平成30年4月13日 衆議院国土交通委員会議事速報(未定稿) ◇この議事速報(未定稿)は、正規の会議録が発行されるまでの間、審議の参考に供するための未定稿版で、一般への公開用ではありません。 ◇後刻速記録を調査して処置することとされた発言、理事会で協議することとされた発言等は、原発言のまま掲載しています。 ◇今後、訂正、削除が行われる場合がありますので、審議の際の引用に当たっては正規の会議録と受け取られることのないようお願いいたします。 ○西村委員長 次に、小宮山泰子君。 ○小宮山委員 希望の党、小宮山泰子でございます。  本日は、参考人の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。時間が限られてございますので、できるだけ多くの御意見を聞かせていただきたいと思っております。  私の住んでおります町、埼玉県川越市、ここはオリンピックの会場になりますので、オリンピックシティーとなります。しかし、三年ほど前ですけれども、駅におきまして障害者が事故に遭う、また、目の見えない方がホームから転落をするという事故がございました。これを受けて、駅の方におきまして、東武東上線の駅にやっとホームドアが上下線ともことしの三月に整うことになりました。  本当に、民間も含めまして事業者も頑張っているということはありますけれども、まだまだ全ての駅にホームドアがついていないということにおいては、まだまだやるべきことがあるんだと感じております。  今回の皆様方の御意見を聞きながら、それでは、東京や大阪、大きな町、資本力あるところは進みやすいかもしれないが、本当に、障害をお持ちの方々、また高齢者など、さまざまな方々は、生まれるところ、育つところ、必ずしも選ぶわけではございません。 そういう意味においては、地方と都市、大規模なところとの違いというもの、これは大変大きな課題ではないかと思っております。  そこで、地方のバリアフリー整備を進めるにはどのような方法があるのか、具体的な御提案がございましたら、皆様からお伺いしたいと思います。 ○佐藤参考人 ありがとうございます、佐藤です。  今回の改正法案の九条で、交通事業者は、駅、車両、乗降介助、誘導その他の支援、情報提供、教育訓練について計画を作成し、定期的に報告、公表するというふうになりました。  ここで、これまでは三千人以上の駅が計画の対象でしたけれども、三千人未満の駅も含めて計画をつくることをぜひ義務化することが必要だと思います。あわせて、数値目標も定めて整備を進めていくということが有効だと思います。  あともう一つ、基本構想の策定が、これまで全国の二〇%ぐらいしか整備されてこなかった。今回、努力義務化されたわけですけれども、これを更に一歩進めて義務化すること、それも有効だと思います。  以上です。 ○森参考人 地方と都市の格差が、私も静岡県の当時清水市だったわけです。それで大学進学とともに千葉に来たわけですが、正直なところ、車椅子利用者をきちんと接するようになったのは大学に来てから。当時、清水というのは二十四万人規模の都市だったのですけれども、身の回りにはほぼ、つまり隠されていたんです。だから、地方と都市の格差の中で、やはり実際に出る環境が整わないと隠れてしまう。そういったところが問題としてあり、バリアフリー法を始めとして町のつくりが適してくると、あるいは、人の目に触れるようになると見えるというところで人々の介助もしやすくなっていく。そういうことがあると思います。  一方で、日常の移動の中であっても、今は非常に交通が不便なんです。そこのところでやはりスペシャル・トランスポート・サービス、STSという形で個別対応のものの仕組みが少しずつでき始めているかな。成熟的なところが出始めてきている。効率的に取組が始まっているので、これは直接バリアフリー法とは関係しませんけれども、そういう個別対応の部分がこれから大事になってくるのかなという気もしています。  以上です。 ○竹下参考人 ありがとうございます。  私は現実には、地方の駅、今全国に九千五百ほどの駅があるとお聞きしておりますけれども、それの全てにホームドアができることは理想であることは誰しもが疑わないわけでありますが、それが近い将来に全部設置されるというふうには、私は現実性はないと思っております。