平成26 年6 月12 日 衆議院議院運営委員会速記録(議事速報) ◇この議事速報は、正規の会議録が発行されるまでの間、審議の参考に供するための未定稿版で、一般への公開用ではありません。 ◇後刻速記録を調査して処置することとされた発言、理事会で協議することとされた発言等は、原発言のまま掲載しています。 ◇今後、訂正、削除が行われる場合がありますので、審議の際の引用に当たっては正規の会議録と受け取られることのないようお願いいたします。 ○逢沢委員長 最後に、小宮山泰子君。 ○小宮山委員 生活の党の小宮山泰子でございます。  本日は、本当に急な中、またお忙しい中、大変参考になる御意見、参考になるお話をありがとうございました。  本日伺わせていただいていて、私としては、大変驚いたのは、まずは、やはり三木参考人のお出しになった資料でございます。この五ページ目にあります、一般にもう出された新聞記事が黒塗りで出されるという、これが現実なんだなということ。  また、これを拝見させていただいて実感したのは、一九四一年に起きました宮沢・レーン夫妻の軍機保護法においての違反冤罪事件であります。  これも、北海道の根室の第一飛行場のことをレーン夫妻に話したとされて、学生が逮捕されたという冤罪事件であります。結果としては、数年前にもうこのこと自体は新聞に載っていて周知の事実だったにもかかわらず逮捕ができたという冤罪事件でございまして、そのことを少々思い出したことでもございます。本当にあってはならないことですし、その後、なぜ逮捕されたかということも家族にも知らされなかったという事例でもあります。  そういう意味においては、先ほどから何度も出ておりますが、今回の法案、自公案に関しましても、また特定秘密保護法というのには、国会がやはりきちんとした行政への監視機能を持つというべきであるという、三権分立の中において重要な役割を担っているにもかかわらず、懲罰など、除名も含めての箇所があるというのは大変重過ぎるのではないかという御意見もございました。  この点に関しまして、まず清水参考人から御意見を聞かせていただければと思います。 ○清水参考人 国会議員に対するペナルティーの問題としましては、先ほども申し上げましたように、刑罰の方は、私は、立法としては問題があるかと思います。  しかし、懲罰の方につきましては、最高は除名ですけれども、私たち弁護士も会内としてそういうような処分があるんですけれども、やはりそれはそれなりに、重いことをしてしまった場合にはそこまでいくことが、地位を失うことがあるというのは、それなりに責任のある仕事をしている者として、私はこれは仕方がないことなんだろうと思います。  しかし、仮に除名になったとしてもこれをやらなければいけないとなったときに、それは国民が圧倒的に支持するかどうかというところで国会議員としてはかけるべき問題でありまして、処分が軽く、守ってもらうことによってというのは、これはちょっと違うかなと。  法律家としましては、やはり自分の地位を一番危うくするところにペナルティーを設定しておいて、しかし、それ以外の被害はなるべく少なくする。つまり、刑罰の方はないけれども、議員の中から、あなたは議員にふさわしくない、あるいは議員として襟を正しなさいというふうに言われるのは、これはあってしかるべきことではないかなというふうに私は考えています。 ○小宮山委員 きのう、日本弁護士会の方からの会長声明も出されております。この中には、「情報監視審査会は、秘密保護法上の特定秘密の指定等の運用を監視するために設置されるものとされているが、特定秘密の指定等の監視の在り方は、知る権利、ひいては国民主権に関わる重大な問題である。」という声明が出ております。  ただ、今、参考人の話もございましたけれども、やはり国民が選んだ中で、また、先ほどたびたび出ておりますけれども、秘密というものが拡大されていくという危険の中で、本当にそれが特定秘密で重要な案件だったのかというのは、後世にならなければわからない。また、日本におきましては、公文書等に関しての情報公開、またそれを保管する義務というものが長年にわたってないということになりますと、後世においてもそれを検証する手段を失ってしまうのではないかという思いがしております。  そういう中において、情報公開のあり方にも大変重要かと思いますし、また、委員会におきましても、情報監視審査会が形骸化することというのも早急に考えられるのではないか。年一回の政府からの特定秘密の指定及び解除並びに適性評価の実施の状況報告を聞くだけという、現在においても、特別委員会においては、審議する法案がなくなると本当に審査することもなくなるというのも現実にございます。この点に関しまして、特にまた、与党が多いということになりますと、委員会を開かないで済むということも実際の運用上考えられるんだと思います。  この点に関しまして、三木参考人、そして永野参考人から御意見を聞かせていただければと思います。 ○三木参考人 お答えします。  審査会については、開催も、それから調査審議についても、党派対立構造がそのまま持ち込まれるということが一番公益を損なう事態だというふうに考えております。  少数であっても、少数者に対する配慮なり少数者の権限の擁護というものが、本来であれば、やはり審査会の枠組みの中にあってしかるべきなのではないか。