平成29年12月6日 衆議院国土交通委員会速記録(議事速報) ◇この議事速報は、正規の会議録が発行されるまでの間、審議の参考に供するための未定稿版で、一般への公開用ではありません。 ◇後刻速記録を調査して処置することとされた発言、理事会で協議することとされた発言等は、原発言のまま掲載しています。 ◇今後、訂正、削除が行われる場合がありますので、審議の際の引用に当たっては正規の会議録と受け取られることのないようお願いい たします。 ○西村委員長 次に、小宮山泰子君。 ○小宮山委員 希望の党の小宮山泰子でございます。  前回、通常国会の終わり六月から半年をかけて、やっとの委員会でもございます。改めてよろしくお願いいたします。  さて、冒頭ではございますけれども、本日、先ほどから、いわゆる森友問題についての質疑がございました。これは、常会のときにもございましたけれども、いまだに続いている。  結局のところ、仄聞であることが多くあります。  私からも、早期解決のためにも、伝聞ではなく、何らかの形で直接、大阪航空局の職員には、やはり委員会としても話を聞くべきではないかという思いを強くしております。  この点に関しまして、改めて理事会で再度検討をいただきますよう、委員長に要望いたします。 ○西村委員長 理事会で協議いたします。 ○小宮山委員 ありがとうございます。  まず最初ですけれども、北朝鮮国籍と思われる漁船、不審船が日本に漂着する事例が相次いでまいりました。日本漁船の避難小屋において日本製家電が盗難に遭ったなど、さまざま報道がされております。  きょうも何人かこの課題については質疑をされておりますので、答弁は恐らく、現状についての質問でございましたので、同じと思われますので、ぜひ、私の方からは、今後とも、やはり離島、無人島などの警備を含めて、また衆議院においては既に海賊対処の特別委員会は存在しておりませんけれども、この問題もまだ実は解決をされているものでもございません。海上の安全確保に従事していただくことを海上保安庁には強く期待をしているところでもあります。改めて、海上保安庁の機能強化も含めて、今後の課題だと認識をしております。 この点に関しまして、ぜひ御努力いただきますことを要望させていただき、この問題は終了させていただきます。  さて、今回、大臣の所信的発言の中では、冒頭、本年九州北部豪雨並びに、ちょうど総選挙投開票日とも重なりました台風二十一号による全国各地での被害について触れられた上で、被災地の早期復旧、災害に強い地域づくりに全力で取り組んでいくことを述べられました。大変力強いと思いますし、また冒頭に持ってこられたというその意義の重さというのを痛感したところでもございます。  二十一号台風は、季節外れとも言えるほどの遅い時期でもありながら、甚大な被害を広範囲に及ぼしました。埼玉県内では、私の地元川越市並びにふじみ野市での被害は特に大きくて、両市の市境となる川越市寺尾地区、ふじみ野市の元福岡地区などにおいて、多数の建物の浸水被害が生じたものであります。  一九九五年の阪神・淡路大震災を契機に制定された被災者生活再建支援法は、地震災害を初めとした自然災害での全壊、半壊など居住継続が困難な家屋が多数に上る場合を前提としており、その後も、中越地震や東日本大震災など大規模地震での経験などから、支援金の支給額や支給条件の見直しの議論や改定がなされてまいりました。  これに対して、今回の二十一号台風の例のように、全壊、半壊といった物理的に家屋が壊れてしまうことではなく、家財の多くが使用不能となるような豪雨による大規模浸水被害に対して、どのように対応していくのかという議論は深まっていないのが現実だと思います。  近年の水害被害に対しても何らかの支援を行うべきではないか、これは災害対策特別委員会などではよく出る意見ではございますけれども、大臣からの所信として、九州北部豪雨並びに二十一号台風にも触れられつつ、「これまで各地を襲った自然災害からの復旧復興に引き続き全力で取り組みます。」と述べていただいておりますけれども、浸水被害への支援、特に二十一号台風被害への取り組みで何か踏み込んだ取り組みなどを行っていくのか、ぜひお聞かせいただきたいと思います。  これは、災害救助法の適用条件の弾力的な運用にも、恐らく自治体がしっかりと理解をすればできることも多々あったかと思いますが、この点の情報提供もまだ少ないのかと思います。ぜひ大臣の御所見をお聞かせいただければと思っております。 ○山田政府参考人 お答えいたします。  