平成30年11月20日 衆議院環境委員会議事速報(未定稿) ◇この議事速報(未定稿)は、正規の会議録が発行されるまでの間、審議の参考に供するための未定稿版で、一般への公開用ではありません。 ◇後刻速記録を調査して処置することとされた発言、理事会で協議することとされた発言等は、原発言のまま掲載しています。 ◇今後、訂正、削除が行われる場合がありますので、審議の際の引用に当たっては正規の会議録と受け取られることのないようお願いいたします。 ○秋葉委員長 次に、小宮山泰子君。 ○小宮山委員 国民民主党の小宮山泰子でございます。久しぶりに環境委員会で質問をさせていただけることに感謝いたします。  そして、大臣、また、今回は就任まことにおめでとうございます。本日の質疑を聞いておりまして、ある意味、環境大臣というのは、大臣にとって大変、国民にとってもしかすると大変いいポジションであって、また、御理解が深くなるだろう なという思いもしております。  また、各政務の方々にも、環境問題というのはさまざまな経済環境、さまざまなところにつながってまいります。特に、昨今は、自然環境が大変厳しい災害をもたらすことも多々あります。その中において、今までのような感覚ではなく、自然 環境が循環をきちんとすることによって地域が守られ、そして人々の生活が守られ、そしてそれが結果として経済も守っていく、そういう意味では、新しい時代に入っている、そういった大切な時期に今この環境問題というのはあり、また、私どもも環境委員会に所属したからには、その点をしっかりと心にとめ、そしてこれからの新しい時代に向けての環境政策をともに考えさせていただける、そんな提案ができる質疑をさせていただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。  さて、まず最初ですけれども、本日は大臣所信に対する質疑でございますけれども、大変、今回、大臣の所信的挨拶というんでしょうか、伺いながら感じたのは、さまざまな、これからの行政に対して、横文字が多いという御指摘もありましたけれども、それよりも、グリーンファイナンスだったりとか、これからとられるべきものが随分あったのかなと思っております。  どちらかというと、環境行政という中において、提案型が多かったかもしれませんけれども、実効あるものにしなければ実際にはうまく回っていかないのではないか、過去から、高度成長期からの政治というものがやたらと続いておりますが、それではできなくなった、その転換を図る意味では、リーディングを、リードしていく立場に環境行政というのがなければならないのではないかというふうに思いながら、大臣の所信的挨拶を聞かせていただきました。  そこで、まず最初、私もずっとかかわってまいりましたが、水循環基本法などかかわらせていただきました。高度成長期、我が国では、地下水が、摂取量が増大して深刻な地盤沈下や塩水化が発生した地域がありますけれども、法律や条例等で保護された地域は採取規制や河川からの取水への水源転換がされました。  先般、国土交通省が全国の自治体の地下水関連条例について調査を実施いたしました。地下水の状況把握、特に地下水位の把握には、観測用の井戸である観測井、環境省はもしかして観測井戸と言っているかもしれませんけれども、も活用され ております。地下水位のモニタリング等を行うための地下水位観測井ではありますが、最近では地域によって地下水採取の抑制や地盤沈下リスク低減に伴い、観測井の維持管理が一部で放棄されているとの報告を拝見いたしました。  これらの観測井は国家の重要な資産でもあり、今後、公共性の高い国民共有の財産として地下水を持続的に涵養、保全、利用するためには、既存の観測井の有効活用が不可欠と考えております。  環境省においては、環境保全の中で健全な水環境の確保という観点があり、水質汚濁防止法に基づいて、地下水の水質の常時監視、有害物質の地下水浸透制限、事故等の措置、汚染された地下水の浄化、地下水汚染の未然防止等の措置がとられ ております。  ここで、地下水に関しましてまずお伺いしたいのは、地下水位観測に用いられる観測井は日本全国で何カ所あるのか、また、国として、観測井の定義、規定を確認させてください。 ○田中(聡)政府参考人 環境省では、毎年、都道府県及び政令指定都市を対象といたしまして、地盤沈下の状況に関する調査を行っております。  地盤沈下の観測データなどを取りまとめているところでございます。  その結果によりますと、地盤沈下の監視用として都道府県等が把握している観測井の数、観測井数ですけれども、平成二十八年度末時点で、全体で千二百十四本となっております。  また、観測井については、環境省の調査においては、地盤沈下量や帯水層の地下水位を観測するためなどに設けられた井戸のことを指しているところでございます。 ○小宮山委員 ありがとうございます。  観測井は近年、増加傾向にあるのでしょうか、それとも減少傾向にあるのか。また、地域によって増加、減少という傾向があるのか。  引き続いてまた、その増加や減少傾向が、地域による偏在という、傾向の偏在などがあるのか、また、その背景や原因をどのようにお考えなのかも伺わせていただきたいと思います。  あわせて、観測井は、設置後、耐用年数として何年ほど使用できるものなのか。また、石が積まれてつくられているもの、金属製のもの、プラスチック製のものなど、使っている素材や構造により耐用年数の違いがあるかと推測されます。この 点に関しまして、以上三点、お聞かせください。 ○田中(聡)政府参考人 御説明申し上げます。  環境省の調査におきまして、この十年の傾向を見ますと、全体での観測井数は、平成十八年度末現在で千二百四十本、これに対して、平成二十八年度末時点では千二百十四本となっております。  年度によってばらつきがございますけれども、この二つ、十年間を見ますと、観測井数は約二%減少したということになります。また、この間の観測井数の増加と減少については、都道府県ごとに増減の変動が見られているところでございます。  それから、それぞれの地方公共団体の実情、事情があるということで、一概に言うことは難しいわけでございますけれども、全体で見た場合に観測井数が若干減少している要因の一つといたしましては、各地方公共団体において、地盤沈下の状 況ですとか各地域の実情、こういったことがあると考えております。増加と減少と、それぞれ両方あるんですけれども、減少要因として考えられますのは、先生御指摘のような、地下水揚水量が減少しているとか、あるいは地盤沈下が落ちついて きているというようなこともあると思いますし、特殊要因としては、例えば東日本大震災で機器が損失したということも伺っているところでございます。  それから、観測井につきましては、素材について、主に金属製の管が用いられております。ただ、酸性が強いとかあるいは塩素濃度が高いといった腐食性の高い地下水の場合には、樹脂のもの、樹脂製が用いられることもあるというふうに聞いております。どちらの材質であっても、あるいは構造もいろいろあるようでございますけれども、通常、三十年以上観測に用いることが可能というふうに承知しております。 ○小宮山委員 三十年以上、減価償却上だと耐用年数は大体十五年かと思いますけれども、実際には三十年以上使用されているもの、また、素材によっては腐食しているもの等も考えられるかと思います。そういう意味においては、どれだけ実数 が本当にとれているのかというのは、いまだに確実なものではないのかなという感じはいたします。  そこで、例えばそれを交換するにしても、誰が所有者なのかというところが肝になってまいります。この点に関しまして、どのような、国なのか都道府県なのか市町村なのか、場合によっては民間企業であったり個人であるのか、さまざまなこ とが考えられますが、どのような属性が主に挙げられるのか、お聞かせいただきたいと思います。 ○田中(聡)政府参考人 環境省において実施しております地盤沈下に関する調査では、実施主体の方を主に聞いておるわけでございますけれども、所有者の内訳を明示していただいている地方公共団体においては、地盤沈下に関する観測井は全て、地方公共団体あるいは国の所有というふうになっております。  この調査におきましては、民間企業、団体及び個人が所有する観測井の状況までは把握しておりませんけれども、一部で得られている情報から類推をいたしますと、地盤沈下に係る観測井は、ほとんどは地方公共団体又は国の所有に係るもので あるというふうに考えております。 ○小宮山委員 水循環基本法をつくっているさなかというか、さまざまな議論をその後も続けていて、現在もフォローアップ委員会等では、地下水保全のための法律ができないのかというような話がよくあります。そして、そのための議論も進ん でいるところでもあります。  そもそも、それを私自身が特に認識したのは、福井県のおおい町ですか、地下水が農業用水等、工業用水等でさまざま使われたがために枯渇したために、陥没や地域の環境悪化につながり、今は、それをきちんと管理することで、美しい水の環境が湧水地も含めて取り戻すことができたという事例を見に行ったことがきっかけでもございます。  国や都道府県、市町村などの地方自治体により所有され、観測されている観測井のデータであれば、データの集約や公表など、連携した研究、利用も比較的容易に可能なのではないかと考えます。  そこで、観測井での観測データを取りまとめている組織や機関はあるのか、現状についてお伺いいたします。また、取りまとめに当たっては、公的機関所有の観測井のみならず、民間所有の観測井から得られるデータも網羅する仕組みであるこ とが望ましいと考えますが、政府の見解をお聞かせください。 ○城内副大臣 小宮山泰子委員の御質問にお答えしたいと思います。  冒頭、委員御指摘のとおり、観測井は国家の重要な財産でありますし、また、公共性の高い国民共有の財産であり、既存の観測井を有効に活用することが不可欠だ、まさに御指摘のとおりであると思います。  そうした中、環境省におきましては、地盤沈下の状況を把握するため、毎年、都道府県及び政令指定都市を対象に調査を行っておりまして、地盤沈下の観測データとして、代表的な観測井における地下水位の経年変化、水位低下等による被害の 状況などを取りまとめております。その結果は、環境省ウエブサイト、環境省のホームページでございますけれども、そこの全国地盤環境情報ディレクトリに細かく掲載されておるところであります。  地盤沈下に関する観測井のほとんどは、先ほど水・大気局長が述べたとおり、地方公共団体又は国の所有物でありますが、小宮山委員御指摘のとおり、民間の井戸活用による効率的かつ経済的な観測も検討に値する、よい御指摘だというふうに 考えております。  したがいまして、環境省といたしましても、必要がありましたら、そういった手段も使いながら状況把握にしっかり努めてまいりたいと思っております。  以上でございます。 ○小宮山委員 城内副大臣、ありがとうございます。  また、国の重要な資産であるということも言っていただき、ありがとうございます。私もそう思いますし、また、これを活用するというのは大変重要なことではないかと思っておりますが、なかなか、この分野、注目を浴びることも少ないかと 思います。  そういう中において、観測井の設置数が他地区と比べて少ない地域や、都市部のように、人が多く活動しており土地利用の活発なところなど、設置推進もやはり行うべきではないかと思います。  また、それが望ましいと私は考えておりますが、この点に関しまして、やはり大臣、ぜひ政府の見解をお聞かせいただければと思います。 ○原田国務大臣 確かに、委員おっしゃるように、少し地味な分野だということはわかりました。しかし、本当に大事なことだなということを改めて感じたところでございます。  観測井を用いた地下水位の観測というのは、地盤沈下の原因解明や未然防止を図る有効な方法の一つでございまして、地盤沈下の監視の観点から、ガイドラインを策定し、地下水位の観測手法を示しているところでございます。  また、地球観測衛星等を活用して観測マニュアルを作成し、より効果的、効率的な監視の促進も図っているところでございます。  環境省として、地方自治体による地盤沈下の監視が実施されるよう、引き続き、これらのガイドラインやマニュアルの活用を促進しつつ、観測井の設置を含む、地域特性を踏まえた適切な工法の技術的支援を行ってまいりたい、こう思っており ます。 ○小宮山委員 地下水の現状についてはまだまだ把握できないことが多く、研究者だけでなく、将来にわたって、市民、国民の生活を考え、また安全を考え、利便性を考えていく上でも、観測井が一層ふえていくこと、また、きちんと活用される ということは重要かと思っております。  