それがあって初めて、秘密で行われている会議について、実際に多数かどうかというものを問わずに、権限の行使を行い、機能しているんだということを、私たちは初めてそういう仕組みを通じて理解ができるということがございますので、そこに対する、少数に対する配慮というものは、これを機能させるためには非常に重要なのではないかと思います。 ○永野参考人 お答えいたします。  委員の御指摘ではございますが、先ほど私も申し上げたとおり、国会の中で特定秘密等にかかわる行政運用の監視をするというのは、アメリカではやっていない、相当踏み込んだ制度でありまして、多少、確かに少数会派の方が入らないのではないかという御懸念もあるかもしれませんが、余りにも人数を多くしてしまうと、機密漏えいのリスクが高まる。  また、これだけ正式な制度をつくった以上、私は、実際担当される先生方を信用して、ぜひとも、これはもう機密解除していいんじゃないかとか、そういう運用をしていただけるというふうに期待しているところでございます。  以上でございます。 ○小宮山委員 人数というよりかは現実の運用の問題なんだと思いますし、また、信用しているならなぜこんなに重い刑罰を科すのかということは、諸外国から見ても、日本にある、きのうも視察をされた委員の方が発言をされていましたけれども、全くそのあたりが、大変、刑罰があってしまえば、当然、さまざまなことがある。  また、最初、これは清水参考人の方が、やはり捜査をされる対象が大変広くなり得るのではないか、そういう意味では議員だけの問題ではなくなるという懸念を示されました。私も、ここについては大変ごもっともな指摘だと思いますし、そういったことがあってはならないのが司法でもあり、また、この特定秘密を扱う関係の方々に対する、また、行政監視をするという本来の目的を達するためには重要なのかなというふうに考えました。  さて、時間もなくなってまいりましたので、最後になってまいりますけれども、最初のときには余り御説明をいただけなかったと先ほどもおっしゃられましたけれども、三木参考人の方から出されました、開かれた政府を促進するための取り組みということで、日英戦略的パートナーシップについて改めてお聞かせいただきたいと思っております。  それは何よりも、この点に関しましては、特定秘密とは大変相入れないようなことで、私も共同声明が出されたときには大変驚いたものであります。これは参加がおくれるということは、日本の信用がどのようになっていくのか。することのメリットを改めてお聞かせいただければと思います。 ○三木参考人 お答えします。  先ほど簡単にオープン・ガバメント・パートナーシップというものを御紹介いたしましたが、これはもともとアメリカのオバマ大統領のイニシアチブで始まった取り組みでございまして、各国で開かれた政府をつくるための国ごとのアクションプランというのをつくり、それを国際社会の枠組みに提示をし、どれだけやったかということをまたさらに提示をしながらやっていく。さらに、そのアクションプランの作成や実施については、市民社会との対話というかパートナーシップのもとに行うというものでございます。  オープンガバメントに関しては、秘密の問題とは無縁ではございませんで、アメリカが昨年十二月に出された国内でのアクションプランを見ますと、やはり秘密指定の問題というものがかなりの字数をとっております。秘密指定の問題と大規模サーベイランスの問題と、この二つが、実はこのオープン・ガバメント・パートナーシップのアクションプランの中に入っている。  つまり、秘密の問題というのは、開かれた政府と表裏一体の問題であり、開かれた政府というものを体現するためには、やはり秘密の問題にも向き合わなきゃいけないということがあると思います。  資料にお示ししましたのは、これは日英共同声明で、安倍首相がキャメロン首相と会談をした際に出された声明でございますけれども、参加への検討を加速させるという意欲を歓迎するというイギリス側のコメントがここに入っております。少なくとも、高いレベルでこのような話をされたのであれば、やはり積極的に入っていくべきだろう。  実は、いろいろな国外のNGOから連絡をいただきますけれども、なぜ日本は入らないのかということを、この二、三年、ずっと言われております。それはアメリカ政府の関係の方からも言われました、なぜ日本は入れないんだろうかと。  非常に難しいのはわかるけれども、こういうものに前向きに取り組むことが、やはり今の国際社会の中では非常に重要であると思いますので、これは対立という問題ではなく、政府をよりよくしていくために積極的に取り組んでいただきたいというふうに思っているところであります。 ○小宮山委員 情報交換をする、各国との対応においてもこのような取り組みが進むことを願いまして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。 ○逢沢委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  この際、参考人の方々に一言申し上げさせていただきます。  参考人の方々におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきました。まことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。(拍手)  午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時九分休憩 ――――◇―――――