この前、JR東日本が、二〇三二年だったですか、までに首都圏の駅全部にホームドアをつけると発表しました。その費用が五千億円という発表がありました。そういうものを見ておりますと、そんなににわかにというふうには思わないわけで す。  それだけに、地方における安全、安心を確保するために、私、二つの提案をしております。  一つは窓口の設置であります。その窓口というものに常に連絡をすれば、機動的に、例えば無人駅であっても援助を受けられるとかいうそういう窓口の徹底が、一つは現実には可能なのではないかということがあります。  もう一つは、私たち視覚障害者でいいますと、ホームドアにかわる、転落防止柵にかわる安全策というものについての研究がおくれていると思っております。今できる安全策というものは本当になかったのか、ないのかということについての検討であります。  少なくても、これまでのホームの点字ブロックの設置、上野訴訟の話がありましたけれども、ああいう流れの中で日本で点字ブロックは、間違いなく日本じゅうの安定した環境になりました。それによって視覚障害者の転落が減ったことは間違いございません。  それでも残念ながら事故はなくならないわけでありますが、それだけに、ホームドアの設置までの間にできることはほかにないのか。  例えば私たちが今提案しているのは、ホームの真ん中に誘導用のブロックを設置できないのか。  端にある点字ブロックに沿って歩くというのは非常に危険なわけですから、ホームの真ん中を歩けるような、そういう現実の工夫というのができないかなどについて提案しているところでございます。  以上であります。 ○三星参考人 三星でございます。  おっしゃられるように、バリアフリーを推進するためには多面的な取組が必要になるわけであります。特に重要なのは、第一に事業者であることは、これはもう言うまでもありません。今度の法律の中でも、事業者に、計画をつくりなさい、公表しなさいということが相当に強化されておりますので、格段にこれはよくなると思います。  私が問題にしたいのは、もう一つは自治体です。  御案内のように、現在、自治体は、自分の市、町、村の住民を守らなきゃいけない立場にあることは自明でありますけれども、交通に関しては、これは公共交通については国土交通大臣が最終的な所管事項でありますので、自治体は、悪く言えばわしゃ知らぬということになっているんです。これをうそだと思いましたら、どこの自治体に飛び込んでいただいても結構ですが、転落事故の問題を始めとするバリアフリー問題は、何か自治体やってくれと言いに行こう思ったら、担当者はいないんですよ。私がかわりに聞きますけれどもって、何のことかわからないような、担当者がいない。  手短に言いますと、今後、基本構想をつくることによってバリアフリー担当者ができます。ですから、その人に言うてけば、その人からさまざまな施策がまた提案されてくる。その意味でも、ぜひとも基本構想をつくることを推進したい。  それからもう一つだけ申しておきますと、我が国の場合には、ボランティアが駅施設なんかで活用するという習慣がほとんどないんです。ぎりぎりになって、もう維持できないというエリアでやっと、もうやむにやまれず村の方々が出てボランティアで何かやる。そうなっては遅いんです。ですから、都市部においても積極的にボランティアを活用する。  これは、ヨーロッパではかなりいろんなところでむしろ進んでおります。構内に日本では素人は入れないわけでありますけれども、責任の問題が出てくるというようなさまざま理由があるわけですが、ボランティア活用、これを進めたいと思っております。 ○小宮山委員 ありがとうございます。  サポートの体制というのは大変重要だと思いますし、三星参考人の最初にお話しされました、志ある自治体任せというのではやはりおぼつかないこともありますし、この法案の思いというもの、そして多くの当事者の方々の思いというもの、サポートする方々の思いというのは形にならないんだというのを今改めて実感をしております。  さて、そうなってまいりますと、障害者等の参画のもと施策内容の評価を行う会議、評価会議というものが大変重要になってくるんだと思います。  この点に関しては、どういった方を構成員に入れるのか、また、会議の持ち方など、また、配慮することや具体的な提案がありましたら、ぜひお聞かせいただきたいと思います。  