平成27年4月17日 衆議院国土交通委員会速記録(議事速報) ◇この議事速報は、正規の会議録が発行されるまでの間、審議の参考に供するための未定稿版で、一般への公開用ではありません。 ◇後刻速記録を調査して処置することとされた発言、理事会で協議することとされた発言等は、原発言のまま掲載しています。 ◇今後、訂正、削除が行われる場合がありますので、審議の際の引用に当たっては正規の会議録と受け取られることのないようお願いい たします。 ○今村委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小宮山泰子君。 ○小宮山委員 民主党の小宮山泰子でございます。  本日は、水防法等の一部を改正する法律案に対しましての質疑をさせていただきたいと思います。  多発する浸水被害に対処するとともに、下水道管理をより適切なものにするということで、本日の法案審査ということになります。  昭和四十年代以降、全国の地方自治体により下水道の整備が本格化し、管渠総延長は四十六万キロメートル、処理場数は約二千二百カ所に達するストックを抱えております。公共下水道による雨水の浸水対策は汚水処理対策と一体として実施することとされており、人口減少や逼迫する地方財政から、下水道整備を行う地域を縮小し、合併処理浄化槽などでの処理とするなどの見直しを行おうとする自治体の事例が見られるようになってくることは、現実的な判断がされているものと好感をし、注目をしているものであります。  汚水処理手法を定める都道府県構想は、都道府県と市町村が連携し、下水道、農業集落排水、合併処理浄化槽等、それぞれの特性や経済性等を勘案して作成されているものであり、見直しにより、下水道による汚水処理を行わない地域へと変更される事例が生じてきてもおります。  今回、そうした見直しの地域において、汚水処理は合併処理浄化槽とするものの、内水、雨水への対処の要請が高い場合には、雨水のみに特化した公共下水道を整備できるようにしようとしております。  人口減少の中、また、コンパクトシティー化を国交省は進めております。この日本の現状を考えますと、将来的には、既に下水道の整備の行われている地域についても、その一部は雨水対策としてのみ活用するというような縮小の方法、方向性というものは確かにあり得るのではないかというふうに捉えているところであります。  そこで、お伺いいたします。  現状の下水道整備予定の地域とされていない地域においても、雨水公共下水道を整備することが可能となるのか、議論をされていたかなど、このあたり、確認をさせていただければと思っております。 ○池内政府参考人 お答え申し上げます。  現行の下水道法では、公共下水道は汚水処理と雨水排除を同じ区域で行うことを前提としております。  一方、今御指摘ございましたように、汚水処理の計画の見直しによりまして、汚水処理の方法を公共下水道から合併浄化槽に見直した区域におきましては、雨水排除のための公共下水道の整備ができないという制度上の課題がございました。  そのため、このような課題を解決するために、雨水公共下水道を法律で措置したものでございます。  したがって、もともとは下水道の整備が予定されていた区域が、汚水処理がなくなって、今回の法案でやれるということで、もともと下水道の整備が予定されていない地域では雨水公共下水道の整備は想定しておりません。 ○小宮山委員 今回の法案に関しましては想定をされていないということを確認させていただきましたが、将来的には、そのことも含めて、場合によってはエリアを小さくするなり、下水道の布設というものも恐らく変更されていくこともあると思いますが、その点に関しましては現実に即してぜひ対応していただきたいと思います。  さて、下水道整備地域の住民は下水道使用料を支払っております。合併浄化槽による汚水処理地域では浄化槽の維持管理のための経費を負担していただいております。  雨水公共下水道は、汚水、生活排水が流れ込まないことから水路や管渠の傷みの進行なども緩やかと考えられ、また、処理場を設け運営する必要もないことから、維持管理費用は合流式下水道や分流式での汚水管渠と比べて大幅に安価になると思いますが、それでも費用がかかることには変わりはないと思っております。  そこで、雨水公共下水道の導入が、同じエリアに汚水処理を含む下水道網を整備するよりも建設費及び維持費が低く抑えられ、その地域内での合併処理浄化槽を使う住民にとっても、地方自治体にとっても、経済的メリットと、内水への不安の排除、水害の危険性排除につながるということになるのかどうか。地方自治体にとっても住民にとっても、経済的負担が軽減されて、安全、安心に資する選択肢が提供できることになるか、伺わせていただきたいと思います。  あわせて、時間の関係もありますので、雨水公共下水道の維持管理費の原資はどの財源から支出されているかもあわせて確認させてください。 ○池内政府参考人 お答え申し上げます。  近年も浸水被害は多発しておりまして、全国各地で一日も早い浸水対策が望まれております。  