令和2年2月25日 衆議院予算委員会第三分科会議事速報(未定稿) ◇この議事速報(未定稿)は、正規の会議録が発行されるまでの間、審議の参考に供するための未定稿版で、一般への公開用ではありません。 ◇後刻速記録を調査して処置することとされた発言、理事会で協議することとされた発言等は、原発言のまま掲載しています。 ◇今後、訂正、削除が行われる場合がありますので、審議の際の引用に当たっては正規の会議録と受け取られることのないようお願いいたします。 ○あべ主査 次に、小宮山泰子君。 ○小宮山分科員 立国社、小宮山泰子でございます。質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。  さて、本年は、現在のところと言うしかないんですけれども、東京オリンピック・パラリンピックが予定されております。スポーツを通じて差別のない社会の実現を掲げるオリンピック憲章の中に、IOCは、二〇一四年に憲章を改定して、同性愛者への差別も許さない方針を打ち出しております。  また、既に日本にはさまざまな形でLGBTQの方々もいらっしゃれば、もちろんビジネスやさまざまな形で訪日されている方も大勢いらっしゃいます。しかし、日本の現状としては、まだまだ性的マイノリティーやLGBTの方々に対しての理解や、また法制度が整っているとは言い切れない現状にあるかと思っております。  まず最初にですけれども、平成三十年に議員立法で、ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の総合的かつ一体的な推進に関する法律、いわゆるユニバーサル社会推進法では、性的マイノリティー、少数者とされるLGBTQについても社会の構成員であることを明確に示させていただきました。答弁でそんなことは答えさせていただいておりますが、法務省としても同じ認識を持っているのか、まずお答えいただければと思います。 ○森国務大臣 小宮山委員にお答えいたします。  ユニバーサル社会の実現に向けた諸施策の総合的かつ一体的な推進に関する法律案の審議において、同法案の発議者のお一人である小宮山委員が、「ユニバーサル社会においては、LGBTの方々も当然その構成員である」と答弁されたことは承知しております。  同法については、内閣府の所管であるため、法務大臣としてその法解釈をお答えする立場にはございませんが、もっとも、法務省としては、性的マイノリティーの方々も含め、多様性を認め合う社会、すなわち、全ての人がお互いの人権や尊厳を大切にし、生き生きとした人生を享受する共生社会の実現を目指しており、そのためにさまざまな人権擁護活動に取り組んでいるところでございますので、認識を共有しているというふうに考えております。 ○小宮山分科員 何か小泉環境大臣の、そのとおり、おっしゃるとおりみたいな答弁だったんですけれども。  法務省も、一般の人たちがいつも安全で安心して暮らせるように日常生活における基本的ルールを定めたりする、法律というのは、重要な仕事であるということに、ホームページ等いろいろなところで書かれておりますけれども、当然、今のお話ですと、改めて、人権侵害や、また人権擁護局、そういったところを所管されていらっしゃるので、全ての方々が社会の構成員であるという認識でよろしいんでしょうか。また、その方々に対してどのような、社会の構成員であるということで、認識をお持ちになっているのか、どのような啓蒙活動や対応をされているのか、この点についてお聞かせいただければと思います。 ○森国務大臣 もちろん、この国にいる全ての方が社会の構成員でございます。そして、法務省の人権擁護機関においては、人権啓発の充実、適切な相談対応、人権侵害の疑いのある事案の迅速な救済等に取り組んでいるところでございますが、この人権の意味でございますけれども、人権啓発に当たる強調事項として十七の人権課題を掲げているその中に、性的指向や性自認を理由とする偏見や差別をなくすこともその中に含んでいるところでございます。  引き続き、性的少数者の方々も含め、多様性が尊重される社会の実現に向け、しっかりと取り組んでまいります。 ○小宮山分科員 ありがとうございます。  性的指向や性自認の方々、少数派と言われておりますけれども、こういった方々は、やはり社会の構成員であります。どなたも差別を受けることなく、そしてみずからありたい自分でいられるような、そんな豊かな社会づくりのために、ぜひ制度また法改正等につなげていただければと思っております。  