平成27 年3 月20 日 衆議院災害対策特別委員会速記録(議事速報) ◇この議事速報は、正規の会議録が発行されるまでの間、審議の参考に供するための未定稿版で、一般への公開用ではありません。 ◇後刻速記録を調査して処置することとされた発言、理事会で協議することとされた発言等は、原発言のまま掲載しています。 ◇今後、訂正、削除が行われる場合がありますので、審議の際の引用に当たっては正規の会議録と受け取られることのないようお願いいたします。 ○梶山委員長 次に、小宮山泰子君。 ○小宮山委員 民主党の小宮山泰子でございます。  改選後、初めてこの災害対策特別委員会での質問をさせていただきます。  山谷大臣におきましては、きょうは予算委員会も、両方でございますので、行ったり来たりとございますけれども、よろしくお願いいたします。  さて、第三回国連防災会議がございました。被災地では四年たちましたし、また、二十年前には阪神・淡路大震災も起きました。当時、サリン事件もございましたけれども、私も、その後、県議会議員にならせていただき、視察もさせていただいて、自然災害というものの巨大さ、こういった前には人間は無力であるということ、また、自然に対して畏敬の念をきちんと持つということが人にとっては大切だと思ったとともに、また、安全というものに対しての価値観というものが随分変わった、そんな災害やテロだったというふうに感じております。  まずは、仙台で開催されました国連防災世界会議は、新たな指針が出されました。深夜までの議論の末、仙台での防災枠組みというものが採択されたということは大変喜ばしいことではございますが、残念ながら、夜間であったこと、またさまざまな報道という中では、その具体的な内容がニュースに余り載らなかったような気もいたします。  ぜひ、この点に関しましても含めまして、会議全体並びに採択された指針を含む成果についてどのように評価されているのか、その点に関しまして大臣に御報告をいただきたいと思います。 ○山谷国務大臣 仙台市で三月十四日から十八日まで開かれました第三回国連防災世界会議でございますけれども、国連加盟国百九十三カ国中百八十七の国が御参加くださいまして、また大統領、首相、二十五カ国から参加くださいました。  国連事務総長を初め、UNDPの総裁、また百名を超える閣僚、国際機関代表、認証NGO等六千五百人以上、関連事業も含めますと、当初約四万人ぐらいの参加というふうに考えていたのですが、実際には約十五万人の方々に御参加いただきまして、我が国で開催されました国連関係の国際会議としては過去最大級となりました。  それだけいろいろな、グローバリゼーション、気候変動、都市化、被害の大規模化あるいは局地化等々に皆が非常な危機感を持って、そして、事前防災、被害の最小化、防災の主流化ということを軸に世界が団結しなければならないんだという気持ちのあらわれだというふうに思っております。  本会議におきましては、国際社会において各国の開発政策や国際協力に防災の視点が反映され、防災の取り組みが開発施策に組み込まれ、実施される防災の主流化を目指し、新たな国際的な防災の枠組みである「仙台防災枠組二〇一五―二〇三〇」及び高いレベルでのコミットメントを示した仙台宣言を採択するなど、大きな成果がありました。  各国の代表者がステートメント、代表発言をされたんですけれども、それぞれの国によって災害の種類も違う、対応も違う。それぞれ説明をされました、意見を発表されました。  その上で、私は議長といたしまして、これはできるだけ対立ではなくて、みんなが気持ちを一つにして、防災の主流化、そしてビルド・バック・ベター、よりよい復興という概念、そして多様な皆さんの参画、国、地方自治体だけではなくて、さまざまな市民やメディアや関係者が参画してそれをしていくんだというような、多様な主体の参画、この柱を共有化して、コンセンサスを得ながらその枠組みをつくりたいというふうに思ったものですから、本当は十八日のお昼ぐらいに終わるはずだったのですが、十九日の午前零時半まで会議が開かれまして、私が議長としての記者会見が終わったのが午前一時半という形でありました。  しかし、これは本当によかったというふうに思っております。皆が思いを共有化して、そして二〇三〇年までの取り組みの指針ができたわけでありまして、あとはそれをどう具体化していくかということだろうというふうに思っております。  