平成26 年10 月22 日 衆議院地方創生に関する特別委員会徳島公聴会速記録抜粋(議事速報) ◇この議事速報は、正規の会議録が発行されるまでの間、審議の参考に供するための未定稿版で、一般への公開用ではありません。 ◇後刻速記録を調査して処置することとされた発言、理事会で協議することとされた発言等は、原発言のまま掲載しています。 ◇今後、訂正、削除が行われる場合がありますので、審議の際の引用に当たっては正規の会議録と受け取られることのないようお願いいたします。 ○鳩山座長 小宮山泰子君。 ○小宮山委員 生活の党の小宮山泰子でございます。  きょうは、意見陳述者の皆様方には大変貴重な御意見を聞かせていただきまして、ありがとうございます。  正直申し上げまして、これだけの大きな課題においてのこれだけの質疑の時間、意見交換の時間というんでしょうか、短過ぎるような気もいたしました。  ただ、それぞれが社会のニーズであったり地域の資源に気づいた、またそれを見出すすばらしい才能というか能力があったということ、また、そういった方がいてこそ新しい一歩が踏み出せたのではないかという意味では、先ほどから何回か出ておりますけれども、これは地域の問題ではなく、全国でできるという可能性を見せていただいたということにおいては、大変感謝を申し上げたいと思います。  そこで、まだまだ本当に聞きたいことはたくさんございますけれども、まず最初に大南公述人に伺いたいと思います。  それは、神山モデルにおきまして、最初のところ、余り時間がなくて伺えなかったので、文化芸術、この点からスタートをする、そういう意味では、地域に根差すその意義が多く含まれているんだと思います。  どのようなことをされたのか、なぜその分野を選ばれたのか、その発想の原点というものを教えていただきたいと思います。 ○大南信也君 いろいろなスタートがありますけれども、一九九〇年ぐらいから、グリーンバレーの前身の組織は国際交流をやっておったというところが一番大きいかなと思います。  一九九七年になると、徳島県が新長期計画というものを発表しました。その中で、神山を中心とした地域にとくしま国際文化村をつくりますというような新聞の記事が出たわけですね。その記事を見たときに、これから十年後、二十年後を考えれば、そういうような施設であっても、例えば県とか町とかがつくったような施設であっても、住民自身が管理、運営するような時代が来るだろう。  そうだとすれば、与えられたものだったらうまくいくはずないから、自分たちはこういうような国際文化村が必要だと思うということの中で、ある一人の人間が、若いときにいろいろな場所に行ったときに、例えば箱根町とか軽井沢町に行ったら、必ずアーティストがアトリエを構えておって、その雰囲気が何ともよかったと。アーティストは人間だから、自分らの力でも引っ張ってこれるから、では、芸術家村をつくろうよというところで芸術に入っていきました。  結果的に、日本人だけじゃなしに、外国人のアーティストなんかも招くわけですね。そうすると、結局、神山の場合は、施設とかお金をそんなに出せないわけです。あるときに、僕の方から、済みません、ごめんよという話をしたときに、いや、関係ないと。設備が悪いとかいうのは関係なくて、結局、自分たちはアーティストだから、今の施設の価値は、どれがどれだけあるかというのは全く関係なくて、自分たちが入ってくることによってその価値がどれだけ上がるかというのが我々の役目だということを言われて、それで初めて解き放たれるわけです。  それで、それから考えたのは、いや、背伸びせぬかってもそのままでいいんだということを学びました。だから、それからは、別に飾ることもなしに、全部打ち明けて、それで結果的に、神山に入ってきた人たちがいろいろな問題を解決してくれよるのが今の状況でないかなという感じがしています。 ○小宮山委員 ありがとうございます。  文化というものは、大変奥深いですし、それを中心にまた多くの方が集まる。また、新しい人も、もともといた方も集まれる起爆剤というか接着剤のような役割をすると思いますので、このやり方というのは大変興味深く、また、支援のあり方というのも、これからの参考にさせていただきたいと思います。  次に、山口公述人に伺いたいと思います。  御趣旨に、在宅福祉は住民の支えがますます重要とあります。少子高齢化という中、またコミュニティーが崩壊しかけているというところがたくさんある中で、先ほど、コミュニティーハウスの話であったり、住まい方、支え方というのが家族主義から地域に変わっていくのではないかというふうに聞かせていただきました。  今回の法案自体は、やはり人口減少に歯どめがかからないという危機意識というところが大変大きくあるんですが、家族だけではなく地域とともに生きるという新しい発想が必要か。そのときには、山口さんのやっているような福祉のあり方というのは大変参考になるかと思います。  これからの家族のあり方について、何か御意見があれば、簡潔にお願いいたします。 ○山口浩志君 今現在、無縁社会ということがすごく問題に取り上げられていると思うんですけれども、昔、上杉鷹山という方が、五人組という、いわゆる今の三助の功、共助、互助、自助、それをつくり上げたという話があるんですけれども、やはり、その家族だけでできない、そういうことを、自治体、町内会、いわゆる町内会の中の自治会があり、自治会の中にまた班というのがあります、その班の活動の活性化、そういうのが家族を支え合うことになるのではないかなと思います。 ○小宮山委員 ありがとうございます。  本当に血のつながっている人同士だけが家族でもないし、コミュニティーでもない。新しい人のつながりというものが、福祉という中ででき上がっていくんだと思っております。ぜひこれからも頑張っていただければと思います。  そして、大変エネルギッシュに、大変楽しくというか、経営者の使命というものを大変感じたのは横石社長さんなんです。  いろどりというのが、それまでは葉っぱというものに価値観を見出せなかったのを見出し、そして、それを生かすことに意義を感じ、また生きがいを感じるという方々を育てられたというか発掘された、また、それぞれの高齢者の方の背中を押されたということは本当にすばらしいと思いますし、インターンの方を多く入れているということで、またさまざまな広がりがこれから出てくるんだと思います。  そうなってきますと、次は、やはりそういったマネージをする経営者としての若い方々や地域の方々の人材育成というものが重要かと思います。  この点に関しまして、今、実際にさまざまな活動をされてきた中で、行政の制度の中で、不足、そして足り過ぎているところなど気づくことがありましたら、ぜひ教えていただきたいと思います。 ○横石知二君 全てがうまくいっているわけではなくて、一番の今の課題は何かというと、町内における格差だと思います。  結局、タブレットなんかを使って一生懸命葉っぱを生産しているおばあちゃんたちと、全く何もしない人たちの中に、町内に非常に格差が生まれてきています。地方創生、地域おこしを進めていくと、その中で非常に格差が出てきます。  では、どうしてうまくいかないのかというのは、結局、自分がその仲間に入れない意識、そして自分がよそ者扱いされるという中で、情報難民という言葉を使っていいかどうかわかりませんけれども、わからないことに対して理解ができないわけですね。  だから、社会がどんどん変化している中で、私はICTで何をやっているかといったら、商売も確かにやっているんですけれども、今の時代はこういう時代だから、こういうことを必要としているよ、こういうことが大事だよね、こういうことを何でやらなければいけないかねということを毎日送ります。 これをやらなければ、地方創生、地域おこしを進めれば進めるほど、中で格差が出てきて、それがうまくかみ合わない社会が生まれるというふうに考えています。  それをどうすればできるかというのは、さっき言ったICTの仕組み、構造をしっかりつくる、そして、補助金が要らないのではなくて、行動することにおける手段としては絶対に支援していただきたいんです。  結局は、自力でできない部分があります。それは、お金をもらう目的でやるのではなくて、何かの事を起こすことによる補助金というか支援、ある意味では応援していただけるお金というのがなければ、地方ではできないことがあります。私もそれをたくさん、大南さんのところも、先ほどこの紙が出ていましたけれども、うちも、ここには書いていませんけれども、国には大変お世話になりました。だからできたということがあります。  ですから、そこは、しっかりとやっていくということの中が見えれば、一緒になって応援していただけるようなことが絶対に私は地方創生の手段として必要だという、おねだりではないんですね、おねだりではないんです。それは、やっていくために必要なお金なんです。それを理解していただいて、こういうことをやりたい、だから一緒になってお願いしたい、では一緒にやろうよと。だから、これは画一的にはならないんです。  こんな、日本全国、北海道から九州まで、絶対に同じになるわけがないです。それをみんなが画一的にしてきた社会が、結局は、地域が何かおかしくなったことでないかなというふうに考えています。  だから、ぜひその点、応援をお願いしたいというふうに考えています。 ○小宮山委員 私も、画一的なものというのは本当に魅力を半減どころではなく、なくしてしまう。  その地域その地域、その人その人のすばらしいところを見出せるような、そういった施策がそれぞれの地域でできるということが何より大切だと考えておりますので、そういう中では、先ほどから飯泉知事もおっしゃっていましたけれども、ある意味、一国二制度とか地域主権であったり、地域の自立性というものをもっと重視する方が、それぞれの意味でさまざまな可能性ができるでしょうし、雇用というものも生まれてくるんだというふうに考えております。  特に飯泉知事は、私がちょうど埼玉県会議員になったときに埼玉県に出向していただいて、あのころですか、ものつくり大学が埼玉でありました。  ドイツ等を参考にはしたんですが、一番大きな点は、大学で技術を学んだ後に数年間その土地にいなければならない。