また、地方自治体によっては、その会議を持つときに、手話通訳であったり、さまざまなサポートのあり方も必要かとも思います。この点に関しまして御意見がありましたら、お聞かせいただければと思います。  参考人皆様にお聞きしたいと思います。 ○佐藤参考人 ありがとうございます、佐藤です。  私は、この評価会議は本当にすばらしいものを取り入れていただいたと思っております。  ここで大切なのは、障害者の声をちゃんと反映させていくことです。ですので、まず、構成員の過半数以上はぜひ障害者にしていただきたいと思います。  その上で、障害者といっても多様です。身体障害もいれば、知的、精神、発達、難病など、本当にさまざまな人がいますので、そういう多様な構成員にぜひしていただきたいと思います。車椅子でも、私は今電動車椅子ですけれども、手動車椅子とか、あるいはストレッチャー型といって長い車椅子の人もいますので、かなりニーズも変わってきますので、そういう多様な構成員にぜひしていただきたいと思います。  あとは、やはり実効力のあるものにしていただ きたいと思います。例えば課題によってはワーキングチームとか部会をつくって、具体的な評価や改善策ができるようにしていただきたいと思います。  一つお話ししたいのは、今、新国立競技場が、アクセシビリティーワーキングというので、多様な障害者をメンバーにして定期的に話合いをやって、これは非常にいい取組だと思います。  こういうふうに、先進的な取組を評価会議の中で聞いたり見たりして、それを最終的にはやはりガイドラインにフィードバックをしていけるような、そういう仕組みが必要だと思います。  以上です。 ○森参考人 どちらかというと本業の話なんですけれども、東京都の港区で昨年度私どもの会社で実施したもので、基本構想のエリアが港区は四つあるわけですが、それぞれにおいてほぼ半日かけて、事業者、それから地域の住人、障害を持つ人、高齢者の代表で基本構想の移動円滑化経路の点検をして、それで情報交換をするということをやりました。まだ必ずしも十分とは言えないかもしれませんが、そういう形での取組はある。  それから、住民に対してのアンケート調査というのもやっているところです。  なので、各自治体でそういう評価会議のようなことが、頻度だったりエリアだったりは異なるけれども、一つ始まっていけば、それをベースにしてまたいろいろなところがそれを参考に取り組めるという形なのかなと思います。まずはつくっていくことが必要だと思っています。  以上です。 ○竹下参考人 ありがとうございます。  結論から申しまして、三星先生もおっしゃったように、ぜひ一つのテーブルで、事業者と、そして我々障害者の当事者と、そして行政の関係者の方々が意見交換できる場が欲しいと思います。  現実の経験として、一昨年でしたか、東京の地下鉄で、残念ながら、盲導犬を連れた視覚障害者が線路に落ちて亡くなってしまいました。その事故をきっかけにして、国交省で駅舎施設の安全利用のための検討会を設置していただいて、さまざまな取組をしていただきました。ホームドアの設置の促進もそうですけれども、職員による声かけ、そして大事なのは、お客さん同士による声かけの援助、このことの報告書をつくっていただいたおかげで、物すごく、駅に行くと我々の仲間が、声をかける人がふえたということを実感しておるわけです。  さらに、その検討会に私たちの仲間もたくさん加えていただくようになりました。そのおかげで、そういう、私たちが今実感できている改善点を事業者の方に伝えることもできますし、今、更に悩んでいることも伝えることができる場を与えていただいたこと、そして、今、ホームドアがその場で八つもパターンの違うものが研究されていることも教えられて、非常に我々自身の更に声として出すべき重要な場面がふえたなということを実感できた経験があります。  ぜひそういう意味でも、この評価委員会には、当事者の声が反映できるような当事者参加のシステムをお願いしたいと思っております。 ○三星参考人 三星でございます。  ちょっと私、さっき盛山先生の御質問で取り違えたところがあったかと思っていますが、小宮山先生の御質問とあわせて最初にちょっと補足しておきます。  