日本は、さまざまな災害に遭いやすい環境にあります。そして、さまざまな体験から得た教訓、あるいは技術、ハード、ソフトの組み合わせ等々、国際社会に発信して貢献していくという使命があるというふうにも思っておりますし、また、議長国としての役割も果たしていきたいというふうに思っております。  これから恐らく、秋の国連総会でまたこうしたことについて議論されて、また冬のCOP21、そのような流れの中でも、この防災の主流化という視点は、さまざまな開発や人々の暮らしの中に防災という視点を入れていくことが重要なんだ、それはコストではなくて投資なんだという、費用対効果が極めて高い、みんなを救える、こうした考え方を主流化していくという務めを果たしていきたいというふうに思っております。  また、我が国にとっては、東日本大震災を初めとする幾多の災害から得た知見や技術等を世界と共有するとともに、東日本大震災の被災地の復興の現状や取り組みを発信する重要な機会となりましたスタディーツアーとかエクスカーションをたくさん企画いたしまして、多くの方々が参加してくださいました。  本国連防災世界会議は、さまざまな成果を上げて、国際社会における防災の主流化を進めていく上で重要なターニングポイント、一里塚となったと考えております。 ○小宮山委員 ありがとうございます。  大変、防災の主流化ということを目標に、議長国としてさまざまな御配慮、また奔走されたことだと思います。  それでは、日本政府として、今後、二〇二〇年から二〇三〇年の人口十万当たりの災害による死亡率、被災者数の平均を、〇五年から一五年と比べて削減をするというような内容も含まれているかと思います。どのような形でどのような取り組みを具体的にされる見込みがあるのか、教えてください。 ○山谷国務大臣 仙台防災枠組みにおいては、死亡率や被災者の数、経済被害の大幅な削減、医療や教育施設等々の被害の最小化、防災戦略採用国をどうしていくか、また国際協力のあり方、早期警戒のあり方、さまざまなことが、目標が掲げられました。  その実現を図るためにも、我が国としても、例えば南海トラフ巨大地震について、人的被害を八割以上、建物全壊数を五割以上、それぞれ削減する目標を立てるなど、防災対策にしっかりと取り組んでまいります。  また、海外諸国における災害被害の軽減に資するために、会議の初日に安倍総理が発表いたしました仙台防災協力イニシアティブに基づき、今後四年間で、防災関連分野で計四十億ドルの支援を行うとともに、四万人の人材を育成することとしております。  さらに、本年秋に策定されるポスト二〇一五開発アジェンダに防災の目標が明確に位置づけられ、各国の開発政策や国際協力において防災の取り組みが推進されるように各国に働きかけてまいりたいと思います。 ○小宮山委員 ありがとうございます。  ぜひ、防災の主流化、また国内も含めまして、大臣所信にございましたけれども、やはり防災、減災というものは進めなければならないと思います。  今大臣の答弁を伺いながら考えたんですが、議長国として、また国連の国内での会議では最大級の会議だったということ、これに関しましては、やはり議長国として、また被災地だったということ、世界じゅうから、多くの方々から御支援をいただいた国としては、議長として大臣にはしっかりと仙台へ行っていただきたかったなという思いもいたします。  もちろん、副大臣も行かれていたのは存じ上げておりますし、頑張ったとは思われますが、やはりそういったときには、国会の方におきまして参議院の方での答弁もあったようではございますが、そういう国際会議をやっている最中はしっかりと配慮を与党においてもされていただき、しっかりと対応していただきたかったなという思いがございます。そうすれば、もしかすると、深夜ではなく、もう少し早くにされ、もっとメディアにも載ったのかなという思いもいたします。  これだけ過去最高の人数の方々が参加された、これは政府関係や企業だけではなく、NGOであったり、本当に多くの方がさまざまな形で参加されたし、さまざまなプログラムもあったのは承知をしております。そういったことを見ると、こういった防災に関する会議などの広報等も、もう少し内閣府の方で力を入れていただきたかったという思いがございます。  そのあたり、大臣、何か、本当に努力されたのは存じておりますし、副大臣でも構いません。今後、こういった会議に関して、防災意識を高める、そういった主流化をするためには必要なことだと思います。  