっと出ておりますゴー・トゥー・キャンペーンに関しての質問をさせていただきたいと思います。  六月五日、申請受け付け中だった事務局公募を中止し、後日改めて募集する旨、経済産業省より発表されております。当初の公募締切り期日は六月八日までとされておりましたが、極めて異例な中で六月五日に中止されました。このように中止、延期になった経緯、改めて御説明ください。 ○島田政府参考人 お答えを申し上げます。  委員御指摘の需要喚起キャンペーンの事務局公募につきましては、事務局を一つにするということで、周知広報を始め、申請審査あるいは生産機能といった各キャンペーンに共通する機能を一体的に執行できるメリットがあります一方、観光、飲食、イベントという性質の異なる事業を統括する事務局の構造が複雑になってしまうといった課題があったものでございます。  そのような中、最近の国会あるいは国民の皆様方の御指摘をしっかりと踏まえ、より事務局の構造を簡素にする必要があるというふうな判断に至りまして、一旦、現在の一括による公募をやめることとし、六月の五日の夕刻に公表をさせていただいたというものでございます。  今後は、それぞれの事業を所管する省庁が、これまでの執行経験を踏まえまして、事業分野に適した執行団体をそれぞれが選定するということで、事業の的確な実施に努めてまいりたいと思ってございます。 ○小宮山委員 ありがとうございます。  広田委員のときにも同様の質問で、何度聞いても、やはり余り歯切れのいいものではないなという感じもいたします。そもそもは、一括でやるからこそ効率があると言って、三千九十五億円を上限とした事務費なども計上しているわけですけれども、正直申し上げまして、今の話を聞いていて、やはり疑問というか、素直におかしいなという感じをいたします。  そもそもは、六月三日に、この国土交通委員会で、自民と公明党さんの議員さん以外は全員がこのゴー・トゥー・キャンペーンに触れました。さまざまな観点から触れた委員会がありまして、その次の日です、経済産業省の方からどういうふうにして決まったのかという時系列を出していただいたところを見ますと、予算を一括計上している経済産業省が六月四日に内閣官房、観光庁、農林水産省と相談をし、六月五日午前中に関係省庁間で合意をした、そして、六月五日午後、十八時半に、経産省が公募の停止を決定した、それぞれ、その後、観光庁、農水省などがウエブサイトで反映したと。応募があった者と公募説明会に参加した者に対してその旨を経産省より連絡をしたということを伺っております。  そもそも、やはり公募を中止されるというのは、かなりレアケースでもあります。応募があったもの、もう既にこの時点で二者あったというふうに聞いておりますけれども、通告はしておりませんが、それでよろしいでしょうか。 〔工藤委員長代理退席、委員長着席〕 ○島田政府参考人 公募停止の時点で応募がありましたのは、その時点では二者でございます。 ○小宮山委員 この二者は、当然、これだけの巨額なイベント、キャンペーンを仕切るためにはさまざまな調査をしたり、費用もかかっていたかと思います。よくまあこんなに公募を途中で切り上げられて素直に引き下がったなと、正直言って思うところもありますし、当然それだけの利益があるからこそ応募をされたわけで、経済的損失、まあ、とらぬタヌキの皮算用という言葉が日本にはありますけれども、実際にもう既にある程度の準備をされていたとなれば、かなりの損失があったということを指摘されるのではないかと思いますが、そういったことを言っていたというのも聞こえてまいりません。となると、やはり持続化給付金のように、事前に打合せがあって、ぐるだったのではないか、お手盛りのような状態だったのではないかということを疑わざるを得ません。  この点に関しましては、やはりこれからもしっかりと御説明をいただくことを要請をしておきたいと思います。  また、正直言って、経産省の方が、このことを聞いたときに、批判があったからやめたみたいなことを言っていたのも事実です。批判があったのではなく、疑問があって聞いたら答えられなかった、そこに疑念を持たれたというのを、そのまま続けられなくなってしまったということを考えても、疑念が確信に変わっております。  経産省におきましては、猛省を促すとともに、しっかりと全ての情報開示をすること、このことを訴えさせていただきます。  さて、そうはいいましても、観光業、本当に厳しい状態にあります。ゴー・トゥー・キャンペーンによって、各地域の飲食業やさまざまなところに経済的な恩恵と、そして地域の希望や活性化につながるというこの施策の理念というのはぜひ続けていただきたいという思いを持っております。  