平成25年11月12日 衆議院災害対策特別委員会速記録(議事速報)  この議事速報は、正規の会議録が発行されるまでの間、審議の参考に供するための未定稿版で、一般への公開用ではありません。  後刻速記録を調査して処置することとされた発言、理事会で協議することとされた発言等は、原発言のまま掲載しています。  今後、訂正、削除が行われる場合がありますので、審議の際の引用に当たっては正規の会議録と受け取られることのないようお願いいたします。 ○坂本委員長 次に、小宮山泰子君。 ○小宮山委員 生活の党の小宮山でございます。  本日は、首都直下地震対策特別措置法案に関しましての質疑をさせていただきますが、その前に、まず、台風によって、フィリピンでの大きな災害で多くの人命が失われたこと、また、今もまだ実態の把握ができていないということで、心からお悔やみと、そしてお見舞いを申し上げたいと思います。これに対しては、東日本大震災やさまざまなときに、私ども日本も支援をいただきました。  その経験を生かして支援するべきものであるというふうに考えております。  さて、本日、議員立法で出されております首都直下地震対策特別措置法案に関しまして、質疑をさせていただきます。  閣法であれば、さまざまな審議会など、公においての資料等がしっかり残されるということもありますが、議員立法の場合は、先般、私どもの鈴木幹事長の質問に対しては、六十四回の会議を重ねていらっしゃった、延べ二千四百人ですか、大変多くの議員が、重ねているということであります。  そうはいっても、これは与党での、正確には自民党及び公明党になるのかな、途中からかもしれませんが、そういった意味においては、正直申し上げまして、行政の資料というわけではございませんので、その点に関しまして、どういった審議がなされたのか、またどういった理念でつくられたのか、どんな議論があったのかということは、なかなか調べるのが難しいところもございます。  そういう点におきまして、この理念等に感じることを中心に伺わせていただきたいと思っております。  平成二十四年三月七日に、中央防災会議防災対策推進検討会議にて設置が決まった、首都直下地震対策検討ワーキンググループで、首都直下地震における被災想定について検討が進められております。先日も、年内に新しい被災想定が示せるように進めているという答弁をこの委員会におきましていただきました。  首都直下地震緊急対策区域の指定のために意見を聞いたりするのは、新たな被災想定が示された後に行われることとなるのか。あるいは、現在ある、平成十七年に出された被災想定のもとでも、区域の指定の手続に入ることを優先するべきと考えるのか。  新たな被災想定は年内にも出されるという答弁をいただいておりますが、これまでも少々おくれているような感もございます。また、出てから想定をするということになりますと、またさらにおくれてくる。先週の参考人質疑におきましても、必ず来るんだという御意見も参考人からいただいております。そういう意味においては、早急に設定をするべきというふうにも考えます。  このタイムラグなど、そういったものに関して、法案提出者はどのようにすべきだと考えていらっしゃるのかお聞かせください。 ○福井議員 今、被害想定とそのタイミングについて、小宮山先生から御質問を賜りました。  まさに、想定外をなくさなければならないというのが、あの東日本大震災の教訓でありました。  しかし、想定すれば想定外が生まれるという論理学的なパラドックスとの闘いでもございますけれども、大事なことは、今まさに先生がおっしゃいましたような、最新の科学的知見に裏打ちされた新たな被害想定を基にして首都直下地震緊急対策区域の指定をしなければならないというふうに考えております。  したがいまして、今政府で検討中でございます、この検討をできるだけ速やかにまとめていただくということが大事かと存じます。一日も早くこの法律を成立させて、まさにこの法律の成立が政府を督促させるということになると思いますので、ぜひ御協力をよろしくお願い申し上げたいと思います。 ○小宮山委員 続きまして、地方緊急対策実施計画における国の関係都県への援助について質問したいと思います。  これは議員立法に対する質問ということで、通常ですとさまざま話をして決めるところでありますが、ペーパーの提出という形であったので、ちょっと順番を変えて、国交省への質問を聞いてから、最後に質問させていただきたいと思います。  住宅リフォーム助成制度は、秋田県など先行の成功事例もあり、全国の自治体に少しずつではありますが、取り入れられている。本年四月三十日時点で、六県、五百五十六自治体、予定も含んでおりますけれども、全建総連の調べでわかっております。  比較的小さな予算であっても、地域の中小事業者の仕事の確保や地域経済の活性化、地域内の経済循環創出につながっていて、各自治体の住民にも高い評価が得られています。