平成25年11月7日 衆議院災害対策特別委員会速記録(議事速報)  この議事速報は、正規の会議録が発行されるまでの間、審議の参考に供するための未定稿版で、一般への公開用ではありません。  後刻速記録を調査して処置することとされた発言、理事会で協議することとされた発言等は、原発言のまま掲載しています。  今後、訂正、削除が行われる場合がありますので、審議の際の引用に当たっては正規の会議録と受け取られることのないようお願いいたします。 ○坂本委員長 次に、小宮山泰子君。 ○小宮山委員 本日は、参考人の皆様には本当に、遅い時間、貴重な時間をいただきましたことに心から感謝を申し上げます。  私で最後の質問者でございますので、思いっ切りお話を聞かせていただければというふうに思います。  まず、林参考人ですけれども、本当に示唆に富んだ、またわかりやすい分類をされているなという思いがいたしますし、災害は来るものである、起こるものであるという前提の上に立ち、防災の限界があるということ、だからこそ東北ではてんでんこというようなことに、まず自力をつけなければならないんだということ、それを実践されているのが大西町長さんのお話なのではないかなというふうにも思っております。  また、業務の優先づけというのは大変重要な観点だと思います。きょうは本当にさわりだけだったと思うんですけれども、地域の防災力、どのようなリスクにも立ち向かえる地域の防災力ということでは、実は、これの前に本会議がございまして、本日から特定秘密保護法案の審議に入るわけです。原発の立地であったり、基地があったりと、なかなか地域とのつながりで情報が出づらくなるのではないかという危惧もしております。しかし、そこに、場合によっては科学的ないろいろな、産業スパイ等もありますので、情報というもの、地 域の住民を守るという意味においては、そういった連携というものが大変重要であり、その情報をしっかりと把握した上でなければ、地域の防災力、何を優先するべきか、その計画は、みずから治めると書くこの地方自治体の本来の役割というのを発揮し切れないのではないかというふうに、お聞きしながら考えておりました。  この点をぜひお聞かせいただきたいのと、本当は、きょういただきました最後のページ、「西日本大震災に備えて」で終わってしまっているタイトルなものですから、ここも聞きたかったんですが、多分時間の関係もあると思います。  実は、衆議院調査局第三特別調査室の方から先生の資料としましていただいた中に、ことしの一月、読売新聞の朝刊に寄稿されました「これからの防災教育 状況適応力高めよう」というのがございました。「「シェイクアウト」には、従来の防災訓練にない四つの特徴が挙げられる。」ということ、「地震の発生は時と場所を選ばない。その時とるべき行動は、当然のことながら状況によって異なる。大切なのは、自分が置かれた状況でどう行動すれば安全を確保できるかを察知し、速やかに実行できる力を育てることだ。」とありました。  私の地元の川越市の消防団、第一から第三分団は、本当に援助等なく、自主的に防災訓練、そして防災フェアをやって、地域の防災力を高めるということで頑張っています。その姿からも、この防災教育について大変重要かと思います。  以上、二点について、簡潔にお聞かせいただければと思います。 ○林参考人 どっちも難しいのであれなんですが、まず、最初の方の御質問ですけれども、やはり、どっちにも共通しているのは、自助力をちゃんと高めることが大事だということだと思っております。そのためには、まず、何が起きるのかということのリスクの分析をしっかりしていただくことが優先づけにも最終的にはつながるということになろうかと思います。  いろいろな種類のリスクがございますので、必ずしも全ての情報が開示されるとは限らないわけですけれども、今は非常にグローバルな時代にもなっておりますので、注意深く情報を探っていくと、かなりのものは実は公の部分に既にあるというふうに思います。  そういう意味でいえば、情報源をどこかに固定することなく、できるだけ幅広くアンテナを上げていただいて、自分での情報収集能力を高めていただくというのも自助の一つではないかというのを最初のお答えにさせていただきたいと思います。  それから二つ目の、実は、これもシェークアウトの宣伝をしようということで書かせていただいた記事だったわけですけれども、今までの避難訓練あるいは防災訓練というのが非常に受け身的に参加者に提供されてきているというところを、やはり改定しないといけないのではないか。  災害というのは、ある意味では応用問題だというふうに僕は思っておりまして、実力試験だというふうに言っても構わないと思うんです。ですから、一番実力を高めるためには、どんな状況にも対応できるようにしておいてほしいということで、状況適応力を高めることを訓練の主眼に置けということで書かせていただきました。  その基本は、先ほどから繰り返し申し上げているような、リスクの正しい評価と、大事なものを守ることと、いざというときに備える覚悟をし、能力を高めておくことだということを、改めてこのシェークアウトでも強調したいと思っている次第です。 ○小宮山委員 ありがとうございます。  引き続きまして、西川区長さんにおきましては、父もお世話になりましたし、うちの小沢代表もお世話になりまして、ありがとうございます。  さて、私自身、老朽化管渠を初め、老朽化したマンション等の建てかえ等、そういったものを推進するべきであるというふうなことをテーマにずっと活動させていただいております。本日伺いました荒川区の現状、また、密集する地域であるその不安感、また、そこに責任を持たれている立場におきまして大変な御苦労があると思います。  