平成28年2月25日 衆議院予算委員会第七分科会速記録(議事速報) ◇この議事速報は、正規の会議録が発行されるまでの間、審議の参考に供するための未定稿版で、一般への公開用ではありません。 ◇後刻速記録を調査して処置することとされた発言、理事会で協議することとされた発言等は、原発言のまま掲載しています。 ◇今後、訂正、削除が行われる場合がありますので、審議の際の引用に当たっては正規の会議録と受け取られることのないようお願いい たします。 ○佐藤(ゆ)主査代理 次に、小宮山泰子君。 ○小宮山分科員 民主党の小宮山泰子でございます。  本日は、衆議院予算委員会第七分科会ということで、経済産業省所管のことについて質問をさせていただきますので、大臣初め皆様、どうぞよろしくお願いいたします。  さて、まず最初に、私自身、障害者政策に大変力を入れさせていただいております。障害者差別解消法が四月から施行されます。その間におきまして、経済産業省としての取り扱いについて、また、今後の計画、今までの準備、そういったことについて、まずは御説明をお願いいたします。 〔佐藤(ゆ)主査代理退席、主査着席〕 ○柳瀬政府参考人 小宮山先生御尽力されました障害者差別解消法も、いよいよことしの四月に施行されます。それを控えまして、経済産業省におきましては、昨年十一月に、所管事業分野向けの対応指針を策定いたしまして、百貨店協会など三百三十の団体に周知徹底を図ったところでございます。  この実効性を担保するということで、具体的には、小売の事業者の方が宅配を御自宅に届けたときに、障害者の方に御要望があれば、家の中のここに持ってきてくださいといえば届けるとか、レジも、聞こえない方もいらっしゃいますので、金額がわかるようなレジスターを置くとか、あるいは、ガソリンスタンドで今セルフサービスが多うございますけれども、障害者の方から御要望があれば御協力をするというようなこと。それから、経済産業省本体につきましては、多機能トイレ、あるいは床に点字のブロックで誘導をするとか、あるいは、受付でも筆談用のものを置きまして、筆談で受付ができるような対応をしてございます。  こうした取り組みは、当省のホームページなどでも説明資料を掲載して、普及啓蒙に努めているところでございます。 ○小宮山分科員 ありがとうございます。着実に、ガイドラインや、また省内においての準備が進んでいるということでもございます。  しかし、残念ながら、今現在、日本の社会において、障害者に対し、また、さまざまな障害がございますので、それに対して必ずしも理解が進んでいるとは言い切れないものがあると思います。  ぜひこれからもこの問題について、二〇二〇年にはパラリンピック、世界じゅうから多くの障害をお持ちの方、そしてそれをサポートされる方、また、今までもう既に条約を批准した国々、そういう進んだ方々が日本においでになります。そういう意味においては、一層の評価、またチェック、そういったものをしていただきたいと思います。  この点に関しまして、大臣の御決意を一言伺わせていただければと思います。 ○林国務大臣 障害者差別解消法は、「全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会」というふうに法律の目的にも記載されているわけでありまして、これを実現していく上で大変大きな意義を有しているというふうに考えておりまして、この分野における小宮山委員の取り組みに敬意を表したいと思います。  経済産業省では、今政府参考人から述べたとおりでございまして、これらの周知徹底を図っているところでございます。  障害者差別解消法が施行される四月以降、その運用が円滑になされるよう、引き続き本法の周知徹底を図ってまいりますし、内閣府など関係府省庁とも連携して、政府一体となって障害を理由とする差別の解消に取り組んでまいりたいと存じます。  この取り組みが、障害や難病のある方々も、みんなが包摂され活躍できる社会、すなわち、一人一人が個性と多様性を尊重され、家庭で、地域で、職場で、それぞれの希望がかない、それぞれが生きがいを感じることができる、いわゆる一億総活躍社会の実現につながるよう、一層の普及啓発に努めてまいりたいと存じます。 ○小宮山分科員 ありがとうございます。  これから、例えば車椅子の方が複数人お店に入る。今ですと、バリアフリーというと、一人、二人が入れるまでぐらいしか考えていない。しかし、五人、六人、十人と団体さんで入られるというと、なかなか入れるお店がないということもあります。  逆に言えば、これはビジネスチャンスを逃しているとも言えると思います。ですので、ぜひ、こういう障害をお持ちの方々に対しても、さまざまな観点から、産業分野、特にインバウンドもふえております、関係の業界団体等も含めて、経産省としても力を入れていただきますことを要望させていただきます。  さて、引き続きまして、無電柱化の推進について質問をさせていただきたいと思います。  