また、昨今においては、耐震化であったり、さまざまなことが捉えられておりますので、この制度というのは、大変高い評価を得ているという意味においても進めるべきものだというふうに考えております。  各地に見られる住宅リフォーム助成制度をどのように国交省は評価しているのか、導入しない自治体に対しての情報提供はどのような取り組みが行われているのか、お聞かせいただければと思います。 ○井上政府参考人 お答え申し上げます。  地方公共団体によります住宅リフォームへの助成という形の支援制度でございますけれども、委員御指摘の全建総連の調査は、特定の政策目的ということではなくて、もう少し身近な、リフォーム全般を対象にするようなものだと思います。  そういうものと加えて、耐震化、バリアフリー化、省エネルギー化、こういった政策目的を有するリフォーム、こういった支援制度、合計の数字でございますけれども、私どもの調査によれば、今年度、都道府県では全都道府県、それから市町村では千六百十市区町村において何らかの支援が実施されているということでございます。  公共団体が、一部国の補助のものも多く含まれるわけでございますけれども、独自または国の補助を得てこういうリフォーム支援をされることは、既存住宅ストックの質の向上、それから地元の工務店の活性化、こういうことにも通じます。非常に意義が深いというふうに思っております。  国土交通省では、この調査結果を発表し、またホームページで一般の方にもお知らせする、それから公共団体には会議等を通じて情報共有する、こんなことを通じて、情報収集それから情報提供に努めてまいりたいというふうに思っております。 ○小宮山委員 先週の参考人の提言の中に、やはり首都圏、木造住宅の密集地への対策というのが急務ではないか、特に下町においては、町並みという意味では大変独特の雰囲気を出していて、それは観光資源には資するかと思いますが、その反面、大変燃えやすく、また消防車等が入りづらいという意味で、防災という立場においてはここをやはり手当てしていくことというのは大変喫緊の課題であるというふうに、その点も含めて伺わせていただいたところであります。  首都直下地震被害の発生を防止し、または軽減するための住宅その他の建築物等の防災対策に関するものとして、耐震化や不燃化、住居内における安全の確保のための住宅リフォームに対して、住宅リフォーム助成制度を地方自治体が導入する場合に、国からの財政支援を求めるということも可能かと考えるんですけれども、その点も改めてお聞かせいただいた上で、法案提出者の方には、国でも同様な助成制度を設けてほしい、あるいは各自治体でのさらなる取り組みを支援する予算措置をしてほしいなどの要望が根強いところだと思っております。  税金の軽減となる住宅ローン減税と若干事情が異なり、個人の資産である住宅に直接支援することになることもあり、実現に向けてはなお一層努力も必要かと思いますが、法の二十二条、都道府県への援助として、財政上等の支援についても努めるものと解してよいのか、提案者の意図を確認させていただきたいと思います。 ○高木(陽)議員 まず、地方緊急対策実施計画においては、首都直下地震に係る被害の発生を防止し、または軽減するための住宅その他の建築物等に係る地震防災対策に関しまして、建築物の耐震化や不燃化、住居内における安全の確保に関する事項について定めることができることとしております。  また、御指摘のように、第二十二条に基づいて、国が、関係都県に対し、当該計画の円滑かつ確実な実施に関し必要な情報の提供、助言その他の援助を行うよう努めることとしておりますので、具体的にいかなる援助を行うかについては、この法律の趣旨を踏まえて、政府において適切に判断されるものと考えております。 ○井上政府参考人 お答え申し上げます。  現状の取り組みについて御説明をさせていただきたいと思います。  まず、密集市街地の整備は、先ほどもお答え申し上げましたように、社会資本整備総合交付金等で支援をしているところでございます。  また、先ほどお答えしたリフォームの助成に含まれるんですけれども、住宅の耐震改修に対しましても、同じく社会資本整備総合交付金等で支援をしているところでございます。  あわせまして、耐震改修に合わせて防火改修を行う、こういった場合に、その費用についても助成をしているところでございます。  一般論でございますけれども、国の制度でこういう個人の資産に補助をするということになりますと、一定の政策目的というのが必要になってこようかと思います。そういう意味で、今補助対象にしていますものは、耐震でありますとかバリアフリー、こういうものに限ってございまして、先ほど全建総連の調査にあったようなものは直接の対象にはなっておりません。  ただ、交付金制度の中で効果促進事業というのがございまして、一定の枠はございますけれども、これを御活用してリフォーム支援をやっていただいている、こういうケースもございます。  