委員御指摘のとおり、台風二十一号におきましては、全国的に多大なる被害を生じた、そういう水害でございました。  特に、ことしの台風二十一号では、先生の御指摘の新河岸川に合流いたします江川都市下水路周辺で内水を排除できなくなるなどして、川越市、ふじみ野市両市合わせて床上浸水四百三十一件、床下浸水二百五十件という大きな被害がございました。  今回の浸水につきまして、現在、埼玉県さんと、それから川越市さん、ふじみ野市両市におきまして原因の究明を行っているところでございます。  これを踏まえて、河川整備や下水道整備等のハードに加えてソフト対策を適切に組み合わせ、迅速かつ効率的に対策が講じられるよう計画の策定が必要だというふうに考えてございます。  国土交通省といたしましては、この原因の究明ですとかあるいは計画の策定に際しまして、県や市に対する技術的な助言を行うとともに、必要に応じまして防災・安全交付金等で支援してまいりたいと考えておるところでございます。 ○小宮山委員 丁寧な答弁、局長、ありがとうございました。  あわせて、都市化の進展に際して、近年、都市部における水害対策を検討しなければならない事例、また地域の想定をすべきと考えますけれども、国交省として都市部における水害が起こりにくくするための施策、検討などを行っているのか、この現状について、局長、よろしくお願いします。 ○山田政府参考人 お答えさせていただきます。  流域の急激な市街化によりまして浸水被害が増大している流域におきましては、従来行ってきました治水施設の整備だけではなくて、流域における保水、遊水機能を高めるとともに、洪水被害の軽減に寄与いたします雨水貯留浸透施設の設置等の流域における対策も重要でございます。さらに、被害軽減対策、これも重要でございますので、これらを一体として行う総合治水対策を新河岸川を含めます全国十八流域で進めているところでございます。  具体的には、まず、治水施設の整備といたしましては、河川や下水道の整備を連携しながら計画的に進めているところでございます。  また、流域における対策といたしましては、雨水の流出を抑制するための学校ですとかあるいは公園等への貯留浸透施設の設置に加えまして、土地利用規制、あるいは盛り土の抑制、耐水性の建築の推奨など、対策を自治体と連携しながら実施をしているところでございます。  さらに、速やかな避難を促すための情報提供やハザードマップの公表に対する支援などのソフト対策も進めているところでございます。  これらの施策を組み合わせながら、浸水被害の防止、軽減を図り、都市の治水安全度が向上するよう取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。 ○小宮山委員 ありがとうございます。  時間が限られておりますので、次に行かせていただきます。  大臣の発言の中で、住宅ストックの有効活用に関して発言がございました。  本年六月九日の閣議決定、経済財政運営と改革の基本方針二〇一七においても、官民連携による空き家、空き地の流通、利活用等を促進するため、地方公共団体や不動産関係団体等の取り組みを後押しする旨ございました。また、インデックス等の充実、地籍整備や登記所備えつけ地図の整備等により不動産情報基盤の充実を図る、あわせて、法定相続情報証明制度の利用範囲の拡大など、さらなる取り組みを進める旨が書いてございました。  最近は、高齢化や人口減少を背景に、管理費や固定資産税を考慮すると価値がマイナスになる不動産は、負債になるの負を使って負動産と言われることもあるようであります。  空き地、特に所有者不明の土地の利活用、流通促進に対してどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。 ○石井国務大臣 所有者不明土地問題に関しましては、国土審議会の土地政策分科会特別部会におきまして、所有者不明土地の利用の円滑化に向けまして、公共事業のために収用する場合の手続の合理化、公園や広場など地域住民のための公共的事業に一定期間利用することを可能とする新たな仕組みの構築、所有者の探索を合理化する仕組みの構築等について議論を行ってきたところでございます。  昨日の第三回特別部会において中間取りまとめ案について御審議をいただいたところでありまして、年内に中間取りまとめを行っていただく予定としております。  国土交通省としては、これを踏まえまして、次の通常国会への法案提出に向けて取り組んでまいりたいと存じます。 ○小宮山委員 所有者不明問題や筆界確定には、専門家である土地家屋調査士制度を活用することは、所有者不明土地の解決、早期活用にもつながることもあると考えております。土地家屋調査士制度は法務省所管でもあり、所管官庁が異なっていることを承知の上で述べますけれども、ぜひうまく、うまくという表現がいいのか、ぜひ綿密な連携をしていただき、この問題に当たっていただければと思いますので、この点は要望させていただきます。  さて、地下水保全に関して次に質問させていただきたいと思います。  平成二十六年に施行されました水循環基本法は、地下水を含む水が国民共有の貴重な財産であるということを、公共性の高いものであると、第三条の二で初めて法的に位置づけられた画期的な法律でもあります。  各地で、水源地域保全条例の普及や地下水の計画的揚水、農林地の転用、水源涵養機能の低下による地下水の変化、外国資本による水源を含む土地の買収など、全国で健全な水循環の構築、管理に対してもこの課題は注目されているところであります。  国交省においては、近年、国内外から多様な投資を呼び込み、土地利用や不動産市場の活性化を重視しているようでありますが、水源地などの保全に配慮し、内外差別のない土地所有、利用のルールを法的に確立していく必要もあると考えております。  成立水循環基本法に続いて、地下水の利用規制区域の指定や地下水保全法などの成立が待ち望まれているところでありますが、この点に関しまして国交省の見解をお聞かせください。 ○石井国務大臣 水循環基本法に基づきまして、平成二十七年に閣議決定をされました水循環基本計画において、政府が総合的かつ計画的に講ずべき施策といたしまして、持続可能な地下水の保全と利用を推進することが位置づけられております。  特に地下水は、その賦存する地下構造や利用形態が地域ごとに大きく異なるという特徴がございます。  これまでも、地下水の保全と利用につきましては、地域の実情に応じまして、地方公共団体が主体的に条例等による取り組みを行っております。  現時点で、少なくとも既に四十の都道府県、五百四の市区町村で地下水の保全に関する条例が制定をされておりまして、それぞれの地域の固有のルールのもとで適正な地下水の利用がなされているものと承知をしております。  水循環基本計画におきましても、地域の関係者が主体となり、地下水マネジメントに取り組み、国はそれを支援することとされていることから、政府としては、先進的な取り組みを進めている地方公共団体との共同でのモデル調査や、地下水マネジメントを促進するためのマニュアル作成を行っているところでございます。  委員お尋ねの地下水利用規制区域の指定や地下水の法制化については、現在、超党派で組織されます水制度改革議員連盟のもとに設けられた水循環基本法フォローアップ委員会において検討が進められていると承知をしております。必要に応じて情報提供等を行う等、適切に対処してまいりたいと存じます。 ○小宮山委員 ありがとうございます。  先般の大臣の発言の中で、質の高いインフラシステムの海外展開について、各国ごとの重点プロジェクトへのトップセールスも含めた戦略的な働きかけ、人材育成や制度構築支援、株式会社海外交通・都市開発事業支援機構等を通じた支援などを強力に推進しますと述べられております。  質の高いインフラシステムの代表例として、下水道を初めとした生活排水適正処理設備があります。下水道は国土交通省、浄化槽は環境省、農業集落排水は農水省、さらには上水道は厚生労働省と、上下水道にかかわる所管官庁は分かれておりますが、水循環基本法が成立いたしまして、石井大臣はその担当大臣でもいらっしゃいます。人間の生活に欠かせない水にかかわるインフラシステムの輸出については、ぜひ、より一層、リーダーシップを発揮していただきたい、積極的に取り組んでいただきたいと思います。  原発輸出とか武器輸出三原則緩和などによる取り組みよりも、下水道のようなインフラのシステムの輸出、これは合併浄化槽もそうですが、また下水処理場など、このようなインフラの輸出の方が、地域の経済発展や、また国際貢献を進めていくには、より適切であり、望ましい政策だと思います。  生活排水処理に関するインフラ輸出に対しての取り組みについて、国交省の取り組みについてお聞かせください。 ○石井国務大臣 下水道や浄化槽などの生活排水インフラの輸出につきましては、世界の水ビジネス市場が今後も拡大することが見込まれる中で、我が国のインフラ輸出における重要な取り組みの一つであると認識をしております。  