平成27 年3 月10 日 衆議院予算委員会第七分科会速記録(議事速報) ◇この議事速報は、正規の会議録が発行されるまでの間、審議の参考に供するための未定稿版で、一般への公開用ではありません。 ◇後刻速記録を調査して処置することとされた発言、理事会で協議することとされた発言等は、原発言のまま掲載しています。 ◇今後、訂正、削除が行われる場合がありますので、審議の際の引用に当たっては正規の会議録と受け取られることのないようお願いい たします。 ○平口主査 次に、小宮山泰子君。 ○小宮山分科員 民主党の小宮山泰子でございます。  本日は、伝統的産品そして自然エネルギーに関しまして質問させていただきます。  まずもって、私自身は、日本というもののすばらしさというのは、自然とともに生きてきて、そして畏敬の念も持ち、また、自然を生かすことによって生活の彩りをふやしてきた、そういった文化というものが、今、世界から見直され、そして、日本の根本的な精神性というものに対しても大きな影響を及ぼしているんだと思っております。  だからこそ、クール・ジャパンという独自の発想のもの、どちらかというとアニメコンテンツとかサブカルチャー的なものの方が経済産業省においては大きく取り上げられることがあるわけですけれども、私としては、それよりもまず基本がきちんとできていなければ、そんなサブカルチャー、クール・ジャパンと言われるようなコンテンツ産業も、やはりおかしな方向に進んでしまう。やはり基本をきちんとさせるという意味において、きょうは質問させていただきたいと思っております。  まず能楽から始まって、最近では、和紙、和食というものもユネスコの無形文化遺産に登録がされました。本当にこれは私どもにとって誇りでもあり、そして守るべきものであり、これを生かすことによって遺産ではなくするということも使命なのではないかなというふうに思っているところであります。  全国各地には、着物、和装や藍染め、扇子や和紙、和菓子、また、しっくいやコンニャクや漬物、それぞれの地域の特色となるような産品というものができ上がっております。日本人の生活と密接にかかわる衣食住さまざまな分野での伝統的産品があり、土地や地域の名称が与えられ、私たちの日常に彩りを与えているということは、共通の認識であると思います。  しかし、生活様式の変化や大量生産、大量消費という時代の流れの中で、手仕事による時間をかけてつくり上げられた様式や、そして製法、技法というものに根差した道具も含めまして、コスト面でも生産規模においても不利な面は否めないですし、また、技術の伝承者も含めて減少の一途をたどっているという現実があるかと思います。  ビジット・ジャパン・キャンペーンでは、訪日外国人観光客は二千万人を目指すというのも現実味を帯びてまいりました。十年近く前に私も予算委員会で質問したときは一千万人でも多いような時代から考えると、本当に隔世の感はありますし、それだけ日本が魅力的であるということで、加速度的に今進んでいるのだというふうにも思っています。  各地の文化に触れることが、景色や建物を見て楽しむとともに大きな魅力となっておりますし、この文化また地域の伝統的産品というものを育てるということが、ひいては日本の経済の活性化というものにつながるんだと思っております。  大分古いデータしかちょっと私とれなかったんですが、海外での文化産業の市場規模は、経産省のまとめによると、これは二〇〇九年のしか見つけられなかったんですが、四百六十兆円ほどになると。そのうち日本の文化産業は約三兆円という試算が、当時出ておりました。 その後もさまざまな試算を出され、クール・ジャパン、そういった施策につながっていったと認識しております。  しかし、伝統的産品の決定、また、今経産省で指定をしているそういったものは、ともすれば、希少だからこそ守ろうということが高じて、結局芸術品となってしまって、一部高級品につられる形で特別なものになってしまうために、日本独自のオンリーワンの文化産業となる機会を世界の中では逃してしまっているのではないかと危惧をしているところでもあります。また、高級品となるがために、日常品として生産できる産業構造、技能者というものも失われてしまうのではないかという危機感が私にはございます。  その中で、まず、例えば着物、和服ですね。こちらの方は日常着として着用されなくなって久しくなっております。需要の減少に伴って、着物の市場は、当然、高価なものまたは高級なものへと今シフトしていると聞いております。一般消費者から見れば、着物は特別な日に着るものだと思われているようでもあります。  私も、何度も、本会議またさまざまなとき、季節の変わり目とか、そういったときに着物を着るようにはしておりますけれども、ほかの議員からは大変珍しいようなお声をかけていただきます。  きょうは何かあったのかと聞かれるのが大抵でございます。  また、レンタルの着物を着てこられる議員の方々が、同じ紋を何人も何人もつけているということにお気づきになっていないという意味において、やはり日常にないからこそ日本の和装文化のしきたりというものにも疎くなる。