令和元年6月12日 衆議院内閣委員会議事速報(未定稿) ◇この議事速報(未定稿)は、正規の会議録が発行されるまでの間、審議の参考に供するための未定稿版で、一般への公開用ではありません。 ◇後刻速記録を調査して処置することとされた発言、理事会で協議することとされた発言等は、原発言のまま掲載しています。 ◇今後、訂正、削除が行われる場合がありますので、審議の際の引用に当たっては正規の会議録と受け取られることのないようお願いいたします。 ○牧原委員長 次に、小宮山泰子君。 ○小宮山委員 ありがとうございます。国民民主党、小宮山泰子でございます。  きょうは、質問の機会をいただき、ありがとうございます。  まず最初ですけれども、超党派、子どもの貧困対策推進議員連盟で議論を重ねた後、本日、参議院におきまして法案が成立をいたしました。二〇一三年の六月にこの法案が成立のときに私自身もかかわらせていただきましたので、大変ありがた く、また、当事者の方々が現実に即して法改正がされたということに誇りも持ちますし、牧原委員長を始め理事、委員の皆様に心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。  それでは、質疑の方に入らせていただきたいと思います。  まず、子供の虐待に関する情報共有について質問させていただきます。  子供の貧困対策という中で考える中で、貧困と同時に表面化、事件化する場合もある児童虐待に関して伺います。  近年、児童虐待の通報数は増加の一途をたどっております。埼玉県内のデータを見ますと、平成二十四年、四千八百件弱あったものが、平成二十九年には一万三千件を超えております。埼玉県では、児童相談所における児童福祉司の数を、平成 二十四年、百三十二人であったところを、本年、令和元年には百九十七人まで六十五人増員をしております。  児童福祉司の絶対数の増員をしているにもかかわらず、児童福祉司一人当たりの相談件数は、平成二十四年の二十九・四件から、平成二十九年には七十・五件へと大幅に増加をしております。児童福祉司の増員以上に、表面化する虐待事例数の 増加が上回っていることが、これによってわかるかと思います。  通報や相談などを通じて児童相談所で把握また対応を行っている児童、家庭について、都道府県を越えた転居などの際、転居先の児童相談所など関係機関への引継ぎが十分に行われないことなどが要因となって重大な事件が発生をし、またそれ を防ぐことができなかったという事例が数多く最近明らかになっております。  埼玉県では、本年度、児童虐待情報などの共有のため、児童相談所と警察署間の情報共有システムの運用を開始することとしております。埼玉県の本年度予算案では二千八百四十万円ほどをつけておりますが、同情報共有システムでは、児童相 談所により児童虐待情報を随時入力、更新するとともに、警察署においても、対応予定など入力を反映することで、関係機関でのリアルタイムでの有効な情報共有を目指すものと伺っております。  そこで、転居などの際も含めて、児童虐待への対応が迅速かつ適切にとり得るよう、全国で共通に使えるデータベースなどを国において構築する必要があると考えますが、いかがでしょうか。 ○藤原政府参考人 お答え申し上げます。  児童虐待の対応に当たりまして、関係機関が情報を共有して、連携して必要な支援を行うということが重要でございます。  特に、支援の対象としている家庭が転居をする際、委員御指摘のとおり、自治体間のケースの引継ぎが非常に重要でございまして、これを効率的に行うために、ICTを活用したシステムを使用するということは非常に有効であるというふうに 考えております。  このため、今年度予算におきまして、まずは、同一の都道府県内での児童相談所とその県内の市町村の情報の集約、共有を可能とするシステム構築を支援するための必要な費用を計上しているところでございます。  このシステムで扱う情報の項目も含めまして、国が標準的な仕様を示す予定でございます。これによりまして、今後、都道府県等で構築をされるシステムの標準化を図っていきたいというふうに考えております。  さらに、委員御指摘いただきました、全国、都道府県間の情報共有につきましても非常に重要な課題であるというふうに考えておりまして、この三月十九日に関係閣僚会議で決定をいたしました児童虐待防止対策の抜本的強化の中でも、「全国 の都道府県間の情報共有システム構築に向けた検討を進める。」というふうにされてございます。  このため、今年度は、都道府県間にこの情報共有システムを拡大をしていった場合の課題の整理といったことをやっていきたいと思っておりますので、引き続き、より効率的に情報共有を行うことができるシステムの構築に向けて努めていきた いと考えております。 ○小宮山委員 これまでは紙でのやりとりが多かったということも、丁寧にやる場合は対面というふうに聞いておりますが、県内だけでなく、やはり、県をまたぐ、またブロックをまたぐみたいなときも対応できるように、早急にこれは予算づけ もきちんと毎年つけていただいて、そして早くシステムを構築をしていただきたいと思いますし、また、そういった支援の方を、都道府県、地域においてもしていただけることを希望いたします。  さて、保育士の処遇改善について伺います。  保育士の給料は、市区町村が運営する公営の保育園と民間事業者の運営する保育園や保育室などの間、官民の処遇格差があるとともに、公営の保育園の中における正規採用の保育士の処遇と有期採用の臨時保育士の処遇の格差も大きくなってお ります。  保育士の、保育について学び、保育資格を取得した後、一旦は保育サービスの現場に働いたものの、給与水準などから勤務継続を諦めて潜在保育士となっているという場合も多いと聞いております。子供が好きで、保育の仕事自体の魅力を感じ 資格を保有していながら、現場で働くことを諦めなければならない埋もれた人材が数多くいらっしゃることはもったいないと思います。  保育士の処遇改善が必要だと議論されますけれども、やはり、保育士の処遇を改善する、月に何円給料が上がるといった議論が行われることも多く、実際の施策や予算措置としてもそうした趣旨になったものではありますけれども、保育士の雇 用形態の違いによる待遇差を解消する効果はなかなか難しいところかと思っておりますが、本来であれば、保育サービスは同一価値労働同一賃金の実現というものが見込まれる代表的な職場だと感じております。ぜひ、公営の臨時保育士、民間保 育サービスで働く保育士同士も、賃金水準については同程度となることが必要であり、そのための議論がされ、実現を目指さなければならないと考えております。  そこで、保育士として働く者の賃金が、採用形態、経験年数や勤務時間、日数などに対して大きな格差が生じないような基準を明示することなどにより同一価値労働同一賃金を実現していく必要があると考えておりますが、大臣の御所見をお聞 かせください。 ○宮腰国務大臣 保育士等の処遇改善は重要な課題であると認識しておりまして、二〇一三年度以降、月額約三万八千円に加え、二〇一七年度からは、技能、経験に応じた月額最大四万円の処遇改善を実施しております。こうした処遇改善が反映 された結果、保育士の賃金について、試算によると、二〇一三年からの五年間で年収ベースで約四十八万円増加しております。さらに、今年度からは、新しい経済政策パッケージに基づき月額三千円相当の処遇改善も行っています。  保育所における保育士の月額給与につきましては、二〇一七年度の経営実態調査の結果を見ますと、常勤保育士と非常勤保育士の間で一定の差が見られるところでありますが、この差の要因については、職務における責任の度合いや経験年数の 差といったものが考えられます。  公定価格における処遇改善加算におきましては、非常勤職員も対象としているところでありまして、非常勤職員も含めた処遇改善に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。 ○小宮山委員 ありがとうございます。  処遇が安定することが、ある意味保育の質の底上げにもなることでもありますので、ぜひこれからも研究そして対応していただけるように御努力いただければと思います。  さて、性犯罪、性暴力をなくすための刑法改正について質疑に入らせていただきたいと思います。  きのう私、フラワーデモに行ってまいりました。  この春あたりの司法の判断、性犯罪、性暴力に対して大変厳しい、被害者にとっては厳しい判断が続いております。  百十年ぶりの大改正が二年前にあって、そして厳罰化を求めるところではありましたけれども、残念ながら明治時代の要件というものが残ってしまった、それがために、父親が娘を十二歳から暴行しても無罪になるという判決が出る、本当に理不尽なことが起きております。  本日皆様方の方にお配りさせていただきました私の資料をぜひごらんいただきたいと思います。  こちらの方、諸外国での性犯罪、性暴力に対しての対応について、また障害児の取扱いについての一覧を提示させていただいております。ぜひこれをごらんいただきながら質疑の方を聞いていただければと思います。  平成二十九年六月の性犯罪、性暴力に対する厳罰を行う刑法の一部改正が成立してから二年経過いたしました。このときに衆参両院で刑法改正審議の際に付された附帯決議、そのときの対応について伺ってまいりたいと思います。  参議院附帯決議八では、児童が被害者である性犯罪については、被害が特に深刻化しやすいことを踏まえ、被害児童に配慮した取組を一層推進するというようなことが書いてあります。被害児童への配慮した取組が具体的にどのように行われて いるのか、取組内容並びに関係予算について、できれば御説明ください。簡潔にお願いします。 ○保坂政府参考人 児童が被害者になりました場合の取組といたしましては、附帯決議にも例示されていますが、聴取方法についてでございます。  