野党は、この点に関しまして、事務局の構造やその公募の形などは正直言って疑念は持っておりましたけれども、このキャンペーンの趣旨自体に関して、それを必ずしも否定をしていたものではございませんので、改めて国土交通大臣には、このゴー・トゥー・キャンペーン、今後どうなっていくのか、国交省と観光庁ではこのゴー・トゥー・トラベルは変更なく継続されていくのか、実施方法、来週あたりにまた公募されるような記者会見も先ほど、本日されておりましたので、具体的なこと、できるだけ御見解をお聞かせいただければと思います。 ○赤羽国務大臣 今般の事務局のあり方の見直しに伴いまして、ゴー・トゥー・トラベル事業については、今後、国土交通省として事務局を公募していくということになるかと思います。  ただ、現時点では経済産業省からその予算の額等々まだ詳細が伝わっておりませんので、きょうの時点で具体的なことは申し上げることはちょっとできないんですけれども、今の予定では、可及的速やかに手続をとにかく進めたい。公募を選定するためには、有識者の皆さんに、選定委員会も立ち上げなければいけませんし、そうしたことの準備を進めながら、これはちょっと見通しですけれども、そうした委員会の皆様にもこうした日程的なこともよく御理解をいただき、早ければ来週にも公募を開始してまいりたいというふうに私どもは考えております。  その中身につきましては、ゴー・トゥー・トラベル事業、有識者の先生方の御意見もさまざまあるかと思いますが、目的は、新型コロナウイルスの感染拡大によって観光客の流れが全く途絶えてしまいました、全国多くの、各地の地域の経済も大変厳しい状況でございますので、観光客の流れを取り戻す、そして地域での消費を促す。宿泊をしていただいて、その観光地で買物をし、また飲食をし、そしてさまざまな施設を利用していただく。宿泊をすることによって、その宿泊事業者のリネン関係の商売もふえてくるでしょうし、またそこに、納入業者の皆さんにも恩恵が行き届くというふうに思っております。  言わずもがなでありますが、観光事業というのは非常に裾野の広い分野でございます。地域経済そのものと言っても言い過ぎでない地域もたくさんございますので、こうしたことの当初の目的は変えずに、本当に、観光業界の皆さん、とにかく一日も早くこの実行を期待されておりますので、しっかりとその御期待に応えられるように、いいものにしていきたいと思います。  なお、この事務局の公募につきましては、説明責任ができるようにしっかりと、額も大きくなると思いますので、それはなるべく、もちろん倹約をしながらということの精神は貫きますが、ちゃんと説明責任が果たせるようなことを考えていきたい、こう思っております。 ○小宮山委員 六月三日、野党議員の方から出ていたのは、やはりこのゴー・トゥー・キャンペーンの中でゴー・トゥー・トラベルの割合というのは大変中核であり、恐らく活用する額も大きい、国土交通省がリードして行うべきである、これが本来の姿ではないかというような質問や提案というのが随分ありました。  そういう意味においては、現在各地の公共団体が実施し、また準備を進めるなどしております都道府県内の、地域内向けの旅行支援策の支援に切りかえること、こういったものも一つの選択肢ではないかと考えます。各自治体の判断を許容、尊重することは、地方分権、地域主権のもと、新しい地域経済活性化につながるものともなり、ゴー・トゥー・トラベルの本来の目的、これに合致するものと考えます。  これまでも野党議員から再三指摘、提案しておりましたふっこう割の形や、また、地域ごとでさまざま努力をされている、また経験を積んできています町バルの実施方式なども参考になると考えております。  この点につきまして、観光庁のお考えをお聞かせください。 ○田端政府参考人 ゴー・トゥー・トラベル事業の実施に当たりましては、まずは、本格的な社会経済活動の再開に向け、安心、安全に旅行に行っていただける環境をつくることが重要であります。  そのため、宿泊事業者や旅行業者などの観光関係者にみずから作成した感染拡大の予防のガイドラインの実施の徹底を改めて要請するとともに、国民の皆様に新しい旅行スタイルとして御協力をお願いする事項をあわせてお示ししながら、事業を進めてまいります。  また、安心、安全な旅行環境づくりと旅行需要喚起とを両立させるためには、地域の自治体ともよく連携をした上で、国において、各地域の感染状況を注視しつつ、感染症の専門家の御意見、政府の全体方針等を踏まえて、事業を効果的に実施をしていくということがより適切であると考えております。  他方、地域経済は長引く新型コロナウイルス感染症の影響であまねく疲弊をしておりまして、全国を対象に実施しますゴー・トゥー・トラベル事業におきましては、地域共通クーポン制度など、これまでの類似、同種の事業にはない新たな制度を、また、全国の消費者にわかりやすく、消費喚起効果の高いものとして導入をしていく、こういう必要があります。  