また、恐らく御自身の家の紋とは違うものをつけていても余り気にならないという意味においては、特別なものになってしまったので、やはりそういった意味の需要喚起からは離れてしまっているんだというふうに、特に開会日の日には感じるものであります。  そこで、和装振興への取り組みの考え方、また、ほかの伝統産品にもある意味水平展開すると思われますが、どのような取り組みが、経産省におきまして新しい産業としての和装振興というものを捉えていらっしゃるのか、お聞かせいただければと思います。 ○黒田政府参考人 お答え申し上げます。  呉服の小売市場の規模でございますけれども、昭和五十七年の一・七兆円から、平成二十五年には三千億円にまで減少しております。  先生御指摘のとおり、和装振興のためには、特別な日に着る晴れ着としての着物だけではなく、より身近で日常的に着る着物が必要だと考えております。また、和装振興は、単なる伝統的衣服の振興だけではなくて、その素材、製造技術、紋様等がほかの製品の付加価値の源泉ともなる取り組みでございます。さらに、和装を使った情報発信は、地方振興にも資するものと考えております。  こうしたことから、経済産業省では、本年一月、和装振興研究会を設置いたしまして、ユーザー目線を念頭に置いた着物の産業のあり方や、着物を有効に活用して我が国や地域の魅力向上につなげていくための方策について検討を開始したところでございます。  具体的には、着物市場の裾野拡大による、若者を中心とした新規需要の拡大、あるいは着物を活用したイベントによる地方振興の方策などについて検討を進めております。さらに、これも御指摘いただきました、増加するインバウンド需要を取り込むために、クールジャパンやビジット・ジャパン事業との連携等についても検討を行いたいと存じます。  以上でございます。 ○小宮山分科員 全国では、商工会議所などを中心に、または任意団体等で着物の日の制定をしたり、また、京都などを含めても、町の中で着物を着て行くと割引があるとか特典がつくというようなことをすることによって、地域の和装または織物の産業の支援というものを随分しているようであります。なかなか全体像というのは把握はできていないんですけれども、これらの支援というものが大変重要かと思っております。  この点、何か、どんなことをしているか、質問通告はしていないんですが、あれば、ぜひ一言いただければと思います。 ○黒田政府参考人 お答え申し上げます。  和装振興研究会で御紹介したあれでございますけれども、例えば、京都にキモノでジャックというイベントがございまして、SNSで呼びかけまして、着物姿で集まって集合写真を撮るというようなこと。その他でもどんどん広がっているということでございます。  それから、浴衣でモエ・エ・シャンドン、これはシャンパンメーカーが着物でシャンパンパーティーをやろうじゃないかと。これは全国各地で行っている。  こういうものがだんだん広がっておりまして、特に最近、若い方が着物に対する関心が非常に高いので、そこをついた、かつ、SNSという新しいコミュニティーツールを使ったものが広がっているというふうに認識をしてございます。 ○小宮山分科員 要望ではありますけれども、全国で着物の、また織物の振興をされているところに関しましては、ぜひさまざまな振興策、要望等、また需要喚起に対してのヒアリングも含めまして、していただければと思っております。  また、場合によっては、国会も含めてですけれども、大臣みずから、やはり繊維産業の支援ということも含めて、着物で国会答弁に立っていただくなんということも御検討いただければと思います。大きくにこやかにうなずいていただいて、大臣、ありがとうございます。  さて、着物でもそうですが、縫いの方、また洗い張りであったり、紋をつける、そういったところにはさまざまな技術がございます。日本の伝統文化の特徴といたしましては、やはり分業をしているということかと思います。  今でいえばワークシェアリングという言葉も多少は当てはまるかもしれませんが、さまざまな方がプロとして一つの製品をつくり上げていく、そういった方法というのは、いろいろな方々に職を与え、そして多くの方が食べていける。そういった道をつくるという意味においては、日本型の手工芸というんでしょうか。こういった形というのは大変勉強になるし、また復活させた方がいいのではないかと思うことも私自身ございます。  しかし、例えば、おけとか、たるですが、しょうゆ屋さんから私も伺ったんですけれども、大きなおけをつくる技術者というのは全国にも数社しか既にない。その上、しょうゆだるでいいますと、寿命は大体百年ほどもつというスパンでございますので、しょっちゅう取りかえるものではない。  しかも、大きさは二千リットルから一万リットルと巨大でもあります。全国で数千本まだあるそうですし、私のいる埼玉県内でも百から二百はまだ現存しているのではないか。