私の地元川越市では、無電柱化への取り組みによって、先例、成功例としてよく引き合いに出していただいております。一番街や大正浪漫通り、さまざまなところで、バリアフリーであったり、また、観光客の方も、今、青空のときは本当に町並みとともに楽しまれて、多くの方が来られています。  一月に私は成田市にお参りに行きまして、多分大臣のお膝元かと思います。ここも大分長いことかけまして町並みが相当きれいになってまいりました。そういえば、たしか電線も随分なくなったような気がいたします。すっきりとしたし、また、成田からも近いということで、多くの方が成田山新勝寺の方にお参りに来たり観光されたりということで、こちらの方は無電柱化ということによって大きな成果をやはりもたらしているということを実感させていただきました。  全国の市町村の首長さん有志による無電柱化を推進する市区町村長の会、奈良県葛城市の山下市長さんが昨年十月二十日に市区町村長会を設立されました。現在までに全国二百五十三自治体の首長さんが参加されております。埼玉県内からも、川越市、所沢市、本庄市、春日部市、朝霞市、和光市、桶川市の七市長さんが加入されております。  また、二月十六日には民主党無電柱化の在り方を考える議員連盟も発足させていただき、前田武志会長のもと、私も事務局長としてこの無電柱化の推進に積極的に取り組んでまいります。  さて、無電柱化が実施されますと、これまでの電柱が減少することになる。そして、工事のあり方、設置の基準なども変化していくことが推測されます。かかる費用は、国、地方、事業者で応分負担するなどしてきました。  無電柱化への取り組みは、基本的には国土交通省道路局が中心となるものではありますけれども、電力事業所管の経済産業省、また通信所管の総務省、交通信号や標識所管の警察庁など複数の省庁がかかわっているものでもあります。  そこで、無電柱化は、防災面やバリアフリー、また景観向上など多面的な効果がありますし、副次的には観光活性化や商業地などの利用価値向上などにより経済効果も期待されるところであります。これに対し、経済産業省としてはどのような認識を持ち、どのように推進をされているのか、省としての方向性、認識をお聞かせください。 ○林国務大臣 無電柱化は、委員御地元の小江戸と言われる川越市でも、NPOが中心で進められているというふうに聞いております。  無電柱化に関しましては、電力の安定供給というエネルギー政策上の観点からも推進する意義があるものというふうに考えております。  これにより、送電線を地中化することで、架空での送電線に比べて、自然災害が発生した場合の被害も小さく、外部からの接触などによる事故も発生しにくいという特徴があるというふうに思っていますけれども、その分費用がかかるというふうに認識をしているところでございます。  無電柱化は、エネルギー政策上の観点のほか、防災、道路の安全性あるいは快適性の向上、良好な景観といった多面的な効果があるわけでありまして、低コスト化を進めつつ、関係省庁で連携して取り組んでいければというふうに思っています。 ○小宮山分科員 ありがとうございます。ぜひ連携をしていただきたいと思います。  それでは、無電柱化推進には送電網を持つ九つの電力会社の協力が重要な鍵となるかと思います。  この電力システム改革、電力自由化の進展により、電力事業者、エネルギー供給事業者間の競争が促されていくことと推測もしております。  今後、敷設に対して、コスト削減につながる規制緩和や技術開発の推進、また、地方自治体に対する負担軽減策の検討も重要な課題かと存じております。  電気事業、エネルギー産業を所管する経済産業省として、無電柱化推進への取り組みについて現在どのような状況か、お伺いいたします。 ○多田政府参考人 お答え申し上げます。  今、林大臣の方からもお話ありましたように、私ども、この無電柱化の推進、コストが課題である、ただ、これには前向きに取り組むという形で、これまでも規制緩和あるいは技術開発に積極的に取り組んでいるところでございます。  例えばということでお話を申し上げますと、国土交通省さんのやっている技術検討委員会、こちらにも参加させていただきまして、コストを下げるためにどんな規制緩和が可能かといったことで議論をさせていただきました。  一つの成果といたしまして、電力線とそれから通信線、これが三十センチ離れていなきゃいけない、こういう決まりが、電気事業法それから通信の方と二つ規制がありまして、これを検討の結果、措置を講ずれば接しても大丈夫だろう、こういった結論を得まして、これを早速パブリックコメントにかけて、実際の省令改正につなげる、こういった動きもやらせていただいております。  また、技術開発といったことも極めて大事でございますので、低コスト化の技術のための実証というものを二十六年度から取り組んでいるところでございます。  いずれにいたしましても、この問題につきまして、我が省といたしましても積極的に取り組み、電力会社の協力も得ていきたいと思います。  