令和元年6月7日 衆議院環境委員会議事速報(未定稿) ◇この議事速報(未定稿)は、正規の会議録が発行されるまでの間、審議の参考に供するための未定稿版で、一般への公開用ではありません。 ◇後刻速記録を調査して処置することとされた発言、理事会で協議することとされた発言等は、原発言のまま掲載しています。 ◇今後、訂正、削除が行われる場合がありますので、審議の際の引用に当たっては正規の会議録と受け取られることのないようお願いいたします。 ○秋葉委員長 次に、屋良朝博君。 ○屋良委員 よろしくお願いいたします。  国民民主党・無所属クラブ、屋良朝博でございます。  まずは、長年の御議論を経て本法をまとめられました議員各位そして関係者の皆様の御尽力に敬意を表したいと思います。  衛生看護師資格から既に三十年余が過ぎて、この間、民間ライセンスの統一化など試みられるなど、御努力なさってこられた諸団体の皆様も、今後のこの制度の充実と発展を見守って期待しておられることだと思っておりますので、ぜひ充実し た制度につくり上げていきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。  それでは、まず、先ほどの委員の質問で、その意義と課題についてありましたけれども、私も、実は当委員会に参加させていただけるようになってまだ一カ月ちょっとなので、改めて伺いたいんですけれども、この愛玩動物看護師を国家資格と する新制度導入の意義、狙い、課題について、提案者の方からお話を伺いたいと思います。よろしくお願いします。 ○小宮山委員 御質問ありがとうございます。  我が国の犬、猫等の飼育頭数は約二千万頭と推計されており、愛玩動物は多くの家庭においてかけがえのない存在となっております。  民間主体の取組として、動物看護師の資格の統一化や共通の教育カリキュラムの整備等が進められてきておりましたが、民間の統一資格である認定動物看護師の技術的水準の確保や、専門職としての業務を十分に果たすことができる環境の整備 が喫緊の課題となっておりました。  愛玩動物の診療における獣医師と動物看護師によるチーム獣医療体制の整備や、動物看護師によるしつけ教育等の活動の充実が必要であり、動物看護師の役割の重要性が高まっていると言えます。  今回の法案は、これら昨今の愛玩動物をめぐる状況に鑑みて、新たに愛玩動物看護師の資格を国家資格として定めること、また、その業務が適正に運用されるように規律することに大きな意義がございます。 ○屋良委員 ありがとうございます。  認定動物看護師の試験は、おおむね、現在のところ、八五%の高い合格率で推移している状況でございます。資格や経験を問わずに動物看護師として勤務することが可能になっており、技量や技術の均一化に課題があるとも指摘されている分野 でございます。  近年の医療技術の進展や獣医療の高度化、専門化が加速しており、獣医療に対する社会的ニーズも多様化している中、このような中で初めて制度化される愛玩動物看護師の人材確保と資質向上を図る上で、看護師の養成カリキュラムをレベルア ップし、試験内容の充実を図る必要があると考えられますけれども、この点について基本的な見解をお聞かせください。 ○小川政府参考人 お答え申し上げます。  この愛玩動物看護師法案におきましては、愛玩動物看護師は、現在民間の動物看護師が行っている愛玩動物の看護等に加えまして、新たに診療の補助が新たな業務として規定されているところでございます。  この診療の補助を新たに愛玩動物看護師が担うということとなった観点から、その業務が適切に行えるよう、受験資格やあるいは試験内容を今後定めていくこととしております。 ○屋良委員 関係団体とも十分に調整した上で、実態に即した内容につくり上げていただきたいというふうに思っております。  試験が始まると、動物医療の現場で、新たな国家資格を保持する人と従前の認定資格の保持者がともに働く時期がしばらく続くことになります。  無用な心配かもしれませんけれども、資格保持者の質の違いというか格の違いがもしかしたら生じて、その中で序列が生まれたりすると何か現場がぎくしゃくしちゃって、せっかくのいい制度だと思って導入したにもかかわらず、何かそれがマイナスイメージがついて、それを広げるというところのインセンティブがそがれてしまうというふうなこともやはりどうしても心配してしまうんですね。  関係諸団体も当然、多くの現在の看護従事者に国家資格の取得を呼びかける啓発活動に取り組まれることだと思いますけれども、政府として、この新制度を広めて、獣医療現場に広く定着させていくような施策をどのように考えておられるのか、御説明ください。 ○正田政府参考人 お答えいたします。  委員から御指摘ございましたとおり、本制度を導入されますと、将来的には、獣医療の現場におきまして国家資格保持者と非保持者の双方が獣医師の業務のサポートに携わるということも想定されるところでございます。  国家資格を持たない方につきましても、現在の業務を引き続き行うことは可能でございます。さらに、国家資格保持者につきましては、従来の業務に加えまして、獣医師の指示のもと、採血、投薬などの診療の補助業務を行うことができること となり、その役割の重要性も増し、現場での責任も大きくなってくると考えているところでございます。  こうした事情を踏まえまして、異なる資格の保有者がそれぞれの専門性を生かして適切にその役割を果たすことができるよう、国家資格保持者が担う業務を明確にするとともに、法施行までに十分に周知を行い、本制度の普及、定着に努めてま いりたいと考えております。 ○屋良委員 次に進ませていただきます。  動物病院は全体の約六割が個人経営の小規模な病院だというふうに言われておりまして、そんな中で、働きながら資格試験を受け直すことの時間的あるいは経済的な負担は大きいのではないかというふうに考えております。例えば、私、我が事 に置きかえると、今、働いている中で、新しい国家試験を受けなさいと言われて、仕事で疲れているのに勉強したり講習会に参加しないといけないという、結構な負担だと思うんですね。  それをどうにかサポートしてあげるような、そんな仕組みがあると、キャリアアップを目指す看護師の人たちがふえて、この制度が充実していくのではないかというふうに期待するんですけれども、そのような仕組みがまず必要なのかどうかと いうことも含めて、御見解をお聞かせください。 ○小宮山委員 御指摘のとおり、既に民間の資格を所有、取得している方も、講習会を受講した上で改めて国家試験を受験する必要があり、時間的、経済的な負担が生じることはございますが、やはり支援体制は大変重要かと考えます。  講習会の具体的な制度設計については、この法律施行後、政府において検討されることとなりますけれども、過度な負担とならないよう、例えば講習会の受験項目の一部免除を検討することなどが考えられております。 ○屋良委員 ありがとうございます。  もう一つ、受験についてなんですけれども、未修学者の受験資格として、本法によりますと、動物看護に係る累積五年の実務経験を有することというふうに規定されております。  この実務経験五年の中身をどのように算定し、評価するのかということなんですけれども、実務経験の中身はそれぞれ違うというふうに思われます。五年の間フルタイムで実務経験を積まれた方、あるいは時間を限ったパートで五年を過ごした方、さまざまあると思うんですけれども、実務経験五年という記載、その意味ですね、その中身をどのように算定、評価するのかということは、やはりこれは資格試験にかかわることなので明示しておいた方がいいのではないかというふうに考えますけれども、その点、御見解を聞かせてください。 ○正田政府参考人 お答えいたします。  委員御指摘ございましたとおり、本法案におきましては、五年以上の実務経験を有する者に対する特例措置といたしまして、法律の施行後五年の間、農林水産大臣と環境大臣が指定する講習会を修了し、予備試験に合格すれば、国家試験の受験 資格を取得することができる規定が設けられてございます。  予備試験の受験資格として求められる実務経験の具体的な内容につきましては、今後、施行に向けまして、農林水産省とも連携し、丁寧に検討してまいりたいと考えております。  この検討に当たりましては、国家資格の受験資格に相当する知識及び技能を有する者として求められる質を担保するとともに、愛玩動物看護師を目指す方々の間に不公平が生ずることがないよう十分配慮し、適切な制度の運用に努めてまいりた いと考えております。 ○屋良委員 受験者が誤解をしないような明確な書きっぷりが必要だというふうな気がすることだと思います。  次に行きます。  国家試験の実施時期なんですけれども、本法成立から三年以内と規定されておりますけれども、試験時期が明示されないと、受験者も、いつから準備すればいいのかということを悩んでしまうんじゃないかと心配されます。  動物愛護法で新たに義務化されることが決まりましたマイクロチップの挿入、その作業も、対応すべき数からすると、かなり膨大な作業になって、この看護師制度が一日も早く充実して、実施に移行されることが望まれる、現場ではそういう希望が強まってくるというふうに思います。  