また、旅行者が特定の地域に過度に集中することなく全国各地をあまねく訪れていただけるよう、事業執行に当たって全国的な観点から目を配り本事業の最大限の効果を上げる必要があるということから、国において単一の事務局を選定をして執行していくということが適切で、また効果的であると考えております。 ○小宮山委員 今回、新しい生活様式もそうですが、コロナ後というのは価値観やさまざまなあり方、また移動に関しましても価値観が変わることになるかと思います。安全ということを確保するのは、やはり地域ごとの判断というのも重要でしょう。全国一斉で動き出すということもできない場面もあるかと思います。  ぜひ柔軟に、そして、今まで経験したさまざまな地域の努力、そして経験と、また制度なども活用しながら、早期に皆様が観光というものも楽しめる、そういった豊かな地域づくりのために努力していただくことをお願いしたいと思います。  さて、本日議題となっております法改正につきましての質問に入らせていただきますので、経産省、また観光庁の皆様、ありがとうございました。  議題となっておりますマンション管理適正化法とマンション建替え円滑化法の改正案は、これら二つの法改正の中で、都道府県等によるマンション管理適正化推進計画の作成、マンションの除却に必要な認定対象の拡充、団地内の敷地分割制度の創設などにより、マンションの管理適正化及び再生の円滑化を促進する、図るものであります。  日本国内で最初の分譲マンションが供給されてから、約六十年が経過しています。マンションは、経年とともに、物理的にも社会的にも、この中には居住者の高齢化や価格の低下等、変化していくことは避けられません。  大量の建てかえや除却が行われていない限り、十年後、二十年後のストックの構成について相当程度見通すことができますが、経年数がそのまま、老朽化など、マンションの物理的状態に反映されるわけではありません。管理のよい悪いによって高経年のマンションの状態は大きく異なっていくこととなります。  築後おおむね五十年たったマンションのうち、よく管理されたいい状態のものと悪いものではどのような違いが生じてくるものなのか、御説明ください。 ○眞鍋政府参考人 平成三十年度に実施いたしましたマンション総合調査によりますと、昭和四十四年以前に完成したマンションにおきまして、御指摘いただいた築後おおむね五十年に相当するものでございますけれども、外装や共用廊下のひび割れが発生しているものが約四割ございました。  また、漏水や雨漏りが発生しているものが約五割、給排水管の老朽化による漏水が発生しているものは約三割となっております。  これらが全て悪い管理とは言えないかもしれませんが、やはり、築五十年になってきますと、さまざまなふぐあいの発生がある、増大しているという傾向にあります。  また、同じ昭和四十四年以前に完成したマンションが行った大規模修繕の内容を見てみますと、外壁の塗装工事を行っているものが九割、屋根の防水工事を行っているものが六割、給排水設備工事を行っているものが約三割となっております。  こうした適時的確な修繕工事を行うことでふぐあいの未然防止、老朽化の抑制を図ることができると考えておりますが、残念ながらそうしたことが行われない場合には、先ほどのようなさまざまなふぐあいが発生してくるものというふうに考えてございます。 ○小宮山委員 現在、管理状況の悪く放置されたマンションというのは大体どのぐらいあるんでしょうか。何棟ぐらいとか、何割ぐらいあるのか、お聞かせください。 ○眞鍋政府参考人 具体的に、管理不全のマンションということについて、具体的な戸数は不明でございますが、平成三十年度に実施したマンションの総合調査によりますと、管理規約がないマンションの割合、これは不明というものを含めて約一・七%、総会を定期的に開催していないマンションの割合は不明を含めて二%となってございまして、こうしたマンションの一定程度はやはり管理不全の状態、若しくは管理不全が懸念される状態となっているものというふうに考えてございます。  加えて、これは全国サンプルではございませんけれども、京都市が行った高経年マンションの実態調査というのがございます。深刻な劣化事象が見られ、管理状態に課題のあるマンションを要支援マンションというふうに区別しておられるそうなんですが、市内にある築三十年以上のマンション六百六十三件について調査したところ、四十七件が、約七%でございますけれども、要支援マンションと判定されたという例がございました。 ○小宮山委員 丁寧な回答をありがとうございます。  済みません。