平成26 年10 月23 日 衆議院災害対策特別委員会速記録(議事速報) ◇この議事速報は、正規の会議録が発行されるまでの間、審議の参考に供するための未定稿版で、一般への公開用ではありません。 ◇後刻速記録を調査して処置することとされた発言、理事会で協議することとされた発言等は、原発言のまま掲載しています。 ◇今後、訂正、削除が行われる場合がありますので、審議の際の引用に当たっては正規の会議録と受け取られることのないようお願いいたします。 ○梶山委員長 次に、小宮山泰子君。 ○小宮山委員 生活の党の小宮山泰子でございます。  先週に引き続いて、質問をさせていただきたいと思います。  まず先週、時間に限りがあったものですから。  山谷大臣におかれましては、国土強靱化の担当大臣でもあるということでございます。六月に、国 土強靱化基本計画、国土強靱化アクションプラン二〇一四が決定されるとともに、国土強靱化地域計画策定ガイドラインが策定されております。残念ながら、まだ委員会の方ではこれに関しましての質疑はほとんど行われていないというのも現実だと思いますが、現在の国土強靱化としての取り組みについて御説明をお願いいたします。 ○山谷国務大臣 国土強靱化についてでございますが、本年六月に、国土強靱化基本計画、国土強靱化アクションプラン二〇一四を決定するとともに、国土強靱化地域計画策定ガイドラインを策定、公表しまして、今本格的な推進段階に入ったというところでございます。  現在、関係府省庁と連携し、基本計画やアクションプランの着実な推進を図っているほか、国内外への広報活動の実施等を通じ、国民一人一人や民間事業者等に幅広く理解を深めていただくよう努めております。  さらに、国土強靱化地域計画策定モデル調査を実施し、専門家の派遣等を通じて、地方公共団体による地域計画の策定をしているところでございます。  今後とも、施策の重点化、優先順位づけ、そしてハード、ソフトの対策を適切に組み合わせていきながら、国、地方、民間が一体となって、効率的かつ効果的に国土強靱化を進めてまいりたいと思います。 ○小宮山委員 大臣には、その優先順位等、やはりそれは価値観の問題もあるかと思います。特に大臣の価値観というのがありますので、それは本日最後に決意として伺わせていただきたいと思います。  さて、これも先週に引き続きなんですけれども、感震ブレーカーの設置の普及についてお伺いして いきたいと思います。  前回質問した際に、感震ブレーカーの性能等、ガイドラインを、消防庁、経産省等と共同で研究会を立ち上げ、年度内をめどに作成されるとの答弁がございました。  質疑の二日後には、電気火災の危険を訴え続けてきた室崎神戸大学名誉教授が、耐震化や市街地整備に多額の税金が投入される一方、感震ブレーカーに補助金がないのがおかしい、電気が火災につながるという意識を広めながら補助を充実する必要があると指摘されるなど、新聞記事になっておりました。  また、一昨年、感震ブレーカー設置に対する補助金制度をスタートさせた横浜市では、補助対象となる木造住宅密集地域三十四万棟に対して、昨年度の申請は本年の九月ごろまでに百件ほどにとどまっているようであります。  首都直下地震の被害想定では、火災の犠牲者が最大となる冬の夕方で風速八メートルの場合、感震ブレーカーを取りつけるなど電気による火災防止策を講じれば、一万六千人の死者は九千人に減ると試算も出されております。  このことからも、感震ブレーカーの設置普及をするために補助金制度を創設することは、効果も高く、減災の観点からも必要と考えます。大臣の御見解をお教えください。 ○山谷国務大臣 感震ブレーカーでございますが、委員御指摘のとおり、地震のときの出火を抑制する効果があると考えております。  このため、内閣府におきましては、消防庁、経済産業省と連携して、大規模地震時の電気火災の発生抑制に関する検討会を開催し、市販されているさまざまな種類の感震ブレーカー等について、性能評価の考え方や設置に当たっての留意点等を取りまとめまして、年度内を目途にガイドラインを作成することとしております。  私も、さまざまなタイプのブレーカーを見させていただきました。感震ブレーカーの普及に当たっては、まずは、地震火災の主たる要因は電気によるものであることについて、国民の理解の促進ということが重要であり、その上で、現在検討を進めているガイドラインに基づいて、各種感震ブレーカーの製品の認証を進め、製品の信頼性を高めることで、消費者がみずからの住宅の特性やニーズに即した製品が選択できる環境を整えることが重要であるというふうに考えております。  