また、この整備に関しては、インセンティブとして考えられるのは、例えば容積率の一部緩和とか、また、地方税でありますが、固定資産税の減免など、さまざまな工夫が考えられるのではないかと思っております。  公共工事と限らず、建設工事とあわせて設置工事を行うとか、そうやれば、比較的低コストで整備の促進また更新もできるのではないかと考えております。  ぜひ、原田大臣のもとで、この観測井の更新、また設置推進等、また活用も含めまして、官民連携も含めて整備を進めていただくことを改めて依頼したいと思っておりますし、この活動に関しましては注視をし続けてまいりたいと思います。あ りがとうございます。  それでは、続きまして、障害者雇用に対して、環境省の認識及び今後の対応についてお伺いしたいと思います。  本年、各省庁において、障害者雇用数の水増し問題が発覚いたしました。  十月二十三日に、環境省における障害者採用計画等についての資料が公表されております。  この点に関しまして、御説明と今後の対応をお聞かせいただければと思います。 ○原田国務大臣 障害者雇用につきましては、本当に大きな問題としてディスクローズされたところであります。これは全政府に対して起こった話でありまして、私ども、安倍総理からも、閣議においても、このことについては本当に真剣に反省 し、そして、真剣に取り組むようにという厳しいお達しもいただいたところであります。  環境省におきましても、障害者雇用率制度の対象となる障害者の不適切な計上があったとの検証委員会から厳しいお達しをいただきまして、私どもも重く受けとめている段階です。  今後は、検証委員会の報告書を真摯に受けとめ、深く反省し、再発防止に取り組むことはもとより、組織全体として障害者雇用を推進するという意識を徹底し、取組を強化してまいるつもりであります。  具体的には、障害のある方を六十人採用し、二〇一九年、来年の十二月末までに法定雇用率を達成するとともに、職員の障害者に対する理解促進に向けた研修の実施、障害のある職員への個別的なサポートによる職場定着のための取組等を、し かもスピード感を持って推進していく予定でございます。 ○小宮山委員 来年一気に、省庁の方では、各省庁、対応されるということでありますけれども、ぜひ、この点に関しましては、さまざま注意点があるかと思います。  障害者権利条約の批准もしておりますし、また、法定雇用率をもちろん達成することも重要ですけれども、それによって、本来入るべきだった一般の方が不利益をこうむらないようにしなければならない点、また、合理的配慮というものが障害者の方々にできるように、双方きちんとやはりコミュニケーションをとる、また、さまざまな工夫で、職場での工夫、場合によっては、治療等必要な方においては、働き方、それは、短時間労働であったりとか、さまざまな観点で、多くの方、さまざまな視点を持った方が環境省に入ることを望んでおります。  ぜひ、この点に関しましても陣頭指揮をとっていただくことをお願いいたします。  さて、久しぶりなので、いろいろなことが質問したくて、あちらこちらに観点は行きますけれども、前国会まで、私、災害対策特別委員会の方も随分やらせていただいておりまして、その中で、いつも、人とペットの災害対策、避難の関係とい うのを気にしておりました。  ペット、動物に関しては、来年にも動物愛護管理法の方の改正もあり、環境省が主体となって、また、さまざま、被災地や各自治体に対しての働きかけというものは認識はしておりますけれども、大規模な災害時には、多くの被災者が長期にわたり避難生活をしますが、犬や猫などのペットを飼育する避難者も、しない避難者も、ともに災害を乗り越えられることが重要と考えております。  緊急避難を余儀なくされたために自宅に取り残されたり、飼い主とはぐれたペットの放浪も生じかねません。また、避難所では、動物が苦手な、また生理的に、あるいは精神的にもこれら動物へのアレルギーを持つ方などを含めて、多くの被災 者が共同生活を送るため、一緒に避難したペットの取扱いに苦慮する例も報告を受けております。  