一点だけ申し上げますと、今後自由化が進みますが、送配電部門を持っているいわゆるネットワークの部門、ここは、競争といいますか地域独占が残り、やっていくということでございますので、こうした事業者に対してしっかりと指導していきたいと思っております。 ○小宮山分科員 ありがとうございます。  そうはいいましても、欧米、アジアの主要都市と比較いたしましても、日本の無電柱化の率というのはまだ一%と著しく低い割合となっております。これはやはり推進するべきだと思います。また、その際には電線共同溝の整備に関する特別措置法に基づく措置など、さまざまな関係省庁との連絡も重要かと思います。  ある意味、海外では一番ポピュラーな、普及しているやり方は直埋設かと思います。これも大変コスト削減という意味においては期待されているところでもございます。これに関しましては、安全性が確認されれば直埋設も大丈夫なのか、そういった方向でぜひ進んでいただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。 ○多田政府参考人 お答え申し上げます。  直埋設、いわゆる直接の埋設でございます。こちらにつきましては、私どもの技術基準の解釈上は、圧力に耐え得るならば、圧力に耐え得るような形で敷設をする、こういったことを求めているものでございまして、法律上絶対に禁止されているという状況ではございません。  ただ、やはり安全性を確保するということは極めて大事だと思っていまして、今後、技術調査という形でしっかり確認をしていきたいと思います。  これは、地方自治体の御協力も得て計画的に進めていくということが事業者にとっての負担の軽減にもなりますものですから、そうした形で取り組んでいきたいと思っております。 ○小宮山分科員 ぜひ計画的に、また首都直下型、そして南海トラフ、さまざまなところ、また今本当に観光客が海外から多く来られている、できるだけ速やかに、できるだけコストが抑えられるような形で、無電柱化、電線の地中化も含めまして、実現できるように努力をいただきたいと思います。  さて、本日、私、着物を着てきた理由は、国内の伝統産業振興につきまして、昨年に引き続き、同じ課題で質問させていただきたいと思います。  実は、そのとき、前の大臣のときにも、国会でもぜひお着物を着ていただきたいとお願いしましたら、にこやかに大きくうなずいていただきました。  林大臣も、開会日にはお着物を着られて、大変お似合いでございますので、ぜひ、繊維産業発展のためにも、そんなこともしていただければなと最初にお願いをさせていただきます。いかがですか。(林国務大臣「着物、着たことないです」と呼ぶ)そうでしたっけ。では、まだであるならば、省内でも若手が頑張っているようですので、ぜひ大臣、率先してリードしていただければと思います。  さて、昨年一月設置の和装振興研究会での検討内容など、和装の振興について、現在の取り組みの進捗状況と今後の市場規模も含めた経産省としての目標また見解など、現状どうなっているのか、ぜひお聞かせいただければと思います。 ○糟谷政府参考人 着物の市場は、ここ三十年の間に約六分の一になってしまったわけであります。  ただ、他方で、最近若い方々の中で、着物を特別な日だけではなくて日常的に着ようという方々があらわれております。  こうした動きを後押しし、和装の産業の振興、市場の拡大を図るという観点から、去年の一月から経済産業省で和装振興研究会を開催してまいりました。去年の六月に四つの提言を柱とする報告書をまとめて、具体的な取り組みを進めております。  第一の提言は、新たなビジネスモデルの構築であります。  これに向けまして、業界の情報交換、共有の場としての和装振興協議会を去年の十一月に設置いたしました。業界横断的な交流ですとか懇談が活発化したり、新たな市場開発に向けて意欲的に取り組む若手経営者の方がふえているというふうに聞いております。  提言の二つ目の柱は、着物を着るシーン、場面の増加であります。  これにつきましては、去年の九月に、代官山でカジュアル着物の二つのブランドを含む試着体験イベントを経済産業省が支援をして行いました。  また、着物業界の会合、実は必ずしも全員の方が着物で来られたわけじゃありません。ただ、そういう会合であっても、最近、着物での参加がほとんどであるという会がふえております。こういう会に参加をする経済産業省の職員も着物を着て参加をいたしております。  また、経済産業省は直接かかわっていないところでも、お酒の蔵元などのメーカー主催のイベントに、ぜひ着物で御来場くださいというような内容が書かれるようになったといったような話が聞こえてきております。  提言の三番目の柱は、着物を活用した地域振興であります。  委員御地元の川越市は、毎月十八日を川越きものの日として、市の博物館などへの着物での来場者の入場料を割り引くといったことをやられておりまして、観光客の誘致を兼ねた地域振興の取り組みを進めておられます。