そこでなんですけれども、意識はしているし、社会の構成員だと思っているにもかかわらず、意外なところでそこから外れてしまうという事例が出てきたのではないかと思います。それは、二〇二〇年の国勢調査のLGBTの調査への反映ということであります。  二〇二〇年国勢調査有識者会議企画ワーキンググループ、これは平成三十一年に第一回目が開催されておりますけれども、その中で、二〇二〇年の国勢調査では、同性パートナーの数を把握することは、当該データに関する正確性の確保が困難なため難しいと考える、今後、時間をかけて検討していく事項であるというふうになっております。  現状では、現実に同性パートナーの方と同居をしていても、婚姻関係がある男女の、異性間でのパートナーの場合又は事実婚の方に関しては夫婦としてしっかり認められているけれども、同性パートナーの場合では、システム上からは数に入らないような形に調査票がとられるというふうに聞いております。そうすると、結局、せっかくしっかりと答えたにもかかわらず、存在をしないという状況が生じているのではないでしょうか。  これは、図らずも、社会の構成員であるとみんなが認めているし、法務省ももちろん認めていらっしゃる、大臣ももちろん認めている、法律的にも認めているにもかかわらず、国勢調査という国の実態をあらわすところからは調査をされない、若しくは調査があってもはじかれるという意味では、構成員として認めていないととられかねません。これは一種の偏見や差別というものにもつながる根底になっていくのではないかと危惧をするところであります。  国勢調査はことし百年目となりますし、国勢調査は、この百年間、日本の国と地域の人口、その構造、世帯の実態を明らかにし、さまざまな統計データを社会に提供してきたというふうにホームページにも書いてありますけれども、難しいからと実態把握を諦めてはいけないんだと思います。  実態把握をしてこそ、現実の人権擁護や現実に即した法改正や制度改正になるんだと思います。このLGBTを排除した状況のまま国勢調査をとるべきではないと思いますし、早急に改善されるべき項目かと思います。  ぜひ、百年も続いた国勢調査だからこそ、同性パートナーと同居なども調査結果に反映できるように修正すべきだと考えますが、政府の対応をお聞かせください。 ○井上政府参考人 お答え申し上げます。  国勢調査に関する国連の勧告におきましては、結婚について、個々の国の法律や慣習を踏まえて設定することが重要であるというふうにされているところでございます。  こうしたことを踏まえまして、イギリスとかカナダなど主要国の国勢調査を見てみましても、いずれも法令面の制度が整備された後に同性婚あるいは同性パートナーに関する調査項目が設けられているというのが実情でございます。  同性婚や同性パートナーに関する我が国の法制度がいまだ整備されていないという現状におきましては、国勢調査でこれらの調査項目を設けることは、申しわけございませんが、時期尚早ではないかと考えているところでございます。 ○小宮山分科員 法制度ができなければと言うけれども、いつできるんですかというふうにも言いたくなりますし、G7の中で同性婚を全く認めていないのはもう日本だけとなりました。明らかに諸外国から見ればおくれてしまっている。アジアでも、台湾では既に認めているところでもあります。入管のカードの中には、男性、女性、そのほかという項目まで既にできている国が多くなってきているにもかかわらず、調査もしないで実態も把握しないというのは、明らかに、私はこれは国勢調査としてはやはり精度が低くなっているんだと思います。実態があるからこそ、それをしっかりと制度に反映させるというのも一つの考え方だと思います。  この点を改めるという、そんな議論というのはないんでしょうか。法律ができなかったら何もやらない。ですが、事実婚は法律がなくたって実際にとっているじゃないですか。言っていることが矛盾しているんですよ。いかがですか。 ○井上政府参考人 ただいまの御質問にございましたまず事実婚の関係でございますが、確かに事実婚は何たるかという法令はないのかもしれませんが、各般の法令におきまして、婚姻関係を構成する中に、事実婚という関係を有する方も含まれるという規定がたくさんの法律で置かれているものというふうに理解をしているところでございます。 ○小宮山分科員 じゃ、事実婚はいつから国勢調査で調べているんですか。 ○井上政府参考人 事実婚は、そもそも、こうした法制度の話、私、全部所管しているわけではないのですが、基本的に、我が国の結婚制度の中で、事実婚というものが、これまでも国民の中で広く共有認識として、含まれるという御認識があったという理解のもとに、国勢調査、第一回の調査から事実婚を含めて婚姻関係を把握しているところでございます。 ○小宮山分科員 そうなんですよ。事実婚は法に書いていなくても認めていたりするんです。ある意味、本当に、二枚舌と言ってしまっては、おかしな答弁を今されているということをぜひ認識をしていただきたいと思います。  大臣、やはり実態がしっかりあって、その中で、自殺率だったりさまざまな不幸を生んでいるというのも事実です。御存じだと思います。 やはり、この同性パートナーというものをこういったところからしっかりと認めていただきたい。  多分、百年前だと、恐らく家族制度とか、何かそんな制度があった中にあっても事実婚をやっていた、調べていたということを考えれば、法制度の理由ではないんだと思います。ぜひしっかり調べることによって、諸外国から、先進国からおくれをとったこの分野に関してもしっかりと対応していただきたいと思います。  特に、同性パートナーが日本に入る、次の質問の在留資格の件に関しては、以前、委員会において、外務大臣から法務大臣の方に対応を依頼されるということ。同じ内閣でありますので、当然、その点に関しては法務大臣の方から内閣府の方なりにしっかりとまた提言をしていただければと思います。  何か思いがあれば一言。 ○森国務大臣 入管法上、配偶者としての地位を前提とする在留資格をもって在留が認められるためには、それぞれの国籍国において法的に夫婦関係にあり、かつ我が国においても法律上配偶者として扱われるような者であることが必要であるため、したがって、同性パートナーは、現在、入管法上の配偶者の定義には該当しません。  しかしながら、外国人双方の本国で有効に婚姻が成立している場合には、本国と同様に我が国においても安定的に生活できるよう、特定活動の在留資格をもって入国、在留を認めているところではございますが、今後の在留資格のあり方について、今委員が御指摘いただいたように、外務省からの問題提起をいただいているところでございますので、しっかりと前向きに検討してまいりたいと思っております。 ○小宮山分科員 今大臣がおっしゃっていただきましたとおり、同性婚を認めている両国に存在する配偶者には、特定活動として在留資格を出しております、日本は。しかし、男女間のような配偶者としての在留資格は出していないのが現実であります。  これによって、パートナーが入国で婚姻関係があるというのが認められないがために在留ができないということも実際に起きています。若しくは、優秀なビジネスマン同士であった場合には日本を選ばない、それは赴任先だけではなく、働く場所としても日本を選べないということが多々起きております。こういった日本に対しての国益を損ないかねないような事態が起きているのも、この在留資格の問題であります。 外務省から法務省へ問題提起があって、政府で前向きな検討をと河野当時の外務大臣はおっしゃっているんですが、ちなみに、この前向きな検討というのは何か法務省で行われたのでしょうか。  ちょっとお願いします。 ○嶋政府参考人 今大臣の方から答弁がございました前向きの検討でございますが、その両当事者、男性同士あるいは女性同士ということでありますが、両当事者の国籍国において同性婚が認められている場合につきましては、今大臣の方から答弁ございましたように、我が国でも特定活動という形で在留を認めております。  問題は、片方の国では認められているけれども、もう一方の国籍国では認められていない、こういう場合、あるいは両方の国籍国で同性婚が認められていない、こういう場合でございます。そういう場合につきましてはどうなのかということについて、まさに今、法務省内、特に入管庁内でもいろいろ議論しているところでございます。  これにつきましては、御指摘のとおり、さまざまな問題がございまして、また、我が国の同性婚のあり方というところにもかかわるものですから、その意見、さまざまな方の御意見も踏まえながら、まさに実際、検討しているというところでございます。 ○小宮山分科員 どんな問題があるのかはよくわからない部分が多々あります。せっかく一緒になろうと思ったのに、それが法律の壁でできないということ自体は避けるべきであろうし、それによって不利益をこうむっている方々が多々いる。そして、カップルがいて、ほかの人には別に何の影響もない部分もあります。社会には悪影響があっても、隣の人は必ずしもそれに影響するわけではないと思います。早くにこの制度を認めるべきだと思いますし、日本の場合、先ほど、制度によって、人によって違ってくるということが語られておりますが、そうやって考えると、例えば、名前の方の夫婦別姓、これも選択制であるべきだと思いますが、選択で選べれば問題はないことは多々あると思います。