災害時に行うペットへの対策として、飼い主の責任、自治体が行う対策、ペットとの同行避難など、環境省としての考え方、簡潔に、取組をお聞かせください。 ○正田政府参考人 お答えいたします。  災害時の飼い主の行動の基本は、自身とペットの身を守る自助であることから、平時の災害への備えに加え、発災時にペットとともに安全な場所まで避難する同行避難が非常に重要であると考えております。  また、自治体におきましては、被災者救護の観点から、飼い主が避難先において適切にペットを飼養管理できるよう、ペットを受け入れる指定避難所をあらかじめ公表する等の対応をしておくことが必要だと考えております。  環境省におきましては、こうした取組が進みますように、本年三月に、自治体に向けました、人とペットの災害対策ガイドラインを改定し、さらに、九月には、飼い主に向けて、平常時の対策と災害時の行動について啓発するパンフレットを作 成し、その周知、浸透を図っているところでございます。  引き続き、自治体等と協力して、人とペットの災害対策を推進してまいります。 ○小宮山委員 ありがとうございます。  ぜひ、ペット、同行避難は大分認識は上がってきているかと思いますけれども、パンフレットをつくるだけではなく、さまざまな機会を通じ、広報もしていただき、理解を、促進のための活動をしていただきたいと思っております。  先ほども触れましたけれども、動物愛護管理法の改正を来年度見込んでおりますけれども、私自身も、殺処分ゼロの実現のためにも、また、譲渡会、譲渡の取組なども普及されるべきだと考えております。  大臣は、ところで、動物を飼われているとちょっと小耳に挟んだんですけれども、譲渡会など、そういった、来場をされたことはあるのでしょうか。ぜひ、その点、動物に対しての思いなど、大臣からお聞かせいただければと思います。 ○原田国務大臣 実は私は誰よりも犬が好きでございまして、欠かしたことなく犬を飼っているところであります。  動物愛護管理法は、本年八月に前回改正法施行から五年を迎えたところであり、各議員連盟において新たな議論が行われているというふうに承知をしております。  一方、全国の犬、猫の殺処分については、年々減少はしておりますが、環境省としても、普及啓発パンフレットの作成や適正譲渡講習会の開催等により、さらなる減少に向け、自治体の取組を支援しているところでございます。  私自身、譲渡会には参加したことはございませんが、本当に、飼い主が愛情と責任を持って動物と接することが重要だと考えているところであります。  今後とも、飼い主等の意識の向上を図ることで、引き取られる犬、猫を減らしていくとともに、引き取られた犬、猫の譲渡を含め、人と動物の共生する社会の実現に向けて取り組んでいきたい、こう思っております。 ○小宮山委員 大の犬好きということで、また動物もお好きだと思いますので、ぜひ愛情を持ってこの問題、対応していただきたいと思いますし、つらいですけれども、殺処分の現場であったり、また、譲渡会の方にも、ぜひ大臣に行っていただ ければと思います。  特に、譲渡会などに大臣が行くことでの、多くの方々が、犬、猫、動物をそういった形で飼うことのきっかけができるというのは、非常に大きな波及効果があると私は思っております。今までの大臣にも随分とお願いをしていたんですけれども、なかなかかなわなかったところもございますので、ぜひ御検討いただければと思います。  さて、時間の関係上、グリーンインフラに関しましてはまた後日質問させていただきますが、水の関係で、引き続き、環境省として対応しています合併浄化槽の政策、施策についての御説明をお願いしたいと思います。  大臣の挨拶の中にも、この点に関しまして大分意気込みというのを感じております。この点に関しまして、まず御説明をいただけないでしょうか。  環境省の取組について、御説明をまずお願いいたします。 ○原田国務大臣 合併処理浄化槽につきましては、下水道と遜色のないすぐれた汚水処理能力を有し、これからの社会情勢に、災害に強い町づくりや国土強靱化、地方創生の観点からも大きく期待されているところであります。  このため、環境省では、交付金や補助金による浄化槽整備の支援を進めているところでございます。  