しかしながら、当初から公共下水道で浸水対策を行うことが予定されていた地域におきまして、処理方式を公共下水道から合併処理浄化槽に見直した場合に、現行の下水道法では公共下水道による浸水対策ができなくなってしまいます。  したがいまして、今回の法案では、雨水公共下水道の制度を設けることによりまして、住民にとって最適で、地域の安全、安心に資する浸水対策の選択肢を提供できるものと思っております。  また、御指摘ございましたように、下水道トータルとしては、もともと汚水と雨水があって、汚水の分が安くなりますので、トータルとしては、この措置によってより負担が小さい方向に行くというふうに考えております。  それから次に、費用、地方自治体の負担でございますが、費用につきましては、これまでと同じ考え方で、これまでも雨水についてはいわゆる公共の負担ということで、その考え方は同じでございます。 ○小宮山委員 結局は地方自治体が決定するということもあります。ただ、そうなってくると、さまざまな負担というものも考えられるのではないか。  現状、分流式下水道での雨水への対応は、管渠の布設によるもののみならず、オープンの水路を整備することで行われる場合もあると聞いております。内水を心配する地域において、既存の道路側溝を拡幅するとか水路を拡幅、拡張した方が安価に対応できるところを、管渠の布設による過度の費用支出がされてはならないとも考えております。  また、オープンの水路での整備も可能ならば、下水道整備の予算を活用する雨水公共下水道の制度を新設しなくても、道路整備や河川関連の予算で同様の対応は可能だったのではないか。税金の無駄遣いにつながらないよう、国土交通省としてどのような対応を考えているのかも伺いたいと思います。 ○池内政府参考人 お答え申し上げます。  確かにおっしゃるとおり、現状でも各地域地域において最適の雨水処理、例えば川に近いところで、道路の排水なんかは下水道を通さずに流すということをやっております。ということで、その考え方は同じでございまして、各地域地域によって最適の方法をとっていきたいと思っております。  現状でも、雨水のうち道路に降った雨は、道路側溝で流して、それを下水を通じて川に流す、あるいは宅地に降った雨は下水道で集めて河川に排水するのが一般的でございます。おのおの役割がございますので、その役割をうまく活用して、各地域によって最適の方法を実施してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 ○小宮山委員 最適の状況といいましても、ことしの予算委員会の質疑をずっと見させていただきまして、また、さまざまな報道、閣僚のお金の問題等、ずっと今回は、ことしは予算委員会はその問題が多く時間を占めたものであります。  今回のことに関しましても、下水道管渠ということで雨水利用をするということによって、工事費用やさまざまな予算が、対象となる、もしくは今要望している地方公共団体は余り多くはないというふうに私も聞かせていただいております。  太田大臣におかれましては、こういう老朽化管渠も含めまして、インフラの整備等を大変注目していただき、推進をされていただいている。これらは、裏を返せば、地方自治体にとっては大きな負担になっているのも現実であります。特に、下水道、また、今後は恐らく上水道も含めて、管渠に関しましての維持更新、その費用というものは、地方自治体に大きく大きく影響します。  また、こうやって新しい制度というもので、雨水対策という名のもとに公共事業等をされるということで、ことしの予算委員会でもありましたが、これは相当な額の公共事業になるものかと思います。特に、今回、私が事例として伺った対象の地方公共団体の予算規模や住民の人口規模等から見ても、かなり大きな公共事業になるのではないかという思いもしております。  そういった中において、下水道というのにかかわる土木事業というものを継続させるのが目的ではないかという意見も一部に見られますし、これが結局のところ、補助金がさまざまなところに還流されてしまっては、この法律の趣旨というものが大変残念な結果になってしまうということにもなります。また、事業を継続させることが目的であるならば、これはある意味、法律の趣旨からは違う、悪用されてしまうのではないかという懸念も示される方もいらっしゃいました。  大臣におきましては、老朽管渠、そういったものをどんどん長寿命化する。そういう意味では、インフラ整備というものに関して大変、私自身も県議会議員のころから、インフラの更新をすることによって、そういった公共施設、社会資本というものを大切にする、使い続けることによって、地方自治体の負担や、住民のサービスに資するところに行ってほしいという思いもございます。  今回の法律によって、新たに布設するということになり、また、新たな還流の、水等が循環するのはいいんですけれども、補助金が別のところに循環されて流されていってしまっては、雨水が流れていくのはいいんですけれども、補助金が別のところに、利権のところに流されるような、そんな法律の立てにしてはならないんだと思います。  