私の町のしょうゆ屋さんも、木だるを実際に二百年以上使っての製造をされております。  なのですが、結局のところ、今、これも減少しているのは、保健所からの衛生上の指導等があったり、また、先般テレビで陸前高田のしょうゆ屋さんの復興の話をされておりまして、ここも大変長い歴史、二百年以上の歴史があるところでもありますが、津波によって流されたために、今、既に木だるはなく、ステンレスでの再生をされていらっしゃる。いずれは、私も、テレビを見ながら、ビデオを見ながら、木だるでの新しい商品をつくっていただきたいなと思うところではあります。  たがを外すという言葉、御存じかと思いますが、おけを束ねる枠のところですね。この大きなたる、しょうゆをつくれるような、みそをつくれるような大きなたるのたがをつくれる職人が、もう既に一人しかいないということであります。  そのために、小豆島のヤマロク醤油さんが立ち上がりまして、今、大阪の方で、工務店や有志の方と、その方たちに弟子入りしたりして、その技術を学ぶように今努力をされている。木おけの保存会というものをつくられているそうであります。  これはホームページにも載っております。  どんなにいい製品、世界じゅうで日本食のブームがあっても、やはり本来の、木の、自然とともに育まれた、その土地土地の味というものがつくれなくなる状況というのは、大変見過ごせないことでもあります。  この点に関しまして、伝統的な工法を利用して、現在、その技術継承者が極端に減少している技術というものを把握されているのか、この点に関してお聞かせいただきたいと思います。 ○富田政府参考人 お答え申し上げます。  委員御指摘いただきました伝統的工芸品産業、近年、生活様式が大きく変わってきておりまして、一つには、その需要がかなり減ってきたということで、生産そのものも減少をしております。  それから、委員からまさに御指摘ございましたとおり、伝統的な工法を支えるような、例えば道具であるとか部品であるとか、そういったものをおつくりになる職人の方々も大変不足をいたしておりまして、昔ながらの商品をつくることが非常に難しい状況になっているということを私ども認識をいたしております。  どのように状況の把握をしているかというお尋ねでございますけれども、経済産業省では、伝統的工芸品産業の振興に関する法律というのがございまして、これに基づいて指定された二百十九の産地がございます。この中には、着物もございますし、陶器ですとか、あるいは漆器でありますとか、それから委員御指摘がありました杉だるも含まれてございますけれども、こういった関係者の方々と最低でも年二回、定期的な全体会議をやりまして、そこでいろいろさまざまな御意見を伺う。  それから、個別の施策の説明会などでも、地域ごとにいろいろな御要望なり現状の把握に努めているところでございます。  また、特に御要望がある場合には、例えば、御指摘ございましたような、道具とか部品がなくなってしまったのでこれをどうするかというような問題について、個別的に調査あるいは診断を行うという事業もあわせて行ってございまして、これまで九十六の産地で取り組みを行ってございます。  来年は、この調査をさらに強化いたしまして、内容を充実させていきたいと思っております。  今後とも、そういった現状把握にしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。 ○小宮山分科員 ぜひ現状の把握をしっかりしていただきたいのとともに、レクのときに気になったのは、担当の箇所それぞれはいろいろ情報を得ているかもしれないけれども、それが一カ所にまとまっていない、これがきちんと引き継がれない、これでまた情報の伝達ができないような状況に今あるのではないかと推測する面が多々ございました。  そうでなければ、どこかで漏れてしまえば、どこか一つの部品がつくれなくなったら、結局のところ全体ができなくなるというのが分業体制の実際であり、また、需要喚起できなかった現実だと思います。  やはりこれは、大量生産、大量消費だけがいいのではないということも含めて、ぜひ早急にこの点はまとめていただきたいと思います。  さらに、今、伝統的工芸品産業の振興ということでありますが、結局、余りにも対象が工芸的にすぐれたものに、評価できるものばかりが選定をされております。ここのところも問題があるんだと思いますので、もう少し日常品となる産品についても伝承のためには門戸を広げるべきではないかと思いますが、この点はどうされるのか、伺えないでしょうか。 ○富田政府参考人 お答えを申し上げます。  先ほど私の御答弁がちょっと言葉足らずでございましたが、伝統的工芸品産業の振興に関する法律に基づいて伝統的工芸品というものを指定するわけでございますが、そのときの要件は、第一が日常生活で使用する工芸品であることというのがまず要件になってございます。 ですから、単なる芸術品とかそういったものは伝統的工芸品のジャンルに入ってまいりません。  