検察におきましては、児童が被害者である事件につきましては、平成二十七年の十月に最高検から発出された通知、「警察及び児童相談所との更なる連携強化について」という通知等に基づきまして、それら機関との連携強化を進めてございま す。  その連携強化といたしまして、児童の負担の軽減と供述の信用性の確保の観点から、それぞれ警察及び児童相談所の担当者と検察官とが児童の聴取方法などについて協議を行った上で、その代表者が聴取をする、そういった代表者聴取の取組を 進めてございます。  数字を御紹介いたしますと、児童が性犯罪の被害者となった事案も含めまして、これまでのところ千八百件以上の代表者聴取が実施されていると承知をしております。  関係予算についてもお尋ねでございますが、法務省の令和元年度の予算案におきましては、その代表者聴取に関する経費といたしまして、聴取方法を習得させるための研修経費、そして、聴取している様子をモニタリングして必要な聴取事項を リアルタイムで伝達するための設備の整備経費などといたしまして三千百万円を計上しておるところでございます。 ○田中政府参考人 警察庁におきましても、児童が被害者等である事案を認知した際には、児童の負担軽減や供述の信用性の確保のため、警察、検察及び児童相談所が連携し、児童の事情聴取に先立って協議を行い、関係機関の代表者が聴取を行 う取組を推進しているところであります。  また、被害児童からの聴取の方法につきましても、警察では、警察学校等において、被害児童からの聴取に当たる警察官等に対して、児童の負担軽減に配意しつつ、信用の高い供述を確保するための聴取方法について指導、教養を実施している ところであります。 ○小宮山委員 児童が被害者となる性犯罪事件では、司法面接を必ず行い、ビデオ証言を採用するなどの対応を行うべきとの意見も寄せられております。なお一層、具体的、積極的な取組をとっていただくように要請をいたします。  衆議院附帯決議一で、法が成立するに至る経緯、本法の規定内容等について、関係機関及び裁判所の職員に対して周知をすることとされております。  この点に関しまして、どのように周知をされているのか、よろしくお願いいたします。 ○保坂政府参考人 御指摘の改正法の趣旨、内容等につきましては、法務省といたしまして、その適切な運用を図るという観点から、平成二十九年六月に成立した後の六月二十六日付で、全国の検察庁宛てに「「刑法の一部を改正する法律」の施 行について」という刑事局長依命通達を発出いたしまして、改正の趣旨、概要、御指摘の附帯決議等もあわせて周知を行ったところでございます。  また、いわゆる立案担当者が改正法の趣旨、内容を解説する論考を各種の文献に執筆しておりますほかにも、検察官向けに説明会を開催いたしました。それ以外にも、各種研修とか会議におきましても、繰り返し改正法の趣旨あるいは附帯決議 について周知を行っているところでございます。  検察当局におきましては、改正法の趣旨を踏まえて適切に運用を行っているものと承知しておりますし、引き続き、事案に応じまして、厳正かつ適切な対処を行っていくものと承知をしております。  以上です。 ○安東最高裁判所長官代理者 裁判所職員への周知についてお答え申し上げます。  最高裁判所としましても、平成二十九年の刑法改正法の趣旨等の周知は重要と考えているところでございまして、御指摘の附帯決議を踏まえまして、各裁判所の裁判官を含む関係職員に対し、改正法の公布日に改正法及び附帯決議の内容を周知 するとともに、施行直後に、改正法の成立に至る経緯やその趣旨、改正法の内容等を詳細に説明した立法担当者による解説を提供してございます。  また、その後も、改正法の趣旨についての裁判官の理解を深めるべく、刑事事件を担当する裁判官の協議会、あるいは司法研修所における研究会において、繰り返し改正法の運用の問題を取り上げて議論しているところでございます。 ○小宮山委員 被害者の氏名について伺いたいと思います。  氏名がさらされることは、被害者にとって重大な恐怖心を呼び起こすことにもなりまして、また、被害者が児童である場合は影響ははかり知れません。被害者の氏名の秘匿に係る措置について、これは参議院の附帯でありますけれども、どのように実施しているのか、簡潔にお聞かせください。 ○保坂政府参考人 附帯決議にございます起訴状における被害者の氏名について秘匿する措置についてでございますが、現行法の刑事訴訟法におきましても、被害者の氏名、実名を起訴状の公訴事実に必ず記載しなければならないというふうにな っているわけではございませんで、審判の対象を特定するとともに、被告人に防御の範囲を示すという趣旨、これを害しない範囲で、現行法のもとでも、被害者保護のためにその氏名を秘匿するということは可能でありまして、現にそういう運用 があるということも承知をしております。  