時間の関係で先に進ませていただきます。  大臣、廃墟のような状態になった空き家マンション、空き家関係というのは大変全国で今問題になっております。管理状態が悪く居住者が減少したマンションというのは地域にも影響するかと思いますし、そういう中では、廃墟のようなマンションが生じてくる懸念に対して、国は率先して対策に取り組む必要があるんだと考えています。  また、地方公共団体や管理組合にとって実行するためのインセンティブとなるような支援がなければ、更に廃墟のようなマンションというのは、今局長もおっしゃっていましたが、かなりの割合、年数がたてば、ふえてくる可能性がありますので、この点に関しまして、危険を伴うマンションの増加につながると推測されること、これを防止するためにどのようなことをお考えなのか、お聞かせください。 ○赤羽国務大臣 先ほども御答弁させていただいた中にあったと思いますが、マンションが今小宮山さんが言われたような廃墟のような形になるというのは、地域地域のまちづくりという意味で大変大きな支障を生じてしまうということでございまして、そうしたことに至らないようにできるだけのことをしなければいけないということで、今回、初めて公的な、地方公共団体が私有財産であるマンションにかかわりを持つということができる法改正でございます。この管理適正化の推進のために、まず国による基本方針の策定をし、地方公共団体による計画制度、指導、助言等の創設といったことがございます。  そして、そうしたことを、口だけじゃなくてということで、多分、何か具体的な支援ということの御質問だと思いますが、まず、令和二年度予算におきましては、マンションの管理適正化に向けた取組を行う地方公共団体への支援の強化ということで、マンション管理適正化・再生推進事業の予算を拡充させていただいております。これで、地方公共団体が行う実態調査ですとか、専門家の派遣事業への補助が出ることになっております。  また、建てかえにつきましては、区分所有者の負担軽減が図られるように、建てかえ時の容積率の特例の対象の拡充に加えまして、補助、税制、融資による支援措置、これもちょっと細かいのでまたあれですけれども、さまざま設けさせていただいているところでございます。  また、随分前ですけれども、耐震化の診断というのも相当大きな補助をつくりましたが、振り返ってみますと、ちょっと今正確な数字じゃありませんけれども、なかなか利用されなかった。恐らく、耐震化の診断をして、悪い結果が出るとやはり資産価値に響いてしまうというようなことでありましたけれども、そうしたことも、ちょっと局長から補足があればと思いますが、今回地方自治体が関与できる以上は、支援制度を使えるような、安全、安心のまちづくりに、前に進んでいけるようなことに取り組んでいかなければいけないというふうに考えておるところでございます。 ○小宮山委員 ありがとうございます。  今大臣お答えいただいたのは、次のあたりに質問しようと思いました老朽化マンションなどの建てかえの取組のところでも方向としては同じ答弁になるのかなとは思うんですが、マンション建てかえで促進されるのか、この点も非常に私としては注目しているところであります。 なかなかこれでは、区分所有権の問題ではさまざまなこともあり、建てかえが進まなかった。老朽化によって地価にも影響をするなどもあります。大半が築四十年を超えてくるとなれば、これだけ地震やさまざまな自然災害が激甚化をしている中では、最初につくったときの数値とは違うものも出てくるかと思います。  今回の法改正も含めて、特効薬となる施策というものはないとは思いますけれども、国交省として、老朽化マンション、これもやはり建てかえ若しくは長寿命化をしていかなければいけないかと思いますが、これを円滑に進められるために、先ほど大臣が言っていた、更にもう一踏み込みをしていただいてお答えいただければと思いますが、いかがでしょうか。 ○眞鍋政府参考人 まず、個々のマンションについては、個々の管理組合が主体となって適切に修繕などを行い、良質なストックとして維持管理をする、長寿命化を進めていただくということが重要でございます。  このため、今回、マンション管理適正化法それからマンション建替え円滑化法の両法を改正するということにしてございますけれども、やはり、どうしても老朽化が進みまして修繕が困難となったマンションについては、建てかえや敷地売却を検討せざるを得ないというような、そういうケースも出てまいろうかというふうに思ってございます。  そうした観点で、今回、耐震性不足のマンションに加えまして、老朽化等に伴い著しく危険な状態にあるマンション、これは外壁などが剥落するというようなことも含めまして、敷地売却制度や容積率の緩和制度が適用できるように対象を拡充する、これを狙っているところでございます。