そういった意味で、まさに日本人の生活に密着した、一般家庭で使われるようなそういう工芸品を対象にした制度だというふうにぜひ御理解をいただければと思います。 ○小宮山分科員 現在の法律がそういう枠組みになっているのは存じ上げております。だからこそ、日常にまで枠を広げない限りは、伝統の味や着物などを含めた製品というものが次世代に残せない、また、それを活用できない。  海外のセレブが日本の生地を使ったというニュースを見たことがあります。ファッションの中でも大変すばらしい製品をつくっている。その機械自体は、三十年、四十年前のものを使っていたという状況もあります。  そういう意味においては、しっかりと日本の伝統を守るという意味においても、さまざまな道具も含めて広げていただきたいと思っております。  先般、先ほどの陸前高田のしょうゆ屋さんの八木澤商店さんなんですけれども、テレビ放映のビデオを見たときに、彼が中小企業として頑張ろうと思った、それまでは、若いころは、もうけなければ企業ではないという発想だったのが、変わったのが、震災で亡くなられた宮城県中小企業家同友会の前事務局長の方の言葉でした。強いものだけが勝ち残る世の中をつくるより、みんなが安心して暮らせる世の中をつくる方がよっぽど難しいだろう、それをやる人は青臭いと言われ、指を指されて笑われるだろう、でも、これができるのが日本の中小企業なんだという言葉でありました。  私もこの言葉に大変感銘を受けました。  中小企業庁も持っております経済産業大臣、ぜひ、こういった日常のもの、日本の伝統的産業に関しまして、どのように進めていくのか、守っていくのか、そしてさらには育んでいくのか、御見解をお聞かせいただければと思います。 ○宮沢国務大臣 委員が最初におっしゃいました、本当に、日本人の、長い間この国土に住んできた結果持っている感性というものは大変すばらしいものだと私も思っております。  そうした観点で、今、クールジャパンということをかなり力を入れて進めておりますけれども、私は、間違いなく、日本の伝統産品、また伝統工芸品といったもの、決して高級品だけではなくて、全体、クールジャパンの中で大きな役割を果たしてくれるものだと思います。  かつて、日本はガラパゴス化したとかいろいろ言われていますけれども、ガラパゴス化した、まさに世界標準からすると、感性が研ぎ澄まされ過ぎているとか付加価値が高過ぎる、その割に高いといったものが、ある意味では、これから、世界のそういうものがわかる目ききの人たちには大変受けるんだろうと思っておりまして、経産省としても、クールジャパンの中で伝統品、伝統産品というのは大きな位置づけとしてこれから取り扱っていこうと思っております。  また、技能の伝承がなかなか難しいという話を今承っておりまして、経産省としては、伝統的工芸品産業支援補助金を通じて、後継者の育成とか新商品開発のための事業に対する支援を行っておりますけれども、そういう細かいところまでしっかり気配りをしていかなければいけないなという思いで伺っておりました。 ○小宮山分科員 ぜひ、大臣には小さいところまで気配りをしていただきたいと思います。日本を支えているのは九七%以上の中小零細、個人企業だと思っておりますので、このことをぜひ基本にお考えいただければと、策をとっていただくことをお願いいたします。  さて、あしたは、東日本大震災から四年がたちます。相変わらず、福島第一原発からの汚染水の問題は、連日のように深刻な報道がされております。一たび原子力事故が起きれば、本当に取り返しのつかない、また、収束は先が見えないというような事態に陥るということは実感をしたものでもあります。  私自身も、昨年九月に現場の方に入らせていただき、本当に大変な事故であるし、また、今作業している方々の本当に御苦労も理解はいたしますが、だからこそ、原発に頼るのではなく、やはり自然とともに生きる日本としては、その自然の力というものを最大限生かすということは重要かと思います。  昨日も、メルケル・ドイツ首相が来られて、やはり脱原発ということでドイツは先に進まれておりますので、日本もそうあってほしいということを、まず冒頭につけ加えさせていただきます。  地震災害から逃れられないのも日本でございます。まず、再生可能エネルギーの投資額というものは、二〇一三年国連環境計画の中では、日本国内では二兆九千百七十二億円と試算されております。世界では、二十一兆円を超す、二十二兆円近くが投資額としてはされている、大変大きなマーケット市場でもあると言いかえることは可能だと思います。  そこで、日本同様の火山大国であるアイスランドでは、地熱発電は電力の約三割近くをもう担っております。一方、日本国内での地熱発電は、電力の〇・三%にとどまっております。  この点に関しまして、温泉大国でもあり、また火山大国でもある日本というのは、エネルギーを有効に使うということが大変重要なポイントに今後なるかと思っております。