こういうことが可能だというふうに周知をしっかりしてまいりたいというふうに思います。 ○小宮山委員 今、法案提案者の方からは、政府において適切にしていただきたいということがありましたけれども、ぜひ国交省におきましては、検討も含めまして、積極的に支援していただきたいというふうに思います。  さて、震災以外のリスクに対する首都中枢機能維持についてお伺いをしていきたいと思います。  この法案は、第一条に、「首都直下地震が発生した場合において首都中枢機能の維持を図るとともに、首都直下地震による災害から国民の生命、身体及び財産を保護するため、」と示されております。首都直下地震に対しての防災対策の推進を図ることを目的としているわけですが、首都中枢機能の維持はいかなる場合にも図られるものであり、そのリスクとして首都直下地震が極めて大きく、優先度の高いものであることは間違いないと考えております。  しかし、首都直下地震以外のリスクもあるんだと思います。テロや安全保障上の危機、航空機事故、大規模水害、津波、隕石落下、台風、最近は竜巻など、さまざまなリスクに対しても首都中枢機能は維持されなければならないんだと思います。  特に、私、初めて県会議員になった年に、阪神・淡路大震災、また地下鉄サリン事件がございました。本当にそういったことで霞ケ関の駅も大変な犠牲者を払ったわけであります。  近年たびたび発生しているゲリラ豪雨などと呼ばれている集中豪雨においても、京都や福岡の地下街、また東京都内におきましても雨水が流れ込むなどの被害が生じ、交通網が寸断されるような、とまるようなことも起きております。  今回の法案では、首都直下地震に係る地震防災対策と明示していることから、地震以外の要因に対しての備えを行うことは直接の目的にはならないと考えてもおりますが、首都直下地震対策特別措置法に一定量含まれる、さまざまなリスクに対する首都中枢機能維持対策特別措置法案のように、法案を先に本来制定した方がよかったのではないかと、法案を読みながら、さまざまなデータを読みながら感じたところでもあります。  そのような、首都中枢機能をしっかり維持するというところに特化した法案をつくろうという議論はあったのか、そのあたりをぜひお聞かせいただければと思います。 ○福井議員 今先生御指摘の首都中枢機能維持に着目したその対策のための特別措置法という御提案は、極めて傾聴に値すると思います。  しかし、今回のこの首都直下地震対策特別措置法は、大きな地震があって、前後はあるけれども、十年以内に必ず首都直下地震が来る、大きな津波が来るということを前提に、もう一日も早くこの法律を出さなければならないということで、前国会で提案をさせていただきました。そのときはまだ二〇二〇が決まる前でございました。それでも出さなければならない、政府が前に出てこの対策に当たらなければならないというのが、この法律の思いでございます。  もちろん、テロ、大規模水害、ゲリラ豪雨、台風、風速につきましても大きなリスクがございます。そのような、首都圏の大規模水害を初め、さまざまなリスクに対する首都中枢機能維持につきましては国家的な課題であります。今先生御指摘のとおり。なので、政府・与党一体となってその対策を進めてまいりたいと存じております。 ○小宮山委員 政府・与党という内輪ではなく、これに関しましては、恐らく、負託を受けさせていただいている国会議員全てが考えるべき問題かと思いますので、クローズドではなく、しっかりと議論をしていただきたいというふうに思っております。  さて、八日の委員会におきまして南海トラフ地震対策特別措置法案の審議が行われ、提案者を代表して二階先生から、建設業界へのばらまきではないかというような批判は度が過ぎていて憤慨にたえない、無駄な事業をやりたいなどという政治家はいない、いいかげんなものが紛れ込んでくることはあり得ないと明言をいただいたところであります。  東日本大震災からの復興事業でも不適切なものとして見直された事業も、無駄な事業とかいいかげんなものということではなく、震災復興という目的に照らしてみれば、目的から外れた事業であったり、優先度に疑問が生じるものが見受けられるなどありました。なぜ、このような事業が震災復興の予算で行われているんだろうと多くの方が思いを共有したのも確かであります。  また、二階先生は特に、長年この問題に大変熱心に取り組んでいらっしゃると私自身認識しておりますけれども、例えば二〇〇二年の小泉首相のときには、公共事業受注企業の規制の検討などはされましたけれども、自民党の政治資金団体であります国民政治協会に対して、日建連は三億円の目標で資金集めを依頼していたり、また先般も、建設業のみに依頼しているのではないとは言いますけれども、自民党の方からは四億七千百万円の依頼というような文書が出回ったりということが話題になりました。  やはりこういったところから、これらの法案がそういった建設やさまざまなところにつながるものですから、どうしてもいまだに懸念は拭えないんだというふうに思います。