特にこの災害対策特別委員会は、本来、災害があったときに開くのではなく、ふだんから災害に備えるということで、定例日を設けたりという歴史のある特別委員会でございます。残念ながら、きょう、先ほどより、開会時よりちょっとはふえた気もいたしますが、与党の先生方、朝から空席が随分目立つようでもございます。こういった防災の主流化をする、やはり議員も同じ思いを持つべきだというふうにも思います。  この点に関しましては、ぜひちょっと、広報等に関しまして、大臣もしくは副大臣、通告はしておりませんけれども、何か感想があれば簡潔にお願いいたします。 ○山谷国務大臣 エールをありがとうございました。  国会の、参議院の予算委員会の答弁がありましたので、少し戻った時間もありましたけれども、深夜までかかったというのは、そういうことよりも、むしろ、皆が一致団結して充実した枠組みをつくろうということで、本当に熱心な、実りある議論が重ねられたということであります。  私たちは生き物であり、また人間でありますから、よりよく生きたい、そして死者が出ないようにしたいというのは、もう私たちの体の中にあるDNAだというふうに思っております。  日本といたしましては、さまざまな技術、経団連等も、いろいろな各企業が何ができるか、現在何をしているかということの報告書等もまとめておりますので、世界の防災の主流化に日本は貢献をしていきたいと思います。 ○小宮山委員 議員の方の定足数に関しましては、ぜひ与党の皆様には再認識を深めていただきたいということを伝えさせていただきます。  昨年、私、ずっと感震ブレーカー設置推進について質問させていただいております。これは首都直下地震緊急対策推進基本計画の中にございますが、建物の耐震化率一〇〇%が実現すれば、全壊棟数が減り、そして死者数が約九割減少する、また、感震ブレーカー等の設置や初期消火の成功率を向上させることでも、焼失棟数も死者数も九割以上減少という指摘がございました。  昨年の質問の中でも、今後、消防庁、経済産業省と一緒になりまして研究会を立ち上げ、年度内をめどにガイドラインを作成するという答弁、大臣からもさまざまな答弁もいただきました。このたび、内閣府、経済産業省、消防庁による研究会での、感震ブレーカー等の性能評価及び普及の促進についての取りまとめが出ましたので、この点に関しまして、現在どのような進捗状況になっているのか、御説明いただければと思います。  あわせまして、新築だけでなく、木密地域の既存住宅への設置促進に向けての一層の取り組み強化が望ましいと考えております。補助制度を国が主導して設けるなど、取り組みが必要ではないかと考えております。この点に関しまして、あわせて御答弁いただければと思います。 ○日原政府参考人 お答えいたします。  委員御指摘のとおり、地震におきます火災の発生原因としては、三分の二が電気に由来すると言われていまして、感震ブレーカーの普及は大変重要だと思っております。  昨年の九月から消防庁、経済産業省等と一緒になりまして検討会を進めてまいりましたが、本年二月に、感震ブレーカー等の性能評価のガイドラインというものを取りまとめさせていただきまして、公表いたしました。  ガイドラインにおきましては、さまざまなタイプの感震ブレーカー等について、性能評価を行うための試験方法、あるいは付加的な機能等について比較、整理し、消費者にわかりやすい表示方法、星幾つというような形の表示方法を定めるなど、信頼性の高い製品等の普及に向けた環境を整えたところでございます。  さらに、検討会におきましては、今後の普及のための方策についても検討が進められておりまして、例えばということでございますけれども、その一つといたしましては、電気設備の設計、施工等に適用される民間の規程である内線規程というのがございまして、その中におきまして、一定の密集市街地における新築住宅等を対象に感震ブレーカーなどの設置の勧告、推奨を行うことなどの提言をする等を検討しているところでございます。  また、木密地域につきましての感震ブレーカーの普及という点についてでございますけれども、特に大変重要な課題であるというふうに思っております。まずは、先ほど申しましたように、大規模地震におきます電気火災の対策の必要性について十分理解していただくことが必要だと思っております。  