そして、いまだにこれも進んでいない。  また、これによって何かあるかといえば、実際には、外国人と婚姻した方であれば、現実的にはほぼ別姓と同じような扱いを受けている。なぜ日本人同士ができないのか。  また、日本人と外国の籍の方との婚姻が正式に海外で認められたとしても、日本では認められない。夫婦のときに、重大な病気をしたときには、婚姻がなかったために、結局のところ、病室にも入らせてもらえない。そういった非常に不利益をこうむっているカップル、パートナーがたくさんいるのも事実であります。  制度によってこのような方々が不利益をこうむるのではなく、やはり多くの方々、海外では、この同性婚の次に、もう子供を持つことまで進んでいます。今、私自身も地元で育児院の後援会の理事などをさせていただいておりますけれども、多くの方々が新しい形の家族を持てる、それによっての人生を豊かに暮らせる、そんな社会制度、法制度というものを早期につくるべきだと思っております。  その一つは、やはり同性婚を認めること、また夫婦別姓ももちろん認めていくべきこと。そういう意味では、法務省の管轄のものというのは大変大きな意味があり、そして、これからの時代において、ぜひ森大臣におきましては、この問題、真摯に扱って、向き合っていただいて、進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○森国務大臣 LGBTの団体の方が、昨年、私の大臣室に来ていただいて、小宮山委員の御指摘と同様の要望をいただいたところでございます。  その上で、今の入管の問題についても前向きに検討するように事務方に指示をしたところでございまして、また二回目のLGBTの団体の皆様のヒアリングを近々に予定しているところでございますので、小宮山委員の御指摘も踏まえて、何ができるかということを速やかに検討してまいりたいと思います。 ○小宮山分科員 ありがとうございます。  さて、次ですけれども、性犯罪の厳罰化を目指したはずの前回刑法の後も、昨年三月にも四つの無罪判決が出ているなど、さまざまな不信感というものが、不条理な判決がおりるに至っております。  二〇一七年七月の刑法改正の附則九条に基づき刑法検討会を開催して、見直し決定後、法制審議会に刑事法(性犯罪関係)部会を設置し、刑法改正について早急に審議を進めていくことが必要ではないかという点、また、性暴力被害者と性暴力加害者の実態調査結果による両者の精神及び心理医学的知見の観点を重視した上で、被害当事者や支援団体の代表、さらに、被害者の実態を熟知した研究者や専門家を委員に一定の割合で入れることが必要だと考えております。  あわせて、性犯罪の罰則に関する検討会及び法制審議会においてさまざまな個人、団体へのヒアリングが二〇一四年に行われましたが、性暴力被害も多様であるため、さまざまな現場の被害実態が明らかになるようなヒアリングを改めて行うべきではないかと考えます。  また、これに関しては、議論の過程を速やかに公表することはもちろんのこと、傍聴やパブリックコメントなど幅広い方法で、全国の被害当事者や支援者、関心を持つ市民の声を反映させることが必要かと考えております。  この三点について、法務省の御見解をお聞かせください。 ○川原政府参考人 お答え申し上げます。  法務省では、現在、平成二十九年の刑法一部改正法の附則九条に基づく検討に資するよう、性犯罪に関する施策検討に向けた実態調査ワーキンググループを設置して、性犯罪の実態把握や無罪判決等の収集、分析、外国法制の調査等を進めているところでございまして、本年春ごろを目途にその結果を取りまとめる予定でございます。  今後、今申し上げた取りまとめ結果等を踏まえた上で、どのような場で検討していくかを判断したいと考えているところでございます。  現段階では、どのようなスケジュールで検討を行うかや、どのような検討の場を設けるかについて、確たることを申し上げる段階ではございませんが、いずれにしても、取りまとめ後、速やかに、被害者や被害者支援団体等から寄せられた御要望も踏まえつつ、適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。  また、このような検討を行っていく過程におきまして、被害当事者や支援者、被害の実態等をよく知る研究者、専門家の方々の御意見を含めて、御意見を幅広く聞くことができるような体制で議論を進めたいと考えているところでございます。  