補助制度を設けたらどうかということでございますが、一部の自治体で設置費用の補助を行っている例もありますが、国で検討を進めているガイドラインの作成及び公的な機関における製品認証の取り組みは、このような自治体の動きを後押しする効果があるものと期待しており、こうした動きを見きわめながら、必要な施策について引き続き検討してまいりたいと思います。 ○小宮山委員 参考ではございますけれども、横浜市の事例でございます。分電盤タイプでは、費用の三分の二、上限五万円として補助を出されておりますし、また、コンセントタイプであれば、費用の二分の一で上限五千円ということですので、ある意味、これも本当に、さまざまな、どこに置くかにもよりますし、コンセントが何口あるのかによっても違いますけれども、大変有効な手段であるということ。  やはり、防災に対する意識を高めるという意味においては、その広報、これからガイドラインをできるだけ早急につくっていただき、震災、首都直下などに関してはもう待ったなしで準備ができるように、ぜひ、大臣におかれましても、推進のためにお力をかしていただければというふうに思います。  さて、ビジット・ジャパン・キャンペーンなど、国土交通省・観光庁が中心となって、外国人観光客の来日人数拡大への取り組みもあります、また、円安も関係あるかと思いますが、昨年は訪日外国人が一千万人を突破し、さらに多くの方が日本を訪問していただき、さまざまな日本の文化にも触れていただいております。  二〇二〇年東京オリンピックも含めて、観光などで訪日外国人への対応として、観光案内板や道路標識、公共交通機関などの案内看板で、外国語表記、さらに多国語表記の見直しや設置が進められているところであります。  東日本大震災のときも、避難所等で必要な情報を得られるか、情報に到達できるか否かというのは大きな問題であり、今後の避難計画等をする中での大変な課題であると認識しています。また、この点でいえば、障害者や難病をお持ちの方も支援の情報を得るのが大変難しかったと聞いております。  こういった問題におきまして、また、先月発災いたしました御嶽山噴火で指摘されたことの一つとして、登山者の特定や総数の確認が難しいということがございました。また、当該地域の地方自治体においても、噴火災害に対して、自治体住民の避難計画を立てていても、居住者でない一時的滞在者である観光客、登山者については、十分な計画検討ができないままになっている例も見られます。  観光客など居住者でない方の把握については、火山の噴火災害に限らず、全国のどんな災害の場合においても考えられることでもあり、また、対応していかなければならないことだと思います。  防災計画などを検討する際の前提条件として、一時的な来訪者の把握、対策をどのように想定しているのか、まずその実態をお聞かせください。 ○松本大臣政務官 観光地における来訪者の安全の確保につきましては、防災基本計画や南海トラフ地震対策の基本計画などにおいて位置づけがなされております。駅、観光施設、旅館など観光客が利用する施設の管理者が避難誘導に係る計画の作成及び訓練の実施に努めること、また、現地の地理に不案内な観光客に対するパンフレットの配布、避難誘導看板の設置など、避難場所や避難経路などについて広報を行うこと、こうしたところを位置づけているところであります。  また、各地域の防災計画は、これらの防災基本計画等に基づきまして、観光客などの一時的な来訪者の対策も含め作成されることとなっております。  今後とも、地方公共団体、関係省庁等と連携しつつ、観光地における来訪者の安全確保に努めてまいりたいと思います。 ○小宮山委員 今御指摘がありましたけれども、多くの方にぜひ対応していただきたいと思いますし、また、松本政務官におきましては、被災地での噴火災害の方に対応していただいたこと、心から敬意を表させていただきたいと思います。  さて、火災時には、避難場所、交通や支援物資の情報などの入手は難しくなるということは指摘させていただきました。ましてや、日本語にふなれな外国人であればなおさらだと考えます。  そこで、訪日、在日外国人の方々への緊急時の避難、行政などの情報をどのように提供するのか、国の取り組みについて現状をお聞かせいただけないでしょうか。あわせて、地方自治体の取り組みも含めて、把握している範囲で、まず現状の点に関しましてお伺いをさせていただきたいと思います。 ○日原政府参考人 お答えいたします。  