平成26 年4 月18 日 衆議院内閣委員会速記録(議事速報)  この議事速報は、正規の会議録が発行されるまでの間、審議の参考に供するための未定稿版で、一般への公開用ではありません。  後刻速記録を調査して処置することとされた発言、理事会で協議することとされた発言等は、原発言のまま掲載しています。  今後、訂正、削除が行われる場合がありますので、審議の際の引用に当たっては正規の会議録と受け取られることのないようお願いいたします。 ○柴山委員長 次に、小宮山泰子さん。 ○小宮山委員 本日は、国家公安委員長でもあり、内閣府特命担当大臣として死因究明等の推進も受け持たれる古屋大臣、そして、再チャレンジ担当大臣としての稲田大臣に質問をしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。  さて、最初に、死因究明に関してでありますけれども、平成十八年発覚の瞬間湯沸かし器による一酸化炭素中毒や平成十九年発生のいわゆる時津部屋事件など、それを契機に死因究明に対する国民の関心が高まり、死因または身元を明らかにする体制や法制上の問題点について改善を図るべく、議論、検討が行われてきたというふうに認識をしております。  これを受けまして、平成二十四年六月には、死因究明及び身元確認の推進に係る施策について、そのあり方を横断的かつ包括的に検討し、死因究明等を総合的かつ計画的に推進することを目的とする死因究明等の推進に関する法律が議員立法により成立し、同法に基づき、平成二十四年九月、内閣府に死因究明等推進会議が設置されたところであります。  この会議を決定されまして、この法律は、平成二十六年九月までの二年間で失効する時限立法であります。最終報告書案が検討会で示された。この後、この取り組み並びにスケジュールなどについて確認をさせていただきたいと思います。  また、これが、私自身、埼玉県から選出させていただきまして、細川律夫前衆議院議員が大変熱心にされておりました。また、私の近所にも、検案をされる、立ち会いをされる医師がおります。  また、それをよく見ている医師もおりまして、大変この問題については、さまざまな方にお話を聞いております。  しかし、実態としては大変過酷な中で御協力をされているということも伺っておりますので、この最終報告案を受けて、どのような、また法案が失効を目の前にしておりますので、今後について、大臣より、ぜひお聞かせください。 ○古屋国務大臣 委員御指摘の、死因究明等の推進に関する法律、二年前にできまして、これに基づきまして、今、最終報告案が検討会で示されております。特に先月の十一日に開催をされました第十八回目の死因究明等推進計画検討会においては、最終報告書の案について、おおむね構成員の了解が得られまして、座長一任となった、こういうふうに承知をいたしております。  今月中には最終報告書を取りまとめて、本年六月中をめどに、死因究明等推進会議を開会して、死因究明等推進計画の閣議決定を目指していきたいというふうに思っております。  それから、失効後もどうするのかという御質問がありました。推進法が二年で、これは時限立法でございますので、その失効後も推進計画に基づく施策を推進するように、政府においては、関係省庁間の施策の管理とか調整を行う体制を新たに構築したいというふうに考えています。 ○小宮山委員 ぜひ大臣、よろしくお願いいたします。  また、先ほどお話しの、恐らく柴山委員長もこの問題は大変熱心な方なのではないか、やはり法曹の皆様方にとっても大変関心のあるところでもあり、また、その現場をかいま見ることがある法曹の方々は、特に感じるところもあるんだと思います。  また、死因究明というものがきちんとされることによって、自殺か他殺かわからない、また本当に医師不足というものも言われている中において、現場において、医師が到着するまで警察の方々がその現場での検証をしながらもお待ちされたりとか、また、やはり開業医の方がこの任に当たられている方が多いということを考えますと、日中はそれぞれの患者さんたちの診療をしながら、夜間に呼び出されれば飛んでいって、死亡診断書、死因の検案に立ち会うというようなこともされているようであります。  できれば、そういったことが一切ないままで終わればいい世の中なんですけれども、残念ながら、そうもいきませんし、時、場所を選ぶ案件でもございません。  