そして、御指摘の中で、被害当事者や支援者、実態をよく知る方々等ということで、幅広い意見をということでございましたけれども、申し上げましたように、幅広く意見を聞く機会を設けるということでやってまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 ○小宮山分科員 ありがとうございます。  また、性被害者の中には、知的障害者など、障害者への犯罪も多く見受けられるところであります。昨年もそういう人を狙ったという犯人が捕まっておりますが、抵抗できない者、反論や証言をしづらい者への犯罪というのは、ひきょうな犯行であります。  これに対しては、諸外国では、刑法では、より重い刑罰へと処するように、即刻同じように改めるべきだと考えますが、この点に関しまして御見解をお聞かせください。 ○川原政府参考人 お答え申し上げます。  障害者に対する性犯罪につきましては、被害者が障害のために心神喪失又は抗拒不能の状態にあるときは、準強制性交等罪等による処罰が可能でございます。  諸外国の中には、性犯罪について、被害者が障害者であることを要件とする加重規定を設けている国があることは承知しております。  性犯罪に関し、障害者が被害者である場合に法定刑を重くすることについては、例えば、種類や程度がさまざまである障害について、どのような理由で特別の規定を設けるのか、また、その範囲を明確かつ限定的に規定できるか、法定刑を重くすべき理由をどのように考えるかといった点が課題になるように思われます。  いずれにいたしましても、現在、実態調査ワーキンググループにおいて性犯罪の実態調査等を進めているところでございまして、この調査結果につきましては、先ほど申し上げましたように、本年春ごろを目途に取りまとめる予定でございます。  それらの調査研究の結果のほか、被害当事者団体等から寄せられましたさまざまな御指摘を踏まえまして具体的な検討対象を決めていくこととなりますので、現時点におきましては具体的な検討の方向性をお示しする段階にはございませんが、被害当事者など、さまざまな方々の声を聞きながら、充実した検討を行うことができるよう、適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。 ○小宮山分科員 今の話ですと、現段階は、まだ調査等が済んでいないということなんでしょうか。  例えば、国として、障害者における性犯罪の実情についてどのように認識若しくは把握をしているんでしょうか。 ○田中政府参考人 性犯罪につきましては、被害者の心身に極めて大きな被害を与えるものでありまして、決して許されるものではなく、厳正に対処すべきものと認識をいたしております。  警察におきましては、性犯罪について、障害をお持ちの方が被害者となるものも含め、被疑者の検挙に向けた捜査を推進しているところでありますが、障害を有しているか否かにつきましてはプライバシー性の高い情報であり、警察といたしましても、捜査上必要な場合に限り把握するものでありまして、例えば、警察で認知した事件のうち被害者が障害をお持ちの方である者の割合がどうなっているかなどといったことにつきましては、把握をしていないところであります。  いずれにいたしましても、警察といたしましては、引き続き、性犯罪の根絶に向けて、捜査や被害者支援を適切に実施してまいりたい、このように考えております。 ○小宮山分科員 そうなんですよね。実際には、性犯罪があっても、それをしっかり把握ができない、若しくは、立件までというか、起訴までもいかないというような状況であります。  というのも、当然、性犯罪の証拠集め等がきちんとできないというのが、フリーズとか、危険なときになると思考を停止する若しくは忘れようとするという行為によって、犯罪に遭ったときの衣服とか、体とかもどんどんごしごし洗ってしまったりして、証拠をなくしてしまうことがよくあると聞いております。  このやり方というのもしっかりと学んでいればいいんですが、大抵はそういうことはありませんので、そのためにも、過去にも聞いたことがあります、レイプキット、警察署への配備状況というものがありますが、犯罪被害者基本法の中で、緊急避妊、人工中絶、初診料、診断書料や性感染症等の検査費用なども公費負担になる可能性があります。やはり、被害者が自分の意思を伝えられる、また証拠が押さえられるという意味においては、このレイプキット、ネット上だと、警察署にはなくて救急外来にのみ準備されているといった記述も散見されます。現状どうなっているのか、少々簡潔にお聞かせください。 