観光立国ということで今取り組んでおりますので、そういった中で、自然災害の多い日本におきまして外国人観光客が安心して旅行できる環境というのは大変重要だと思っております。  基本的な考え方は今政務官の方からお答えされたようでございますけれども、例えば、JNTO、日本政府観光局でございますけれども、そこでセーフティーチップスというような形で、日本の防災に関しますいろいろな情報をまとめた、ホームページの中の、そういった安全関係の取り組みをいろいろ書いていまして、例えば、地震が起きたときにはどういう行動をとるべきかとか、津波についてどうするかとか、あるいは火事の場合は広域の避難場所に逃げるようにとか、そういったようなことをわかりやすく、これは英語を初めとする各国語で示したページを用意しております。そういったものであらかじめ学習していただくというようなことをまずやっております。  それから、防災上のアプリケーションとして、今言ったように、地震のときにどうするんだとか津波のときにどうするんだといっても、実際どういう状況かわからないといけないので、最近スマートフォンが普及しておりまして、外国人観光客も持っていることが多いものですから、防災アプリのような形で、緊急地震速報あるいは津波警報につきまして、アプリケーションの中で外国人でもわかるように流す、そういうようなソフト開発、これは観光庁がやはり監修しながらつくっているというような状態にございます。  それからあと、地方公共団体の取り組みということでございますので、地方公共団体としては、同じようなアプリケーション、これは地方公共団体ごとにいろいろなところがつくっておるわけでございます。ただ、これは地方公共団体ごとになると、観光客は動くたびにアプリをいろいろ入れてあげなきゃいけないので、こういうことで、これはちょっとまだ国内向けではあるんですけれども、国土地理院と内閣府と一緒になりまして、避難関係の防災情報が集約されているような、全国どこでも持って歩けるような、そういったアプリケーションの開発につきまして一般公募を行いまして、現在、選定して、そこにおいて開発していただいております。こういったものもぜひ多言語化を図っていただければいいかなというふうに思っております。  それから、やはり、外国人という方ですと文字を読むといっても時間もかかりますし、わかりにくいということで、東京オリンピック、一九六四年のオリンピックのときにピクトグラムが取り入れられたわけでありますけれども、二〇二〇年に向けましても、さらにそれを発展系ということで、現在、その標準化等々につきましての方針を検討いたしているところでございます。  いずれにいたしましても、さまざまな形で、外国人の方々が安心、安全に避難いただけるような仕組みに取り組んでまいりたいというふうに思っております。 ○小宮山委員 先ほど、ホームページ等で安全対策を事前に学習をということでありました。事前に学習であれば問題がないと思うんですが、先般、うちの埼玉県内でも、やはり台風のときに緊急警報のようなものがエリアメールで来たときに、多くの方が、ホームページで詳細を見てくださいと書いてありまして、見ようと思ったらサーバーダウンして見られなかったという現実も伺っております。こういうことは全国で起きていることを考えると、やはり事前にという、観光に来て、事前にその地域の防災情報と逃げ方って、観光する方はまずめったにすることはないかと思います。  そういったことから見ますと、今御指摘がありましたピクトグラムというものは、言語に頼らないために、東京オリンピックから普及され、そして世界じゅうに広がってきたというものでありますので、それも今、さらにいろいろ強化されるということで、この点に関しましては大変いい策なのではないかというふうに思っておりますので、活用していく必要はあるかと思います。  それでは、そういったピクトグラムがあったところで、では、それが、何となくわかるけれども、本当に皆さんわかるのかなという思いをいたすところでもあります。  平常時には、防災マップ、どんなに配られても、ホームページで公開をされても、スマートフォンでアプリがあっても、見ることは余り観光客はないかと思います。そうなれば、多くの訪日観光客が見込まれる地域においては、NPOや民間団体などが観光マップやパンフレットを自主的に作成する際に、避難場所の情報や多言語表記、またピクトグラムも含めて、災害マップの要素も兼ね備えた観光兼防災マップというものを普及させるということは大変重要かと思っておりますし、また、それであるならば、必ず多くの観光客の方は入手をされている、兼用することができるという意味では大変有効な手段かと思っております。  