そういった中において、検視に立ち会い、また検案書を作成する医師などの待遇面での改善への取り組みの現状並びに今後の対応や計画、その裾野を広げること、また、多くの方が検視に対しての知識を深めることによって、人員確保など、今の現状として、数少ない方々が、過酷な中また密度の濃い中でされるという、その立ち会われる医師に対しての今後の計画について、お聞かせください。 ○島政府参考人 お答えいたします。  厚生労働省といたしましても、警察の検視等に立ち会いまして、検案を行う医師をしっかり確保して、できる限り正確な死因を究明していくというのは非常に大事な課題である、こういうふうに考えております。  現在、内閣で取りまとめます死因究明等推進計画検討会の最終報告書が出ておりますけれども、この中においても、検案について幾つか御指摘を受けております。  一つは、検案に係る研修の充実や人材を確保するため、日本医師会において、全国的な組織化を行い、検案をする医師のネットワークを強化することとされておりまして、厚生労働省初め関係省庁もできる限り協力する、こういうふうにうたわれております。  今委員から御指摘のありました、検案をする医師の方々への対応ですけれども、今、やはり警察との関係で、個人で受けているような場合が大変多いと聞いております。これからは、やはり県の医師会としてもしっかりと組織として対応していただく。それは、日本医師会の方でも全体としてまとめていくという体制で強化していくということでございますので、いろいろな面の、個々の検案に携わる医師の処遇の面だとかそういったことも、そういった医師会等を通じていろいろなまた協議がされていくんだと思います。  それから、検案に関しましては、日本医師会と連携して、医師の検案に係る研修内容の充実を図り、五年後を目途に、原則、専門的な研修を修了した医師が、検案等への立ち会い、検案を実施できるよう、検案に携わる医師の充実とそれから技術向上を図るということとされております。  それから、全ての医師が基本的な検案の能力を維持向上できるよう、基礎的な検案に関する研修会への参加を促し、医療現場の医師も活用できるよう、ホームページ等を通じて教材の提供に努めていく、こういうふうにされております。  厚生労働省といたしましては、この報告書に基づきましてこれから死因究明等推進計画が作成されると思いますが、この計画に基づきまして、しっかり対応してまいりたい、こういうふうに考えます。 ○小宮山委員 ぜひ、多くの方が検案に対する技術の向上をされ、そしてこの方がこれに参加をするということも重要かと思いますので、この計画が着実に、そして、できることなら、今、四千人ほどでしたか、担当できる方、していらっしゃる方がいらっしゃるかと思いますが、これがもう少しふえるということ、裾野を広げる、また、基礎的な知識、技術だけではなく、多くの方が参加されるような、そういった環境整備に努めていただきたいと思います。  というのは、やはり死因によっては、さまざまマスコミの、特に地方のサツ回りという表現をよく使われますけれども、警察担当の記者さんたちは、まだまだこの問題に、またこういった制度に対しても理解がない場合があると。実際に担当されたお医者さんとかも、大変心ない質問や投げかけがあったということも聞いております。こういったことも、やはりこれを受け持つ、そういった医師たちが二の足を踏むことになるのではないかというふうにも推測もされます。  ぜひ大臣、この問題というか、こういった制度があって、多くの医師が頑張っているというようなことも含めて、もう少し告知や情報提供等をしていただくということも、公安委員長もされておりますので、当然、記者クラブ等ともさまざまおつき合いもあるかと思いますが、やはりこういった、地道に真相を究明するために活動されているという役割がある方々のことももっとお知らせいただきたいのですが、通告はしておりませんが、大臣の熱意を聞かせていただければ幸いです。 ○古屋国務大臣 今度、最終報告書を取りまとめていくことになりますけれども、今御指摘のように、いわゆる検案を、医師個人という形ではなくて組織として対応していくということは、検案の高度化、全国一斉化ということにも資するだけではなくて、やはり警察にとっても、医師からもいろいろな助言をいただくことが可能となるわけでありまして、そういう意味では、大変私は意義が深いというふうに思っております。  