他方で、御指摘の措置につきましては、平成二十八年五月に成立した刑事訴訟法等の一部を改正する法律の附則におきまして検討が求められてございます。そこで、平成二十九年三月から、最高裁判所、法務省、日本弁護士連合会、警察庁の担 当者で構成する刑事手続に関する協議会を立ち上げまして、幹事会を設けて意見交換を行ってございます。  それから、先ほど御指摘のあった性犯罪関係の刑法の改正法の際にも、附帯決議におきまして、その検討について行うということを更に指摘を受けたわけでございます。その刑法一部改正法施行後にも、先ほど申し上げた刑事手続に関する協議 会の幹事会を開催いたしまして、先ほど申し上げた措置について意見交換を行っているところでございまして、今後とも、引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。 ○小宮山委員 時間となっていますので最後にさせていただきますが、全ての、全県においてワンストップ支援センターができました。しかし、その内容においては、全ての相談に対応ができているとは限りません。その中で、LGBTや男性セ クシュアルマイノリティーの相談を行っていること、それがあるということは、内閣府の方から伺わせていただきましたが、それでは、実際には、男性及びセクシュアルマイノリティー並びに障害をお持ちの方々、性犯罪者に対応されている相談 窓口の状況並びに実際の男性やセクシュアルマイノリティー、障害者の方々、相談に対してはどのような対応をされているのか、お聞かせください。 ○橋本政府参考人 私ども厚生労働省の方におきまして、障害者虐待防止法を所管しておりますので、その関係についてお答え申し上げます。  この法につきましては、障害児者の虐待の状況、その内訳として、性的虐待というのがあるわけでございます。  この法律におきましては、養護者、障害福祉施設従事者等、それから使用者という類型に分けて把握をしておりまして、平成二十九年度におきましては、養護者による性的虐待が五十八件、障害者福祉施設従事者等による性的虐待が六十六件、 使用者による性的虐待が七件、合計百三十一件というふうに承知しております。 ○小宮山委員 ありがとうございます。  障害者のことを聞こう、性犯罪に関して聞こうと思いましたら、きのう、誰が所管なのかわからないということで、大変皆さん方、知恵は絞っていただいたんですけれども、この点に関しましては、障害児の方々、ヒアリングも難しい、自分の 意思というもの、そこがわかりづらい。また、子供の貧困対策の方も、その環境というものになります。特に、未成年だったり、家庭の中で、密室の中では被害が表に出づらいというのも現実でもございます。  実父や父母は、生活の基盤であり、母親のパートナーでもあり、子供が告発することは難しい。  性的被害者は、誰かに伝えないと表面化しません。そして、この点に関しましてしっかりと伝えられるためにも、障害児者であることに乗じた性犯罪のこの罪というものをつくるべきでもありますし、性暴力というのは、本人が望まないこと、これは暴力であるということを明確にするべきだと思います。この点に関しましては、刑法の改正が間違いなく必要だと考えております。  ぜひ、今回この質問をしようとしたときに、大臣は担当でないということを再三言われました。  本当にそうなんでしょうか。閣内においてしっかりと、子供や、そして家庭内や、障害を持っている方々、今声を上げられない方々、そして支配下にあって声を上げられない方、薬物やそして泥酔をさせられて上司にレイプをされる人たち、さまざまな案件があります。  早くに、来年は東京オリンピック・パラリンピック、ことしもラグビーがあります。少し、観客で来られた外国の方が仲よくなって飲んで、泥酔をさせてレイプを受けた、でも日本ではこれが無罪になる、こんなようなことが起きてはいけない んだと思います。  早期にこの刑法を改正することが大切だと思いますので、大臣、通告はしておりませんし、ヒアリングを受けた方たちはないですけれども、しっかり閣内で、この点は早期に進めるべきだということをぜひ提案をしていただきたいんですが、そ の点、最後、ぜひお聞かせいただければと思います。 ○牧原委員長 既に経過をしておりますので、大臣、簡潔にお願いします。 ○宮腰国務大臣 障害のある女性は、そもそも障害によるさまざまな支援が必要であることに加え、女性であることにより、更に複合的な困難な状況に置かれていることなどを踏まえ、昨年三月に閣議決定した第四次障害者基本計画には、各分野に共通する横断的視点の一つとして、障害のある女性の複合的な困難に配慮したきめ細かい支援を盛り込んだところであります。  刑法の分野については、私ども、所管外でありますから、それに触れることはありませんが、こういう視点が重要であるということを申し上げて、答弁とさせていただきたいと思います。 ○小宮山委員 以上です。