2011年4月13日 東日本大震災に関し更に取り組むべき緊急事項 各党・政府震災対策合同会議 1.被災者対応をきめ細かく行うこと。 ○ 自宅避難者・自主避難者も含め、日々変化する避難所の数・人数の現状把握に努め、食糧・物資の提供など的確・迅速な対応を行うこと。 ○ 避難所の安全確認はもとより、医療サポート、風呂・授乳室・更衣室・トイレ・換気設備の設置、プライバシーの確保、相談窓口の設置等、被災者目線に立って避難所の機能強化を図ること。特に被災地における上下水道の復旧を急ぎ、衛生環境の改善・感染症の蔓延予防に努めること。 ○ 県外の避難者を受け入れている自治体にかかる費用については、実質的に国費で負担すること。 ○ 新学期の開始にあたり、避難を余儀なくされている子どもたちが学校で学ぶことができるよう、国は就学環境の整備について全面的にバックアップすること。 ○ 被災地に支援に入っておられる様々な方々の作業環境についても十分に留意すること。 ○ 一刻も早く被災者の手元に義捐金を届けるようにすること。 ○ 被災者生活再建支援法にもとづく支援制度の拡充・強化を検討すること。なお、基礎支援金の支給を早急に行うこと。 ○ 「災害弔慰金の支給等に関する法律」にもとづく弔慰金等の支給を迅速に行うこと。 2.被災者の住まいの確保を早急に行うこと。 ○ 高台などの安全な地域を早急に確保し、民有地の積極的活用を図るなどにより、仮設住宅の建築を急ぐこと。自治体との協議を進めつつ、5月末までを目途に避難所から仮設住宅等への移住が完了するように、国として最大限努力すること。また、全国の公営住宅や民間賃貸住宅、善意の民間団体による提供住宅等を活用するため、需給を正確に把握する体制を整えるとともに、その周知を図り、所要経費は実質的に国費で負担すること。 3.燃料(特にガソリン)を被災地に行き渡らせること。 ○ 東北地方への燃料(ガソリン・灯油・軽油・重油)供給事情は改善しつつあるものの、今なお被災地全体に行き渡っているとはいえない。燃料が行き渡ることが被災地における生活の根本にかかわる問題であることに鑑み、不足している地域、不足量をきめ細かく把握するとともに、石油精製・流通事業者等を強力に指導し、国主導で被災地のすみずみまで燃料を行き渡らせるようにすること。 4.被災中小企業、農林水産漁業者への対応をきめ細かく行うこと。 ○ がれき処理(海のがれき処理を含む)を迅速に行うとともに、これらをはじめとする復旧事業について、被災企業への優先発注と被災者の一時雇用を行うなど、被災地での雇用確保に努めること。 ○ 中小企業・農林水産漁業者等に対する信用保証や公的融資につき、利用枠の拡大、金利引き下げ(無利子融資を含む)、返済猶予など、さらに充実した、抜本的な震災対策金融制度を構築すること。 ○ 大震災の影響による全国的な景気の落ち込みに対応し、全国の中小企業者等の資金繰りに万全を期すこと。 ○ 津波被害による塩害対策や灌漑施設の地盤沈下等に対応し、農地の復旧や新施設の設置について特段の支援措置を講じること。 ○ 壊滅的被害を被った水産・漁業の再生について特段の支援措置を講ずること。 5.原発事故への対応に全力を尽くすこと。 ○ 原子炉の安定及び放射性物質の拡散防止の為に、世界の知恵を結集して政府は総力をあげて対応すること。 ○ 今後の収束の見通し(考えられるステップ等)を示すこと。 ○ 現場の作業員について十全な健康管理及び線量管理に努めるとともに、食事や休息などの環境を整えること。 ○ 国内全ての原子力発電所について、万が一の事態の際の原子炉冷温停止・使用済み燃料安定化のための手順確認、総点検を行うこと。 ○ 実務者会合において種々の議論があった屋内退避圏(20km〜30km)に関しては、食料・物資供給、生活の支援等について国が責任を持って対策を講じること。また自主避難を希望された場合の援助について、万全を期すこと。 ○ 「計画的避難区域」「緊急時避難準備区域」の設定にあたっては、関係自治体や住民の方々に混乱が生じないよう、十分かつ丁寧な周知・説明を行うこと。 ○ 農作物・食品・水道水についての暫定基準値、摂取制限、出荷制限基準のあり方について、科学的知見に基づき適切な見直しを検討すること。また国民への説明は省庁の縦割りではなく一元的に行うよう努めること。 ○ 原子力損害賠償法による枠組みの徹底活用、さらには追加的措置も含め、出荷停止になっている農畜産物などに対する補償の方針を早急に示すこと。東電の賠償責任は前提としつつ、国主導で先ずは一時金の支払いを早急に行うこと。 ○ 出荷停止措置を受けていないものの、自主的な生産・出荷停止を行っている生産者等や、風評被害を被った生産者等に対する補償措置・融資について、政府の明確な方針を早急に示すこと。また、農水産物以外の観光・サービス・製造業等への風評被害を被った関係者に対する補償措置・融資についても、政府の明確な方針を早急に示すこと。 ○ 風評被害を最小限に抑える為、調査によって基準値以内であると判明した農水産物等については、速やかに安全であることを公表すること。 6.被災自治体のバックアップ体制を早急に確立すること。 ○ 被災県庁および市町村役場においては、機能を滅失あるいは大幅に低下しており、他自治体からの支援やOBの活用等により、強力なバックアップ体制を早急に確立すること。また被災自治体への財政支援に万全を期すこと。 7.被災者支援・復旧・復興にかかる今後の見通し・展望を明らかにすること。 ○ 放射性汚染水の海への放出については、国内(特に漁業者)はもちろんのこと、海外についても影響が及ぶことに鑑み、国内外の関係者に対する事前の通知と丁寧な説明に留意すること。 ○ 我が国に対する無用の風評被害を払拭するため、とりわけ海外メディアに対しては、通常の英語会見のみならず、オピニオンリーダーに対する丁寧な説明など、戦略的な広報を行うこと。 ○ 被災者支援・復旧・復興にかかる法整備や、体制整備を急ぎ、今後の見通し・展望を明らかにすること。 ○ 当面の復旧を迅速に進めるため、平成23年度補正予算案の早期編成をはかること。 以上