こういった観光兼防災マップというものの作成に対して助成制度を設けること、また支援をするということは、これからの観光振興、また防災、減災等の効果というものを期待できることから必要かと考えますが、御所見をお伺いいたしたいと思います。 ○山谷国務大臣 観光立国実現のためには、自然災害の多い日本においても、訪日外国人旅行者が安心して旅行することのできる環境を整えることは非常に重要であります。  例えば奈良市では、観光者向けに英語版、中国語版、韓国語版の避難所マップをホームページで公表しておりまして、私も見ました。また、スマートフォンを活用した同種のアプリも各地で提供されています。  委員御指摘の観光兼防災マップについても、地域の実情に応じたきめ細かな取り組みの一つであり、工夫をしていくということは大切であると思います。  内閣府としては、訪日外国人旅行者への情報提供のあり方について、こうした各地域の取り組みが広がっていきますように、関係省庁と連携をしっかりとしてまいりたいと思います。 ○小宮山委員 関係省庁、そして各自治体とをつないでおります総務省も含めまして、この点に関しましては速やかに進めていただきたい。特に、来年度予算等を各自治体もやっておりますので、そういうところに間に合うような、そういった迅速な対応をしていただければと思っております。  そういう意味においては、最後に大臣にお伺いしたいと思います。  前回、最後の質問として、今後重視していく課題についてお伺いさせていただきました。大臣の御答弁は、責任を重く受けとめ、安全、安心、日本づくりのために、行動する担当大臣として頑張ってまいりたいと思いますという大変模範的な回答をいただいたところでありますが、私自身が聞きたかったことは若干意味合いが違いました。  それは、もちろん、この決意も必要なことではありますけれども、全国を回られ、恐らく大臣は多くの関心を持ち、ごらんになられた、そして国土強靱化及び防災担当大臣をお受けになられたのだと推察しております。  例えば、未曽有の自然対策に対してとか、また、前大臣のもとでのアクションプランや計画策定ガイドライン、また、概算要求も含めて、もうある程度決まったところではあるかもしれませんけれども、例えばミッシングリンク解消に避難道路をもっと早く確保することであったりとか、具体的には、ライフラインをもっと早くきちんと整える、今、一カ月と言われる首都直下での交通網が寸断されるという状況、これをやはり早めるんだとか、何がしか優先順位というものが大変必要になると思います。それを何を決めるかといえば、やはり大臣の価値観というものが大変かかわってくるんだと思います。  ですので、いま一度、改めて、山谷大臣が防災大臣そして国土強靱化担当大臣として特に重点的に取り組まれる施策、対策についてお伺いします。 ○山谷国務大臣 日本というのは、本当にさまざまなタイプの災害に遭う国土、気象条件にあるというふうに思っております。台風、地震、豪雪、また火山の噴火等々でございます。さらに近年は、忘れる間もなく災害がやってくるというような、大規模化、そして頻度も非常に多いということを考えておりまして、このために、やはり平時からの事前防災と災害時の被害の最小化、そして復旧復興のスピードを上げていくということが大事だというふうに思っております。そのためにも、さまざまな顕在化した課題について検討を急いで、そして、予算づけも含めて対応を考えていかなければならないというふうに思っております。  我が国は、経済的な力も、また科学技術の力も非常に高うございます。来年の三月に国連防災世界会議が仙台で行われますのも、やはり防災の主流化、そして事前防災、被害の最小化、そして復旧復興のスピードアップ化ということを、リーダーシップをとってくれということを世界が求めているというような状況も、私、先月、国連で関係者とお会いする中で非常に強く感じてまいったところでございます。  しなやかで強い国土の強靱化、そして、経済成長の基盤であり、産業競争力の強化にもつながる防災の主流化ということをまず日本で検討して、具体的な方針をしっかりと国際社会に向けても発信できるように、そして、それがすなわち国内での防災対策の強化につながっていくと思いますので、スピードを持って取り組んでいきたいと思います。 ○小宮山委員 またその計画、大臣の計画が決まりましたら、教えていただきたいと思います。  以上で終わります。ありがとうございました。