今後、警察としても、そういった医師の確保であるとか、あるいは技術向上に向けて情報をお互いに共有し合う等々、関係省庁がさらなる連携をしていくべきだというふうに考えておりまして、警察にもそういう趣旨をしっかり督励してまいりたいというふうに思います。 ○小宮山委員 担当大臣としての御答弁、ありがとうございます。  さて、今回内閣委員会で質問させていただくときに、所管大臣の肩書等を改めて拝見させていただきますと、本当に多岐にわたるんだなというのを感じました。特に、稲田大臣におきましては、再チャレンジ担当大臣としての任命もなされています。ただ、残念ながら、ここ最近のところ、再チャレンジという言葉を一番使っている大臣は、検索をすると、経済関係でありますが、茂木大臣がどうも一番多いようでございまして、ここは何とかやはり稲田大臣に、再チャレンジできるというのは本当に必要なことだと思いますので、頑張っていただきたいなという思いで、きょうは質問をさまざまさせていただきたいと思います。  まず、確認させていただきたいことは、再チャレンジといってもさまざまな方向性がございます。  再チャレンジとは何を意味するのか、わかりやすく具体的に端的に、大臣から改めてお聞かせください。 ○稲田国務大臣 再チャレンジの意味ですけれども、仮に失敗をしても、意欲さえあれば何回でも再挑戦ができる社会、そのための多様な機会をつくっていく。それから、日本は、どちらかというと失敗した人に対して冷たい、失敗したということが決してマイナスではなくてプラスにもなるんだということを国民の意識としてつくり上げるということも重要ではないかというふうに考えております。 ○小宮山委員 いろいろ担当されておりますので、大体過去三回ほど、大臣所信、所信的挨拶も含めてですけれども、その中において同じようなことが多くございます。最初のときには失敗してもという言葉がなかったのが後から加えられたというふうに、記録を見させていただきました。  でも、一番最近の、昨年の主な取り組みとしては、若者・女性活躍推進フォーラムの開催による我が国の若者・女性の活躍推進のための提言の取りまとめというのをされております。しかし、若者、女性、安倍内閣の方針かもしれませんけれども、この方々は失敗しているんでしょうか。やはり、このあり方というものが大変明確になっていないのではないか。また、さまざま読ませていただきますと、障害を持っている方にもとおっしゃいますけれども、この方が失敗しているとは私は思いません。そういうことを考えますと、失敗をしたと最初から言うのでは、これはある一部なんだと思います。  失敗学というのを調べますと、失敗には類型があるそうでありまして、ここがコンセンサスを得ているかわかりませんけれども、織り込み済みの失敗、結果としての失敗、回避可能な失敗というのがあるんだそうです。こういうのを考えますと、回避可能な失敗ということがあるならば、これをしっかりと政府は制度として酌み上げるべきではないかというふうに思います。  この点に関して、ぜひ、何かを失敗した方が、成功した方、再出発ができた方から今ヒアリングをされているようですけれども、内閣府の仕事の中に自殺対策も入っております。また、昨年は、日本では六人に一人が貧困状態という、最初からチャレンジもできないかもしれない、そういったことのために、私どもは、議員立法で貧困対策の法案を出して、先般、会議も開いていただきました。  そういう意味では、今後は、失敗をというのは頭につけずにやっていただきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。 ○稲田国務大臣 御指摘のとおり、再チャレンジは、何らかの失敗を経験した人だけでなくて、あるいは後天的に障害を持った方、そして、もう一度同じこと、あるいは別の道でチャレンジを行うことでもあります。また、若者、女性はという話がありましたが、若者が社会に出るに当たってのさまざまなチャレンジ、また中高年の第二の人生におけるチャレンジ等、失敗に限らず、さまざまなチャレンジの支援をすることが重要であるというふうに考えております。  