あり得ないと私も言い切らせていただきたいところではありますけれども、また、過去のさまざまな中において、最初はそうかもしれないけれども、いずれ、ひとり立ちをしてあり得るというときも多々見受けられることもあります。本法案に対して、計画される事業についてやはり同様な懸念は持っておく必要があるかと思いますが、ぜひ、ここは二階先生に改めてお聞かせいただきたいと思います。 ○二階議員 お答えを申し上げます。  私は、この前に答弁をさせていただいたことと気持ちは全く変わっておりません。というのは、あのような大災害を受けて、これに対してどう対応するかということは本当に神に誓ってでも真剣な対応がなされなくてはならないわけで、そのときに便乗して何かをするというようなことは全く許されないことであって、これは関係省庁においてもそういうことに対して十分な対応をしていくものと確信しております。同時に、今大臣はちょっと席をお立ちになっておりますが、担当大臣もこの問題に対しての対応ということはしっかりやってくれるものと思っております。  首都直下地震対策の推進に当たっては、法律第四条に規定する緊急対策推進基本計画において首都直下地震対策の基本的な方針を明らかにし、その計画に基づいて、国、地方公共団体において円滑な、しかも迅速な施策が進められていくことが重要であります。  特に、災害に対して、いかなる災害であっても命だけはしっかり守っていかなきゃいけない、国家や社会の重要な機能、これに損傷、致命傷を与えてはならない、ハード、ソフト一体になった対策により、できるだけ被害の総額を減らしていく、被災に対しても速やかな復興をするというふうなことが、私どもの国土強靱化の基本的な考えであります。  優先順位を当然つけて、無駄なことはやらない、やらせない、これはしっかりしていきたいと思いますし、不要不急の事業を行うというようなことは、地方においても知事、県議会、市町村、災害に対して御協力をいただかなきゃいけない諸機関がありますが、私は、いずれもそれらの人たちは無駄をしようとか、何かこの際に便乗して適当なことをやろうとかという人はいないというふうに、これはもう断言していいと思います。それらに対しては、何かがあった場合には特別厳しく処罰をしていくというふうなことは当然考えていくべき だと思います。  いずれにしても、この首都直下の問題に対しては、私は、東京都及び周辺の関係県、そして知事を初め東京都議会あるいは区長会、そうした方々の真剣な協力がなくてはならないわけでありまして、時によってはアメリカの米軍のトモダチ作戦にも御協力を願うなどして、万全を期していきたい。  ですから、建設業に何か仕事を与えてどうかするとかという、何か特別の考えを持って、ねじ曲げて考えているような気がしてならぬわけでありますが、どうぞそうしたことの懸念のないように、私どももやってまいりますが、これは御出席の議員各位の御協力を特にお願いしておきたいと思います。  以上。 ○小宮山委員 無駄はない、またそれぞれは必要だと考えて議員は恐らく提案するんだと思いますし、その中において、今提案者の二階先生がおっしゃっておりましたとおり、しっかりと与党におきまして目を光らせていただきたい。特に、各省庁、自民党政権に戻ってからは、大変な陳情合戦が繰り広げられているといううわさも入ってまいります。  そういう意味において、やはりよこしまな思いと勘ぐられないように、しっかりと二階先生ににらみをきかせて頑張っていただきたいと思います。  その上で、私どもも、首都直下という問題は真摯に受けとめ、そして中枢機能におきましても、国会がきちんとやはり責任を持って日本を守る、その思いは一緒にして働いていかなければならないということを伝えさせていただきたいと思います。 ○坂本委員長 では、時間も来ていますので、簡単にお願いします。 ○二階議員 このことに関しては、各党、各議員の皆さん、思いは同じだと思うんです。神戸の震災の話をされましたが、私どもも、神戸の震災の日、その日に現地に赴いて、以後、本部を立ち上げて対策をやってまいりました。悲惨なものでありました。  こういうことに対しての対応ですから、建設業者に何か仕事を与えるようにしようとか、建設業者の協力なくしては実行できませんよ。薬屋さんや八百屋さんをいっぱい呼んできても、瓦れきを片づけることにすぐ大きな役に立ちませんよ。  だから、建設業者だけを特にやり玉に上げて御批判をいただくことは、私は建設業者でもありませんが、本当に失礼だと思うんです。彼らに対しても、もっと御協力をいただいていることに感謝すべきだ、こんなふうに思っています。  以上。 ○小宮山委員 ありがとうございます。  最後です。私が先ほど指摘したのは、建設業者に仕事をやろうというのではなく、建設業者から献金をもらおうとしたことを取り上げさせていただいただけでございますので、その辺、ちょっと訂正させていただきまして、質問を終わらせていただきたいと思います。