多分、盛山先生、関西は進んでいると言うけれども、全然ホームドアあかんじゃないかというお叱りだと思ったので、それについてちょっと一言、先生の御発言と絡みますけれども。  とかく一般論ですが、やはり東京は人口増加の 中で事業者の体力が全然違うんです。これはもう諸統計見ても明らかですし、それから、関係者の意気込みなんかでも実感がありますです。ですから、東京が日本ではなくて、東京はむしろ日本の中では特殊で、大阪もやはり東京には近いんですけれども、ちょうど大阪がその中間ぐらいのところで、全国は本当に事業者が体力がなくなって、北海道のようにもうバンザイしかけているような事業者のところでどうやってバリアフリーにするのかという非常に困難な問題があります。  何が言いたいかと申しますと、これは絶対、やはりそれに対する資金的援助は必要であります。  これはかなり国が考えなきゃいかぬでしょうね。  そうでないと、そんな体力はありませんから。これをちょっと補足しておきます。金額等については、そのときの諸事情がありますからまあいろいろですけれども。  それから先生の御質問ですけれども、構成員をパターン化せずに多様な方をお招きするということは大事なんです。ですから、私の経験で言いますと、ちょうどお金のことを話しましたので、大阪柏原市の場合は、最後、うちの財務がうんと言わないんだと三遍聞いたので、協議会に、部長を出してもらいましょう、財務の部長、財政の部長を指名して出てもらって、現地点検を一緒にやったんです。一日かけて財政関係の方が参加したら、がらっと変わりました。  いや、だからそうそう都合よくはいくわけじゃないですが、事ほどさように、お金のありなしというのは多分にその重要性との関係で決まりますから。そういう点でも多様な人。  がらっと一般論ですが、今わかっていないのは知的精神発達の方々、今もお話しありましたように、この方は必ずお招きする。  それから、どこの自治体でもちょっと足らぬなと私文句つけますのが、視覚障害、聴覚障害の方がやはり少し足らない。特に視覚障害の方、多様ですから、多様な視覚障害に対応した人、一人ずつ出してもかなりな数にはなるんです。それでは先生、委員会がでか過ぎますと言うなら、ならば分科会をつくればよい。小委員会をつくればよい。  こういう格好で、一つの継続改善協議会のもとにさまざまな、恐らく、私に言わすと十、二十の分科会があってもいいんじゃないかと思います。  ちょっとそれだけを申し上げておきます。 ○小宮山委員 確かにいろいろな障害があります。  内疾患もあれば、高齢者、妊婦の方々もございますし、さまざまな方が障害を町の中でつくってしまっているというのが現実だと思っております。  そういう意味においては、この法案の障害者の定義というのも、確かに、障害者権利条約や障害者基本法などに合わせて、心身の機能の障害がある者にとってという方が適しているのかなという気も私もいたします。  また、最後になりますけれども、これから多くの方、社会の中でのバリアをなくすことも重要だと思っております。  ホテルもそうなんですけれども、小規模店舗のバリアフリー化、大変重要だと思います。二千平米といいますと、スカイツリーの一番下の部分、六百坪でありますから、家でいえば約二十軒分ぐらいあるんじゃないか、大きな邸宅の方は違うと思いますけれども、そういう意味においては、なかなか現実的には普及したとは言えないんだと思っております。  時間の関係で、特に先ほど少し触れられておりましたので、佐藤参考人からこの点、お聞かせいただければと思います。 ○西村委員長 参考人に申し上げます。  小宮山委員の質疑の時間が過ぎておりますので、簡潔に御答弁をお願いします。 ○佐藤参考人 ありがとうございます。  私は本当に床面積をもう少し引き下げて、一体どのぐらいを目指していくかという、床面積に基づいた捕捉率、捕捉率に基づいた計画をつくっていただきたいと思います。  以上です。 ○小宮山委員 参考人の皆様、本当にありがとうございました。皆様の御意見があり、外国から来たハンドル形の自動椅子なども含めて、今緩和されてまた使えるようになる。やはり当事者の声があってこそこの課題というのは解決し、そして多くの方がその権利を享受でき、そして、多くの方が自由に移動ができる環境がつくれると思います。  これからも皆様の御意見、しっかりと参考にしてまいります。  本日はありがとうございました。