地熱発電への評価、また地熱発電推進への取り組みなどにつきまして、現状をお伝えください。 ○住田政府参考人 御指摘のとおり、アイスランドも火山大国でございまして、地熱発電の設備容量は今五十七万キロワットぐらいというふうに伺っております。我が国の場合は現時点では五十二万キロワットぐらいでございますので、設備容量的にはそんなに大きな差があるわけではないんですけれども、御指摘のとおり、アイスランドでは電力の二七%ぐらいが地熱発電で賄われている、我が国の場合は非常に少ないということでございます。  地熱発電は、御指摘のとおり重要な電源でございまして、安定的に発電が可能なベースロード電源であるということもございますし、我が国の地熱の資源量は世界で第三位でございます。したがいまして、私どもとしても、積極的に導入すべき電源であるというふうに認識をしております。  他方、導入に当たりましては、やはり地元の地域の皆様方の理解というのが非常に大事でございまして、温泉事業者の方々、あるいは自然保護の関係の方々、こういった幅広い方々の御理解を得ることも大事でございます。  また同時に、地熱発電の場合は、開発から発電所の稼働までに十年を超えるような期間がかかるといったような問題、課題がございますので、近年、特にこうした課題の解決のために経産省としても意欲的に取り組んでおるところでございます。  例えば、地域の理解の促進のために、地熱を利用したハウス栽培の事業、あるいは道路の融雪事業といったようなもの、そのほか、地域の方々が地熱発電に対する理解を深めるためのセミナーなどについても、そうした促進事業として支援をしているところでございます。  また、開発期間の短縮のためには、環境アセスメントの期間を短くしたいということもございます。環境省とも協力しまして、国の審査期間を短縮する、それとともに、実地の環境影響調査を前倒しで進めるという場合の課題の特定、解決を図るための実証事業なども実施しておるところでございます。 ○小宮山分科員 ぜひ推進をお願いいたします。  最後になりますけれども、廃棄物利用のバイオマス発電への取り組みについて簡潔にお伺いしたいと思います。  昔であれば捨てていた、廃棄していたような、うどんの製麺後のかすや残り物を活用した発電とか、ミカンジュースの搾りかすを使った発電、そういう意味においては、同世代なら特にわかるんでしょうが、某アメリカ映画で、車に生活のかすを入れて、エンジンを積んで、車が動き出すというようなのが現実に近くなってきたんだなと最近は思うところであります。このような技術を実施することによって、今までごみとして処理をしていた、業者にとっては廃棄物処理の費用もなくなる、そして発電もできるという一石二鳥。もっとあるかもしれません。そういう技術がどんどんできているんだと思っております。  廃棄物処分の新しい道として注目されるバイオマス発電につきましてはどのような取り組みをエネルギー庁はしているのか、お教えください。 ○木村政府参考人 廃棄物利用バイオマス発電についてでございますけれども、地域に存在いたします食品の残渣あるいは農作物の残渣、そういったものの廃棄物を有効利用するバイオマス発電、エネルギー基本計画でも「安定的に発電を行うことが可能な電源となりうる、地域活性化にも資するエネルギー源である。」ということで高く評価されております。  経産省では、まず、固定価格買い取り制度におきまして、食品残渣由来のメタン発酵ガスの発電、これにつきましては、三十九円という値段をつけまして、高い買い取り価格を設定しておりますし、食品残渣を直接燃焼するようなタイプの発電も、十七円ということで、買い取りの対象にしてございます。  また、食品工場等で自家消費向けのバイオマス発電を設置する場合の予算措置でございますとか、あるいは、関係省庁と連携いたしまして、バイオマス産業都市の指定、あるいは地域でエネルギーを自立的に賄うようなモデルをつくる、そういったための実証の支援等の施策を講じております。そういった取り組みを通じまして、地域の取り組みを支援してまいりたいと考えております。 ○小宮山分科員 最後になりますが、私自身は、原発を輸出するよりも、経済産業省はこのような新たなエネルギーを世界に率先して進めていただくことが何よりも日本のためにもなると思っております。  最後に大臣の決意を伺わせていただいて、終わりたいと思います。 ○宮沢国務大臣 もう時間もないようでございますので、原発についてはもう申し上げませんけれども、再生可能エネルギーを最大限導入していくという方針のもとに進めております。  一方で、固定価格買い取り制度の中で幾つか問題が出てきておりまして、やはり太陽光発電に偏り過ぎているという問題点がございます。  そうした意味からいいましても、バイオマスであり地熱でありというものは積極的に導入していかなければいけないと思っておりまして、しっかり対応してまいりたいと思っております。 ○小宮山分科員 ありがとうございました。 ○平口主査 これにて小宮山泰子君の質疑は終了いたしました。