さらに、本年六月には廃棄物処理施設整備計画を閣議決定いたしまして、今後五年間の整備目標として、合併処理浄化槽の普及、合併処理浄化槽への転換、省エネ浄化槽整備推進による二酸化炭素排出削減等を新たな目標として掲げているとこ ろでございます。  今後も、引き続き合併処理浄化槽の普及拡大を進めていくことで、生活排水が適正処理できる環境の確保に向けて努力をしていきたい、こう思っております。 ○小宮山委員 今回質問するに当たり、環境省の課レクを受けまして、いまだにまだ単独浄化槽が残っているということ、この転換が進んでいないということにもちょっとまだ残念な思いがありますが、今、大臣の言葉によって、まだまだこれか らも国内におきましての対応を、また推進のための施策を組んでいただければと思います。  そして、合併浄化槽の海外展開の現状と将来の市場規模についてお伺いしたいと思います。  大臣所信の資源循環政策の展開の中で、浄化槽等の環境インフラの海外展開を図るとの言及がなされておりました。私自身、地元の浄化槽の協会に行くときには、また国土交通委員会も多かったので、下水道の海外への輸出というのは随分と言 われていることではありますけれども、どちらかというと、合併浄化槽のシステムごと、処理を含めての方が日本のインフラ輸出としては大変適しているし、地域にも安全で、また、かつ水環境をよくするという意味においては適しているんだろ うということで、やはりこの海外輸出、環境インフラの海外展開というのは大変重要だと思っております。  そこで、この点に関しまして、海外展開の現状、規模であったり、また、今後のどのような目標を置いていかれるのか、ぜひお聞かせいただければと思います。 ○原田国務大臣 国際社会の共通目標でございますSDGsでは、二〇三〇年までに未処理排水の割合を半減する、こういう目標が掲げられております。  実際に、浄化槽の海外市場は近年急速に拡大しており、昨年度の我が国企業の海外での浄化槽設置基数は、対前年度比で約二倍の六千基と伸びており、累計設置基数は約一万三千基というようなところまで進んでおります。  環境省としては、浄化槽のニーズの高い国を対象に、国際会議等を活用したトップセールス、浄化槽セミナーによる技術のPR、ワークショップや国内研修による人材育成、浄化槽の性能評価制度等のソフトインフラ支援に取り組んでいるとこ ろでございます。  今後とも、関係機関や民間企業と連携しながら、浄化槽のニーズの高い国を中心に浄化槽の海外展開を戦略的に推進し、SDGsの国際目標に貢献できるように取り組んでいきたいな、こう思っているところでございます。  それで、一言、個人的なあれでつけ加えますと、私ども、外国に出かけますと、確かに立派な施設はたくさんあるんですけれども、国によっては、はっきり言って、便所、そういうところがやっぱりどうかなと思うところがあります。一方で、日本に来られる、そういう外国人の方の中には、もう本当に、日本の特にトイレとかそういうものの施設については感激して帰られる方がたくさんおられるんですね。そういう意味では、やはりこういう分野も私たちは積極的に国際協力できる大事な分野かな、こう思っておりますので、御指摘のとおり、私どもしっかりまたやっていきたいな、こう思っております。 ○小宮山委員 大変、個人的にと言いながらも熱意あるお話をありがとうございます。  さきの通常国会で、国土交通委員会で付託されました海外社会資本事業への我が国事業者の参入の促進に関する法律案が成立しております。同法は国土交通省が主にかかわっているものでありますけれども、所管のものだけではなく、環境省所 管の浄化槽も、やはり海外の水環境整備、生活排水適正処理化推進の観点からももっとかかわっていくべきではないかとも考えております。  ぜひ、その点に関しましても、省庁の壁はございますけれども、乗り越えていただき、環境省が自然環境を生かす、そういったインフラ整備に力を尽くしていただくことをお願いいたします。  グリーンインフラに関しましては、また一般質疑があるかと思いますので、そのときに質疑をさせていただきます。  そのことを伝えさせていただきまして、終了いたします。ありがとうございました。