その点に関しましてどのような配慮をされていくのか、ぜひこのあたりの大臣におきましてのお考えをお聞かせください。 ○太田国務大臣 御質問の懸念というのはよくわかります。  ただ、私から見ますと、財政制約というのがもう常に頭の中にあって、この二年少しの職務を遂行してきました。あれもしたい、これもしたいというのを、むしろ削って申しわけありませんというような状況の財政制約というものを当然しっかり置いていかなくてはいけないと思っています。  雨水公共下水道は、全ての地域で整備するわけではありません。雨水公共下水道は、今後、下水道の整備を進める予定の区域のうちで、汚水処理を合併浄化槽で行うこととなる市街地において、浸水対策の必要がある場合ということに限定しまして実施することとしています。  ただ、近年、局地化、集中化、激甚化しているという雨の状況もありますし、山の中というか川の上流でそうしたものがあって、流木によって洪水が発生するというようなことも多々ございますものですから、そうした浸水被害が起きたり懸念される地域で、地元の要望というものをしっかり踏まえて、先ほども水局長から答弁させていただきましたが、これに対しては、国がこうやれと言う以上に、地元の要望をしっかりと踏まえて、早急に対策を実施する必要がある場合に行うということをさせていただきたい、このように思っているところでございます。 ○小宮山委員 地元の要望はもちろん大切にしていただきたいと思いますけれども、その点に関しましては、恐らく私ども国会の方も、決算行政、また会計検査院等、その予算の使われ道というのはしっかりとチェックをさせていただきたいと思います。  さて、今回の法律によって、下水道管渠の総延長というもの、また、更新や改築など、さまざまな発注業務というものが、地方自治体からある意味委託された事業団、下水道事業団の方もできるとなっております。  これに関しまして、やはり今まで地域を支えてきた事業者などが大変心配をしているところでもございます。やはり地域密着であって、また、労務単価の引き上げなど、大臣におかれましては、二年連続で引き上げ、地域の経済がしっかりと回るように、また技術者というものが地域にいられるようにする配慮をされているというふうに私自身は理解をしております。当然、下水道管渠、こういった埋設物に関しての更新等は、年間で五千とも六千とも言われる陥没事故等さまざまなことが起きています。そういった技術者が地域にしっかり根差さなければやはり対応ができないのも、この事業のある意味大変かなめになるんだと思っております。  そこで、これまでのこうした技術基準を、安易に地方自治体が、ある意味事業団の方に委託するということだけではいけないんだと思います。判断基準をどういうふうにつくられていくのか、維持修繕に関係して目標をより明確に、数値目標などを備えていく必要があるのか、お考えをお聞かせいただければと思います。 ○太田国務大臣 この法案におきましては、下水道の計画的な維持管理を推進するための維持修繕基準を定めることにしているわけですが、法案は定性的に書いてあるということです。定量的な基準というものも当然必要だというふうに思っておりまして、例えば道路陥没の主な原因であります管渠の腐食が発生しやすいという場所、こういうところについては、五年に一回以上の頻度で点検することなどを政省令等で定めていく予定にしています。  今後とも、計画的な維持管理を推進しながら、定量的な目標の充実についても取り組んでいきたい、このように考えています。 ○小宮山委員 ぜひ、地方自治体、地方公共団体におきましても、技術者、またそういった判断基準が、委託することによって、年数がたつとそういったこと自体のノウハウというものも維持するのが大変厳しくなるかと思います。人材交流など、さまざまなことも今後検討を加えていただければと思います。  そこで、事業団の業務範囲なんですが、法案の中に管渠の維持管理が加えられることによっての影響をどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。  事業団に管渠の維持管理が委託された場合にも、これまでは地方公共団体から受注していたそれぞれの地元中小企業、業者が業務を受注することがし続けられるのか。当然、エリアの範囲など、さまざまなものが変わってまいります。この点に関して、確認をさせてください。 ○太田国務大臣 事業団は現在、官公需法の趣旨も踏まえまして、地元業者の受注にも配慮しながら下水道の工事発注を行っているという認識をしています。  事業団が適正な価格を払うということや、地元の業者がしっかりとお金も、工事費をちゃんと支払っていただくということで、そこも強くしなくてはいけないというふうに思っています。  事業団が、工事発注に当たって、発注金額や施工難易度等に応じて、一定の競争力を確保しながら、地元市町村に本店を置く業者に限る地域性、この地域要件を設定する等の措置を講じています。  