ドイツの場合は、いることによって、家庭を持ち、仕事を持つ、そこで定住になり産業になっていくという理念があったんですが、残念ながら日本はそうはいかなかったというのを埼玉県で私自身実感をしております。  そういう意味において、知事に、本当は全員に聞きたいのは、今回のまち・ひと・しごと創生法案の目的のところ、私個人としては、目的の三番ほどにあります、結婚、出産は個人の決定に基づくもので、希望を持てる社会だという、自由にさせてほしいなと思うところも中にはあるんですが、それよりも、本来の目的としては、急激な少子高齢化においての人口減少に歯どめをかけ、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保する、そして、将来にわたって活力ある日本社会、地域の維持をするというのが一番大きなテーマだと思っております。  逆に言えば、東京圏への人口の過度の集中を是正すれば、人口減少に歯どめをかけたり、地方を活性化するのだろうかと、逆に考えると、何となく違和感を感じているところでもあります。  そういった中で、今回の法案に関しまして、最後でありますが、知事から、簡潔にお願いしたいんですが、皆様に一言ずつですけれども、御意見を伺わせていただきたいと思います。 ○鳩山座長 それでは、申しわけありませんが、簡潔にお願いします。 ○飯泉嘉門君 これは、まさに東京の一極集中、これを一つ変えるということは、まず地方への流れをつくるというだけの話で、それだけで解決するものではもちろんありません。  当然、地方それぞれが魅力を持って、今、若い皆さん方も、これは東京に限られているわけじゃないんですが、四割の人たちは地方で働きたいというんですね。だから、そうした皆さん方が魅力を持てる、それぞれのところがつくれるような一国二制度、大胆な制度改革であるとか、あるいは、先ほど横石さんの言われた、一歩踏み出すためのリスクをとった財源といったものを自由に与えていただきたいと思います。 ○山口浩志君 ちょっとよくわからないんですけれども、一つ言えることは、今までの仕組み、今現在の仕組みでは恐らく実現できない、しないことを、何か新しい一歩を、新しいことを、行動を起こさなければいけないんじゃないか。そのことに関して、冒頭から申し上げていますように、共同事業、共同参画、一緒の思いを持った、同じ目的を持った方々が多産業で同じ一つのことをやる、そういうモデルをつくる。それが大きい事業であれ小さい事業であれ、そういうことが一つ一つ、人をつくるのではないかと思います。 ○横石知二君 この法案とかやり方については、すごく期待をしています。  もっと子供のようにおおらかというか、何か重箱の隅をつつくような気持ちというのが日本全体の中に非常に広がっているのが私はすごく残念だと思います。  私はよく、おばあちゃんの肩をさわりに行きます。さわって、ああ、きょうはよかったなと言うと、すごく喜んでくれます。普通の会社だったらセクハラに当たると思うんです。でも、それが、さわって喜んでくれるということが信頼関係だと思います。信頼してくれているからうれしいんだと思います。 やはり人間というのは、役割があって、そして、あんたがということの信頼関係が、戦略を考えたり、前へ向かって進んでいくことだと思います。  何か、みんなが足を引っ張っていく社会からやはり抜け出ていかなければいけない。もっと子供のように、純粋と言ったらあれですけれども、本当に、おおらかで明るく笑顔でやって前へ進めていっていただければと思っています。 ○大南信也君 行政、民間を問わず、先ほど再チャレンジという話もありましたけれども、とにかく失敗を恐れずに一歩を踏み出す。失敗すれば、またやり直せばいいと思います。  いろいろな政策をやるにしても、失敗のない政策というのはないはずですから、そこの原因をきちっと突きとめて、また新しいチャレンジをするということではないかと思います。  以上です。 ○小宮山委員 さまざまな御意見、本当にありがとうございました。これも参考にさせていただきたいと思います。  また、私自身は埼玉県川越でございますので、実を言うと、人口の過度な集中を是正せよという東京圏の議員でもございます。そういう意味においても、お互いに切磋琢磨して、すばらしい日本ができ、活性化する日本ができればと思います。  本当にすばらしい意見、ありがとうございました。 ○鳩山座長 以上で委員からの質疑は終了いたし ました。 この際、一言御挨拶を申し上げます。 意見陳述者の皆様方におかれましては、御多忙 の中、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述 べいただき、まことにありがとうございました。 本日拝聴させていただいた御意見は、当委員会 の審査に資するところ極めて大きいものがあると 信じております。ここに厚く御礼を申し上げます。 また、この会議開催のため格段の御協力をいた だきました関係各位に対しまして、心から感謝申 し上げます。本当にありがとうございました。 これにて散会いたします。 午後四時十三分散会