〔主査退席、山口(壯)主査代理着席〕 ○田中政府参考人 性犯罪捜査におきましては、被害に遭った後、早い段階で被害者の身体、衣服等から証拠資料を採取することが重要となりますことから、警察庁におきまして、性犯罪証拠採取セットを整備するための予算を措置しております。  各都道府県警察におきましては、全ての警察署にこの性犯罪証拠採取セットを整備しているところであります。 ○小宮山分科員 全署にあるけれども、過去に質問したときには、どれだけ使っているのか、活用されているのかということは教えていただけませんでした。あるのであれば、どんどんそれを使って調べられるということ。又は、救急の場にも置いてある、それは、警察署が必ずしも近くにない場所で被害に遭ったときのためだというふうにおっしゃっていました。  こういったことをもっと法務省の方でもやはりしっかりと告知をしていただきたいと思いますし、先ほどから、やはり同意のないセックスはレイプである、そういった常識に立たなければならない時代になっていると思います。  イギリスでは、テムズバレー警察署が制作した動画、これは二〇一五年につくられましたが、相手が紅茶を要りませんと答えるなら紅茶を入れるのをやめてくださいという、紅茶に例えてセックスの同意というものをわかりやすく説明しております。こういった、今までですと、泣き寝入りに終わることなく、自分の身と心を守ってもらう、それこそ、人権侵害センターなど関係先においても、さまざまな周知に取り組むべき、法務省の役割だと思っております。  また、ドラッグレイプや昏酔強盗など、東京オリパラ前に即刻対応すべき課題が多々あるかと思います。現在のままでは、証拠が不十分となり、また裁判に時間がかかることから、泣き寝入りとなりかねません。  この点、二点について、法務大臣からお聞かせください。 ○森国務大臣 委員御指摘の英国の動画、紅茶とセックスのお話、動画自体を私も見せていただきましたけれども、本当に大変わかりやすい動画ですね。こういった周知方法を法務省も工夫していかなければならないなと思った次第でございます。  これからの性犯罪、被害者を少しでもなくすために、性犯罪の罰則の内容等に関する周知についても法務省で工夫をしてまいりたいと思います。 ○小宮山分科員 済みません、二問一遍にいきましたので、ドラッグレイプとか昏酔強盗とか、オリパラ前にやはり対応すべきこと、この点についてもお願いします。 ○森国務大臣 失礼いたしました。  東京オリンピック・パラリンピック観戦のために来日された多くの外国人の方々が、そういった御指摘のような事案に限らず、犯罪の被害に遭われるということもあってはなりませんし、もちろん日本人もそうでございます。  御指摘のような性犯罪の被害に遭うなどの事案がないように、検察当局においても、警察と連携しつつ、個々の事案に応じた適切な証拠の収集に努め、また広報等もしっかりとしてまいりたいと思います。 ○小宮山分科員 警察と連携をしてといいますが、実際には警察でもセカンドレイプの状況があります。これもやはり直さなければならないと思います。  特に、最後になりますけれども、強制性交の旧強姦罪が成立するには、被害者の反抗を著しく困難にする程度の暴行や脅迫が加えられることが条件となっております。結局のところ、性同意というこのしっかりとした認識がないがために、基準が日本にはないがために一方的なことになる、その上、しっかりとした証拠をとるということもわからない被害者というのが自分の身も、そして安全も守り切れない、これが今の日本の刑法の問題点だと思っております。  性同意の法解釈は早急に変更するべきでありますし、刑法改正、この施行を待たずしてできる方法があるならば即刻実行するべきだと思いますが、最後にこの点を聞かせてください。 ○森国務大臣 セカンドレイプについて御指摘がございました。 検察当局においては、各種研修において、性犯罪に直面した被害者の心理に精通した臨床心理士や精神科医による講義等を実施するなどして、その理解を深める取組を行うとともに、被害者の心情に十分配慮しながら事情聴取を行うなど、御指摘のような二次被害を与えることのないよう捜査、公判活動を行うべきでございます。  現在も努めているものと承知をしておりますが、私も先日、検察の実務が集まった場での訓示において、性犯罪について特出しをして同様の指示をしたところでございます。  委員の御指摘を踏まえて、更にしっかりと取り組んでまいります。 ○小宮山分科員 ぜひしっかりと、刑法改正につながる取組を期待して、終わらせていただきます。  ありがとうございます。