平成25年11月7日 衆議院災害対策特別委員会速記録(議事速報)  この議事速報は、正規の会議録が発行されるまでの間、審議の参考に供するための未定稿版で、一般への公開用ではありません。  後刻速記録を調査して処置することとされた発言、理事会で協議することとされた発言等は、原発言のまま掲載しています。  今後、訂正、削除が行われる場合がありますので、審議の際の引用に当たっては正規の会議録と受け取られることのないようお願いいたします。 ○坂本委員長 次に、小宮山泰子君。 ○小宮山委員 本日は、災害対策に関する件で質問させていただきます。その中でも、主に首都直下地震対策関係、また、障害者など、難病の方など、本当に多くの手をかしていただき、救える命を救える、そういった方向になっているのか確認をさせていただきたく、質問させていただきたいと思います。  まず、平成二十四年三月七日の中央防災会議防災対策推進検討会議にて設置の決まりました首都直下地震対策検討ワーキンググループ、今までに十六回ほどの会合が開催されているかと思います。  現在のこの進捗状況、また、最終取りまとめがどのぐらいになるのか、スケジュールも含めまして、教えていただければと思います。 ○日原政府参考人 お答えいたします。  首都直下地震対策検討ワーキンググループは、昨年四月に設置されまして、東日本大震災の教訓を踏まえて、これまで、首都直下地震対策の対象とされてこなかった相模トラフ沿いの大規模地震についても検討対象に加えた上で、東日本大震災によって顕在化した課題、新たな視点等を踏まえながら、今後の首都直下地震対策のあり方について検討を行っているところでございます。  対策の対象とする地震につきまして、別途設置しているモデル検討会、これはかなり理学的な検討会でございますけれども、それを置きまして、対策の対象となる地震に関する検討を重ねておるところでございますけれども、相模トラフの形状でありますとか、過去の地震をどのようにモデル的に再現できるかとか、過去の地震がどれぐらいの規模で、どれぐらいの発生間隔があるかとか、さまざまなタイプの地震想定、それが前提になりますので、その想定にちょっと検討の時間を要したところでございます。  現時点では、おおむねその多様な地震の整理ができたということで、対象とする地震の震度分布等について精査を行った上で、被害想定あるいは対策の方向性につきまして、年内には取りまとめてまいりたいというふうに思っております。 ○小宮山委員 年内に大体取りまとめられるということでありますが、平成十七年に前回のものが出ていたかと思います。その中では、大体、首都直下の地震については十八タイプの地震動を想定していたり、また四つのシーンであったり、最も大きな被害となるパターンとして、東京湾北部地震がマグニチュード七・三、冬、夕方十八時という設定がされておりました。経済被害額も約百十二兆円ということで、直接被害、間接被害というような形で試算をされておりました。経済被害については、同様に、東海では三十七兆円、東南海・南海は五十七兆円といった想定もされております。  この被害の想定というものは、今後、さまざまな自治体また企業におきましても、これが出たことによって、どういった対策をとるかというものを決めていく、大変重要なことだと思っております。  まず、確認をさせていただきたいんですけれども、経済被害のうち、直接被害として積算されている額のあり方であります。建物や構造物などを建設する、あるいは購入する場合に必要な額とされているものと聞いております。どのような形で積算されたのか、確認をしたいと思います。 ○日原政府参考人 首都直下地震における直接被害の想定につきましては、平成十七年の際には、全壊棟数あるいは被害箇所数等の被害量に、建物の新築に要する費用あるいは施設の復旧に要する費用のいわゆる原単位をかけて積算したところでございます。今回も同様の手法をとるものと思われます。 ○小宮山委員 新築したときというんですが、今、首都を見れば、見渡す限り建物が建っている。道路や電柱など、さまざまなものがある。しかも、下水道であったり、地下埋設物、さまざまな管渠も地下に走っている。東日本大震災のときには、これは津波などでも相当の被害を受けました。また、新築をしたときの被害想定額というと、さらのところから上げる形になりますので非常に単純な試算なんだけれども、実際には、それでは済まないのではないかという思いがしております。  また、もし被害が起きて、建設する前には、解体、撤去、分別、廃棄処分といったことをしなければできない。これは、今も、東日本大震災でも大きな問題でもございますし、先般、当委員会で視察に行きました大島でも、瓦れき、そういった災害のものというものは大変重要かと思っております。  南海トラフでは考慮しているかと思いますが、その点の見直し作業の中において、この瓦れき撤去など、こういったものはやはりつくり直すということなのか、何とも、表現をこの場でするのが難しいところはありますけれども、このような費用を見越した上の想定をすることも必要かと思いますが、この点はどのような対応をされるのか、改めて聞きたいと思います。 ○日原政府参考人 委員御指摘のとおり、平成十七年に行った首都直下地震の被害額想定におきましては、災害廃棄物処理に要する費用は含まれておりませんけれども、先般の南海トラフ巨大地震対策では、解体撤去費用を含む災害廃棄物処理費用を見込んだところでございます。今回の想定でも同様に見込んでまいりたいというふうに思っております。 ○小宮山委員 ぜひ見込んでいただきたいというふうに思いますし、また、そうはいいましても、これによって過大な要求というか請求が出てしまっては、会計検査院からの指摘を受けるようなことになるかと思います。  見込みというのはなかなか難しいかと思います。  また、特に試算をするのは難しいというのは、老朽化管渠、もう四十年たった下水道も含めまして、また、百万棟とも言われる老朽化マンション、これは民間のものもございます。そして、緊急避難道路沿いに建っているものには早急に補強もしなければならない。そういった方向で、国交省の大臣が特に老朽化の建築物に関しては大変熱心に取り組んでいらっしゃると私自身認識しております。  そういう中において、今後計画等をする中において、大臣にはぜひ、この瓦れきの処理など、こういった発生する新たな災害の中での対応についてどのように取り組んでいかれるのか、お聞かせいただければ幸いです。 ○古屋国務大臣 今御指摘いただいたその瓦れきの撤去とか費用についても、これは十七年には含まれていなかったけれども、今回の想定では解体除去費用を含む廃棄物処理に要する費用を被害額に含める、この趣旨のことを今統括官からおっしゃっていただきました。  やはり、常に最新の知見とか想定をして対応していくということが必要だと思っておりますので、今回の改正に当たってはそういう形で反映をしていきたいと思っています。 ○小宮山委員 起こる前にこのことを考えるのもつらいんですけれども、今、実際には、建築廃材とか、建物を取り壊したときのその廃棄というものはそもそも大変な状態になっております。また、不法投棄の問題、そういったことを考えますと、大量の瓦れきを遠くに出すといっても限りがあるものでもございます。東南海もしかり、また首都圏しかりであります。  そういう意味においては、森をつくるなど、またそこを利用して、その土地で、やはり忘れない、また新しい土地となって次を育むというような瓦れきの処理の方法等もあるかと思います。ぜひ、そういったさまざまな処理方法、日本全国に散らばることではなくということも含めて御検討いただければということを要望させていただきます。  それでは、帰宅困難者対策、避難困難者について伺わせていただきたいと思います。  きょう私、久しぶりではないんですが、最近またつけ始めております、イエローリボンというのをつけさせていただいています。これは障害者自立支援法のときに、障害者のこと、自分たちのことは自分たち抜きで決めないでくれと、本当に悲痛な声を上げられ、そして、そこからまた新たな一歩を踏み出された、またその応援をする人たちでつけていたイエローリボンであります。  首都直下地震が発生した場合、その震源位置にかかわらず、多数の帰宅困難者が生じるということは想定されておりますし、三・一一のときにも多くの方が本当に御苦労されていました。私自身、家に帰るのはその日には諦めたぐらいでございまして、各地の滞留者のうち、帰宅までの距離が遠く、また徒歩で帰宅困難な方ということが帰宅困難者とされております。  昼十二時に発生と想定した場合、一都三県で六百五十万人の帰宅困難者が出るというのが前回の試算かと思います。東京では三百九十万人と当時されていました。最新の数字はまた別になるのかもしれません。  想定されている六百五十万人の帰宅困難者には、観光客、出張などで一時的に訪れている者などは含まれていますか。実際に被災をされる数字というものを試算されているのであればお聞かせください。 ○日原政府参考人 お答えいたします。  平成十七年に想定いたしました六百五十万人の帰宅困難者の中には、これは居住人口をもとに推計しておりました関係上、首都圏以外からの観光客、外国人、出張者は含まれておりません。  一方、東京都が昨年五月に帰宅困難者数を想定しておりますけれども、そこでは、東京都市圏外からの流入者が約四十四万人、海外からの流入者は約一万人と想定しているところでございます。  今回の帰宅困難者数の想定におきましては、今言ったような、首都圏以外からの流入者も含めて検討を行ってまいりたいと考えております。 ○小宮山委員 恐らく、二〇二〇年のオリンピックに向け、また、ビジット・ジャパンなど、さまざまなことで日本を訪れる、また、観光等、当時から見れば、観光的な名物のスポットが大変ふえております。そういう意味においては、これらの数の想定というのは難しいかと思いますけれども、きちんとしていただくことが対策につながるんだとも考えております。  