その改定愛護法の実施と本法のスタート時期とは恐らく一対でなければならないというふうに思われますけれども、本法が成立した後、どのようなスケジュールで初回の試験が実施されるのか、その辺の見通しをお聞かせください。 ○正田政府参考人 お答えいたします。  本法案におきます施行期日に係る規定を踏まえれば、令和四年度春ごろの施行が想定されますので、当該年度中に最初の国家試験が実施されることと見込まれます。  したがって、今後、施行に向けまして、指定試験機関等の指定、受験資格取得に必要なカリキュラムの検討、試験問題の作成など、必要な準備を計画的に進めることにより、受験生に混乱が生じないように、十分な余裕を持って周知を図ってま いりたいと考えております。 ○屋良委員 ありがとうございます。  次に準備した質問が、愛玩動物看護師の処遇に係るものなんですけれども、先ほどの委員の質問で答えをいただき、多分同じような内容になると思いますので、ここはちょっと省かせていただきまして、次に移ります。  本法第四条にあります欠格事由についてなんですけれども、罰金以上の刑に処せられた者、あるいは麻薬、大麻、アヘンの中毒者などは受験資格がないというふうに規定されております。  ただ、刑を終えた人とかあるいは矯正施設を出所された方、社会復帰を目指す方、そういった方々の受験の資格あるいはそのチャンスを奪ってしまうものなのかというふうにもこれは読めるんですね。その辺、ちょっと、書きっぷりも含めて、 実際はどのような内容なのかということを説明いただけますでしょうか。 ○小川政府参考人 お答え申し上げます。  欠格事由についてのお尋ねがございました。  本法案ではございませんが、現在、農林水産省が所管し、運用しております獣医師法の第五条に同様の規定がございますので、その運用を説明させていただきたいと思います。  まず、罰金以上の刑に処せられた者でございますが、これは、刑法第三十四条の二の規定によりまして、罰金の刑の執行が終わって、罰金以上の刑にその後処せられないで五年を経過したときは、そもそも刑の言渡しの効力を失うこととされております。したがいまして、五年後、何もなければ、罰金以上の刑に処せられた者でなくなるという運用をしております。 また、麻薬、大麻等中毒者でないといったような要件も書いてございますが、獣医師法では、これは医師の診断書の提出によって判断をするといった運用をしているところでございます。  以上でございます。 ○屋良委員 わかりました。  この法案が成立すれば、恐らくアジアで初めての看護師の国家資格となるわけでございます。日本の高い技術を国際スタンダードとしてブランド化を図ることができれば、業界全体の底上げにもつながるし、もしかしたら、日本で学ぼうという ふうに思ってくれる外国の留学生も来られるかもしれない、そんな可能性を秘めているものだと思います。  愛玩動物に対する高度医療、きめ細かなケアを国際社会にアピールできる効果は大きいと考えられますし、これはまた夢が膨らむ話だというふうに思っております。その点、大臣、提案者のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 ○原田国務大臣 全く御指摘のとおりでございまして、わざわざアピールをしなくても、こうして日本が率先をして大事な動物の健康の保持やしつけなど、飼い主の責任の徹底を求める社会的ニーズに対応した知識と技能を有する専門職として、 こういう新しい制度、国家試験まで導入して育てるというのは、間違いなく、今後、国際社会でも高い評価を受けるものではないか、こう期待しているところであります。  本国家資格は動物愛護管理法を効果的に運用していく上でも重要であると考えておりまして、今後、愛玩動物看護師の社会的役割の周知に努めるなど、適切な運用を図ってまいりたい、こう思っております。 ○秋葉委員長 小宮山君、簡潔にお願いします。 ○小宮山委員 愛玩動物看護師の活躍の場は、動物病院を主に、ペットショップや教育機関の多岐にわたるところがあります。この法案ができることによって、労働基準法等雇用関係に係る規定の対応整備がされることで、また職業として注目も される、また、安定していくことも期待されております。  アジアで最初の国家資格化ということにおいて、委員の指摘のとおり、これが世界に通用する資格となる、そして、日本で学んだ資格が国際標準となるということも期待をさせていただいております。  以上です。 ○屋良委員 ありがとうございました。  時間ですので、終わります。