また、積算基準に基づいて適正に予定価格を算定しておりまして、民間事業者には適正な対価がしっかり払われていくということが大事だというふうに認識をしています。  こうした事業団の取り組みは、今回加わる管渠の維持管理業務についても継続される、よく地元に、業者等に配慮するということについては貫かせるということを私としては考えているところでございます。 ○小宮山委員 ありがとうございます。  やはりさすがに二年連続で公共工事設計労務単価の大幅引き上げを御決断された大臣だなというふうに思っておりますが、全国各地の建設現場で活躍する技能者の所得を向上させるという意味においては、残念ながら、下請、孫請となる場合、現実には公共事業の労務単価が上がったといっても、現場の職人たちの手取りというものが必ずしもまだ上がっていないという実態もございます。  前に質問させていただいたときに、やはりこれが民間まで広がることが望まれているということは御確認させていただきましたけれども、やはりそういうことを勘案しますと、中間マージンのピンはねをされるということがないように配慮いただきたいと思っております。  発注の場所が変わる、別法人になりますので、その点を考えますと、当然、手数料というんでしょうか、多少、下水道事業団の方も取らざるを得ないのではないか。発注は維持はされたけれども手取りが下がったでは元も子もございません。  この点に関して、通告はしておりませんけれども、どのような対応をされるのか、現状もあわせてお聞かせいただければと思います。 ○池内政府参考人 お答え申し上げます。  あくまでも、地域の民間企業に対する発注につきましては、これまでと、市町村が発注しておられたのと同様の考え方で発注されることになるというふうに考えております。 ○太田国務大臣 労務単価のことにつきましても、建設業者について、私は、日本の、アベノミクスなんかでもそうですが、全体的によくなったように思うけれども、現場にそれが落ちているかどうかというのは、景気、経済の点におきましても、また建設業界のことの事業につきましても同じことだと思っておりまして、そこは、現場に行く。  手取りというふうにおっしゃったんですが、手取りということと、そこに社会保険というのがあったり、ここのところがなかなか難しいということなんですが、徐々に徐々にここは、そこに私は力を入れておりまして、何とか現場にそれが波及するようにということを指導しています。  この件につきましても、まさに現場の維持管理ということについては、ここは現場の業者にやっていただく以外にありませんから、そこのところにしっかり留意するようにということについて指導してまいりたい、このように思っています。 ○小宮山委員 ぜひ指導していただきたいと思います。  ある意味、もうそろそろ、こういった経済状況が長く続いております、ピンはね防止ということを言う方もいらっしゃいますし、公契約法などで、ヨーロッパ等ではもう既に法施行されている国もございます。こういったことも含めて、本当の意味で、出した金額がきちんと、適正な金額が技術者に渡る、末端に渡る、そういった法制度、またさまざまな仕組みというのをさらに進めていただければというふうに要望させていただきます。  さて、今回の法案で私は大変期待もしているのが下水の熱利用の促進であります。  下水熱利用については、近年も立法措置により規制緩和を行ってきております。  今回のことで私も知ったんですけれども、一都六県、東京、埼玉、神奈川、千葉、栃木、群馬、茨城の住民世帯数にほぼ相当いたします約千八百万世帯の冷暖房熱源に相当する大きな可能性を秘めたのがこの下水道の熱利用であるということでもあります。これはやはり生かしていくべきだと思います。  今回の法改正で、民間事業者が下水道管渠内に熱回収用のパイプなどを設置することができることとしており、下水の熱を利用することでの完成後のメンテナンスもさほどかからないというふうにも聞いておりますので、大変有望な熱源であると思っております。  特に、原発から早く脱却するにおいては、経済産業省主管でエネルギー政策は日本はしておりますが、ほかの省庁でとれる、発生できる熱源というものがあるならば、それはどんどん国交省であろうと環境省であろうと推進するべきだという立場でございます。  そこで、法改正後どのくらい実際に活用されることになると予想しているのか、また、千八百万世帯の冷暖房相当分の下水熱ポテンシャルのうち、実際にはどのぐらいの活用を目指していかれるのか、下水熱活用に向けた決意をお聞かせください。 ○池内政府参考人 お答え申し上げます。  確かに、御指摘のように、今の一千八百万世帯というのは、全ての下水道を流れている熱源を利用した場合でございます。ただ、実態上は、どうしてもエネルギーロスとか、あるいは利用できる管渠も限られておりますので、実態は、一千八百万全部は無理で、多分その何%かになるというふうに考えております。  例えば、最近の実験結果によりますと、実務的に熱源をとれるのは大体一度ぐらいの温度差でございます。