また、先ほど申しましたような、感震ブレーカーが市販されているものについてのメリット、デメリット、使用上の留意点、あるいはみずからの住宅、世帯構成等を見た選択についての考え方をもう少しわかりやすくPRする方法についても検討しているところでございます。  また、特に安価な、数千円単位というぐらいでございますけれども、簡易タイプでも出火抑制効果は十分ございますので、こういったものを面的に普及させるということも大変重要だと思っております。既に自治会等でそういった活動を行っているところもございますので、そういったところ、あるいは関係機関、関係団体とも連携しながら普及啓発活動を進めてまいりたいと思っております。  また、特に、簡易タイプといっても、高齢者によってはなかなかその取りつけが難しいというふうなお話もありますので、こういった点についての支援というものも考えられると思っております。  そのために、具体的な密集市街地をモデル的に取り上げまして、地震火災について住民の意識がどうなっているのか、あるいは普及についての課題は何かというようなことについての調査検討等も行ってまいりたいというふうに思っております。  既に自治体等で設置への補助等を行っている例もございますので、そういった点も周知しながら普及に努めてまいりたいと思っております。 ○小宮山委員 ぜひ普及をしていただきたいと思います。これによって、一個、一つは小さいかもしれませんけれども、効果が確実に望めるものでありますので、ぜひその点は大臣にも要望しておきたいと思います。  さて、最後になりますけれども、大臣所信の中にございました、首都直下地震への対策に関連して、「二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会も見据え、関係省庁、関係地方公共団体とも緊密に連携しつつ、地震に強い町づくりを推進」されるという言葉でございました。  私自身、障がい者スポーツ・パラリンピック推進議員連盟のメンバーといたしまして、今、さまざまな取り組み、また検証等もさせていただいております。  多くの方々が見えられます。先ほどは、二〇一九年にはラグビーのワールドカップが日本にも来る。そういった中にも、障害をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。  なかなか、この二行ほどの文章でございましたので、どのように連携して、どのようにしていくのか、時間は本当に限られておりますが、バリアフリーではない交通環境等でございますので、この点の強い町づくりについてどうお考えになっているのか、お聞かせください。 ○山谷国務大臣 小宮山委員の日ごろからの熱心な御活動、敬意を表します。  二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの開催に際しては、障害を持つ方を含めさまざまな方が我が国を訪れることが見込まれる一方で、首都直下地震については、マグニチュード七クラスの地震が今後三十年以内に発生する確率七〇%程度と推定されています。  そのため、このような状況の中で、昨年六月に、防災担当大臣と東京都知事の合意により、首都直下地震対策を推進するための国と東京都による合同検討チームを設置したところであります。この検討チームにおいて、政府災害対策本部、現地対策本部と東京都災害対策本部との連携、帰宅困難者対策などについて具体的な検討を進めています。  また、言語によらず、視覚的に避難場所等を示すことができる、いわゆる絵の、ピクトグラムの標準化について、現在、関係省庁及び東京都と検討を進めているところであります。  引き続き、これらの枠組みを活用して対策を推進するとともに、埼玉県、千葉県、神奈川県などの首都直下地震に係る関係地方公共団体との連携の方策に係る検討も含め、国土交通省や消防庁などの関係機関とも緊密に連携し、政府全体として首都直下地震対策を推進してまいります。 ○小宮山委員 ぜひ、関係の団体、また地方自治体とも連携をして、障害のある方にも優しい、そして強い町づくりを目指していただきたいと思います。これはひいては、機能低下をされました方々に対しても大変優しい、そして、災害のときには安心して、災害に強い町づくりにつながるんだと考えております。  またこの点に関しましては改めて質問させていただきまして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。