今、成功した人ばかりの話を聞いているという御指摘ですけれども、再チャレンジ懇談会では、一度事業に失敗して再度起業された方、倒産経験を生かして支援する側として頑張っていらっしゃる方、引きこもりの状態から就業、起業とステップアップできた若者など、再度挑戦する意欲を持って頑張ってこられた方々の御経験談などを発信して、国民全体の意識の高揚などにも努めているところであります。  懇談会等の意見を通じて、挑戦を阻害している課題をきっちりと把握した上で、必要であれば制度、事業の改善を図ることとして、関係省庁と連携しながら再チャレンジ関連支援策を推進しております。  もちろん、御指摘のとおり、失敗して今まさに苦しんでいる弱い人の声を聞くことも重要であるというふうに認識をいたしておりまして、必要に応じて今後は検討していきたいというふうに考えております。 ○小宮山委員 懇談会のさまざまなお話を伺っていくと、なかなか、再チャレンジという定義、対象者というのが不明確になってきているというふうにも感じます。でありますので、私といたしましては、やはり課題をもう少し絞り込む、例えば、再就職ができるようになるとか、再度収入が得られるようになるとか、そういったところに焦点を当てた方がいいのかなというふうに思っております。再チャレンジ担当というか、チャレンジ可能社会実現担当大臣、そういった方が、恐らく、本来の大臣のさまざまな今までの経験等を生かせるのではないかというふうに思うところでもございます。  最後に、ちょっと端的になりますけれども、それであるならば、政府の中において、ぜひ大臣にはお願いをしたいこともございます。  この中で、再チャレンジ、冤罪の問題がございます。特に最近では、三月二十七日に袴田事件、静岡地裁が再審開始を決定いたしました。  一九八〇年に死刑が確定していた袴田巌さんの刑の執行停止も決まり、袴田さんは同日、東京拘置所から釈放されました。それに対して、静岡地検は、再審開始を認めた決定を不服として、東京高裁に即時抗告、再審をめぐる審理はまだ続いています。四十八年間も拘束され、この中で、正直、本当につらい思いもした、精神的にもやられる。  しかも、静岡のこの裁判の中では、証拠を捏造した、そして、取り調べの厳しさがあります。  この四年間ほどの中でDNA鑑定の技術が上がったこともあります。服役中の受刑者が無罪判決となるケースが多々挙げられます。アメリカでも、死刑囚十八人を含む三百人以上の無実が明らかになったといいます。アメリカで数が多くなったのは、事件の遺留物の保存を義務づけて、受刑者がDNA鑑定を求める権利を保障する法律整備が進んだというふうにも聞いております。  これに対して、日本はまだこの法整備が進んでいない。早急にやはり審理をし、そして無罪の方はきちんと社会で復帰ができる、再チャレンジができるということを目指していただきたいと思います。  ぜひ、法務委員会ではないですけれども、再チャレンジということであれば、こういった行政の失敗、ここから学ぶことはたくさんあるかと思います。それを正していただきたいと思いますが、大臣の決意を聞かせていただいて、質問を終わらせていただきたいと思います。 ○稲田国務大臣 無実の人が刑務所で長い間拘束をされて、そして、それが再チャレンジできる社会であること、もちろんでありますし、なぜ無実の人がそういう長い間拘束されたか、その行政の失敗ということもきちんと認識をして生かしていくというのも再チャレンジであるというふうに思います。 ○柴山委員長 小宮山さん、質疑時間が終了いたしました。 ○小宮山委員 大臣、ありがとうございます。ぜひ、していただきたい。  また、男性においては、恐らく、冤罪は、身近なところでは痴漢問題という、一度逮捕されますと、場合によっては家庭崩壊、会社も即やめなければならない。なかなか再チャレンジできるものではありません。近所にうわさが流れれば、それこそ取り返しのつかないことでもございます。  だからこそ、この問題、ぜひ大臣のもとでしっかりと、法務省の管轄かもしれませんけれども、再チャレンジ担当大臣として頑張っていただくことを心から願いまして、終わらせていただきます。  ありがとうございました。 ○柴山委員長 これにて本日の質疑は終了いたしました。  次回は、来る二十三日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十時二十九分散会