下水道分野では、ベトナムやカンボジア政府等との技術協力に関する覚書の締結、政府間会議の開催などに加えまして、今年度から、海外における我が国の技術の実証試験の支援に取り組んでおりまして、第一号案件といたしまして、ベトナム・ホーチミン市における管路更生技術を採択したところでございます。  さらに、来週、ミャンマーで開催をされますアジア・太平洋水サミットにおきましては、環境省と連携をいたしまして、アジア地域における汚水処理を一層促進するための議論を日本が主導して行う予定であります。  今後とも、関係機関と連携をしながら、積極的に我が国の生活排水インフラの輸出を推進してまいりたいと存じます。 ○小宮山委員 この生活排水の問題というのは、人間が生きていれば、水を汚すこともございます。  そして、それが循環をしていくということを考えますと、三省で今も会議が持たれているかと思いますが、国内においては、この生活排水に関しては、総務省も含めて、地域での負担のあり方、また担い方というものもぜひ今後は検討していただければと思います。  さて、最後になりますけれども、UR都市機構の賃貸住宅における居住の安定化について、お伺いいたします。  UR都市機構の賃貸住宅については、その経緯などを考慮の上で、国の公共住宅政策を担っているという位置づけでも認められるものだと思います。  石井大臣を初めとして歴代の国土交通大臣からも、質疑、答弁の中などでは、住宅確保要配慮者、低所得者、被災者、高齢者、障害者、子供を養育する者、そのほか住宅の確保に特に配慮を要する者など、UR都市機構賃貸住宅の居住者の居住の安定化は重要であるとの認識を示していただいておりました。  この点に関しまして、現在、さまざまございますけれども、住民の意見というものをきちんと聞いていただくというのは、その法案の中でも、附帯決議にも入っておりますが、それとは少し今、運営が違うところも聞こえてまいります。  UR都市機構での機能的できれいな新しい都市部の居住などの提供や、取り組みや、郊外での団地の建てかえにおいて高齢者の家賃を半額に抑えるなどして多くの方から歓迎されている取り組みなど、とてもよい内容の取り組みも行っているとは聞いておりますけれども、一方で、既存の賃貸住宅の一部で見受けられる、値上げによる追い出しをしてしまえとも言わんばかりの実態があることについて、所管官庁たる国土交通省として、やはりしっかりとチェックをしていただきたい、必要な指導を行っていただくことを強く要請いたしたいと思います。  この点に関しまして、住民の意見をきちんとこれからもしっかり取り入れること、重視すること、この点に関しまして、UR都市機構への大臣の思いをお聞かせいただければと思います。 ○石井国務大臣 UR賃貸住宅の家賃につきましては、平成十一年に、近傍同種の民間賃貸住宅の家賃並みの水準とすることと法定されまして、住宅によっては従前の家賃との乖離が生じました。  URが、この乖離を解消するために、家賃を引き上げる際は、居住安定確保のため、激変緩和措置として、原則、一度ではなく段階的に引き上げを行っているところもあると承知をしております。  また、家賃を決定する際は、立地や住戸面積に加え、築年数、構造、設備等の状況についても考慮していると聞いてございます。  URが居住者の居住の安定確保に配慮しつつ、UR賃貸住宅の的確な修繕を行うことなどにより、適切な管理を行っていく上で、居住者の意見等をお聞きをし、実情を把握することは重要と認識をしております。  URにおいては、家賃改定ルールに関し意見を聞くため、居住者の代表を含む有識者から成る経営基本問題懇談会家賃部会が設置されていると承知をしておりますが、この家賃部会の場やその他の場も含めて、今後とも、居住者の意見等を聞きながら、UR賃貸住宅の適切な管理に努めてもらいたいと考えております。 ○小宮山委員 居住者の意見をしっかり聞いていただく、その後押しをしていただくという大臣の力強い答弁だと認識はいたしますが、ぜひ現場も見ていただきたいと思います。なかなか、URさんが歴代大臣をお連れするところはきれいなところばかりでございまして、少々、そのあたりに関してまた国交省の方も現場の方をちゃんと見ていただきたい。  家賃相場といいましても、比較するものが余りにも乖離があるという事例も聞こえてまいります。  その点を強く要請をいたしまして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。