さて、障害者の方、入院患者、寝たきりの方、ひとり暮らしの老人など、みずから避難することが困難な方々の数はどのように把握をされているのか、その想定をお聞かせください。 ○日原政府参考人 お答えいたします。  平成十七年に想定いたしました帰宅困難者あるいは避難者につきましては、先ほど申しましたように、人口データから一定の推計を行っておりますので、人数としては障害者、高齢者等も含まれておりますけれども、具体的に何人かということは出しておりません。  今回、そういったこともきちんと検討してまいりたいというふうに思っております。 ○小宮山委員 今回きちんと検討してまいりたいと言っていただいたんですけれども、それは、年内に発表される中で検討されるということでよろしいですか。確認をさせてください。 ○日原政府参考人 おっしゃるとおり、今回の公表の中では、災害時に特別な配慮が必要となる避難者等の推計を行ってまいりたいというふうに思っております。 ○小宮山委員 この問題を扱わせていただこうというふうに思ったのは、東日本大震災のときに、障害者の施設、さまざまなことで、なかなか安否が確認できない、施設ごとの確認ができない、そして、通っている方の確認もとれない。耳の聞こえない方でいらっしゃると、やはり情報が入手ができない。それは避難所での困難であった。また、透析をされている方においても、また、難病の方とかも、一般的な薬ではない、しかし、命からがら、ともかく命を守ることを優先して逃げられて、避難所などへ行かれると、自分の必要な薬がなかなか入手できないという御苦労も伺いました。一人でも多くの方の命を救っていきたい、そのための備えをしていただけるような国であってほしいというふうに思っております。  難病患者や透析患者の、移動は可能でも、薬や透析治療を一定期間必要とする方々、どのように想定をされているのか。また、こういった方々の中には、首都圏や大都市であれば、近県から入ってこられる方、私の地元からも、東京に治療や病院には通っていらっしゃる方が多数おります。そういった数も含まれてくるのか。そのような対策等はどのようにとられていくのか。お聞かせください。 ○日原政府参考人 お答えいたします。  今検討中の被害想定におきましては、入院患者数などのデータ等を用いながら、発災後も継続的に医療措置が必要となる人々の数というものの推計を検討してまいりたいというふうに思っております。 ○小宮山委員 それでは、帰宅困難者の対策というもの、きょうはたびたび出ているかとは思いますけれども、どのような取り組みをしていくのか。  本当に、被災をしたときに、ともかく帰ろうとするのではなく、やはりしっかりと安全を確認してから自宅に戻る、移動するということを推奨されております。そういう意味においては、随分と方向性が変わってきたということなのかと思います。  また、実際私も、三・一一のときに見ていて、本当に多くの方が戻ろうとする、また、御自宅が都内にある議員さんからも、帰るのに物すごく時間がかかったという話も聞いております。総理が御自宅にいるときに万が一そういったことになったとき、あそこはヘリはとまれないと思いますが、渋滞に巻き込まれたら、今のようにさっと来れるような状況ではなくなるんだと思っております。  そういう意味において、多くの方が、ではどうするのかという意味において、帰宅困難者対策にどのような取り組み、また進捗というものがありましたら、教えていただければと思います。 ○日原政府参考人 お答えいたします。  首都直下地震の際の帰宅困難者対策につきましては、国と東京都、民間団体等から成る首都直下地震帰宅困難者等対策協議会というものをつくっておりまして、平成二十四年九月に最終報告と五つのガイドラインを取りまとめたところでございます。現在、これに基づきまして、具体的な対策を各機関において進めているところでございます。  特に、この中で、高齢者、障害者、外国人などの、災害時要配慮者につきましては、先ほど委員からも御指摘がありましたように、今、すぐに帰らないようにというお願いをしているところでございますけれども、大規模な集客施設や駅などにおきまして、車椅子の配備とか外国語の対応等の備えをあらかじめ行った上で安全な場所へ誘導すること、あるいは、一時滞在施設において、待機スペースの一部を優先的に用いること、あるいは、自力での徒歩帰宅が困難な要配慮者を対象として、バス等による搬送を検討することということで、例えば特別搬送につきましては、障害者、高齢者、妊婦または乳児連れの人、遠距離通学の小学生などを対象とするということを基本とするというようなオペレーションについての検討を行っているところでございます。 ○小宮山委員 本当に、今までの経験を生かし、さまざまな技術や方法等、大変研究をされ、そして進捗状況というのは大変わかりました。  また、障害者、難病の方々、ふだん接しないところが大変出てくる、数は少ないかもしれないけれども、そういった場合、やはり、お互いがしっかりと防災のときに備えをする、精神的にもそうかもしれません、防災訓練というものも大変重要かと思います。  