それを、特に全国の商業、工業地域において全て利用したとした場合、約八十万世帯分の熱利用料に相当するエネルギーを得ることができるというふうに想定しております。 ○小宮山委員 大変大きな熱量がとれるんだと思いますので、ぜひ活用していただきたいと思います。  時間の関係がありますので、先に進ませていただきます。  今回、大臣におきましては、水循環基本法が成立されておりまして、太田大臣も水の関係の担当大臣となられました。  今週の初めでありますけれども、韓国・慶州において開催された第七回世界水フォーラムの閣僚会議にも、国交大臣として、また水の担当大臣として、水資源に関する閣僚間円卓会議での共同議長も務められたと伺っております。この成果と、また、大臣におきましては、水循環基本法ができました。これから見ますと、実を言うと、今回の法案に関しては、水が、本来であれば、天から降り、地に入り、そしてまたそれを木が吸い、循環をしていくという流れをつくるというのも必要であるという法案だったかと思いますが、今回の法案ですと、雨水管渠を通って、土には返さず、川に流してしまうということになりかねません。そういう意味においては、この水循環基本法と今回の法律というのは多少乖離があるのかなという思いもしております。  どちらも所管されます大臣におきまして、また今回の世界水フォーラムでの大臣の感想等、またこれからの課題、決意などをお聞かせいただければと思います。 ○太田国務大臣 世界で第七回になりましたけれども、この地域、会議をやってみますと、雨が多く洪水で困るという地域もあれば、アラル海が消滅をしようとするということに大変危機感を持っているという国もあれば、中東諸国を初めとして、とにかく淡水化ということについて全力を挙げて、その油、熱量というものと環境との対応ということで大変苦慮しているという国もあれば、あるいはメコン川の流域で、幾つかの国がまたいでいるという、国境ということを挟んで、対応を連携をとらなくていけないという国もあればというような、国によっての違いの中で、協力して水循環ということをしっかりやっていこうと。  水循環をしっかりということは、健全な水循環にしていこうと。洪水も健全な水循環ではありませんし、汚い水を流すということも健全なということではありませんし、世界的にどの国も健全で健康なそうした水循環にしようということで会議が行われて、いろいろ、自分たちはこうしているという知見が明らかにあって、地球の中で非常に大事な水環境整備ということが話し合われたということは、大変意義のあることだと思います。  日本はその中でかなりリーダーシップをとる役になっていると思っています。 ○小宮山委員 ぜひ水の分野で、原発よりは水の分野で、さまざまなビジネス環境も含めましてリーダーシップをとっていただく、その先頭に立つ大臣でいただきたいと思っております。  そして、最後になりますけれども、以前にも予算委員会で私取り上げさせていただいていました。  やはり、健全な水の循環、そういった意味においては、EUにおいて実行されております政策にグリーンインフラという手法がございます。緑のダム、緑の防潮堤など、国交省も今、力を入れ始めていると思います。自然をインフラ整備の中に生かしていくことで、維持管理費の少ない、また、年月がたつごとに強くなるという特徴もあるようであります。  温暖化、さまざまな気候変動があって、今の内水が上がるような状況、高潮、そういった浸水被害等も起きているという、無謀というか進んだ宅地開発とか、さまざまなものが影響しているかと思います。  こういったものも含めまして、改めてグリーンインフラの推進というものは大変有効な手段ではないか。新しい意味で公共事業をするならば、こういった、緑を、自然を生かした、自然と共存するまちづくりというものは、大変今後浸水被害等をおさめる、これはロンドンでも事例もございます。  この点に関しまして、大臣の御決意を聞かせていただければと思います。 ○太田国務大臣 極めて大事な考え方であろうと思いますし、我が国の河川工学の歴史は、川をコントロールするという以上に、川をなだめる、自然と折り合うという姿勢の中で治水というものが行われてきたというふうに思っています。  景観や環境の観点でもグリーンインフラは極めて大事でありますし、防災・減災という観点からも大事であります。緑の防潮堤ということをやらせていただいたり、あるいは密集市街地での緑化を進めているというみどりの防災・減災対策事業ということをやらせていただいたり、生物の生活環境や多様な河川景観を保全、創出する多自然川づくりを全ての川づくりの基本として取り組ませていただいているというところでございます。  さらに一層、グリーンインフラの活用、そしてこの重要性について訴えていきたいと思っているところでございます。 ○小宮山委員 これまでの環境状況とは違っております。ぜひ、従来のやり方ではなく、自然と共生する新しいインフラ整備等にも力を尽くしていただくことをお願いいたしまして、御質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。