こうしたことによりまして、建てかえや敷地売却の円滑化に一定の効果があるというふうに考えてございます。  ただ、こうした法律の規制、仕組みだけではございませんで、予算、これは補助ですね、それから税制、融資、そうしたものでのバックアップがどうしても必要になろうかというふうに考えてございます。そうした支援措置をあわせて周知をするということが、マンションの再生、ひいてはまちづくりの適正化ということにつながっていくというふうに考えてございますので、公共団体や関係業界とも協力し合いまして更に進めてまいりたいと考えております。 ○小宮山委員 先ほどのほかの委員の質疑のときに、建てかえの区分所有者の持ち出し分が増加しているという御指摘がありました。  マンションの修繕積立金についてになりますけれども、修繕積立金の積立て不足問題が指摘されています。当然、マンション管理がきちんとうまくいっていたならば、この不足問題というのは起きない部分もあるんでしょうが、必ずしも全てが積み立てられているというわけではございません。  平成三十年度マンション総合調査において、修繕積立金の積立て状況は、現在の修繕積立金残高が計画に比べて余剰があるというのは三三・八%、不明三一・四%、不足三四・八%となっております。  マンションの大規模修繕工事の実行のためには、費用をあらかじめ積み立てておく必要があるのではないかと考えます。例えば、形としては、自動車リサイクル券のようなものも含めまして、保険であったりとかいろいろな形が考えられるかと思いますが、このあらかじめ積み立てておく必要があるという点、何かいい事例とかないかというのも考えるところではありますが、今後、老朽化すること、また、マンションを長寿命化して、長期にわたっていくことが建設廃材も減らしていくことにもつながって、大変重要かと思います。今回のことにおきまして、また国交省の御見解をお聞かせいただければと思います。 ○眞鍋政府参考人 マンションの大規模修繕が適切に行われるためには、長期修繕計画に基づいて確実に修繕積立金、これを行っていただくことが重要でございます。  従来から、長期修繕計画の標準の様式あるいは積立金のガイドラインの策定、公表、マンション管理適正化推進センターによる相談業務などを行ってきたところでございますけれども、今御提案のありましたような、例えば自動車リサイクル券のような制度となりますと、購入時にどうしても負担がふえてしまうというようなことが懸念されるのと、長期にわたる管理の状況によって修繕を行う時期あるいは工事の内容が変わってしまうので新築時に全ての修繕工事費を算出することが難しいという面から、一律に義務づけることは難しいかと思いますけれども、ただ、修繕積立金の重要性が減じるわけではございません。  また、修繕積立金が不足するマンションにおいてどうしても大規模修繕をしなければならないという場合には、資金の調達が課題になります。  このため、住宅金融支援機構において、共用部分の修繕あるいは耐震改修工事を行う管理組合に対して、マンション共用部分のリフォーム融資というものを行ってございます。これはかなり利用件数もふえてございますので、そうした資金の援助策も含めまして、適切な長期修繕計画の作成あるいは積立金の設定への誘導をあわせて講じてまいりたいと考えております。 ○小宮山委員 本当に、丁寧な答弁、ありがとうございます。  管理をされるとか、また地方公共団体が指導するといっても、全てするには、全国のマンションストックが約六百五十四万戸あります。これは実際には、地方自治体が直接見るとか最初から把握する、不備までチェックするということは不可能だと思います。  この点に関しましては、地方公共団体が、管理不全などを含めて、区分所有者や居住している方々からの相談を受け付ける、そういった窓口や受け付け体制を整えることが必要かと思っております。ぜひ国交省としてもこの点に関しましてしっかりとした支援、対応をしていただくことを要請させていただきます。  あわせまして、バリアフリーに関しまして、災害時やさまざまなときに、実際にはユニバーサルデザインになっていないので、障害をお持ちの方たちは選択の余地がないということも多々あります。  今回、バリアフリーの性能等で、容積率の緩和や、そういったインセンティブはつく部分はありますけれども、まだまだ、バリアフリー法の第十四条第五項に規定する建築物移動等円滑化基準に適合していないマンションというものも存在するのも事実であります。ぜひこの規定にも則した建築物がふえていくことを心から願いまして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。