同様の取り組みが桐生市などでもあります。  昨年十二月には、新たに富山県の高岡市で高岡着物フェスタというのが初めて開催をされまして、着物を活用した地域振興の動きが着実に広がっているなということを実感しております。  提言の四番目の柱でありますが、国内外への発信であります。  この観点から、和装振興に関する政策やニュース、イベント情報などを掲載したメールマガジンの配信を始めました。また、海外への着物文化の発信支援に取り組んでおります。  具体的には、去年の夏以降、ロサンゼルスでのイベントを経済産業省の事業で支援いたしましたり、ミラノ万博のジャパン・デーで着物のパレードを実現するということで現地との調整を行いましたり、また、今月はニューヨークのファッションウイークで初めて着物ファッションショーというのが実現をされました。これも、経済産業省、ジェトロが支援をしております。  着物は和文化の象徴、日本文化の象徴であるとともに、重要な地域資源であります。地方創生の観点からも着物市場の規模拡大に向けて努めてまいりたいと考えております。  市場規模の目標ということについてでありますが、正直言いまして、何年にこれぐらいということが立てられるほどの広がりがまだまだ不十分であるというふうに考えております。早くそうした市場目標、市場の拡大目標が立てられるように、これまで以上にしっかりと取り組んでいきたいと考えております。 ○小宮山分科員 本当に、呉服産業の市場でいえば、ピークのときは一兆八千億ほどの市場規模が現在三千億ぐらいに落ち込んでいるというふうに聞いております。  私の地元埼玉県も養蚕業が大変盛んでありました。二十年前に県会議員になったときは、養蚕会館がまだございました。しかし、今もう既にそこは駐車場となっております。  そういう意味においては、本当に純国産の着物というものもやはり目指さなければならないのではないか。ニューヨークでやった着物のファッションショーも大変多くの方が来られたし、また、純粋に伝統的な日本の着物そのままの形でファッションショーをしたということは画期的だったというふうに聞いております。  また、二月の春節のころの新聞記事には、訪れた中国、台湾からの観光客で、西陣織会館での着物ショーには千人規模のお客様が来られ、大盛況であったという記事も見かけました。  さまざまな形で着物のよさというものは見直されることでしょうし、また私も、きょうも母の着物ではありますけれども、さまざまな形での着物の流通というものはこれから目指すべきところなんだと思います。  市場規模に関していえば、実は古着などは大変安く売られるということがあります。かえってジーンズとかのビンテージものの方が高くなっているということを考えますと、経産省はリフォームの研究会などもされておりますけれども、こういう意味においてはリユースなど、そういった市場価格というものをしっかりと、物によって高く買えるようなものも含めて、もちろん普及するためには、安いノミの市だったりさまざまな会社の手ごろなものも含めまして、さまざまな価格帯でのリユースも含めての市場というものをさらに目指していただければというふうに思っております。  ちなみに、おもしろいイベントというんでしょうか、企画がございまして、私の地元、小江戸川越の江戸の日というのが三月二十六日から始まります。春祭り、一カ月以上、火縄銃だったり、とび組合によるはしご乗りだったり、民謡流しだったり、さまざまな川越の町を楽しめるようなイベントが毎日のように、毎週のように行われます。  初日の午後には、江戸の日というのが川越一番街商業協同組合の主催において行われます。ふだん、着物を町に着て行くというのは、お客の方が着て行くんですが、これは何と商店主らが本格的な、ちょんまげもいるんでしょうか、エキストラも含めてプロも入るようですけれども、江戸時代の服装になり、また、さまざまな姿で江戸時代にタイムスリップをするという企画があるそうです。  ぜひ、大臣も、さまざまな地域おこし、また、そこに恐らく外国の方もレンタル着物で、本当に大勢の方が楽しまれております。そういう意味においては、商店街の活性化、若手が本当に頑張っている、そんな現場も見ていただければというふうに思いますので、これは要望させていただきます。  ぜひ、そういう意味において、今の話を聞いていると、着物が着たくなったんじゃないでしょうか。大臣、いかがですか。 ○林国務大臣 先ほども申し上げましたように、和服はまだ着たことがございませんし、着方もわからないものですから、また勉強させてもらいたいと思います。 ○小宮山分科員 大変似合うと思いますので、楽しみにさせていただきたいと思います。  さて、着物や、私もお茶の方を教えたりと、さまざまな工芸品等に接するときに、実は、伝統工芸品をつくるための道具というものをつくる職人が大変不足をしている。昨年は、しょうゆだるのたがをつくる職人がいなくなっている。