特に、借地権に関しましては、この問題を取り扱いますと、なかなか法務省がかたくなな状態でございまして、このたび被災地の方では少し緩めるようではありますが、やはりこの問題を解決することによって、新しい町並み、次の世代に向けての本当に安心して暮らし続けられる地域づくりというのにつながっていくんだと思います。  また、その一方で、多くの方が移り住み、そしてつくられた雰囲気というもの、町並みという。  密集地域、特に、法善寺横丁が燃えたときには、道幅を広くしないとできないと言ったんですが、やはり肩と肩が触れ合うようなそういった町だからこそ人情味があふれるんだということで、また別のところに面積をとり、町並みを復元したなんという話もございます。  そういう意味では、歴史的な、また、今までの生活が積み重ねられてきた町並み保存という町並みの維持と、密集する地域を安全に変えていくという意味においては、大変難しい課題があるんだと思っております。  時間もだんだん限られてまいりましたので、この点まず、いま一度、思いのたけと、早く改正をしたい法律等がありましたらお聞かせください。 ○西川参考人 ありがとうございます。  もう、本日、最後の発言の機会かと存じますので、子供だましに思われるかもしれませんが、こういう笛を二十万個区民に配りました。中に既往症や連絡先の紙が入る、警視庁推薦のものでございますが、これは、助けてくれと言って実験しても、こういう部屋で衛視さんがあそこのドアを閉めたら、外に聞こえないんですね。ところが、この笛は少し先まで聞こえるんです。こんないじましい努力をしてやっているゆえんのものは、権限が余りにも、基礎自治体、私どもにはないということであります。  バケツも、神戸の震災の例に従って、二万個、初期消火用に配って、これも、関西学院大学に移られました元神戸大学の室崎先生の御指導でやっています。  最後に、私が先ほどから法改正をお願いしておりますのは、二十年前に、まさに初当選した衆議院議員でありました私はこの委員会の理事にしていただきまして、その年は奥尻島の地震があり、鹿児島のシラス台地の崩れがあり、また、大冷害でお米が、米粒ぐらいになったり、桑が福島では育たなかったり、大変なときに、この委員会は視察に視察に視察を重ね、そして、先ほど先生から御質問がありましたが、鹿児島の天文館通りの地下に全部水が入って、一億円の保険を掛けていても五百万しか出なかったり、そういうことをこの委員会で、ほかの委員会とも連携して、奥尻の借金を商店街が延べ払いができるようにしてあげたり、または、保険会社と話をつけてその補償額をふやしたり、いろいろな意味で当委員会が存在感があって、実際に国民の生活を助けていただいたことを実感しておりますので、きょうは、その衆議院のお力におすがりいたしたいと思って参りました。  先生の御質問に直接答えられない。川越のような由緒ある町並みなんか、我々のところはないんです。もう本当に早く壊して、早くきれいにしてあげたいと思っています。どうぞ御理解を賜りますようお願い申し上げます。 ○小宮山委員 川越に触れていただきまして、ありがとうございます。川越も大火があったからこそ、今の町並みになってそれを維持しているということがあります。できることならば、そういった大火が起こる前に防災をしていただけるような、そういった制度をこの災害対策委員会でやれという、これは先輩議員としての言葉だと思います。  しっかり受けとめさせていただきたいと思います。  もう最後でございますので、時間はちょっと超しておりますけれども、最後に大西町長さん、私も二〇一一年にスマトラ沖地震の後のバンダアチェに行かせていただき、ランブンコミュニティービルの視察をさせていただきました。一つの棟で千人が収容できる、これは日本の無償資金援助でつくられたものでもございました。  本当に、諦めない、避難放棄者ゼロということ、また、そうはいいましても、先ほどホームページを見させていただきますと、町の方は、自然体験のサーフィン教室やカツオのわら焼きたたきづくり、ホエールウオッチングと、海とともにある町だとも思います。  最後に、何か言いたいことがありましたらお聞かせいただき、それを参考にさせていただきたいと思います。 ○大西参考人 防災のお話をさせていただくときに、犠牲者ゼロの防災町づくりというお話をさせていただきます。しかしながら、それはある一つの手法でございまして、私どもがやっているのはやはり町づくりでございます。冒頭、意見でも申し上げましたように、次の世代にしっかりと引き継ぐことのできるふるさとを私たちの手でしっかりとつくり上げていく、それが私どもの責務だと考えてございます。  そしてもう一つは、黒潮町の南海地震に向き合う基本的な考え方にも載せておりますけれども、日本一うまく災害とつき合う町、こういったフレーズでございます。黒潮町、海の恵みで発展してきた町でございます。本当に恵み多い海を嫌いにならないように、しっかりとその裏では防災対策が進んでいく、そういったことにしてまいりたいと思います。  多分に国のお力添えを賜らなければならない分野でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 ○小宮山委員 本当に、三人の皆様、貴重な御意見、またアドバイスをありがとうございました。  防災の活動を通じ人間力をつける、そういった国でありたいと改めて思いました。  本当にありがとうございました。 ○坂本委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。  この際、参考人各位に一言御礼を申し上げます。  参考人各位におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。  次回は、明八日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時三十分散会