これは、障害をお持ちの方とか、高齢者の方々、おみ足の悪い方々、自主防災で、地域では訓練をされることもあるかもしれません。しかし、現実にそういった方々が自主的に出てきているのかというとまた違う。また、都心などでやった場合は、自分の住んでいるところで防災訓練をしていても、それとは違う状況で被災をされた、そういった方を見かけたといったときに手助けをするという意味では、両方の意味で重要かと思います。この点に関しまして、どのような、啓蒙活動を含めまして、されているのか、お聞かせください。 ○日原政府参考人 お答えいたします。  災害時に住民の方々に適切な避難行動をとっていただくためには、避難訓練を定期的に実施することは大変有効でございます。その中で、障害者等の災害時要援護者の方々に訓練に参加していただき、避難支援対策の整備を図ることは極めて重要でございます。  このため、平成二十五年度の総合防災訓練大綱では、避難所への避難誘導、避難所での支援など、障害者等の災害時要援護者の方々の参加を得ながら行う訓練を、地方公共団体等における防災訓練として位置づけております。具体的な取り組み事例として、例えば、北海道札幌市の町内会、あるいは山形県上山市の社会福祉法人等で災害時要援護者避難訓練が実施されているというふうに伺っております。  今後とも、そういった災害時要援護者の方々の参加を得て行う訓練の実施について、ぜひ働きかけてまいりたいというふうに思っております。 ○小宮山委員 最後の質問の方になってまいりました。  災害地では、本当に、ことしも多く出動していただいております消防団や消防職員、自衛隊派遣、また国土交通省からTEC―FORCE、また災害派遣医療チーム、DMATによる医療活動も大きな助けになっているかと思います。大変、この点に関しましては、これからさらに頑張っていただきたいと思います。  ただ、初動で、DMATに関しましては、四十八時間以降では対応し切れないといった声も聞いておりました。これに改善された点があれば聞かせていただきたいのと、大臣には、ぜひ最後、やはり医療的な支援や、特殊なというか特別に、さらなる知識が必要な、対応が必要な障害者や難病の方々、今後どのように、本当に、命を救えるものをどうやってふやしていくのか、発災後にどうするべきなのか、その点、御見解があれば、あわせて聞かせていただきたいと思います。 ○古屋国務大臣 今委員御指摘の、災害時の要援護者等の皆様に対する支援、これはもう、災対法の改正、あるいは今度の見直しの中でも、きめ細かに対応していこうということでございます。  要するに、起こり得る現象というものの全てを想定して、それに対して、今まで設定をしていなかった項目に対しても、できるだけそういったものを想定して対応していく、これに尽きると思います。いわゆる社会的弱者、要援護者という方々に対する支援策も徹底してまいりたい、こういうふうに思っております。 ○神田政府参考人 済みません、大臣の前にお答えすべきだったと思いますけれども、DMAT等の改善についてだけ御説明させていただきます。  確かに、東日本大震災では、従来想定されていたような外傷等が少ない一方で、慢性疾患への対応が必要になった、あるいは活動時間が四十八時間を超えたというような問題がございましたので、活動要領を改正いたしまして、現地の医療ニーズに対応して、慢性疾患にも柔軟に対応することができるように改正をいたしております。  それから、活動期間が一週間など長期に及ぶ場合には、第二次隊、第三次隊を派遣する。それからまた、日本医師会の災害医療チーム、JMATなどの医療チームや地域の医療機関に、被災住民に対する医療を引き継げるようになるまでは活動を行うというような、その終了の時期も明確にしたところでございます。  それから、難病や人工透析の患者さんについてでございますけれども、人工透析の患者さんについては、厚生労働省の防災業務計画の中におきまして、日本透析医会の災害時情報ネットワークシステムを活用しまして、どこの医療機関が受け入れられるかということを確認していただいて人工透析の確保を図るということにしております。  また、人工呼吸器をつけている難病の患者さん等につきましては、こうした患者さんを抱えている医療機関において、災害時にこれらの患者の搬送先等について計画をあらかじめ策定しておきまして、県の方でこの計画の策定状況も確認していただくというようなことを指導しているところでございます。 ○小宮山委員 丁寧に回答をありがとうございます。  都道府県の方から情報提供を求められたらできるというように基本法はなっていたかと思いますが、ぜひ、さらなる連携をしていただいて、多くの方が早急に居場所が確認できて、そして対応ができるような計画をこれからもつくり続けていただければと思います。  以上で終わります。ありがとうございました。 ○坂本委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時十二分休憩