今、しょうゆをつくっている若手の方々が工務店と一緒になり、その技術の伝承をし、自分たちでたるをつくり、木だるで本格的なしょうゆをつくるというようなことも頑張って、この一年されております。  そこで、昨年、伝統的な工法を支える職人不足について調査を強化、内容を充実されるという答弁をいただきました。この結果を伺いたいと思います。 ○安藤政府参考人 お答え申し上げます。  今先生からお話がございましたように、昨年のこの分科会の場で、そのような大変重要な御指摘をいただきました。その後、私ども、二百二十二の産地の関係者の方、そして自治体の皆様方、こういう方々を含めた意見交換の場を十五回ほど設けさせていただきました。今御指摘のような課題を含めて、各産地の皆様方の現状の把握にしっかりと取り組ませていただいております。  また、そういう中におきまして、指導を行う外部アドバイザーの派遣を求める声が大変強くございました。アドバイザー派遣を今年度から新たに開始をさせていただきました。  今御指摘との関係でいきますと、例えば秋田県に川連の漆器というのがございます。大変原料の木地が不足しておられる、職人さんが不足しておられるということでございましたが、共同購入を始められたというような事例がございます。  さらに、職人の不足の事態に対応するために、即戦力の人材を育成していく必要があると思っております。伝統的工芸品産業支援事業というものによりまして、伝統的技術、技法の記録の収集、保存、こういったものを行う事業を今年度は六十二件行わせていただきまして、来年度は増額をさせていただきたいと思っております。  引き続き頑張ってまいります。 ○小宮山分科員 昨年から見ますと、本当にこの一年、さまざまな努力をしていただいたかと思いますし、また、ものづくりをしている地域に寄り添う、そういった流れができ始めているのではないかという答弁だったと思います。  まだまだ、例えば友禅染のときに使うふのりというんですか、のりを置く先金というんですが、経済産業省は多分、先金というと別のことを考えるかもしれませんが、道具の方にもありまして、やはりそれがつくれる人が本当にいなくなっていたり、そんなことも伺いました。  こういったところを考えますと、職人不足が結果として純国産の日本のものがつくれないということにつながりかねません。この対策に関しましてどのような施策があるのか。  また、伝統技能士制度の活用、まだまだあれですけれども、ドイツのマイスター制度を参考にした技術者の地位向上、賃金確保というものがあってこそ日本のものづくりは進化をしていくし、強化されると確信をしております。  この点につきまして、簡潔にお聞かせいただければと思います。 ○安藤政府参考人 お答え申し上げます。  御案内のとおり、伝統工芸品の流通構造が大変複雑化ということで、職人さんの技術というものが消費者の皆様方にお伝わりにくい、こういった実態があるかと思っております。  私どもといたしましては、若手職人の方がみずから情報発信をしていただく、あるいは販路開拓、ブランディングを行っていただいて、御自身の能力を世の中で評価をしていただく、こういったお取り組みに対して支援をさせていただきたいと思っております。伝産アカデミーと言っております。  今年度に始めさせていただきまして、来年度からは全国にこれを展開させていただいて、職人の皆様方への処遇が改善されるように頑張ってまいりたいと思います。 ○小宮山分科員 ものづくり日本の基本は、物をつくる人を大切にする、ここから始まると私は考えております。日本のものづくりの根幹の職人の地位向上と、日本のものづくりに対して愛情、情熱を注がれる大臣の決意を最後にお伺いしたいと思います。 ○林国務大臣 伝統産業は、長い歴史と我が国独特の風土の中で育まれた伝統的な技術や文化を今に伝える貴重な財産だと思っています。  先日、小豆島に視察に出向いたときに、小さなしょうゆづくりがございました。本物のしょうゆをつくって伝えるんだということで、昔ながらの大きな木だるを使っていましたけれども、今はその職人がいないということで、自分が職人に化けて、自分で木だるをつくってしょうゆづくりをやっているというのをじかに見てまいりました。  そういった意味でも、ことしはG7の伊勢志摩サミットもありますし、あるいは二〇二〇年東京オリパラもございまして、日本の文化に対する注目がどんどん高まるんじゃないかと思っています。  伝統工芸品の工房や産地は、それ自体が貴重な観光資源となる可能性もありますので、インバウンド需要を取り込むべく、体験ツアーの企画や広報活動などの強化に努めていきたいなというふうにも考えているところでございます。 ○小宮山分科員 ありがとうございます。  ぜひ、純国産のもの、隅々までものづくりを支援することをお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○関主査 これにて小宮山泰子君の質疑は終了いたしました。